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雑費を徹底削減!工務店の経費見直し術

公開日: : 工務店 経営

工務店の経営現場では、見過ごされがちな“雑費”が経費全体に大きな影響を与えているケースが多く見られます。「利益が出ているはずなのに、なぜかキャッシュが残らない」「どこから手を付けてコスト管理を進めればよいのか分からない」といったお悩みをお持ちではありませんか?本記事では、“雑費削減”を軸に、今日から始められる具体的なコスト管理のノウハウを体系的に解説します。経営者や現場リーダーが直面しがちな疑問や課題に寄り添い、実践的なアクションプランをご提案。読み終えた瞬間から、自社の経費に対する意識と取り組みが一歩前進することをお約束します。

雑費削減の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店経営において、雑費は“見過ごされがちな出費”の代表格です。ここでは、雑費の性質を理解し、効率的にコスト管理へ着手するための実践的ステップを解説します。基礎から応用まで体系的に整理していますので、現在の状況を確認しながら、一つひとつ進めてみてください。

1. 雑費の「見える化」から始める

まず最初に着手すべきは、雑費の徹底的な「見える化」です。項目ごとに集計せず、曖昧なまま処理されていることが多い雑費を、具体的な内容や部門別に分けてリストアップしましょう。たとえば、「消耗品費」「交通費」「接待交際費」「書籍・新聞購読費」「備品購入費」など、細分化することがポイントです。以下の手順で取り組んでください。

  • 直近3~6ヶ月分の仕訳帳・領収書を確認
  • 「雑費」として計上されている項目を抜き出し、具体的な内訳に分類
  • 部門・担当者単位での出費傾向を集計

2. 雑費の「性質」と「必要性」を精査する

雑費削減の本質は「無駄な出費」を排除することにありますが、闇雲なカットは現場のモチベーションや業務効率低下につながります。従いまして、下記の観点で雑費の性質および必要性を精査しましょう。

  • 業務運営に不可欠な支出かどうかを明確化
  • 本来、雑費でなく他の勘定科目で管理できないか検討
  • コストパフォーマンス(投資対効果)の視点で評価
  • 「慣習的な出費」や「付き合い費」など、見直し余地がないか再検討

3. 経費規程やルールの再構築

基礎の整理ができた段階で、経費規程や支出ルールを明文化することが大切です。以下のような工夫が効果的です。

  • 雑費で処理できる範囲・金額の上限設定
  • 一定金額以上の出費には承認プロセスを導入
  • 領収証の提出義務や説明責任の徹底
  • 月次または四半期ごとの雑費集計・報告を義務付け

これらは従業員の“意識改革”にもつながります。

4. デジタルツールの活用による見直し

近年は経費精算システムやクラウド会計ソフトが進化し、手作業の負担を減らしつつコスト管理の徹底がしやすくなっています。おすすめの導入手順は下記の通りです。

  • 経費精算システム(例:freee、マネーフォワードなど)の導入検討
  • 稟議・承認フローをデジタル化し、スピード化と記録の明確化を図る
  • 月次レポートの自動作成やアラート通知設定によるモニタリング強化

5. スタッフへの周知徹底と協働体制の強化

経費規程や雑費削減の方針を社内でしっかり共有し、「全員でコスト管理に取り組む文化」を醸成することも重要です。

  • 定例ミーティングで雑費削減の目標と成果を共有
  • 良いアイデアや取り組みを表彰・フィードバックする仕組み作り
  • 現場ごとに「雑費班」など専任担当者を立てて責任区分を明確に

【よくある疑問Q&A】

  • Q. 雑費を細かく管理することで、本当に経営が改善しますか?

    A. はい、“ちりも積もれば山となる”の言葉通り、雑費のわずかなカットでも月次・年次で見ると大きな成果につながります。意識を変えるきっかけにもなります。
  • Q. 一度ルールを制定したら見直し不要ですか?

    A. 定着後も定期的(半年~年1回程度)の見直しがおすすめです。現場の実情や営業変化に応じ常に最新化しましょう。

コスト管理×雑費削減:成果を最大化する具体的な取り組み

コスト管理と雑費削減は決して一過性の取り組みではありません。ここからは、PDCAを意識した継続的アクション、現場主導の改善策、そしてFAQ形式で生じやすい疑問にも明快に答えながら、成果を最大化する方法をお伝えします。

1. 目標設定とKPI(重要業績評価指標)の導入

曖昧な「コストを抑える」ではなく、具体的に「雑費を○○%削減する」「今期の雑費総額を△△円にする」といった定量目標を設定しましょう。そのためには部門別・用途別にKPIを設け、以下のような手順で進捗管理を行います。

  • 過去実績を参考に、現実的かつチャレンジングな数値目標を決定
  • 部門・現場ごとに達成度を毎月集計・共有
  • 達成度に応じてインセンティブや表彰を設ける

2. “ムダの可視化” ワークシートによる現場巻き込み

現場の協力が不可欠です。以下のように「ムダ発見シート」「支出点検リスト」を配布し、プロジェクト単位やチーム単位で自己点検を促しましょう。

  • 全員参加型の雑費“棚卸し”会議を定期開催
  • 「これはなくせる」「こう変えたらコスト半減」など現場目線の意見を吸収
  • 改善要望・施策をリスト化し、経営層・事務方が評価・採択

