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趣味を楽しむ空間!モデルハウスの特別な部屋の作り方

公開日: : 工務店 経営

工務店経営において、個性あるモデルハウスが他社との差別化や集客の起爆剤となっている一方で、「本当にお客様の心に響く空間演出とは何か」「実際に商談や受注につながる付加価値とは何か」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。近年、暮らしやすさだけでなく“住まいを楽しく使いこなす”提案の一環として、趣味の部屋を取り入れたモデルハウスが注目されています。しかし、単なるスペースの増設ではなく「生活への具体的なメリット」「顧客のライフスタイル提案」として結実させるにはノウハウが必要です。
本記事では、モデルハウスに趣味の部屋を効果的に導入・活用するための実践的な手順と、すぐに取り入れられるアクションプランを幅広く解説。さらに、成果を持続させて他社との差を拡げるアイデアや課題への対処法まで、「本当に意味のあるモデルハウス運営」を目指す経営者の方に向け、専門的かつリアルな視点で掘り下げていきます。
この記事を読むことで、「趣味の部屋でモデルハウスの価値をどう高めるか」「運用、提案、受注につなげる手順」「最近増えている問い合わせの傾向」「カスタマイズ提案のコツ」など、現場の具体的な疑問にも明快に応えるとともに、明日から実践可能なアクションプランを得ていただけます。

趣味の部屋の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

モデルハウスにおいて、趣味の部屋は単なるオプションスペースではありません。ターゲット層の心に響く提案ツールとなり、成約率や来場者数の向上、企業ブランディングの鍵にもなり得ます。ここでは、成功事例や現場で実際に成果を上げている手順・ポイントを、基礎から応用まで6ステップで解説します。

1. ターゲット顧客のライフスタイル徹底分析

まずは自社のモデルハウスを訪れるお客様層を具体的にイメージし、「どんな趣味や生活スタイルを重視しているか」をデータと感覚双方から精読しましょう。最近ではアウトドア、音楽、DIY、フィットネス、自転車、映像・シアター、在宅ワーク兼ホビールームなど、多様な趣味が注目されています。
アクション例:

  • 過去のアンケート・資料請求情報から年代・家族構成・興味領域を抽出
  • 過去商談記録を再分析して、趣味や生活志向に関する記載を整理
  • InstagramなどSNSで地域のフォロワーの趣味傾向やトレンドをリサーチ

2. 趣味の部屋テーマを「見える化」──ペルソナ設計とストーリー作成

具体的なターゲット像が定まったら、「この人のための趣味の部屋」像をペルソナ化し、暮らしのストーリーを構築します。これにより単なる多目的部屋ではなく、生活への彩りや豊かさがリアルに伝わります。
アクション例:

  • 「40代共働き夫婦+小学生2人、週末は家族でキャンプが趣味」など、具体的人物像で設計
  • ストーリーシート(1日の使い方、季節ごとの楽しみなど)を作成し、設計・営業全体で共有

3. モデルハウスの動線とゾーニングを最適化

モデルハウス内で趣味の部屋が浮かずに、居住スペース・生活動線とどのように連携するかが重要です。例えば、「玄関土間直結のサイクルガレージ」「リビング横サウンドルーム」「テラスと繋がるアウトドアダイニング」など、ライフスタイル全体を考慮したゾーニング設計を検討します。
アクション例:

  • 最初に設計段階で営業・設計・インテリアコーディネーターが動線検証ワークを実施
  • 家族全体で使える要素(お子様の宿題スペース兼ホビールームなど)を盛り込む
  • 使わない時は収納やサブリビングとして転用できる余白提案も検証

4. 専門家とのコラボ+実体験型の演出

単に備品を置くだけでなく、地域の趣味専門店やインフルエンサー・作家とコラボした展示、実演会や体験イベントを企画し、モデルハウス来場のきっかけ作りや継続的な話題づくりにつなげましょう。
アクション例:

  • キャンプ用品専門店から本格道具を借りてリアル展示
  • 音楽教室講師による「親子で音楽体験」ミニイベント開催
  • インテリア雑貨店とコラボした模様替え体験会を開催

5. ビジュアル訴求&ストーリー提案資料の作成

写真や動画、ストーリーボードを通じて「使う楽しみ」「日常生活の中での具体的な効果」を直感的に伝える資料を準備します。必ずしも高価な設備や広い部屋にこだわらず、“アイデアと視点”の違いを見せることが重要です。
アクション例:

  • 趣味の部屋で過ごしている家族の一例動画を制作・流す
  • 施工前後のストーリーイラストや活用例を展示
  • 実際の施主アンケートや体験談を資料化し、来場者に配布

6. 成功事例・利用データの蓄積と次モデルハウスへの反映

実際にモデルハウスを訪れた方、問い合わせ件数、体験イベントの反応など、“数値化できる効果”を自社基準で計測・検証し、PDCAサイクルで次回企画・設計へ反映させましょう。
アクション例:

