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経費精算を効率化!工務店の利益を増やす方法

公開日: : 工務店 経営

工務店の現場では、日々さまざまな経費が発生し、その管理に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。「利益改善を進めたいが、無駄な経費の見直しや精算作業の効率化が思うようにいかない…」「経費精算の煩雑さで現場社員も経営層も負担を感じている…」こうした悩みは、少なからず工務店経営者や現場責任者に共通する現実だと思います。この記事では、工務店の利益改善を実現するために欠かせない経費精算業務の効率化と、利益創出を最大化する具体的な手順、さらに継続的な改善の進め方まで体系的に解説します。読者の皆さまが「自社でもすぐに始め、確かに成果が出る」実践的なノウハウを盛り込みました。経費管理への疑問や不満を解消し、利益改善による将来の安定経営を現実にしていきましょう。

経費精算の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

利益改善を目指す上で、多くの工務店が見逃しがちなのが「日々の経費精算プロセス」の最適化です。ここでは、経費精算を無理なく現場に根付かせ、利益改善へ直結させるための、現状分析から改善策導入までの具体的ステップを解説します。

1. 経費精算現場の現状を可視化する

  • 最初にすべきは、現場・事務部門それぞれの経費精算業務の流れを「見える化」することです。代表的な手順は、下記の通りです。
    • 紙伝票やExcel、メールなどで誰がどのタイミングでどのように経費申請しているのか洗い出す。
    • 経理担当者が毎月、精算処理にどの程度時間を取られているかをヒアリングする。
    • よくあるミス、二重計上、承認までの遅延など、課題を具体的にリストアップする。
これにより、経費精算の非効率さやミスの温床となっているポイントを明確につかみます。

2. 経費精算ルールの再設計

  • 現場からのヒアリング結果をもとに、経費精算のルール(精算可能な経費の範囲、上限額、添付資料の有無、申請期限、承認フロー)を整理しましょう。一例を挙げます。
    • 交通費、消耗品、外注費など主要経費ごとに明確なガイドラインを策定する。
    • 証憑(領収書等)のデジタル保存可否や、スマホ撮影による提出方法を検討する。
    • 申請・承認の締め日や、遅延時のペナルティも明記することが重要です。
明文化されたルールを全社展開することで、利益改善への意識を社員一人ひとりに根付かせます。

3. 経費精算ツール/システムの選定と導入

  • アナログな手書き伝票やExcel集計からの脱却が、工数削減とミス削減に直結します。業界特有の現場ニーズに合うITツール選定が利益改善のカギを握ります。
    • クラウド型経費精算システムで、スマホ申請や電子領収書の共有が可能か。
    • 「現場⇔本社」「現場⇔経理」間でスムーズにやりとりできるチャット・通知機能が充実しているか。
    • 会計システムや勤怠システムと連携でき、二重入力が不要であるか。
無料トライアルやデモ活用を経て現場からのフィードバックを集めてください。使いやすさを重視し、定着のための研修実施まで一貫するのが成功のポイントです。

4. 経費の「見える化」と経営ダッシュボード構築

  • 経費精算を効率化するだけでなく、そのデータを即時に経営判断へ活用できる状況にしましょう。
    • 毎月・毎現場ごとに主要経費の動向が見えるダッシュボードを整備。
    • 「プロジェクトごとの経費」「社員別経費」「部門内訳」など粒度の細かいレポート自動化。
    • 改善アクションの立案や費用対効果分析に直結する可視化が、利益改善のスピードを高めます。
これにより、従来は気付きづらかった無駄な経費、利益を圧迫する要因を迅速に特定できます。

5. トラブル時・イレギュラー時の「解決手順」づくり

  • 現場でよく発生するトラブル例(領収書紛失、内容入力ミス、承認者の不在など)への対応フローを事前に用意し、全員が参照可能なようにしましょう。こうした備えが、無駄な時間・再処理を防ぎ、利益改善に貢献します。

