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イベントのデータを分析!次なる企画に活かす方法

公開日: : 工務店 経営

工務店が地域で信頼を集め、住まいづくりのパートナーとして選ばれ続けるためには、魅力あるイベントの開催と、その効果的なデータ活用が不可欠です。しかし「イベントを実施しても次にどう繋げればいいのか分からない」「成果をしっかり把握できている気がしない」と感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、イベントを単発で終わらせず、データ活用を通じて次の企画や集客、商談、受注へと結びつけるための具体的なステップを詳しく紹介します。イベント運営のノウハウだけでなく、データの分析・蓄積・活用方法まで網羅。少人数の工務店経営者様でも無理なく実践できるよう、具体的なアクションプランを分かりやすく解説します。「イベントがビジネスにどのように貢献するのか」を知りたい方、今後の戦略を明確にしたい方に、すぐ役立つ内容をご提供します。

データ活用の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

イベントを開催する際に「なんとなく」終わらせてしまっていませんか?集客数やアンケート結果、成約に至った件数など、イベントには多様な「データ」が発生します。これを戦略的に蓄積・分析し、次の企画・販促・接客へ活かすことが、他の工務店と差をつける大きなポイントです。本セクションでは、これからデータ活用を始める方が「どこから・どうやって」スタートすればよいか、分かりやすいステップ形式で解説します。

1. イベントの目的を明確にする

まずは開催するイベントごとに「何を達成したいか」を具体的に設定しましょう。例えば「地元の新規顧客を20組集めたい」「案件発掘につなげる見込み客情報を50件獲得したい」などです。目的が明確になると、データ収集や評価の指標も自ずと決まります。

2. 必要なデータ項目をリストアップ

目的に応じて収集すべきデータを選定します。工務店のイベント例では、以下のような項目がおすすめです。

  • 来場者(世帯主氏名、家族構成、住所、電話番号、メールアドレスなど)
  • 来場動機(どこでイベントを知ったか、何に興味があったか)
  • 具体的な住宅ニーズや将来の計画
  • イベント参加後の感想や希望(アンケート)
  • 当日・イベント後のフォロー状況、成約有無

3. データの収集方法を設計する

ポイントは「現場でムリなく正確に収集できる仕組み」を作ることです。

  • 来場受付でデジタル端末(タブレット)への入力を促す
  • 紙のアンケートを回収し、後日ExcelやGoogleスプレッドシートに手入力
  • イベント専用アプリ(顧客管理システムやクラウドツールを活用)への登録

特に個人情報管理には十分注意し、事前に「個人情報の利用目的」を明示し、活用範囲を参加者に説明しましょう。

4. データを一元管理する

いくつかのイベントや営業活動を続けていくと、バラバラに情報が蓄積されがちです。後から「追客」「効果測定」「リピート企画」などをスムーズに回すためにも、データはなるべく一箇所(例えばGoogleスプレッドシート、あるいは名刺管理クラウド、顧客管理システムなど)にまとめましょう。

5. 分析のための簡単なレイアウトを作成

一元化したデータは、「見やすい・比較しやすい」形に整理しておくのがポイントです。例えば、次のような表でまとめると良いでしょう。

  • イベント名・開催日時
  • 集客数・新規とリピートの内訳
  • 成約数・商談件数・フォロー後の結果
  • 来場者属性(年代・性別・居住エリア)
  • アンケートでの満足度・要望・今後参加希望イベント

こうした基礎データが蓄積できたら、イベントごとに参加者の特徴や、反響が大きかった施策(広告経路、特典、テーマなど)を後から比較しやすくなります。

【Q&A】イベントデータ管理のよくある疑問

Q:顧客管理システムを持っていません。紙やExcelだけで十分ですか?
A:イベントの規模や頻度が限定的であれば、ExcelやGoogleスプレッドシートでも十分です。将来的に件数が増える場合、検索性や営業連携のしやすさから、安価なクラウド型顧客管理ツールの導入を検討しましょう。
Q:小規模イベントだと集まるデータが少なく、分析できるか不安です。
A:一度に多くのデータがなくても、「どんな方が何に興味を持ったのか」という仮説・傾向は明らかになります。継続的にデータが蓄積されることで分析精度も高まるため、まずはスモールスタートで十分です。