  • 趣味の部屋を施したモデルハウスの来場者数・滞在時間・成約率を既存モデルや過去例と比較
  • アンケートやヒアリングで「どんな提案が心に残ったか」を定量・定性両面で集約
  • 良かった点・要改善点を社内共有会議で継続的にフィードバック

【Q&A】検討段階のよくある質問

  • Q: 趣味の部屋はモデルハウス内でどのくらいスペースをとるべき?
    A: 標準的には2畳~6畳程度が多いですが、モデルハウスのターゲットや想定家族像、予算総額などにより調整します。「最低限必要な設備・動線」を押さえ、用途にピンポイントで訴求するのが成功の鍵です。
  • Q: 差別化できる「趣味の部屋」のアイデアを短期間で企画する方法は?
    A: 地元の専門店や既存施主インタビューから“今のリアルな流行・困りごと”をヒアリングするとトレンドを反映しやすいです。加えて、従業員やスタッフからもアイデアを募り、社内外でブレストを行うことも有効です。

モデルハウス×趣味の部屋:成果を最大化する具体的な取り組み

モダンなモデルハウス運営の現場では、「趣味の部屋の設置=話題づくり」にとどまらず、その効果をしっかり成果につなげることが大切です。ここでは、モデルハウスにおける趣味の部屋の具体的な設計・運用・営業展開について、5つのアクションステップを提示します。また、導入後のよくある悩みやFAQにも明快に回答します。

1. 設計打合せ〜実装:本当に響くスペース設計の手順

設計段階では「とりあえず和室を趣味部屋に転用」ではなく、趣味の種類ごとに求める機能や収納、防音、空調、清掃性、安全性までを具体的に検討します。例として、音楽室なら防音性能と換気、アートの部屋なら採光や壁素材、自転車ガレージなら土間や工具棚など、趣味に特化したミニマム設備が“効果的なアピールポイント”となります。
アクション例:

  • 用途・趣味別に必要設備リストを現場チームで作成
  • オプション提案書に「追加仕様」と「ベース仕様」を整理
  • メーカーや職人さんとの現場下見・仕様打合せを実施

2. 内覧会・体験会の設計──記憶に残る接触体験をつくる

モデルハウス内覧会や予約制の体験イベントでは、来場者が「自分ならこう使う」と想像できるディスプレイが重要です。オーナー体験談掲示や、実物を使ったデモ、アンケートによる感想共有など、インタラクティブな企画で深い印象・感情喚起を生み出せます。
アクション例:

  • 「週末は何度でも来たくなる趣味の部屋」実演イベントを季節ごとに企画
  • 体験スペースに実際のアウトドアグッズ・音響機器などを設置し、来場者が触って体験できる形に
  • 来場記念ノベルティやSNS写真投稿キャンペーンも併用し、来場者の感想拡散を促進

3. 受注提案・設計コンサル時のクロージング戦略

来場者が自宅建築を検討する際、「趣味の部屋があることで生活がどう変わるか」という具体的なシナリオ(=Before/After)を営業・設計担当者がイメージさせ、ご家族全体を巻き込んだクロージングを行いましょう。
アクション例:

  • モデルハウス訪問後の個別相談会で「ご家族の趣味傾向・休日の過ごし方」アンケートを実施
  • シミュレーションシートやパース、VRを活用し「趣味の部屋がある生活」ビジュアル提案
  • 追加工事・カスタマイズ費用もパック化して具体的に提示し、不安払拭・魅力訴求

4. アフターフォロー・OB活用による“リアルな説得力”強化

実際にモデルハウスの趣味の部屋を採用したOB施主に協力いただき、体験談や使い方の工夫をイベント・SNS・資料で紹介。“机上の提案”と感じさせない「本物の価値」認知が拡がります。
アクション例:

  • OB施主インタビューを動画・冊子にまとめてモデルハウスに常設
  • 「半年後&2年後の使い心地」見学会ツアーを開催
  • OB施主への最新アイデアヒアリングを定期実施し、新規企画に反映

5. 継続的な広報・情報発信のサイクル構築

趣味の部屋の導入や体験会の様子、新提案などを自社ホームページ・SNSや地域メディアで定期的に発信することで“情報の鮮度”“ブランド力”の維持・拡大につながります。モデルハウスの新たな機能や使い方も織り交ぜながら、ファン化と話題化を目指しましょう。
アクション例:

  • ブログ・Instagramで趣味の部屋連載を週1で投稿
  • 「趣味部屋DIYチャレンジ」など施主参加型キャンペーン実施
  • 物件紹介サイト・不動産情報誌向けに、趣味の部屋特集記事を提供