専門家が答える!経費精算&利益改善のよくある疑問

  • 現場社員が面倒を理由に経費精算システムの導入を嫌がります。どうすれば? →段階的な移行・操作説明会の開催、現場の意見を先に聞く「ボトムアップ型導入」で抵抗感を減らせます。業務工数が減る“メリット”を実感してもらうことが決め手です。
  • システムコストが気掛かりですが、本当に利益改善に効果がありますか? →初期コストより「業務工数削減とミス削減、スピードUPによるキャッシュフロー改善」が上回る場合が大半です。月間の経理時間や誤精算減少数などを具体的に数値化して試算しましょう。

利益改善×経費精算:成果を最大化する具体的な取り組み

基礎を踏まえつつ、ここでは「さらに利益改善を加速させる」ための具体的な応用策とステップを紹介します。経費精算システムの導入・DX化だけでは終わらず、中長期で利益を伸ばす“実行性”重視のアプローチです。現場と経営層の連携、全社員の行動変容を促すしくみを中心に解説します。

1. 現場主導の「経費削減・見直し月間」の実施

  • 全社的な“経費精算のスリム化”プロジェクトを定期的に設けることで、無駄なコスト構造を根本から洗い出します。
    • 「現場ごと」「担当者ごと」に月次・四半期ごとに経費目標を設定し、定例ミーティングで達成状況を報告合戦する。
    • 削減効果が大きかったチーム・人材には、金一封や表彰などのインセンティブを与える。
    • 現場社員の“気付き”に基づく改善案(業者選定見直し、資材一括購買、車両リース見直しなど)を積極採用。

2. 「見積もり段階」から費用シミュレーションを徹底する

  • 利益改善は受注が成立した時点で8割決まると言われます。経費精算データをもとに、過去案件の利益率やコスト傾向を「リアルタイム参照」しながら、商談・見積段階で以下の手順を徹底しましょう。
    • 過去同種案件の実績データから最適な経費配分比率を算定し、見積もりに反映。
    • 見積額に「適正利幅」を必ず組み込み、安請け合い型受注を防止。
    • 顧客の要望による追加コスト(仕様変更・急な出張費等)は、即時に計上・説明できる体制を用意。

3. 経費発生の「リアルタイムモニタリング」体制づくり

  • 経費精算システム上で随時、現場の出費・申請状況を見える化し、重大な異変(使い過ぎ、計上漏れ、不正兆候)をリアルタイムで検知・対処できる環境を整えましょう。具体策としては:
    • 一定額超の経費申請時、自動アラート・承認ルートの分岐を設定。
    • 日報・業務報告と経費申請の一体化で、現場実態とのズレや漏れを防止。
    • AIやルールエンジンを活用し、不自然な経費(曜日・時刻・金額・出張先の矛盾)を目視せず発見。
これにより、発覚が遅れやすい“不正・漏れ”に早期対処し、利益改善の取りこぼしを防げます。

4. 原価低減・経費可視化のプロセス標準化

  • 利益改善を加速させるためには、「どの現場・どの経費科目にムダが多いか」を全員が共有できるルール・標準書の整備が有効です。
    • 経費科目ごとに削減ポイントと最適な施策例(交通費→ICカード一元管理、消耗品→定期自動購入化 等)をドキュメント化。
    • 現場社員が提案できる「経費改善案」提出フォームやアイデアコンペ実施。
    • 社員教育に利益改善研修を組み込み、経費意識を現場レベルから底上げする。

5. 経費精算と会計の“自動連携”による効率最大化

  • 経費精算システムから会計システムへデータを即時連携し、手入力や二重記帳、締め処理遅延による人的損失を根絶しましょう。
    • 経費申請作業後、ワンクリックで会計仕訳が完了する業務フローを構築。
    • 月末月初の「忙殺」状態を、RPA活用やAPI連携による自動処理で解消。
    • 銀行口座・クレジットカード・電子マネーと連携し、経費明細のダイレクトインポートを実現。
定型作業が自動化されることで、経理担当者の戦略業務化=利益改善貢献へのシフトが可能になります。

