イベント後の顧客フォローで成約率を向上させる戦略
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工務店 経営
地域に根差す工務店の経営者にとって、新規顧客の獲得やリピーターの創出は大きな課題です。特に相談会や完成見学会などのイベントは、新たな出会いや信頼構築の絶好の機会ですが、「せっかく来場してくれた方がその後につながらない」「イベント直後は温度感が高かったのに成約に至らなかった」という経験も多いのではないでしょうか。本記事では、イベント後のフォローアップがどのように成約率を高めるのか、準備から実践・応用まで段階的かつ実践的な手法を徹底解説します。イベントで得たご縁を確実に成約へとつなげたい方に向けて、すぐ実行できる仕組みづくりを具体的な手順でご提案します。
フォローアップの「実践的」導入戦略:基礎から応用まで
工務店が開催するイベントには様々な形があります。完成見学会、構造見学会、リフォーム相談会など、どの形式であっても、イベント後のアクションによって成約率は大きく変化します。一方で、「何を・いつ・どう伝えるべきか分からない」という声もよく聞きます。ここでは、イベント後のフォローアップを着実に実行するための基礎から、応用を含めた設計法を、実践的なステップに分けてご紹介します。
ステップ1:イベント前の「仕込み」が成功の鍵
- イベント前から、フォローアップを前提とした準備を行います。来場される方のお名前、家族構成、関心事(新築、リフォーム、土地探し等)、連絡可能な手段(メール・電話・LINE等)を、「来場カード」や事前アンケートで丁寧にヒアリングします。
- 受付時にスタッフが「今後も当社からご案内や情報提供をさせていただいてよろしいですか?」と一声添え、安心して連絡できる土壌をつくります。個人情報の取り扱いポリシーも案内しましょう。
- 事前準備として、フォローアップのタイムテーブル(例えば「翌日」「3日後」「1週間後」など)と、それに合わせた連絡内容や資料のテンプレートを作成しておくと、イベント当日の対応が格段にスムーズになります。
ステップ2:イベント直後24時間以内の「温度感を逃さない」対応
- イベントの興奮や感動が冷めないうちに、できれば24時間以内に一度目のフォローアップを実施します。
- 初回の連絡は「本日はご来場いただき誠にありがとうございました。ご質問やご相談があればいつでもご連絡ください」と、お礼を伝えるだけでも十分なインパクトがあります。
- あらかじめ準備したテンプレートメールやメッセージを用意し、「記憶に残るキーワード」(例:お子様の成長、ご家族構成、話題になった設備など)を一言添えると印象が深まります。
ステップ3:個別ニーズに合わせた「段階的」アプローチ
- 全員に一律の案内を出すのではなく、イベントで得られた情報に基づき、関心の高いお客様には「今後の流れ」「具体的な予算の相談」「土地探し」など、段階に応じたご案内を続けます。
- 「すぐではないが将来検討したい」といった方には、定期的なイベント情報や家づくりQ&A、小冊子などの「役立つ情報」を送り、関係を温め続けます。
- 状況や希望に合わせた柔軟なフォローアップが重要です。例えば進学や転勤など、ご家族のライフイベントに寄り添った情報提供も有効です。
ステップ4:記録と可視化による「属人化」防止
- フォローアップ対応を内容・タイミング・お客様の反応ごとにしっかり記録し、スタッフ間で共有します。エクセルやGoogleスプレッドシート、顧客管理システム(CRM)を活用するのが効果的です。
- 対応履歴が可視化されれば、担当者が変わってもスムーズに継続的なフォローが可能になります。属人化を防ぎ、組織的な営業力強化を実現できます。
ステップ5:新しい接点づくりと「追客」施策の工夫
- 定期的にブログやSNSで施工事例やイベントレポート、家づくりコラムを発信しましょう。「次回のイベントへのご招待状」や「オーナー様の声」を盛り込み、ファン化へつなげます。
- 年賀状や季節のメッセージ、誕生日や記念日のカード送付など、イベントとは異なる接点で思い出してもらう工夫も有効です。
イベント×フォローアップ:成果を最大化する具体的な取り組み
1. フォローアップに強い「チームづくり」
- 一人の営業担当が全てを抱えるのではなく、「フォロー専任スタッフ」や「サポート担当者」を決め、イベントから追客プロセスまで役割分担を明確にします。
- 例えばお礼連絡はサポートスタッフ、詳細な打ち合わせは営業担当と分担。同じメンバーが継続して対応することで信頼度が増し、漏れなく対応できます。
2. 成約率向上のための「パーソナライズ」戦略
- イベントごとに「過去の参加履歴」「希望エリア」「ライフステージ」「関心分野」などのデータを集積・分析し、お客様ごとに最適な情報をカスタマイズします。
- 例えば新築希望者には「住宅ローン相談会」「モデルハウス体験会」案内を、リフォーム希望者には「実例紹介」や節税情報を送付。適切なタイミング・内容で接触回数(タッチポイント)を増やすことが大切です。
3. セグメント別フォローアップ実践例
- Hot層(明確に検討中の方):イベント直後数日以内に個別面談やプラン提示など、即時かつ踏み込んだ対応を行います。
- Warm層(将来検討予定・軽度関心層):月1回程度、家づくりに役立つ情報や限定案内、コラム付きニュースレターをお届けし続けます。
- Cold層(いまは関心が薄いが将来の候補となりうる方):年賀状やイベント招待、季節ごとのご挨拶状など、無理なく関係が続く範囲で印象を残します。
4. イベントフォローアップQ&A:よくある疑問に即答
- Q1:イベント後、何日以内にフォローアップすれば良い?
