リファラル採用で質の高い人材を確保する工務店
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工務店 経営
工務店経営者の皆さま、多くの方が「人材不足」「若手採用の難しさ」「辞めない人材の見極め」など、採用にまつわる悩みを日々感じておられるのではないでしょうか。多様化し続ける住宅業界の現場で、従来の求人活動だけでは質・量ともに十分な人材を確保することが難しくなっています。そこで今注目されているのが、社員や関係者からの紹介を活用したリファラル採用です。しかし「どのように運用するか具体的に分からない」「本当に応募者が集まるのか?」「トラブルは起きないか?」といった疑問、不安も多いはず。本記事では、採用に悩む工務店がリファラル採用を取り入れ、質・定着率の高い人材をどのように獲得するか、仕組み作りから実行、効果測定、失敗防止策まで徹底解説します。即実践できる具体的なステップと、最新業界事例を交えてご紹介しますので、ぜひ今日からの採用活動にご活用ください。
リファラル採用の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで
採用力の差が、今後の工務店経営の明暗を分ける時代――。ここでは、リファラル採用の基本から工務店現場での適用、具体的な導入手順や注意点までを網羅的かつ実践的にご紹介します。
1.リファラル採用とは何か?工務店でなぜ注目されているのか
リファラル採用とは、既存社員やその関係者から「信頼できる知人・友人」を紹介してもらい、会社の新たな仲間として迎える採用方法です。その強みは、求人媒体や人材紹介会社に頼る採用と比べて、自社の文化や現場理解にマッチした人材を得やすく、また紹介者が関わることで入社後の定着率も高まりやすい点です。特に現場力と人間関係が重視される工務店において、リファラル採用は「実務を理解し、長期的に活躍してくれる人材発掘」の手段として益々注目されています。
2.工務店での採用課題と、リファラル採用の実効性
- 従来型の採用(求人紙やハローワーク、Web求人)の限界
- 未経験・転職組よりも、現場を理解した人物が欲しいという現場ニーズ
- 人材流出(早期退職)リスクの高さ
こうした課題に対し、リファラル採用は
・既存社員の信頼関係を活用して”辞めにくい人材”を迎えやすい
・現場のリアルな声や実情を事前に共有しやすい
・採用コストの低減効果も高い
といった点で、他採用方法にない具体的なメリットを備えています。
3.リファラル採用をゼロから立ち上げるステップ
- 目的とターゲットを明確化どの業務・部署に、どんなタイプの人材を何人、なぜ採用したいかを明文化します(例:現場監督職を2名、30代前半、施工管理経験あり希望、など)。
- 社内でリファラル採用の「方向性」を周知・相談経営層と現場のリーダー層で、リファラル採用の意義や目指すゴール、期待する人物像などを擦り合わせておきます。
- 実施ルールとフローを決定紹介の手順(どこへ、誰に、どんな方法でエントリーしてもらうか)や、紹介インセンティブ、選考フロー(書類・面接・現場見学等)をシンプルに設計します。
- 全社員向け説明会・ガイダンスの実施「なぜ今リファラル採用に本気なのか?」を丁寧に説明し、社員が自信を持って紹介できるようサポート(例:手軽な候補者推薦フォームを用意)。
- 紹介獲得のための定期的フォロー・現場サポート「紹介して終わり」ではなく、進捗報告やフィードバックを密に行い、紹介数アップや応募者の不安解消にも努めます。
4.失敗しやすいポイントと実践ワンポイントアドバイス
- 「インセンティブ(紹介謝礼)」の名目だけで導入しても、制度が定着しない場合があります。
⇒あくまで“会社の未来を一緒につくる”目的を軸に、信頼感と納得感をもったルール設計を意識しましょう。 - 紹介者と被紹介者(候補者)双方の不安・トラブル防止のため、応募適正(カルチャーフィット)の見極めや、選考過程の丁寧な説明を徹底することが重要です。
- 導入初期は「半信半疑」な社員も多いもの。
⇒経営者自らの現場視察・コミットや、リファラル採用の成功事例の全社共有など、小さな成功を積み上げていくことが大切です。
5.業界事例:多店舗展開工務店でのリファラル採用導入例
東京都内で4拠点を展開するA工務店では、現場管理職の採用難を克服するため、2022年からリファラル採用を本格稼働。全社員向けに精度の高い「紹介リスト」づくりを依頼し、1年間で7名(30代前半~40代)の“現場経験者”を紹介経由で採用。定着率は85%を維持しています。
- 「併用型選考」(紹介でも公正な選考フローあり)
- インセンティブは現金ではなく、成約祝賀会・家族参加型イベントで還元
紹介した社員へのフォローアップや、被紹介者にも現場見学を徹底して実施することで、双方の満足度も高まっています。
採用×リファラル採用:成果を最大化する具体的な取り組み
ここでは、既存の採用活動とリファラル採用を、「両輪」として運用し最大の成果を得るためのアプローチ・取り組みを具体的に解説します。
1.リファラル採用と従来採用をどう組み合わせるか
- 応募経路ごとの強み・弱みを分析例えば求人サイト経由では若手未経験層が集まりやすい、リファラル採用では経験・人柄重視の中堅どころがターゲットになりやすいと、それぞれの特性が異なります。
自社の採用ターゲットを年間計画として分類し、時期や部門ごとに重点を変えてみるのも有効です。 - 選考・育成・定着フローの一本化複数の採用経路が同時進行するなかでも、「入社後の教育」「社内への受け入れ体制」「オンボーディング進行」など、共通する運用基盤を作ることで、人材が馴染みやすくなり、退職率低減や人材価値の最大化に繋がります。
- 工務店独自の”紹介者ブランディング”紹介してくれた社員を積極的に表彰したり、社内外の発信で紹介者の思い・ストーリーを共有することで、「リファラルによる良好なサイクル」が社内文化として定着しやすくなります。
2.リファラル採用が生み出す具体的メリット(数値データ・事例も)
- 採用コストの低減(一般採用経由に比べ、1人あたり30~50%圧縮された事例多数)
- 現場即戦力・経験者比率の向上
- 入社後1年以内の離職率低減(全国調査ではリファラル採用入社者の1年以内定着率は85%前後、通常の採用は約65%との差も)
- 現場や社内の士気向上:「同期入社感」「信頼できる仲間作り」効果
- 紹介者本人の業務モチベーション向上
3.よくある疑問・トラブルへのFAQ
- Q. 特定の社員に紹介が偏りませんか?
