ホームページの閲覧数より、私は「刺さっているか」を見てほしいのです
工務店のホームページ改善に関するコラムで、集客改善にまず着手すべきは閲覧数(PV)を増やすことではなく、反響率(CVR)を上げることだ、という指摘を読みました。同じ1,000PVでも、反応率を0.1%から0.2%に改善できれば、単純計算で集客効果は2倍になる。広告費をかけてアクセスを増やすより、今来ている人にきちんと響いているかを見直す方が、はるかに効率がいいという話です。私はこの指摘に強く共感しました。多くの工務店は、見てもらう「数」を追うことに必死で、見た人の心にどれだけ刺さっているかを、あまり検証していないように思います。

枚数を配ることに必死だった、あの頃の自分
こう思うのは、私自身の前職での経験があるからです。東日本ハウス時代、茨城県南部の展示場で働いていた頃、私は駅前でのチラシ配りを担当することがよくありました。当時の目標は、決まって「今日何枚配れたか」という枚数でした。多く配れば配るほど、反響も増えるはずだという単純な発想です。ところがある月、先輩が作った、たった数百枚しか配らなかった手作りのチラシが、私が数千枚配った既製のチラシよりも、はるかに多くの反響を集めたことがありました。
先輩のチラシには、地域の子育て世代に向けて、収納の悩みに寄り添った具体的な文面が書かれていました。私が配っていたチラシは、会社のロゴと価格帯を並べただけの、いわば「量産型」のものでした。枚数では圧倒的に私の方が多かったのに、実際に問い合わせにつながったのは、先輩のチラシの方でした。あのとき私は、配る枚数を増やすことと、受け取った人の心に残ることは、まったく別の努力なのだと思い知らされました。ホームページの閲覧数と反響率の関係も、これとまったく同じ構造なのだと思います。
悔しさから、私は先輩にチラシの作り方を尋ねたことがあります。返ってきた答えは拍子抜けするほどシンプルで、「配る前に、自分の奥さんに読んでもらって、響くかどうか聞いただけだよ」というものでした。会社の中だけで完結させず、実際に受け取る側の感覚を一人でも確かめる。その一手間があるかないかが、何千枚配るかよりも大きな差を生むのだと、あのとき初めて理解しました。
とはいえ、閲覧数を増やす努力が無駄というわけでもありません
一方で、閲覧数を増やす努力そのものが無意味だとは思いません。どれだけ内容が優れていても、そもそも見てもらえなければ意味がないのも事実です。広告やSEOでアクセスを増やす努力と、来てくれた人の心に響く内容を磨く努力は、どちらか一方で済む話ではなく、両輪で進めるべきものだと思います。
ただ、多くの工務店にとって、広告費をかけてアクセスを増やす方が、行動として分かりやすいのだと思います。お金を払えば数字が動くからです。一方、反響率を上げるための工夫は、地道で、効果もすぐには見えにくい。私はコミュニティビルダー協会の活動を通じて、ホームページのリニューアルにあたり、広告予算を増やす前に、まず既存のアクセスに対する反響率を半年かけて改善した工務店の話を聞いたことがあります。効果が数字に出るまでには時間がかかり、社内から「本当に意味があるのか」という声も出たそうですが、経営者は焦らずに検証を続けたといいます。トップページの一番上に載せる写真を、施工事例の外観写真から、暮らしている家族の後ろ姿の写真に変えただけで、問い合わせ数が目に見えて増えたそうです。広告費を一円も増やさずに、です。建物の立派さを見せるより、その中でどんな暮らしが待っているかを想像させる方が、お客様の背中を押すのだと、その経営者は話していました。