イベント×データ活用:成果を最大化する具体的な取り組み

「イベント後、せっかく集めたデータを活かしきれない」という悩みは、工務店経営の現場で頻出する課題です。このセクションでは、表面的な整理だけでは終わらない、実践的な分析・活用・アクションへの落とし込み方を、分かりやすいステップ形式で解説します。さらに、良くある疑問にもQ&A形式で答えます。

6. データをもとにイベントの効果を分析する

収集したデータを活用する際は、次のポイントに着目して分析してみてください。

  • 事前集客(案内)のルート別反応率:チラシ、地域回覧、SNS、ホームページ、紹介など、どこからの流入が最も高かったか
  • 新規・リピート参加者の割合や、集客の地域分布
  • アンケートでの満足度や改善点の傾向
  • イベント後の商談化・成約につながった割合

こうした「数字」と「参加者の声」を組み合わせることで、今後企画するイベントのターゲットや訴求ポイントを明確にできます。

7. 分析結果から次回イベントの仮説・目標を立てる

効果分析で得た気づきをもとに、「次回はターゲットをこう変えてみよう」「集客ルートを重点的にSNSに切り替えてみよう」「家族向け体験コーナーを新たに設ける」といった仮説・目標を立てましょう。

ここで大切なのは「何を根拠にどこを変えるのか」を、メンバー間で明確化し、共有して企画立案することです。

8. 実践的アクションプランの設計・実行

分析や仮説に基づき、改善案をアクションリストに落とし込み、具体的に担当者・期限を決めて動きます。例えば、

  • 新規参加者獲得→SNS広告を実施、地域密着型インフルエンサーとコラボ、WEBサイトのイベントページを刷新
  • 顧客ニーズ深掘り→当日のヒアリング方法を強化、アンケート質問をリニューアル
  • 効果測定→事前登録/当日参加/アンケート回答/成約率のKPI(指標)を設置し毎回チェック

9. イベント後のデータに基づく「フォロー」

参加後のフォローアップは、データ活用の最重要ポイントでもあります。一度限りのコミュニケーションで終わらずに、下記のような具体策を講じましょう。

  • 来場から1週間以内に「お礼状メール」や来場特典、資料送付
  • アンケート結果から個別ニーズに合わせて次のご提案(リフォーム、お得情報、相談会招待など)
  • 定期的な情報発信(ニュースレター、LINE公式アカウント、SNS通知)で関係性を維持

これにより、参加者が「この工務店は親身だ」「情報が役立つ」と感じ、信頼やリピートの促進につながります。

10. 経営課題との接続−上層部へのレポーティング

データを蓄積・分析し仮説・実践・効果検証まで行ったら、経営層やチームメンバーに向けて共有することも不可欠です。ポイントは「数字」だけでなく「参加者の声や意見」「次回改善案」もセットで簡潔に伝えること。イベント後1週間以内など、報告サイクルを決めて続けると、現場の士気向上や次回イベント予算の獲得にもつながります。

【Q&A】現場でよくあるイベント活用の悩み

Q:実際の分析やレポート作成に時間がかかってしまい負担です。
A:イベント直後のアンケート部分だけでも定型フォーマット(Googleフォーム自動集計など)を準備しておくと、シンプルな集計やグラフ化がスムーズです。集計のパターンをテンプレート化し、毎回コピーして使うことで負担軽減が可能です。
Q:個人情報保護の観点が心配…必要な注意点は?
A:個人情報の取り扱いについては「利用目的」を明確に案内したうえで、イベント資料やHP、アンケート用紙に記載しておきましょう。管理は限定メンバーにし、データの持ち出しや不用意な外部共有を避けることも大切です。
Q:少人数体制で実行しきれるか不安です。
A:現場の負担を増やさないためには「最初はシンプルに」「繰り返しやすい仕組みに絞る」ことを意識しましょう。限られた項目のみを集計し都度見直し、徐々に拡張していくことで、少人数でも十分にデータ活用は可能です。

