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MBO・EBOで事業承継!工務店の新たな選択肢

公開日: : 最終更新日:2025/09/28 工務店 経営

工務店経営者の皆様、日々の業務に邁進される中で、「この事業を誰に引き継ぐか」「会社の未来をどう描くか」といった事業承継の課題に直面されていませんでしょうか。少子高齢化、後継者不足が進む現代において、従来の親族内承継や外部への売却だけでは解決できないケースが増えています。

しかし、諦める必要はありません。従来の枠にとらわれない新たな選択肢として、MBO(マネジメント・バイアウト)EBO(エンプロイー・バイアウト)といった手法が注目を集めています。これらは、現在の経営陣や従業員が主体となって会社の株式を買い取り、事業を引き継ぐという、非常に実践的な事業承継の形です。

この記事では、「MBO・EBOという言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどうすればいいのか分からない」「自分の工務店にも適用できるのだろうか」といった皆様の疑問に対し、実践的かつ具体的な手順で徹底解説します。

本記事を読み終える頃には、MBOやEBOが単なる言葉ではなく、皆様の工務店の確かな未来を築くための具体的なロードマップとして理解できているはずです。新たな事業承継の形を学び、貴社の持続的な成長と発展を実現する第一歩を踏み出しましょう。

MBO/EBOの基礎理解と工務店における実践的導入戦略

まずは、MBOやEBOという概念を正しく理解し、ご自身の工務店にどのように適用できるのかを深く掘り下げていきましょう。一般的な知識に留まらず、工務店特有の事情を加味した実践的な視点から解説します。

MBOとEBOとは何か?工務店経営者が知るべき基本と違い

MBO(Management Buy-Out)とは、現在の会社の経営陣が、自社の株式を既存の株主から買い取り、会社の所有権を取得する事業承継の手法です。これにより、経営陣が同時にオーナーとなることで、より迅速かつ大胆な意思決定が可能になり、会社の変革を強力に推進できます。これは、特に後継者はいるものの、株式の集約や経営の強化を図りたい場合に有効な選択肢です。

一方、EBO(Employee Buy-Out)は、従業員(または従業員グループ)が自社の株式を買い取り、経営権を取得する事業承継の手法です。これは、特に現在の経営陣の中に承継に適任者がいない場合や、従業員全体のモチベーション向上を狙う場合に有効です。工務店においては、長年会社を支えてきた現場のベテラン職人や、次世代を担う若手社員が主体となるケースが考えられます。

両者の共通点は、外部の第三者ではなく、社内の人間が承継の主体となる点です。これにより、会社の理念、技術、顧客との関係性といった目に見えない資産(のれん)をスムーズに引き継ぎ、事業の連続性を保ちやすいという大きなメリットがあります。

工務店でバイアウトが「最適な選択肢」となる理由とメリット

なぜ工務店において、これら社内承継の手法が最適な選択肢となり得るのでしょうか。その理由と具体的なメリットを解説します。

  • 企業文化と技術の継承:工務店は、長年の経験で培われた独自の技術や品質基準、職人気質といった企業文化が非常に重要です。社内の人間が承継するため、これらを熟知した経営陣や従業員が引き継ぎ、外部の企業に売却するよりも、スムーズに継承し、企業価値を維持・向上させることができます。
  • 顧客・取引先との関係維持:地域密着型の工務店にとって、長年にわたる顧客や取引先との信頼関係はかけがえのない資産です。社内の人間が事業承継することで、既存の関係性が途切れることなく、安定した事業運営が期待できます。これは、特にリピートや紹介が事業の基盤となる工務店にとって非常に大きな利点です。
  • 経営の安定と従業員のモチベーション向上:外部からのM&Aでは、買収後にリストラや異動が行われるリスクがありますが、社内承継ではその可能性が低く、従業員は安心して現在の職場で働き続けることができます。また、自らが会社のオーナーとなることで、経営陣や従業員の主体性が高まり、一体感のある組織づくりに繋がります。
  • 経営の自由度と迅速な意思決定:外部資本が主導する場合と比較して、社内承継であるため独自の経営戦略を維持しやすく、市場の変化や顧客ニーズに合わせた迅速な意思決定が可能になります。これは、多様な案件を抱え、フットワークの軽さが求められる工務店ならではの強みとなり得ます。
  • 売り手(現経営者)の安心感:苦楽を共にしてきた従業員や経営陣に会社を託すことは、現経営者にとって大きな安心感に繋がります。会社の未来を信頼できる人々に委ねることで、引退後の充実した生活にも繋がりやすくなります。