A1:基本は24~48時間以内が効果的です。ただし休日を挟む場合も考慮し、お客様の都合に配慮しましょう。 - Q2:しつこいと思われないためのポイントは?
A2:「ご来場ありがとうございました」「ご質問はありませんか?」と短く礼儀正しい連絡から始め、返信状況を見ながら徐々に接点頻度や内容(相談・案内・お役立ちコラム等)を調節します。 - Q3:メール、電話、LINE、どれでフォローアップすべき?
A3:お客様が最も負担に感じない連絡手段を事前にリサーチし、それに合わせることがベストです。 - Q4:成約につながるフォローアップの「差」って?
A4:「個人の関心・課題・家族構成」など、イベント中の会話をしっかり記録し、次回の連絡に織り込むことで差別化できます。お客様の立場に立つことが最重要です。
5. 実際の会話・文例サンプル
- お礼連絡例:「〇〇様、本日は弊社イベントにご来場いただきありがとうございました。●●(話題に出た設備等)はいかがでしたでしょうか?何か気になる点がございましたら、いつでもご連絡ください。」
- 再案内例:「前回〇〇のご相談をいただいた件、ご検討状況いかがでしょうか。新しいモデルハウス見学会も予定しておりますのでよろしければご案内差し上げます。」
- お役立ち情報例:「ご検討中のエリア情報をまとめた資料をお送りさせていただきます。土地探しなどでお困りごとがございましたらご相談ください。」
6. フォローアップを「仕組み化」してスタッフ全員の力に
- 「フォローアップマニュアル」や「年間接点計画シート」を全員で共有。新入社員を含む全スタッフが実践できる体制を作りましょう。
- イベント後に「フォロー対応者=当日のおもてなしをした人」とするだけでなく、「内容別・進捗別」で専門担当を設けることで、業務の形骸化や手抜かりを防ぎます。
イベントを継続的に成功させるための「次の一手」
一度のイベントで完結しない、長期視点でのフォローアップ戦略が持続的な成果につながります。ここでは、さらに一歩進んだ取り組みとして「イベント×データ活用」「効果測定・改善」「リピート来場を促進する仕掛け」について解説します。
1. データを活用した「戦略的」フォローアップ設計
- イベントごとの来場者数・成約率・問い合わせ内容・反応率などを全てデータ化。例えばGoogleフォームや専用システムで集積し、「どのイベント経由」のお客様が成約しやすいかを分析しましょう。
- 「完成見学会参加者の3割が半年以内に成約」などのパターンが見えれば、該当層に対して特別な案内や個別サポートを設計できます。
2. 効果測定による「PDCA」サイクル確立
- フォローアップメールの開封率、電話後のアポイント率、イベント後の成約率を毎月集計し、目標値と比較。ボトルネック(どこでお客様が離脱しているか)を特定し、都度対策を講じます。
- 効果が高かったフォロー文例や案内タイミングを社内で共有し、最適な方法を標準化していきましょう。
3. リピート来場・口コミを増やす「体験価値」向上策
- 「〇〇様ご家族だけの特別見学枠」や「前回ご参加の方限定イベント」の案内、既存オーナー様の感謝イベントなど、再来場・紹介が生まれる仕掛けを用意します。
- ご成約に至らなかった方にも「数年後にまたお待ちしてます」と、定期的に軽い接点を維持する事で、将来的な受注母数が着実に広がっていきます。
4. 継続的改善のための「社内振り返り」実践
- イベント後は打ち上げや反省会だけでなく、フォローアップ全工程の「結果報告会」を設けましょう。よかった点・不足点の可視化、新たな「仕組み」提案を吸い上げることが組織力強化につながります。
- 顧客アンケートを通じて、「もっとこうして欲しかった」「嬉しかった工夫」などの声を集め、次回イベントやフォローアップ施策に反映します。
5. 外部リソースの活用も検討する
- 社内だけでは手が回らない場合、MAツール(メール配信システム)の導入や、専門のフォロー代行サービス利用といった外部リソースも検討できます。効果測定や業務省力化の観点から選択肢を広げましょう。
6. 法人顧客・紹介元向けイベントのフォローアップも忘れずに
- 地元の建設関連企業や不動産事業者向けイベントでも、個人客と同様のきめ細かな連絡、お礼、次回企画案内を徹底。BtoB人脈の広がりもビジネスの成長因子となります。
まとめ
工務店にとってイベントは単なる集客手段ではなく、信頼関係と成約へつなげる大きなチャンスです。しかし、本当に効果を引き出すには、イベント後の具体的で計画的なフォローアップこそが不可欠です。本記事でご紹介した5段階の実践アクションやセグメント別の対応方法は、どなたでも今すぐ取り組める内容ばかりです。来場者情報の活用、24時間以内の初回連絡、個別ニーズへの丁寧な提案、データ活用による戦略設計、社内の仕組み化など、一つひとつ積み重ねることで、顧客満足と成約率は着実に向上していきます。継続的な改善の輪を回し続けることで、いままで埋もれていたご縁をビジネスの新たな柱へと育てていただきたいと願っています。明日からのイベント運営とフォローアップに、ぜひ本記事をお役立てください。
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