工務店経営者の悩みに答えるQ&A

  • 現場によって経費項目の基準がバラバラです。統一するには? →経費科目マスターを全社で統一し、「用途の定義」「金額上限」「申請手順」まで明文化したガイドラインを全社員に配布してください。現場勉強会も効果的です。
  • 経費精算後、どこまでが“適正経費”か悩む時の判断基準は? →工事目的・業務必然性を第一に判断します。曖昧な場合は上司承認必須・事前打合せ記録・経費精算履歴の残存期間厳守など、複数ルールを重ねて運用しましょう。
  • 実際にどのくらい利益改善に効くのですか? →経費精算の厳格運用+情報見える化により、数%〜10%前後の利益改善に成功するケースも珍しくありません。単発ではなく「継続的な更新」が成果の源泉です。

利益改善を継続的に成功させるための「次の一手」

経費精算および利益改善の取り組みを軌道に乗せた後、さらなる成果を積み重ねるためには「効果測定・フィードバック・改善サイクル」の実践がポイントです。以下で“継続的利益改善”のためのステップを詳解します。

1. KPI指標の設定と定期レビュー体制の確立

  • 利益改善と経費精算の効果測定には「KPI(重要業績評価指標)」を数値で可視化することが欠かせません。
    • 例:「1件あたりの経費処理時間」「経費申請ミス率」「案件別利益率」「現場ごとの予算執行率」など。
    • 月次・四半期・半期ごとに目標達成度を部門横断でレビュー。

2. フィードバックループの仕組み化

  • 各部署・現場からの「ここが使いづらい」「この経費は妥当か?」といったフィードバックを定期的に吸い上げ、経費精算ルールやシステム仕様に反映します。
    • 現場座談会・アンケート・Q&A会議の開催。
    • 「経費改善提案制度」による社員参加型文化の醸成。

3. 継続的アップデート:法令対応や社会情勢変化にも備える

  • 税制・電子帳簿保存法・働き方改革…法令や社会の変化に伴い経費精算業務にも定期的な見直し・IT刷新が求められます。
    • 年1回の制度・システム見直し、シミュレーション訓練の義務化。
    • 有事や不正発覚時の対処マニュアル整備・共有。

4. 他工務店・異業種のベンチマークで常に一歩先へ

  • 同業他社や別業界の「利益改善」「経費精算」最先端事例を社内勉強会や経営会議で共有。新しいノウハウやツールを貪欲に取り込むことで、自社の停滞や形骸化を防ぎ続けます。

5. 人材育成と評価制度への利益改善指標の組み込み

  • 経費管理や利益改善の達成度を社内“人事評価”にも加えることで、一人ひとりが経営者感覚で行動できる風土に近づけます。
    • 経費目標の達成→評価点加算、利益改善案の実施→表彰・昇給材料とする。
    • キャリアパスや表彰枠を定め、挑戦意欲を刺激します。

FAQ:現場の疑問に現実的に答える

  • 経費精算に手間をかけすぎて本業に支障が出ることは? →自動化・モバイル対応・一体処理体制の徹底で、申請や承認は「数分単位」で完了が理想です。定期的な業務棚卸しで常にボトルネックを潰してください。
  • 何から始めるべきか、具体的な優先順位は? →現状フローの見える化(棚卸し)→主要課題の優先度付け→即効性のあるシステム・ルール見直し(小規模でOK)から速やかに始めると効果実感も早いです。

まとめ

工務店における利益改善と経費精算の効率化は、多くの課題と日常業務が絡み合う複雑なテーマです。しかし、現場の声をすくい上げて現状を見える化し、シンプルで無理のないルールとITツールを活用することで、誰でも着実に成果を出すことができます。この記事でご紹介した具体的なステップやベストプラクティスは、即実践可能なものばかりです。経費管理やコスト削減の取り組みは、一朝一夕に完結するものではありませんが、確実な積み重ねが次第に利益を生み、社員の成長や新たな挑戦にもつながる道となります。今日できる小さな一歩から、利益改善の大きな未来へ。積極的なアクションが、きっと御社の発展と安定経営に実を結ぶはずです。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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