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「内閣府beyond2020」の認定および「外務省JAPAN SDGs Action Platform」の紹介団体です。

イベント効果を測定し、次回の改善に繋げる

公開日: : 工務店 経営

工務店を経営していると、開催するイベントが本当に集客や受注へ繋がっているのか、またどうすれば回を重ねるごとに効果を高められるのかという疑問は尽きません。単なる開催だけに終わらず、効果を正しく把握し、確実な改善へと繋げる仕組みを持つことは、持続的な成長や差別化を目指す上で不可欠です。この記事では、イベントの効果を具体的に測定する方法と、得られたデータをどのように活用して次回以降の改善に繋げていくのか、実践的な手順を詳しく解説します。イベント運営に関する「どこから始めればいいのか分からない」「実際に改善したいけれど方法がイメージできない」といった疑問や不安に寄り添いながら、すぐに活かせる実用的なノウハウをお届けします。

測定と改善の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店の経営現場でイベントを行う目的や形態は様々ですが、いずれも「何らかの成果」を得ることが最大の狙いです。しかし、開催後に「今回はどうだったのか」「本当に意味があったのか」と漠然と感じて終わっていませんか?ここでは、成果を明確に可視化し改善へ進むための“測定と改善”の基礎から具体的な導入手順まで体系的に解説します。

1. イベントの目的を具体的な数値に落とし込む

まずは「なぜイベントを行うのか」を整理しましょう。新規の見込み客を増やしたいのか、地域の関係性を深めたいのか、受注率を上げたいのか。目的が曖昧なままだと効果測定も改善も進みません。
アクションステップ:

  • 目的を一つか二つに絞る(例:来場者数の増加、新規見積依頼数獲得)
  • 目的ごとに「測る指標(KPI)」を数値で設定する(例:来場予約○○件、当日来場者○○名、アンケート回収率○○%、施主相談数○○件など)

2. 効果測定に必要な情報を事前にリストアップする

どのデータをいつどうやって集めるのか、計画段階で明文化しておくことが大切です。これができているだけで、イベント終了と同時に「評価できる材料」が揃っています。
アクションステップ:

  • 来場者リスト、申込フォームの設計(個人情報取得の同意も明記)
  • アンケート項目の作成(「どうやって知ったか」「満足度」「今後の検討段階」など)
  • スタッフによる会話記録、名刺獲得数の把握方法の共有
  • 前回イベントとの比較できるデータベースを準備

3. 収集すべきデータの種類と効果的な集め方

やみくもにデータを集めても分析や改善に活かしきれません。よく使われるデータ項目には次のようなものがあります。
アクションステップ:

  • 定量データ:来場数、資料請求数、見積依頼数、成約対応数など
  • 定性データ:アンケート自由記載欄の意見や満足度、当日会話記録
  • 発生経路データ:集客媒体別の流入数(Web、チラシ、紹介など)

これらのデータは、受付での自動カウントやGoogleフォームなどのオンラインアンケート、スタッフ回収による紙アンケートなど、複数の手法を組み合わせてしっかり網羅しましょう。

4. 測定と改善フローの設計(PDCAサイクル)

集めたデータは、その都度見て終わりではなく継続的に“活用”することが肝心です。
アクションステップ:

  • イベント終了後、すぐに関係者全員で「振り返りミーティング」を開催
  • 数値目標との乖離や良かった点、問題点を全員で共有
  • 改善策(例:告知方法の見直し、アンケート回収の手法、会場レイアウトなど)を次回計画に組み込む
  • PDCA(Plan・Do・Check・Act)をイベント単位で回す仕組み化

イベント×測定と改善:成果を最大化する具体的な取り組み

1. 実践すべき「測定と改善」具体的プロセス

実際のイベントで高い成果に繋げるには、現場運用を意識した“使える手順”が必要です。ここでは業務フローを分解し、それぞれのフェーズで意識すべきポイントを紹介します。

  • (1)計画前(ゴール設定と集客戦略の策定)
    • 過去イベントのデータから達成目標値を仮設定(ベスト/ワースト記録の把握)
    • 狙うターゲット(例:30代転入層、中高年の住替え層など)を定める
    • 集客手段ごとに目標人数を割り振る(例:SNS経由10名、DM経由5名など)
    • 必要な案内ツール(Web申込ページ、LINE公式、告知チラシなど)を事前設計
  • (2)開催中(リアルタイムデータ収集と現場対応)
    • 受付や各コーナーで来場者数を現場スタッフがリアルタイム記入
    • 案内資料配布時に個別記録(誰がどの資料を受け取ったか)
    • アンケートの回収率をタイムリーに確認、未回収者へのフォロー声掛け
    • 会場レイアウトや動線の混雑、来場者動向をリアルタイムに記録
  • (3)終了後(分析・フィードバック・次回施策の決定)
    • 集客ごとの来場率、集客媒体別の反応率を分析表へまとめる
    • アンケートの満足度点数化、自由意見の分類(改善点と成功要因)
    • 現場スタッフからのヒアリング、トラブル・クレームの再発防止策検討
    • 次回改善アイディアのリスト化、優先順位付けと実行責任者の設定

2. 測定と改善の精度を高める7つのチェックリスト

現場ごとにバラつきが出やすいのがイベントの「測定と改善」です。抜け漏れなく進めるための簡易チェックリストを活用しましょう。

  • 目的とKPIが明確に数値化されているか?
  • 集客媒体別に効果を比較できるデータ設計になっているか?
  • アンケートやヒアリングで“具体的な改善点”を発見できているか?
  • 回収データの記入ミスやロスがないように運用フローが構築されているか?
  • チーム全員がイベント後の振り返り・改善会議にジャッジできる情報を持っているか?
  • 「やりっぱなし」にならず、次回に必ず反映するルールが仕組み化されているか?
  • 同業他社・地域イベントのベンチマークと自社の比較分析を実施しているか?