3. 具体的な雑費削減アクション事例

以下は工務店で実際に効果を上げた取り組み例です。自社の状況に合わせご活用ください。

  • 消耗品の“まとめ買い”から“定量・定期発注”への切り替え
  • 備品・道具の共有化(各部署/現場の個別保有を統合)
  • 紙ベースの業務連絡や資料配布のデジタル化
  • 飲食・接待費は明確なガイドライン化(不要不急を明確に排除)
  • 外出交通費の定額化または交通系ICカードの利用促進
  • コピー・プリントアウトの枚数リミット設定

4. 外部リソースや仕入先と連携したコスト管理強化

雑費という枠を越えて、仕入先や取引先と協力しコスト全体を下げる取り組みも有効です。たとえば消耗品は仕入先とボリュームディスカウントを交渉したり、見積書に「雑費」をきちんと内訳記載してもらったりといった方法もあります。外部の会計士やコンサルタントと定期的にレビューを実施するのも効果的です。

5. 雑費削減を「全社文化へ」昇華させる

雑費削減を単なるコスト管理の一環として終わらせるのではなく、全従業員が“会社を良くするため”の取り組みと捉えることが鍵です。例えば、お客様や地域社会への貢献意識と紐付けた活動を展開するのもおすすめです。

【現場の悩みに答えるQ&A】

  • Q. 経費削減を推進すると、現場がやりにくくなりませんか?

    A. 現場の業務効率や士気を損なわないため、削減策の提案・採用は必ず現場の意見を取り入れて進めてください。ルールを押し付けるのではなく、協働で最適解を模索する姿勢が信頼構築へつながります。
  • Q. 雑費の使い道を減らすと、結果的に別の項目が増えることは?

    A. そのリスクもあるため、勘定科目横断的なチェック(例えば交際費や消耗品費も同時監査)が重要です。一項目だけでなく“全体最適”を目指しましょう。

コスト管理を継続的に成功させるための「次の一手」

ここまでで雑費削減とコスト管理の具体策を示しましたが、その効果を持続させるには「仕組み化」と「社内風土づくり」が欠かせません。継続的な成果をもたらすプランを詳解します。

1. 定期的なモニタリングとPDCAサイクルの徹底

コスト管理は“やりっぱなし”が最大の敵です。今後も費用削減を最大化するには月次レポートやKPIダッシュボードで達成度を見える化し、“問題発見→分析→改善策立案→実行→検証”の繰り返しを徹底してください。

  • 月次・四半期ごとに数字と実行結果を経営層と現場で確認
  • 未達や障害があればすぐに対応策を検討・実行
  • 年間通じて“今やれていること、やれていないこと”を分かりやすく総括

2. コスト予算の策定と年度ごとのアップデート

年間予算・月次予算を明示し、「使ってよいお金の枠」をしっかり設定しましょう。予算実績との差異は都度フィードバックし、次年度の計画に活かしてください。また、こうした数値管理をエクセル・会計ソフト・専用アプリで自動化しておくと、現場負担の軽減にも繋がります。

3. 小さな成功体験を「会社の資産」にする

雑費削減に限らず成功事例を積極的に社内で発表・表彰し、ノウハウをマニュアル化して横展開しましょう。「○○現場で紙の発注リストをデジタル化した結果、月5,000円の削減」など、成果を見える形で継続的に残すことが、文化定着のカギとなります。

4. 社外の事例や業界情報をキャッチアップする

業界の交流会やセミナー、専門メディアから他社のコスト管理や雑費削減事例を積極的に収集し、自社の取り組みに取り入れることが成功への近道です。外部視点で自社の慣習的な支出に気づくヒントも多くあります。

5. コスト管理に関する数値目標の“共有・再定義”

コスト管理の目標は一度設定したら終わりではなく、事業環境や経営戦略の変化に合わせて“再定義”が必要です。年度方針・経営計画に反映し、会社全体の動きと一体化させましょう。

【今後よくある疑問Q&A】

  • Q. 継続改善が難しくなった場合、どうすればよいですか?

    A. 「目標が高すぎる・現場との連携が不足している・フィードバックの質に課題がある」など複数要因が考えられます。その場合は目標の現実化、成功例の再共有、外部コンサルのアドバイス活用などを試してみましょう。
  • Q. コスト管理担当者がいない(兼任で負担が大きい)場合は?

    A. 少人数の場合は経費管理専任の“デジタルツール”の活用、または可能な範囲でパートタイムの管理担当を設置するのがおすすめです。

まとめ

本記事では、雑費削減を切り口に工務店のコスト管理を抜本的に見直すための実践的な手順を総合的にご紹介しました。まずは雑費の見える化とルール化、社内巻き込みからスタートし、目標設定・現場主導のアクションを通じて成果を上げるステップを明確化。コスト削減の成果にとどまらず、経営基盤の強化や業務効率アップ、従業員意識の変革が未来の競争力につながります。継続的なPDCAや情報収集も忘れず、ぜひ今日から一歩を踏み出してください。小さな積み重ねが大きな成果を生み出し、貴社にとって確かな発展の礎になると心より応援しています。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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