イベントを継続的に成功させるための「次の一手」

一度きりの成果で満足していては、なかなか持続的な成果には繋がりません。これまでのステップを「サイクル」として継続的に回すことで、イベントの集客力や提案力が劇的に向上します。このセクションでは、複数回のイベントを通じて「成果の再現性」を高め、地域で選ばれる工務店となるためのコツと応用策をご紹介します。

1. PDCAサイクルを回す

イベントを回数重ねて開催することでデータが積み上がり、自社特有の「集客・成約パターン」が見えてきます。毎回「Plan(計画)→Do(実行)→Check(分析)→Act(改善)」を意識的に回し、次回企画の質をアップデートしましょう。定例の社内ミーティング等で振り返りを仕組み化するのがおすすめです。

2. データの横断比較でトレンドを発見

過去の複数イベント分のデータを並べることで、「どの時期にどんなテーマが人気か」「リピート参加率の推移」「新しい広告施策の効果」など傾向分析が可能になります。これを企画提案や販促資料に活用すれば、社内外の説明力・説得力が増すでしょう。

3. 成功要因・失敗要因を具体化、ナレッジを共有

イベントごとに「良かった点」「改善点」「想定外だったトラブルや知見」を記録し、ナレッジ共有を意識しましょう。たとえば、「SNSでの事前発信が集客倍増につながった」「当日受付のオペレーションでロスが発生した」など、個別の具体例をまとめておくことで、次回以降に役立ちます。社内共有ツールやマニュアルとして残すのがおすすめです。

4. 顧客との長期関係構築に活かす

一度限りのイベント集客ではなく、データの積み重ねをもとに、ライフタイムバリュー(LTV)の最大化を目指します。たとえば「お子様の成長に合わせたリフォーム相談」「家族のライフイベントに応じた情報案内」など、イベントデータを個別の提案やDM、コミュニティ活動につなげることで、信頼関係が深まり、将来のリピートや紹介受注にも直結します。

5. 社外パートナー・協力業者との連携強化にも活用

例えば「地元の人気飲食店」とコラボしたイベントを実施したり、参加者属性データをもとにメーカーや金融機関とタイアップした新たな企画を打ち出したりすることも、一線を画す成長戦略となります。外部パートナーとのコミュニケーションでも、データに裏打ちされた企画案は交渉の武器です。

【Q&A】イベントの応用活用に関するよくある疑問

Q:繰り返しイベントを行うと、リピーターばかりになり新鮮味が失われませんか?
A:リピーター率や新規参加割合のデータを注視し、ターゲットや開催内容の見直しをサイクルに組み込むことで、“新陳代謝”を維持できます。テーマや告知方法を変える、異業種とコラボする、エリアや時間帯をずらしてみるなど工夫を重ねましょう。
Q:一過性で終わらせない工夫は?
A:イベント後の個別フォローや情報発信(ニュースレター配信、SNSコミュニティ運営など)で長期のタッチポイントを維持します。また、イベントをきっかけに定期相談会やリフォームフェア、現場見学会など新企画につなげていくことも重要です。
Q:社内にデータ分析の得意なスタッフがいません…
A:専門知識がなくても、まずは「項目の可視化」から十分スタート可能です。エクセルやGoogleスプレッドシートには平均やグラフ等の自動分析機能があります。必要に応じて地域の支援機関やITベンダーの無料相談を活用しながら、段階的にノウハウ蓄積を目指しましょう。

まとめ

イベントの成果を本当の意味でビジネスに還元するためには、単なる集客やその場限りの体験で終わらせず、データ活用を通じて「次の一手」につなげることが不可欠です。本記事で紹介した10ステップを実践することで、イベントが単なる費用や工数消費から「経営課題を解決する武器」へ進化していきます。地道なデータ蓄積と分析、仮説検証・改善というサイクルを継続することで、次回以降の企画精度や集客力が着実に高まり、長期の信頼・リピート化も実現可能です。まずは小さなイベントからでも今日できるアクションを一つ始めてください。その積み重ねが、必ずや貴社だけの地域密着型ブランドと成長へとつながっていきます。未来の成功に自信をもって踏み出しましょう。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

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