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従業員を巻き込み、イベントを成功に導く方法

公開日: : 工務店 経営

工務店の経営現場では、集客や認知度向上、顧客満足度の向上といった課題が絶えません。その中で注目されているのが、イベントの開催です。しかし、単にイベントを実施するだけでは期待通りの成果に繋がらず、「どうすれば社内で一体となって成功させられるのか」「従業員巻き込みをどう仕組みに落とし込めるのか」と悩む声が多く聞かれます。この記事では、イベントの威力を最大化するための従業員巻き込みの基礎から応用、さらに実践的かつ具体的なアクション手順を詳細に解説します。また、イベントを継続的な成長サイクルに変えるコツや、よくある疑問への明快な回答も掲載しています。読了後には、「自社イベントの成否を左右する要素」や「従業員巻き込みの再現性ある型」を明確に理解し、明日からの実行に自信を持てるようお約束します。

従業員巻き込みの「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店におけるイベント運営の成否を分ける最大のポイントは、「従業員の巻き込み」にあります。トップダウンの指示や一部スタッフだけの熱量ではなく、会社全体で一丸となり取り組むことで相乗的な成果が生まれます。ここでは、社内にイベント文化が根付いていない工務店でも着実に成果を出すための「はじめの一歩」から「応用的巻き込み」まで具体的な戦略を解説します。

1. 巻き込む前に基盤を整える

まず、イベントの「目的」と「期待される成果」を明文化しましょう。例えば、「新築住宅の見学会で20組の新規リード獲得」「地域密着型相談会で既存顧客との関係強化」など、具体的なゴール設定が重要です。そのうえで、経営層やプロジェクトリーダーが自ら旗振り役となり、イベントの意義と会社の成長に欠かせない活動であることを全社員に繰り返し発信するのが効果的です。

2. 巻き込みを仕組み化するための「チーム設計」

イベントごとに臨時の「横断プロジェクトチーム」を編成しましょう。営業担当、現場監督、設計士、総務、広報といった多部署からメンバーをアサインし、多角的な視点で進行するのがポイントです。役割分担を明確にするとともに、必ず「運営リーダー」「サブリーダー」「受付」「誘導」「SNS発信」といったタスクリストを作成し、抜け漏れなく責任の所在を明記しましょう。

3. 社員参加を自然に引き出す「フック」を用意

従業員が自発的にイベントに関わりたいと思える「仕掛け」が重要です。例えば、イベント事前準備でアイデア募集を実施し、優れた発案には社内表彰やインセンティブを与えるなど、手を挙げやすい環境づくりが大切です。日常業務の延長線上に小さなタスクを割り振ることで、過度に負担をかけず初参加でも成功体験を積みやすくすることが効果的です。

4. 進捗共有の「見える化」で全体を巻き込む

イベントの進捗を社内チャットや共有ドライブ、定例ミーティングなどで定期的に共有しましょう。準備段階、中間報告、直前確認、そしてイベント終了後まで、定点観測で「今どこにいるか」「何が必要か」が一目瞭然だと、従業員のモチベーションと当事者意識が高まります。

5. 小さな成功と改善を積み重ねる

最初から完璧なイベントや完璧な全社巻き込みを目指さず、「前回より集客数を5組上積み」「SNS投稿回数を2倍に増やす」など、着実に達成可能なプチゴールを設定し、達成ごとにチームで共有・称賛しましょう。この積み重ねが習慣と文化になり、徐々に大きな成果をもたらします。

【実践ワンポイント】

  • イベントの目的は全従業員に短く端的に伝える(社内報や掲示板掲示を活用)
  • 役割分担は紙・デジタル両方で明示し、誰でも確認できるようにする
  • 新人・ベテラン問わず「意見を出しやすい空気」を意図的に演出(匿名アイデア箱の活用など)

イベント×従業員巻き込み:成果を最大化する具体的な取り組み

イベント当日に向けた準備、運営、そして終了後のフォローアップに至るまで、従業員巻き込みを実行するうえで押さえるべき実践ノウハウをステップ形式で解説します。すぐに実行できるよう、「やるべきこと」として整理しました。

1. 企画段階から現場目線を取り入れる

チラシやSNS、WEBサイトへの情報掲載だけでなく、「実際にお客様を案内する現場社員」の声を直接ヒアリングしましょう。初期段階から実務担当者を巻き込むことで、イベントでの顧客導線や説明ポイントなど、痒い所に手が届く運営プランを立案できます。アンケート形式なら短時間でも意見収集が可能です。

2. 明確なオペレーションマニュアルの作成と配布

イベント当日までに、受付〜誘導〜相談対応、クロージングまでの業務フローをA4一枚で見取り図化し、関係者全員に配布します。「自分がどこで何をすれば良いか」が可視化されていることで不安が減り、初めて担当する社員でも自信を持って対応できます。また、各配置ごとの連絡手段(インカム、内線、チャットなど)も最初に明示しましょう。

3. 当日運営の「余白時間」を設計する

現場が慌ただしいと余計な負荷が従業員に集中しやすくなり、「掛け持ちタスク」「トラブル対応」などで士気が低下します。敢えてタイムスケジュールに空き時間(30分に1回の休憩・ローテーション)を設けることが、従業員の心身負担の分散と笑顔の維持につながります。イベント成功には、ホスピタリティの維持が不可欠です。

