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アフターフォローで顧客をファンに!工務店の売上UP術

公開日: : 工務店 経営

工務店経営は新規受注の一過性ではなく、いかにしてリピーターや口コミを増やし「着実な売上向上」を実現できるか、その継続的な基盤構築が重要です。しかし、「どうしても新規集客ばかりに目が行き、完工後のお客様との関係が途切れてしまう」「丁寧な仕事をしたつもりなのに紹介がなかなか増えない」といった悩みが少なくありません。
本記事では、アフターフォローを軸に顧客を“ファン化”させることで、安定的な売上向上へ導く具体的なアクションを徹底解説。『どのようにアフターフォローを実践すれば本当に売上UPにつながるのか』『現場で忙しい職人やスタッフでも継続できる手法は?』『成果の見える化や改善のポイントは?』そうした経営者のリアルな疑問や悩みに共感し、必ず一歩前へ踏み出せる具体策を提示します。この記事を読み終えたとき、アフターフォローの取り組みが現実的な売上向上に直結する自信と手法を手にしていただけることでしょう。

アフターフォローの「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

売上向上を目指す工務店経営において、アフターフォローは単なる“おまけ”ではなく、中長期的な顧客価値の最大化=事業基盤の強化です。本セクションでは、実践に落とし込みやすいアフターフォロー導入ステップを具体的に解説します。

1. アフターフォロー導入前に押さえたい現状把握

  • 自社が現在行っているアフターフォローの内容・頻度を一覧化する
  • お客様から寄せられた問い合わせ内容(例:設備不具合、補修の相談)を業務日報・メール等から抽出
  • 完工後の1年以内にどれほどの顧客接点があったかを数値で把握

この現状把握が、次の具体的戦略立案の土台となります。売上向上のための打ち手を的確に判断するためにも、現場責任者や事務スタッフなど部署横断での情報収集が効果的です。

2. 顧客分類と“ファン化”ターゲットの明確化

  • 完工済み顧客リストを「1年未満」「2~3年目」「4年以上」で分類
  • 顧客ごとに“小修繕”“水漏れ”“リフォーム相談”など過去のサポート事例を付記
  • 「すでに紹介をくれている」「今後もリピート期待」といった“ポテンシャル顧客”を特定

売上向上を狙ううえで営業効率が良く、かつ効果的な層を明確にしたうえでアプローチ戦略を考えることが重要です。

3. アフターフォローのベーシック施策から着手

  • 完工後の1カ月・3カ月・6カ月時点での定期点検連絡(はがき・メール・電話)
  • 「施工後アンケート」の実施と、頂いた声に必ず返答/感謝を伝える
  • “ちょっとした困りごと”も気軽に相談できるLINE公式アカウントやチャット開設

アフターフォロー施策の定番は「お知らせ」ではなく「お客様のための心配り」です。“困った時にすぐ頼れる存在”という実感は、リピートや紹介へと自然につながります。

4. ロイヤル顧客を生む一歩進んだサポート施策

  • 「住まいのお手入れ講習会」「季節の住まい点検イベント」の開催
  • 点検作業や補修時の“Before/After”写真をファイル化して渡す
  • 点検・補修の履歴を顧客ごとにデータ管理し、次回ニーズを先回り対応

このような付加価値提供は、金額換算できない信頼を生み出し、売上向上の土台を強化します。大規模なイベントが難しければ、年賀状にプチアドバイスを添えるなど小さな工夫からはじめましょう。

5. アフターフォロー強化による社内運用ルールの整備

  • 現場担当・営業・事務がいつ・どの顧客に何をしたか記録するシステムの整備(例: GoogleスプレッドシートやCRMの利用)
  • アフターフォロースケジュールを見える化し、担当間の“抜け漏れ”を防止
  • 社内ミーティングで定期的にアフターフォロー事例・声を共有(モチベーションアップ+品質向上)

「やりっぱなし」にならず、売上向上を継続させる社内の仕組み化が持続的成長には不可欠です。

売上向上×アフターフォロー:成果を最大化する具体的な取り組み

基礎的なアフターフォローができてきたら、さらに売上向上へ直結する実践的な施策のステップを解説します。新規受注よりも受注単価・リピート率が高くなる“優良顧客”維持と獲得のため、以下の実務アクションを参考にしてみてください。

ステップ1. フィードバックから得られる「隠れたニーズ」の発掘

  • アフターフォロー点検時に「不便なことはありませんか?」と必ず聞く
  • 小さな補修や相談内容を記録し、今後の提案・おすすめサービスに反映する
  • 顧客の生活変化(家族構成の変化、ペットを飼い始めた等)にも気を配る

これらを継続すると、リフォームや追加工事など大きな仕事へと発展し、安定した売上向上につながります。

ステップ2. お客様の期待を超える“サプライズ”施策

  • 誕生日や記念日に手書きカードやちょっとしたギフト
  • 記念施工日の「感謝状」や思い出アルバム送付
  • 「お困りごと無料相談デー」の案内

お客様の想定を一歩超えた小さな感動体験は、熱心な“ファン化”を生み、紹介件数の増加=売上向上に直結します。

ステップ3. 顧客参加型イベント・交流活動の企画

  • 「OB様感謝祭」「完成住宅見学ツアー」など、気軽に集えるイベントの実施
  • 職人や現場スタッフも同席する家族向けのお茶会など温かみのある交流
  • 参加後アンケートをしっかり回収し、「ご意見ありがとうございます」と必ずフォロー