バイアウトを検討する「初期プロセス」:成功への第一歩

MBOやEBOを本格的に検討する前に、下記の初期プロセスを踏むことが成功への大切な第一歩となります。

  1. 現状把握と目的の明確化
    まず、貴社の財務状況、組織体制、保有技術、顧客基盤といった現状を正確に把握しましょう。どの部分が強みで、どの部分に課題があるのかを洗い出します。同時に、なぜ社内承継を選択するのか、事業承継を通じて何を達成したいのか(例:会社の永続、従業員の雇用維持、特定の技術継承)を明確にすることが重要です。

  2. 承継候補者の選定と意向確認
    MBOであれば現経営陣の中から、EBOであれば従業員の中から、事業承継の意思と能力のある候補者を選定します。その際、必ず本人たちの意向を確認し、経営者としての資質やリーダーシップの有無、事業への情熱を見極めることが肝要です。「この人になら任せられる」という信頼関係を築くことが、後のプロセスを円滑に進める上で不可欠です。

  3. 専門家への相談と情報収集
    MBOやEBOは専門的な知識を要する複雑なプロセスです。M&Aアドバイザー、税理士、弁護士などの専門家に早い段階で相談し、法務、税務、財務面でのアドバイスを受けることが非常に重要です。彼らの知見は、計画策定から実行まで、多くの局面で失敗を避けるための道しるべとなります。

  4. 関係者への初期説明と理解促進
    現経営者、承継候補者、そして主要な従業員に対して、MBOやEBOがどのようなプロセスであるか、そのメリットと課題を初期段階で共有し、理解を深めてもらうことが大切です。透明性を持って情報を開示することで、社内外の協力体制を築きやすくなります。

事業承継×MBO/EBO:成果を最大化する具体的な取り組みとFAQ

MBOやEBOによる事業承継は、計画的に進めることでその成果を最大化できます。ここでは具体的な手順をステップ形式で解説し、工務店経営者が抱きがちな疑問にもお答えします。

MBO/EBOによる事業承継の「具体的な実行ステップ」

MBOやEBOを成功させるための具体的な実行ステップは以下の通りです。

  1. ステップ1:MBO/EBO計画の策定とチーム編成
    承継候補者を中心に、詳細な計画を策定します。これには、今後の事業戦略、収益予測、成長戦略を含む事業計画書、そして資金調達計画、組織体制の再編計画などが含まれます。工務店の場合、特に「どのような技術・ノウハウを継承し、それをどう事業に活かすか」「職人不足への対応」「DX推進の計画」といった点が重要です。また、この段階で、プロジェクトを推進するチーム(内部メンバーと外部専門家から成る)を編成し、各員の役割を明確にします。

  2. ステップ2:資金調達戦略の立案と実行
    MBOやEBOにおける最大の課題の一つが、株式取得のための資金調達です。具体的な調達方法は複数あります。

    • 金融機関からの融資:銀行や信用金庫などから「MBO/EBOローン」として融資を受けるのが一般的です。事業計画の実行可能性や返済能力が審査されます。
    • ベンチャーキャピタル(VC)やファンドの活用:成長性のある工務店であれば、VCやPEファンドが投資を行う可能性もあります。ただし、経営への関与を求められる場合があるため注意が必要です。
    • 公的支援制度の活用:中小企業の事業承継を支援する国の補助金や融資制度(例:事業承継・引継ぎ補助金、日本政策金融公庫の各種融資)も検討対象です。
    • 現経営者からの貸付・売掛金相殺:一部を現経営者からの貸付として賄ったり、退職金を株式代金に充当したりするケースもあります。