【Q&A】導入段階・実運用での疑問に答える

  • Q: 趣味の部屋の運用管理、メンテナンスで注意することは?
    A: 水気(DIY・キャンプ用品保管等)や油分(自転車整備等)が絡む場合は床や壁の耐久性・清掃性に配慮し、定期的な換気・空調や傷補修のメンテナンスマニュアルを用意します。モデルハウスの維持管理コストも検算しておきましょう。
  • Q: 趣味の部屋が無関心層の来場者に響かない場合の対策は?
    A: プレーンな子供室・WIC・書斎など兼用例や、趣味の違う家族メンバーへの使い方パターン、将来汎用できるリノベーション案も併せてストックして提案できると商談幅が広がります。

モデルハウスを継続的に成功させるための「次の一手」

モデルハウスの趣味の部屋導入を一過性の話題に終わらせず、“自社ブランド戦略の中心ツール”として継続的な成果につなげるためには、効果測定・改善サイクル・新アイデア発信を止めない取り組みが要となります。将来まで顧客支持を集め続けるための「次の一手」として、以下の戦略をおすすめします。

1. データドリブンな効果測定とKPI設定

単なる“集客の演出”ではなく、モデルハウスおよび趣味の部屋の各種指標(来場者数・成約率・体験イベント参加率・SNS拡散数・新規見込み客率など)を厳密にトラッキングし、明確なKPIと品質管理基準を設定します。効果が可視化されることで社内外への説明力が増し、次の設計・企画予算へフィードバックがしやすくなります。

2. 市場トレンド+ローカル独自性の継続的リサーチ

社会全体での趣味や暮らしの最新トレンド(キャンプ、アウトドア、サウナ、ボードゲーム、自宅映画館、eスポーツなど)や、地域ならではの文化・産業・伝統工芸と趣味の部屋の融合も視野に入れて、絶えず新しい提案を開発しましょう。
アクションとしては、同業他社のモデルハウス調査や、地元専門店・イベントのネットワーキングも有効です。

3. 顧客共創型ワークショップ・コミュニティ運用

モデルハウスの趣味の部屋を「見せる」場所から、「顧客と共に進化させる場」へシフトアップしましょう。建て主やOB施主・見込客・社外クリエイターを巻き込んだワークショップや情報交換コミュニティを定期運営することで、独自事例の蓄積と拡張が可能です。「実際に使った声」「新しい提案」「課題・感想」を取材し、次のモデル開発の宝にします。

4. 戦略的パートナーシップ・コラボによる新価値創出

「個人趣味」や「遊び」だけにとどまらない、メーカー・専門店・自治体・アーティスト等と連携することで、モデルハウスに新たな体験的価値やCSR効果(地域活性化・SDGs貢献等)も期待できます。
アクション例:

  • 地域企業・団体との合同フェアやワークショップ企画
  • 趣味空間の材料/工法/デザイン競技会を開催
  • 教育機関と連携した子供向け体験イベント実施

5. 事例ストック&ナレッジの社内共有体制づくり

趣味の部屋を組み込んだモデルハウスでの成功・失敗・顧客反応などを、社内のナレッジマネジメントとして蓄積・共有。ベテランのノウハウを新人や設計・営業へ水平展開できれば、自社内での競争力も持続します。
アクション例:

  • 事例ごとの「Q&Aリスト」やFAQ集を作り、新人研修に組み込む
  • 定期的なモデルハウス運営部会・ミーティングの開催
  • 現場スタッフや設計士からのアイデア提案制度を実施

【Q&A】長期運用とさらなる発展のために

  • Q: モデルハウスの趣味の部屋をリニューアルするタイミングは?
    A: 新築・リフォームシーズン前(春・秋)や大型連休前、または大幅にトレンドが変化したときがターゲット。大規模改修は年1回、季節のマイナーチェンジは2~4回検討します。
  • Q: 趣味の部屋の“使いこなし”をもっと増やしたいときは?
    A: OB・見込客による使い方実演イベントや、社員がモデルとなって日常活用例をSNS・ブログ等で発信し、体験エピソードを増やしていきましょう。コミュニティ化や施主同士の情報交換も有効です。

まとめ

モデルハウスの差別化やブランディング、成約アップを目指す上で、趣味の部屋は「遊び」の枠を超えた強力な提案ツールになります。本記事でご紹介した、顧客分析から企画・設計・体験型イベント・アフターフォロー・社内ナレッジ化までのアクションプランを、ぜひ明日から一歩ずつご実践ください。
最初は小さな一歩でも、チームで「顧客の暮らし」への想像力を育み、現場でつかんだ反応を次回モデルハウスに生かしていけば、必ずや独自価値として継続的な成長につながるでしょう。大切なのは“売りやすさ”だけでなく、“住まう人の幸せ”までイメージした提案と、手ごたえのあるデータ・リアルな事例を積み重ねることです。今日からの継続的な鍛錬と挑戦が、明日の地域No.1モデルハウス、頼られる工務店への道を切り拓いていきます。読者の皆様が、次なる成果を獲得されることを心より応援しています。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

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