3. よくある悩み・質問(FAQ)と対策

  • Q:そもそも効果が“測定”できているか分からない。
    A:まずは来場数、アンケート回収数、見積依頼数といったシンプルな数値から始めましょう。回ごとにエクセルやGoogleスプレッドシートで蓄積すれば効果の推移を可視化できます。
  • Q:数値は取れているが、そこから“改善”点を発見できない。
    A:アンケートの自由記述欄に「来場理由」「満足/不満足点」「他社と比較した結果」を加えてください。そこから新しい課題や次回の着眼点が見えます。
  • Q:スタッフ全員を巻き込んだ改善活動が難しい。
    A:イベント後に必ず「全員参加」の振り返りを設け、数字目標の達成可否や現場の実感を共有しましょう。個人に責任を押しつけず、課題を全体で議論することが文化化の第一歩です。
  • Q:集計・分析の時間短縮はどうすれば?
    A:GoogleフォームやLINEアンケート等、リアルタイムでデータ化できるツールを積極活用しましょう。スタッフの作業負担軽減にも繋がります。

イベントを継続的に成功させるための「次の一手」

1. イベント効果を着実に高めるためのPDCA実践法

一度きりの測定と改善ではなく、「回を重ねるほどに成果が上がる」継続的な仕組みを根付かせることが肝となります。そのためには以下の実践例が効果的です。

  • データ蓄積と「見える化」:

    各種イベントの結果を年間スケジュールや専用シートで記録。日付・来場者年代・見積依頼率・満足度等を横並びで一覧化できるよう、社内共有フォルダやクラウドで一元管理しましょう。
  • ナレッジ・改善点のマニュアル化:

    各イベント終了ごとに「成功と失敗事例集」を書面・デジタルで残し、担当交代時もノウハウが引き継がれる体制を作ります。
  • 年間戦略としての「テーマ設定」:

    単発のイベントごとに個別評価で終わらせず、「今年度は○○層の新規開拓を強化」などの年間方針のもとで全イベントを連動させると、経営効果も格段に高まります。その年度中に見えた改善点は次年の施策へ必ず反映します。

2. イベント運営における「独自性」と成約率向上技術

  • 「自社らしさ」発信の徹底:
    イベントにはその土地ならではの特色や、工務店独自のこだわりを盛り込みましょう。毎回テーマ性を持たせ、小さな企画でも「他社と違う価値」を訴求することでリピーター化や推薦へ繋がります。
  • 追客・フォローアップの見える化:
    イベントに来場した未成約顧客への定期フォロー(お礼ハガキやLINE案内、リフォームや季節イベントのインフォメーション等)を、一覧表やCRMシステムで誰がいつ連絡したか把握できる体制を整えましょう。

3. 数値目標のみならず「顧客体験」改善へのチャレンジ

単に指標達成だけでなく「顧客目線で見て何がもっと良くできるか?」に踏み込むと、リピートや信頼度アップなど中長期的な効果も生まれます。

  • 来場者の声を徹底的に集め、次回イベントへ新アイディアとして反映
  • 来場時のウェルカムセットやキッズ対応、動線サインの分かりやすさ等ハード面にも継続改善を図る
  • スタッフ教育・ロールプレイによる接客対応力の底上げ

4. 測定と改善を「負担」としないコツ

現場で「面倒くさい」となりがちな測定と改善の負担を減らすには、作業の自動化・簡素化と、メンバー全体への目的共有がポイントです。

  • 受付でのQRコードチェックイン、Webアンケート活用で記録業務を最小化
  • 何のためにこの作業が必要か、効果がどう現れるかをチーム全体で擦り合わせる
  • イベント後はすぐに成功・課題点など小さなフィードバックと称賛を回すこと

まとめ

工務店の経営力強化や差別化の切り札として、イベントの開催とその効果測定・改善は不可欠な取り組みです。この記事でご紹介した「目的と指標の明確化」「現場で使える測定と改善フロー」「振り返りとナレッジ蓄積」「顧客体験の磨き上げ」など、具体的なステップを実行に移すことで、次回以降のイベントがより成果あるものへと生まれ変わります。測定と改善は一度だけの作業ではなく、継続する過程で大きな成果をもたらします。ぜひ自社流の工夫も加え、メンバー皆さんの知見を結集しながら挑戦を続けてください。取り組みの先には、地域で選ばれる工務店へと飛躍する未来がきっと待っています。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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