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イベントのリピート参加を促す顧客エンゲージメント戦略

公開日: : 工務店 経営

工務店経営において、新規顧客の獲得だけでなく、「既存顧客のファン化」がますます重視されてきています。特に、体験や交流の場としてのイベントは、単なる集客以上の価値をもたらし、リピート参加の仕組みを築くことができます。しかし、せっかく開催したイベントも「一度きり」で終わりがちだったり、なかなか参加者が増えないという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「どうすればイベントへのリピート参加を生み出し、顧客との継続的な関係性を強化できるのか?」という現場の疑問に対し、工務店ならではの具体的な手法と戦略を、すぐに実践できるアクションプランとして詳しくご提案いたします。単なるノウハウの羅列ではなく、現場の工務店オーナー・スタッフの皆さまが、明日から実践できるリアルな解決策にフォーカス。顧客エンゲージメントを高め、持続的なビジネス成長につなげたい方に最適な内容です。

リピート参加の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

まずは「なぜイベントでリピート参加が重要なのか」から確認し、その上で基礎的な導入手順と応用事例まで、順を追って解説します。

1. 工務店とイベント:現状の課題整理

  • 工務店の現場では、イベントの集客がマンネリ化しやすく、一度きりの来場で終わるケースが少なくありません。「記念イベントをしても反応が薄い」「参加者が固定化する」「次につながらない」といった声がよく聞かれます。
  • これは、単なる「イベント開催」のみに注力し、その先の「コミュニケーション」や「関係性構築」、「リピート参加」に向けた工夫が不足していたから、という側面が多分にあります。

2. リピート参加が生み出すビジネス効果

  • リピート参加によって、顧客との信頼関係を強めやすくなります。
  • 継続的な情報提供や交流を通じて、口コミや紹介受注、新たな提案機会の掘り起こしが期待できます。
  • イベントが「成功体験」や「思い出の場」になることで、企業へのロイヤルティ強化につながります。

3. 導入ステップ:リピート参加を生み出す仕組みの構築

  1. 目的の明確化とターゲット設定
    • どの層の顧客にイベントのリピート参加を狙うか(OB客・新規見込み客・地域住民等)を具体化します。
    • 「お困りごと相談」「家族向け体験」「季節イベント」など、顧客属性ごとに適したテーマを考えます。
  2. 年間イベント計画の策定
    • 単発開催でなく、年度初めに「リピート」を意識した年間計画を立てます。
    • 例えば、春夏秋冬で異なるテーマを設定し、次の参加を先に予告しておくなど、継続性を持たせます。
  3. イベント後のフォローアップ設計
    • イベント参加直後アンケート・写真送付・メール配信など、一回参加で終わらない仕掛けを設けます。
    • 「次回予告」を必ず添え、参加者が「また参加しよう」と思える案内や特典を明確に提示します。
  4. スタッフ全員でのエンゲージメント強化
    • 受付・案内係・講師担当など、スタッフの役割ごとに「名前を覚える」「声をかける」など、個別対応を徹底します。
    • 顔なじみ化が進むほど、リピート参加率が向上します。
  5. イベント企画段階からのコミュニティ意識
    • 「来て終わり」ではなく、「参加者同士で話せる仕掛け」「共通の話題」など、コミュニケーション設計を組み込みます。
    • 「みんなで作る」「みんなで祝う」など、“共体験”の種を根付かせましょう。

4. リピート参加導入の実践アイディア

  • 継続型ワークショップ(例:家づくり教室・DIY講座の連続開催)
  • 「来場スタンプカード」や「年間イベント参加パスポート」導入
  • イベント参加者限定のSNSグループ・メルマガコミュニティ開設
  • 「OB客が先生役」という形の参加型イベント(例:「施主様による片付け術講座」など)


イベント×リピート参加:成果を最大化する具体的な取り組み

ここでは、工務店が現場で即活用できる「勝ちパターン」と、リピート参加率を高めた実践例、そして成果を最大化する工夫やFAQをまとめます。

1. 企画段階からの「次回につなげる仕掛け」

  1. クロージング型告知の徹底
    • 毎回のイベント中・終了後、「次回開催日」やテーマ、そして「特別な体験ができる機会ですよ」と明快に伝えましょう。
    • スケジュール帳に即記入できる紙チラシ、またはスマホで簡単に登録できるフォームなども用意します。
  2. 参加特典・継続特典の活用
    • リピート参加者限定の抽選やノベルティ、「3回参加で記念品進呈」など段階別特典を設けます。
    • 毎回異なる特典・シリーズ物(例:「季節ごとのお菓子」など)も、コレクション意欲を刺激します。
  3. 「知人紹介制度」の導入
    • 既存の参加者に、新たな友人・ご家族を誘っていただける仕組み(紹介券、豪華景品など)も効果的です。

2. 具体的な成功事例

  • 【事例A】
    地元密着の工務店が「DIY親子教室」を連続開催。初回イベントで全員に「お楽しみスタンプカード」を配布し、3回来場でオリジナル木工グッズを進呈。回を重ねるごとに参加親子同士が交流しやすくなり、半年でリピート参加率70%を達成した。
  • 【事例B】
    OB客を対象にした「家のお手入れ勉強会」。メンテナンス担当スタッフを中心に、「前回来場の様子」を共有しつつ、「次回は〇月に大掃除講座を開催します」と予告。さらに講座終了後のアンケートで「今後聞きたいテーマ」を回収し、内容を即反映。口コミ紹介も増加した。