4. 顧客接点を「見える化」しファシリテータ役を置く

来場者動線や滞留時間、よくある質問を予め整理し、案内係や質問対応役として「ファシリテータ」を明示的に任命しましょう。従業員の中から適任者を選び、「困ったらこの人」という安心感を社内で共有することで、チームワークが強化されます。さらに全員で想定問答集を共有すれば、当日のクレームや想定外事象にも柔軟に連携できます。

5. 終了後のフィードバックループで改善サイクルを回す

イベント終了直後に打ち上げミーティングやアンケートを実施し、「良かった点・改善点・次回やりたいこと」をその場で共有しましょう。参加従業員の感想や気づきは、数日経つと鮮度が落ちて得難いものになります。できるだけリアルタイムに集約して次回策に活かすことが、継続的な従業員巻き込みにつながります。加えて、目立った成功事例や貢献者には、社内表彰や特別手当など、モチベーション維持の仕掛けも必須です。

【よくある疑問とアドバイス】

Q. イベントがマンネリ化する、社員のモチベーションが落ちてきた時は?
A. 企画段階で従業員から新しいアイデアを定期的に募る、成功体験を全社で共有する、前回の反省点を積極的に活かすなど、内発的動機づけを重視しましょう。時には外部講師招致や異業種視察ツアーなどの刺激も有効です。
Q. イベント時の顧客対応でトラブルが発生した場合、社員で乗り越えるコツは?
A. その場で即時に連絡系統を明示し、現場判断だけでなく「困ったら○○さん」を徹底。トラブル事例は定期的に社内共有し、より早く・柔軟な現場対応力をチームで鍛えましょう。
Q. 多忙な社員にこれ以上負荷をかけない工夫は?
A. イベントタスクを細分化し、小単位で短時間でも関われる業務設計を心がけましょう。複数名でのローテーション体制や、業務負荷に応じたインセンティブなども有効です。

イベントを継続的に成功させるための「次の一手」

一度のイベント成功で満足せず、それを成長サイクルに変えるには「効果の定量化・振り返り・改善・再チャレンジ」という流れが不可欠です。ここでは、イベントを営業活動の強力な資産へ変えるための“次の一手”を解説します。

1. イベント効果の「見える化」で成果を全社共有

イベント後には必ず、集客数、新規顧客リード数、アンケート回収率、成約率など、数値で検証できるKPIを設定し全従業員に周知しましょう。達成度が明確になれば、自分達の行動の価値を実感でき、次回開催へのモチベーションにもつながります。重要なのは、良い点だけでなく課題や未達部分もオープンに共有し、「次どうするか」にフォーカスする姿勢です。

2. 継続参加を促す「仕組み」と「雰囲気」づくり

イベント後、一定期間ごとに「振り返り会」や「社内イベント報告会」を開催し、参加していない社員にも体験談をシェアします。このとき、全員が自由に発案・質問できるダイアログ型の場を設けると、新たな巻き込みが生まれます。「来期は自分もやってみたい」と思える雰囲気が大切です。

3. 定着化のための「ローテーション運用」と「役割のシャッフル」

イベント関連業務の担当者を固定せず、毎回違うメンバーでローテーションを組むことで、社内のノウハウ蓄積が進み、全員参加の文化が根付きやすくなります。また、役割も毎回入れ替え、常に新鮮な経験ができる仕組みにすることが、従業員巻き込みの好循環を生み出します。

4. 他社事例や異業種ベンチマークの積極活用

自社だけでイベントを考えるのではなく、積極的に他社工務店のイベントや異業種の集客施策を研究・視察しましょう。コラボイベントや合同説明会など、外部ネットワークを活用することで、より多彩で刺激的な企画が実現できます。

5. デジタルツールの活用で効率&共有力アップ

社内SNS、イベント専用の情報共有アプリ、オンラインでのタスク管理ツール(Slack、Trello、Googleドライブなど)の導入は、準備段階から振り返りまで「情報の一元管理」と「全員参加感」を強力に後押しします。デジタル共有は、従業員巻き込みの時短・効率化にも直結しますので、導入を積極検討しましょう。

【応用アイデア】

  • ファン感謝祭、OB施主座談会、現場体験ツアーなど多層的イベントの企画
  • 新サービス開発に直結する顧客アンケート活用
  • 社員表彰や貢献ポイント制度の導入
  • 地域メディアと連携した広報強化・ブランディング向上

まとめ

イベントの価値を最大化し、自社の成長や顧客獲得に繋げるためには、従業員巻き込みという要素が欠かせません。今回ご紹介した基盤づくりからチーム設計、運営やフィードバックのポイントまで、段階ごとの実践的な戦略や具体的アクションは、明日からすぐに取り組めるものばかりです。イベントは「やれば終わり」ではなく、工務店にとって大切な営業資産となるもの。日々の小さな経験・成功を全社員で共有し、次の一歩、さらにその先へと自社の成長に繋げていただければ幸いです。主体性をもった従業員巻き込みの輪を広げ、変化する市場の中で「選ばれる工務店」づくりを力強く歩み続けてください。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

友達申請お待ちしてます! →代表浄法寺のfacebook

工務店のネット集客ならこちら →工務店情報サイト ハウジングバザール

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