    複数の選択肢を組み合わせる「メザニンファイナンス」も有効です。資金調達は社内承継の成否を分ける重要事項であるため、早い段階で専門家と綿密な計画を練りましょう。

  3. ステップ3:企業価値評価(株価算定)と交渉
    現行の株主から株式を買い取るため、適正な企業価値評価(株価算定)が必要です。これは、税理士や公認会計士といった専門家が行います。純資産法、収益還元法、DCF法など、複数の評価方法を組み合わせて算出します。算定された株価をベースに、現経営者と承継候補者間で売買条件の交渉を行います。この段階でも、専門家が客観的な立場で交渉をサポートし、双方にとって公平な合意形成を目指します。

  4. ステップ4:法的手続きと契約締結
    株式譲渡契約書の作成、取締役会の承認、債権者保護手続き、登記変更といった法的手続きを進めます。弁護士と連携し、漏れがないよう慎重に手続きを進めることが不可欠です。特に工務店の場合、建設業許可の承継や各種許認可の変更手続きも伴うため、行政書士などの活用も視野に入れるべきです。全ての条件が合意に至れば、最終的な契約を締結し、株式を取得します。

  5. ステップ5:MBO/EBO後の組織再編と移行期間のマネジメント
    MBOやEBOが完了した後も、事業承継は継続します。新体制へのスムーズな移行を促すため、組織構造の見直し、新たな事業計画の実行、従業員への説明、そして現経営者から新経営者への実務引継ぎ(顧客紹介、現場との連携方法、資材調達ルートなど)を丁寧に実施します。一般的には、数ヶ月から数年にわたる「移行期間」を設け、現経営者が顧問として新経営者をサポートすることが多いです。この期間における効果的な連携が、事業承継の真の成功を決定づけます。

専門家の活用「成功への鍵」

MBOやEBOによる事業承継は工務店経営者だけでは非常に難易度が高いプロセスです。以下の専門家を適切に活用することが、成功への鍵となります。

  • M&Aアドバイザー/事業承継コンサルタント:社内承継全体の戦略立案、候補者選定、資金調達のサポート、交渉調整役として全体をリードします。工務店の業界知識がある専門家を選ぶと良いでしょう。
  • 税理士/公認会計士:企業価値評価(株価算定)、税務アドバイス(株式譲渡税、相続税対策など)、財務デューデリジェンス(財務調査)を担当します。承継後の財務計画の相談にも乗ってくれます。
  • 弁護士:株式譲渡契約書や各種合意書の作成・レビュー、法務デューデリジェンス(法的調査)、債権者保護手続きなど、法的な側面を全て担当します。
  • 金融機関:資金調達の相談先として最重要です。MBOやEBOのスキームに理解のある担当者を見つけることが大切です。
  • 社会保険労務士:MBOやEBO後の人事制度の見直しや、従業員の雇用条件変更など、労務関係の専門家としてサポートします。

工務店のMBO/EBOに関するよくある疑問(FAQ)

MBOやEBOを検討する工務店経営者からよく寄せられる疑問とその回答をまとめました。

Q1: MBOやEBOはどれくらいの期間がかかりますか?
A1: プロセス全体にかかる期間は、会社の規模や複雑さ、準備状況によりますが、一般的には半年から1年半程度が目安となります。資金調達や株価交渉が難航すると、さらに時間がかかることもあります。計画性とスピード感を持って取り組むことが重要です。
Q2: 資金調達が難しい場合、社内承継を諦めるべきでしょうか?
A2: 必ずしも諦める必要はありません。現経営者からの株式を段階的に譲渡する、一部を現経営者からの貸付とする、私的機関投資家からの出資を募るなど、条件次第で様々な資金調達の選択肢が考えられます。専門家と協力し、多角的な視点から資金調達戦略を検討しましょう。
Q3: 株価算定はどのように行われますか?交渉は難しいですか?
A3: 株価算定は、税理士や公認会計士が客観的な評価方法(純資産法、収益還元法、DCF法など)を用いて算出します。交渉は、売り手と買い手の双方に有利な条件があるため、意見が対立することもあります。公平な合意点を見つけるために、第三者であるM&Aアドバイザーが介在し、調整役を担うことが一般的です。
Q4: MBOやEBO後、現経営者はどう関わるのが理想的ですか?
A4: 理想的には、現経営者は一定期間(数ヶ月〜数年)顧問や相談役として新経営者をサポートし、円滑な引継ぎを行うことです。顧客紹介、主要取引先への挨拶回り、技術・ノウハウの伝授など、新体制の安定化に貢献します。ただし、新経営者の自律的な経営を尊重し、過度な干渉は避けるバランスが重要です。
Q5: 従業員の反発は起こりませんか?
A5: MBOやEBOは社内の人間が承継するため、外部売却に比べて従業員の反発は少ない傾向にあります。しかし、不透明な状況は不安を招きます。計画の初期段階から、目的やメリット、今後の展望について従業員に丁寧に説明し、理解と協力を得ることが不可欠です。透明性のあるコミュニケーションを心がけましょう。