- A. 偏りが見られる場合、役職や経歴の異なる社員が「チーム単位」でターゲットリストを作成したり、目標人数を各部門ごとに分散することでバランスよく応募が集まりやすくなります。
- Q. 紹介されたけれど不採用にした場合、社内の雰囲気が悪くなりませんか?
- A. 面接・選考過程では「評価基準の明文化」「フィードバック内容の共有」「お見送り理由の説明」など、丁寧なコミュニケーションを持つことで多くの場合角が立ちません。不採用事例を「なぜその方針なのか」公正に説明できれば大きなトラブルは防げます。
- Q. リファラル採用で、社員の友人や知人ばかりが集まり閉鎖的な組織になりませんか?
- A. 定期的に「新しいネットワーク層」もターゲットに加えたり、社員の家族・取引先への枠拡大、人事担当によるオープンな情報発信を交えることで、多様性・外部性とのバランス維持が可能です。
- Q. インセンティブの金額や内容はどれくらいが適切?
- A. 現場監督・営業職など高度な職種の場合、5万円~10万円前後の「入社時」インセンティブが一般的です。月給上昇や賞与加算、社内限定イベントや旅行など「金銭以外」の報償と組み合わせることで、制度が健全に回る傾向があります。
4.定着率・戦力化を加速させるためのサポート策
- オンボーディングの標準化リファラル入社者でも「事前に現場見学」「作業指示マニュアル」「ロールモデル紹介」「定期フォロー面談」など、体系立った受け入れ体制を整えることが重要です。
- 紹介社員×経営層の”クロストーク”実施月に一度、紹介社員を中心とした現場座談会を設けることで、経営者もリアルな声を直接吸い上げ、制度改善や次なる採用プランに活かすことができます。
- エンゲージメント・組織風土アセスメント定期的な組織診断や“働きがい”アンケートを実施し、社内の雰囲気や不満点を可視化~速やかに対応することで、紹介元社員・リファラル入社者のモチベーション維持につながります。
採用を継続的に成功させるための「次の一手」
リファラル採用の導入と定着に成功したら、さらに工務店の経営基盤を強化するためにはどんな工夫・応用があるのでしょうか。ここでは、中長期的な人材戦略や制度アップデート、効果測定のコツについて解説します。
1.定期的な効果測定とPDCAを回す
- 重要指標(KPI)を可視化応募者数、書類選考・面接通過率、入社者数、入社半年・1年後の定着率、紹介経由入社者の昇進/昇格スピードなどを、採用経路ごとに定期的に集計・分析しましょう。
- アンケートや1on1面談で「生の声」を吸い上げる紹介者・被紹介者双方から運用満足度や課題感を拾い、リアルな課題を次フェーズの施策改善に反映させることが、持続的な成長に繋がります。
- 月次・四半期ごとの振り返り会議経営層・現場リーダー・人事部門で「何が成果につながったか」「課題は何か」をディスカッションし、制度や運用フローをブラッシュアップしましょう。
2.リファラル採用の応用:サプライチェーンや取引先への拡大
- 協力会社(職人・外注先)やサプライヤーのネットワークを活用して、リファラル採用を広げることで、現場を熟知した多様な人材発掘が可能に。
- 業界勉強会・見学会など、社外イベントと組み合わせ潜在的人材にリーチする仕組みも有効です。
3.キャリアパスの多重化による応募力向上
入社後のキャリアパスやスキルアップ制度(施工現場→現場管理→営業サポートへの異動事例など)を策定・発信することで、採用マーケットに対する「自社の魅力」を強力にアピールできます。
「リファラル採用と合わせて、働きやすい成長環境が整備されている」点を、求人票やウェブサイトでも積極的に打ち出しましょう。
4.継続的な採用広報と社内コミュニケーション強化
せっかく制度を導入しても、社員の関心や熱量が下がれば効果も薄れます。
・月1回の社内広報で事例や成功ストーリー発信
・紹介者や被紹介者への社内インタビュー
・全社員巻き込み型の採用ワークショップ
など、持続的な“温度感”の維持に取り組み続けることが大切です。
まとめ
本記事では工務店の採用難を突破するためのリファラル採用導入手法や、成果を出し続けるための応用策を、具体的ステップに沿って解説しました。まずは「何のために、誰に、どのように」を明文化し、経営者・現場・人事部門が一体となった制度設計から始めましょう。そのうえで、応募後の定着支援や制度改善サイクルの運用が、次世代の工務店経営を切り拓きます。「小さく始めて成功体験を積み上げ、大きく発展させる」――リファラル採用の可能性を信じ、一歩踏み出した皆様の未来には、信頼できる仲間・成長意欲にあふれた人材が続々と集うはずです。ぜひ今日から、具体的な実践を進めてみてください。皆さまの採用活動と事業発展を、心より応援しています。
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