3. リピート参加を阻害する落とし穴と対策

  1. 内容のマンネリ化
    毎回「似た内容」「変化がない」と感じると、リピート意欲が落ちます。
    →事前アンケートやSNS投稿、現場の声から、毎回1つは「新ネタ」「新しい体験」を必ず盛り込みましょう。
  2. 敷居の高さ/参加しにくい雰囲気
    初参加の人が不安にならない案内や顔合わせタイム、「一人でもOK」を明示。
    →グループ分けや席決めナビ、スタッフのサポートも重要です。
  3. アフターフォローの弱さ
    イベント後のお礼状(手書きカード・写真メール)、「次回予告付き案内」など、参加者への感謝と継続接点の徹底を。

4. よくある疑問(FAQ)とポイント解説

  • Q. どれくらいの頻度でイベントを開催すればいいの?
    A. 月1回程度が目安ですが、ターゲットやテーマに応じて柔軟に設定が可能です。大切なのは「コンセプトをぶらさず、定期的に続けること」。年間スケジュールに組み込んで告知しましょう。
  • Q. 新規客をリピート参加に引き上げるコツは?
    A. 「次の参加で初回特典」「家族・友人と一緒にどうぞ」「体験テーマのシリーズ化」など、再訪のメリットを分かりやすく打ち出すことがポイントです。
  • Q. 少人数、スタッフが足りない場合の効果的な方法は?
    A. スタッフが中心でなく、OB客や常連参加者に“協力スタッフ”として巻き込む、あるいは座談会・小規模ワークショップ形式で「関係性重視」の内容に落とし込むのが効果的です。
  • Q. イベントの集客とリピート参加を両立できる広報術は?
    A. SNSグループの活用や、参加後アンケートで集めたお客様の声をホームページ・ブログで紹介し、次回開催への期待感を醸成。既参加者限定の先行告知も、再来率アップに有効です。


イベントを継続的に成功させるための「次の一手」

イベントの単発的な盛り上がりで終わらせず、「また行きたくなる」「家族や友人も誘いたくなる」仕組み作りが必要です。本章では、中長期的な視点での応用アイデアや、効果測定、改善のPDCAサイクル構築について具体策を提示します。

1. 長期視点の顧客エンゲージメント強化

  1. コミュニティ化と会員制度の活用
    イベント参加者限定で「LINEグループ」「オーナーズクラブ」「参加証」など、定期接点を持てる仕組みを導入。

    • 「◯◯会(例:DIYの会、暮らし快適クラブ)」など親しみやすいネーミングが効果的です。
    • イベント参加者が「自分ごと化」できるよう、意見募集やコンテンツ制作等へも巻き込みます。
  2. 連続型イベント・イベントシリーズの構築
    例えば「春はガーデンDIY」「夏はエアコン掃除」「秋は外壁チェック」「冬は断熱相談」など、四季ごとにテーマを据え、「年パス」や「シリーズスタンプ」などでリピート参加を促します。

2. 効果測定で見逃しがちなポイントと改善手法

  1. 参加者データの一元管理
    参加者名簿、参加回数、参加テーマ、アンケート内容等をできるだけシステマチックに記録・管理します。

    • Excelや専用ソフト、Googleフォーム回答一覧など活用が有効です。
    • 個別メッセージ配信や特別招待の際に大きな力を発揮します。
  2. 満足度調査とフィードバック循環
    毎回のイベント後、3分で答えられる感想アンケート、写真共有による「思い出の振り返り」と「要望ヒアリング」をセットで実施。

    • 要望を次回企画にすぐ反映することで、参加者の「声が届いている」との実感に。

3. 継続改善のPDCAサイクル構築

  1. Plan(計画)
    年間を通じて、どの時期に・どんな階層の顧客をターゲットに・どんな体験を提供するか。「次回予告」を含めた長めの工程表を作成します。
  2. Do(実行)
    現場での臨機応変な対応を大切に。直前集客や予備枠設定、雨天時の代替策など機動力も重要です。
  3. Check(評価)
    参加者数・リピート参加率・満足度アンケート結果などから、数字と現場の声の両面で評価。
  4. Action(改善)
    振り返りミーティングを必ず実施し、「次はこうしよう」という具体アクションを明文化。SNS等のフォロワー状況も参考にしましょう。

4. さらなる発展のための応用例

  • 参加者同士の「OB交流会」や「顧客座談会」開催(リフォームや住まい方の相談会も)
  • イベント内で「小冊子」やオリジナルノベルティ配布し、次回案内や感謝メッセージもセットで
  • グループLINEやFacebookページで、イベント情報や暮らしの豆知識を定期配信
  • 地域の他業種とコラボして集客(地元カフェ×家づくりトークショーなど)、参加者の新たな体験を演出

まとめ

工務店にとって、イベントは“その場限り”では終わらせず、リピート参加という「顧客との絆」へ育てていくことが、今後の事業成長に不可欠な戦略です。そのためには、「年間計画」「次回につなげる仕掛け」「フォローアップ」「継続接点の設計」といった実践的なアクションを着実に積み重ね、日々のPDCAサイクルで柔軟に見直していくことが重要です。
この記事でご紹介した数々の具体策を参考に、ご自身の現場へ着実に落とし込み、小さな成功を積み上げてください。リピート参加が増えれば、お客様一人ひとりとの関係が深まり、その先の新しい出会いやビジネス展開への扉が必ず開かれます。「イベントはお客様と一緒に作る場」という視点を忘れず、今日からぜひチャレンジを始めてみてください。皆さまの挑戦を心から応援しています。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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