MBO/EBOによる事業承継を継続的に成功させるための「次の一手」

MBOやEBOが完了したからといって、事業承継が終わるわけではありません。むしろ、ここからが新経営陣による本番です。承継後の工務店が持続的に成長し、新たな価値を創造していくための「次の一手」を具体的に解説します。

バイアウト後の経営戦略:持続的成長のための基盤づくり

新体制における経営戦略は、MBOやEBOによる事業承継の真価を問うものです。以下の点に重点を置き、持続的成長の基盤を築きましょう。

  1. 新たなビジョンとミッションの明確化
    旧体制の理念を尊重しつつも、新経営陣のリーダーシップのもと、工務店としての新たなビジョンとミッションを再定義します。「どのような工務店を目指すのか」「顧客にどのような価値を提供するのか」を明確にし、従業員全員で共有することで、一体感を醸成し、共通の目標に向かって努力する原動力とします。

  2. 事業計画の実行と見直し
    MBOやEBO時に策定した事業計画を実行に移します。定期的に進捗を確認し、市場の変化や実績に応じて柔軟に見直すことが重要です。特に工務店は、建築トレンド、資材価格の変動、人手不足など、外部環境の変化に大きく影響を受けやすいため、常にアンテナを張り、迅速に対応できる体制を整える必要があります。

  3. 組織体制の最適化と人材育成
    新経営陣によるリーダーシップを発揮できるよう、組織構造を見直します。権限委譲を進め、各部署や個人の責任範囲を明確にすることで、効率的な業務運営を促進します。また、次世代を担う技術者や現場リーダーの育成は、工務店の将来を左右する重要な課題です。計画的なOJTやOff-JTを通じて、従業員のスキルアップとキャリアパス支援を行いましょう。

  4. 財務基盤の強化とリスク管理
    資金調達による負債がある場合、計画通りに返済を進めつつ、新たな資金繰り計画を策定します。キャッシュフローの健全性を維持し、安定した財務基盤を築くことが不可欠です。また、自然災害、資材調達のリスク、競合の激化など、工務店特有のリスクに対するマネジメント体制(保険、危機管理計画など)を強化しましょう。

バイアウト後の「成功事例」に学ぶ、継続的改善のヒント(架空事例)

架空の事例を通じて、MBOやEBO後の継続的改善策と成功のヒントを見ていきましょう。

事例:地域密着型工務店「株式会社匠建」の再生と発展

創業50年を迎える地域密着型の工務店「株式会社匠建」は、高齢の社長(70代)が引退を考えていましたが、親族に後継者がいませんでした。そこで、長年現場を支えてきた現場監督と営業部長の2名が共同でMBOを実施することに。金融機関の融資と現社長からの株式譲渡時に一部を自己資金で賄う形で、無事に事業承継が完了しました。