お客様同士・スタッフとの距離感が縮まれば、「〇〇工務店に頼むと安心」というイメージが定着。これも売上向上における重要な土壌となります。

ステップ4. デジタルツールの効果的活用と業務効率化

  • 工事履歴やメンテナンス記録を顧客ごとにクラウド管理
  • 一斉配信ではない、個別最適化した定期連絡(メール・LINE等)の自動化
  • 点検や相談依頼の受付をオンライン予約フォームに一本化

アフターフォロー業務がマンパワー頼りになると継続が困難になりますが、最新ITツールの導入で効率化すれば人手不足の現場でも売上向上につながる活動が持続可能となります。

ステップ5. アフターフォロー×紹介促進で“無限連鎖”を生む

  • リピート・紹介をしてくれた顧客への特典設計(例えば小修繕5,000円分無料やメンテナンス無料券など)
  • 「〇〇様ご紹介でご成約、ありがとうございます」と紹介者へ感謝の手紙や粗品贈呈
  • 紹介キャンペーン実施と、誇張しない形でのSNS発信やホームページ掲載

この仕組みづくりが顧客の自発的宣伝力を引き出し、結果として売上向上を現実のものとします。

Q&A:現場でよくある疑問と解決法

Q. 小規模な工務店で現場が忙しく、継続的なアフターフォローの人手が回りません…
A. 業務量に合わせて“定期点検のみ”など、無理のない範囲で絞ってスタートしましょう。LINE公式アカウントやGoogleフォーム等のデジタル化を進めることで、担当者の負担を減らしつつ顧客接点を維持できます。スタッフ一人が全顧客を担当する形ではなく、チーム制で分担するのも効果的です。
Q. アフターフォローの成果(売上向上効果)はどう確認できますか?
A. 完工後の顧客からのリピート・追加受注率、紹介件数を月次または四半期ごとに記録しましょう。「アフターフォロー実施→リピート/紹介獲得」という流れが見えると、各施策の効果を実感できます。
Q. クレームや悪評判が怖くて、完工後の連絡をためらってしまいます…
A. クレームこそ早期発見・誠実対応が最善策です。むしろ素早いフォローが信頼アップにつながります。課題が出た際には「ご不快をおかけして申し訳ありません。今後の工事やサポートの改善につなげます」と前向きな姿勢を重視しましょう。

売上向上を継続的に成功させるための「次の一手」

アフターフォローと売上向上を両立させるには、一過性の “施策実施” で終わらせず、継続的な仕組みと「改善→実践」を社内文化にすることが大切です。このセクションでは、その定着と効果測定の手法を紹介します。

1. 効果測定とKPI設定による取り組みの「見える化」

  • リピート率・紹介率・顧客満足度アンケートの定期集計
  • 毎月または四半期ごとにアフターフォロー実施件数、売上増加分を数値化して発表
  • KPI(重要成果指標)を「既存顧客からの受注額/全体売上」「紹介案件数」「クレーム再発防止件数」など3~5指標に絞って管理

数字での変化を追うことで、現場も「確実に売上向上している」と実感しやすくなります。

2. 社内教育&成功事例の共有で“全員参加型”へ

  • 毎月一回のミーティングで顧客からの感謝の声や成功事例を発表
  • アフターフォロー担当者のローテーションで、属人的な業務にならない仕組み
  • 新人研修や社内マニュアルにアフターフォローのプロセスを明示

“属人化”を防ぐには全スタッフの意識付けと、ナレッジ共有が鍵です。全員がアフターフォローマインドを持てば、顧客満足と売上向上の好循環が生まれます。

3. 取り組みの“鮮度と質”を高めるための定期レビュー

  • 年1回は「アフターフォロー見直し会議」を設ける
  • 顧客アンケートで「こんなサービスがあったら嬉しい」といった意見を直接吸い上げる
  • 競合他社の事例や業界動向も参考に、取り入れられる新施策は柔軟に追加

売上向上を維持できる施策は、時代や顧客ニーズによって常に変化しています。見直し・ブラッシュアップを前向きに進める意識で取り組みましょう。

4. 顧客データベース&“自動化”の推進

  • 案件ごとに実施したアフターフォロー、問い合わせ、要望内容をデータベース化し蓄積
  • リマインドメール配信や点検連絡の自動化で人的ミスを回避
  • データから「追加提案」「特典案内」の自動抽出を進めて効率化

限られたリソースでも長期間にわたり売上向上を維持するためには、“人”の好意と“システム”の力を両立することが不可欠です。

5. 顧客の声を未来のサービスに還元する「PDCAサイクル」の定着

  • お客様アンケートやスタッフの現場報告から「Plan:新たな提案」を計画
  • Do:小規模から試し、反応を定量化
  • Check:結果やお客様の声・数値を分析
  • Act:うまくいった施策は標準化、改善余地は次のチャレンジへフィードバック

この繰り返しが、売上向上に向けた企業体質の強化と差別化につながります。

まとめ

本記事では、工務店経営における売上向上のための最も現実的で確かな道筋としてアフターフォローの戦略的強化を提案し、導入ステップ・具体的施策・組織運用・効果測定に至るまで段階的に解説しました。小さな“心配り”が顧客との絆を築き、それが持続的なリピート受注や紹介による売上向上につながること、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)や社内教育との組み合わせで他社との差別化も実現できることを、さまざまな具体策を通じてお伝えしました。
今すぐ実行可能なアクションプランから始めて、現場・社内全体での定着→改善→進化へと一歩一歩取り組んでいくことで、今後数年先も持続成長できる強固な経営基盤が築かれます。売上向上は新規獲得だけに頼るものではなく、アフターフォローという“地に足のついた努力”の積み重ねが、工務店経営の明るい未来を切り開くカギです。小さなチャレンジを一つずつ実践し、自社とお客様の幸せな循環をぜひ生み出してください。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

友達申請お待ちしてます! →代表浄法寺のfacebook

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