MBO後の「匠建」は、以下のような改革を進め、見事に再生と発展を遂げました。

  • 顧客ニーズの再定義とターゲット層の拡大:従来の注文住宅に加え、若い世代からのリノベーション需要に着目。デザイン性と機能性を兼ね備えたリノベーションブランドを立ち上げ、新たな顧客層を獲得。
  • DX推進と業務効率化:現場管理システムやCADソフトの導入により、図面作成から工程管理までをデジタル化。情報共有のスピードアップとミスの削減を実現し、残業時間を大幅に削減。
  • 職人との協業体制強化:協力業者との定期的なミーティングを設け、技術交換会も開催。職人たちの意見を積極的に経営に取り入れることで、現場のモチベーションと品質が向上。若手職人の育成にも現場監督経験者がリーダーシップを発揮。
  • ブランディング強化とSNS活用:自社の強みである「地域材を活用した高性能住宅」を前面に出し、ホームページとSNSで施工事例や職人のこだわりを発信。地域メディアからの取材も増え、問い合わせが倍増。
  • 継続的な勉強会と外部研修への参加:新技術や最新の建築基準に対応するため、月に一度の社内勉強会と、外部の専門家を招いての研修を義務化。常に知識と技術のアップデートを促し、競争力を維持。

この事例から学ぶことは、MBOやEBOはあくまで事業承継の手段であり、その後の経営努力こそが成功の鍵を握るということです。積極的に変化を取り入れ、柔軟な経営姿勢を保つことが、持続的な成長に繋がります。

リスクマネジメントと未来への準備

MBOやEBO後の工務店経営には、様々なリスクが伴います。これらを事前に想定し、適切な対策を講じることが重要です。

  • 後継者リスクの再発防止:社内承継によって一時的に解決しても、数十年後にはまた同様の事業承継問題が発生する可能性があります。計画的な人材育成と、常に次世代リーダー候補を視野に入れた組織運営を心がけましょう。
  • 経済変動リスクへの対応:景気変動、金利上昇、資材価格の高騰など、工務店の収益を圧迫する外部要因は常に存在します。複数の収益源を確保する、コスト削減策を常に見直す、リスクヘッジのための金融商品を検討するなど、財務的なレジリエンス(回復力)を高める施策が必要です。
  • 技術革新への対応:建築技術は日進月歩です。省エネ住宅、スマートハウス、耐震技術の進化など、最新の技術トレンドを常にキャッチアップし、積極的に導入することで、市場での競争力を維持・向上させることができます。
  • 法規制の遵守と変化への対応:建築基準法、宅地建物取引業法、労働基準法など、工務店が遵守すべき法規制は多岐にわたります。法改正の情報を常に収集し、適切な対応をとることが、コンプライアンスリスクを回避する上で不可欠です。専門家との連携を密にし、最新の情報を得るように努めましょう。

これらのリスクを適切に管理し、未来の変化に備えることで、MBOやEBOによって得られた事業の永続性を確固たるものにすることができます。

まとめ

工務店経営者の皆様、ここまでMBOやEBOによる事業承継の基礎から具体的な実行ステップ、そして承継後の発展戦略までを詳しく解説してまいりました。多くの工務店が直面する後継者問題に対し、これら社内承継の手法は、長年培ってきた技術、文化、そしてかけがえのない顧客との関係性を社内に引き継ぎ、未来へと繋ぐための非常に有効な選択肢であることがご理解いただけたかと思います。

本文で提示したステップごとの具体的なアクションプランは、決して簡単な道のりではありません。資金調達、株価交渉、法的手続きと、専門的な知識と周到な準備が求められます。しかし、現経営者様の「会社を存続させたい」という強い想いと、新経営陣の「事業を成長させたい」という情熱が合わされば、これらの課題は必ず乗り越えられます。専門家の知見を借り、チーム一丸となって取り組むことで、貴社の事業承継は現実のものとなるでしょう。

MBOやEBOは、単に経営者が変わるだけでなく、組織全体の活性化、従業員のモチベーション向上、そして新たな企業文化の創造へと繋がる可能性を秘めています。この記事で得た知識を羅針盤に、ぜひ具体的な検討を開始してください。一歩踏み出すその勇気が、貴社の、そして従業員とその家族の豊かな未来を築く礎となります。工務店の新たな時代を、皆様の手で切り拓いていくことを心から応援しております。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

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