顧客単価を向上させる!工務店の営業戦略
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工務店 経営
工務店経営において「売上向上」は避けては通れない重要課題です。しかし、新規顧客の獲得ばかりに注力してしまい、「既存のお客様一人ひとりの価値(顧客単価)」を上げる工夫が後回しになっていないでしょうか?この記事では、工務店が直面しやすい「売上が伸び悩む」「既存顧客との関係性を深めたい」といった経営者の皆様のリアルな疑問に答えながら、営業現場で今日から実践できる顧客単価アップの具体的な戦略をご紹介します。セールス現場経験者・現役経営者が「実際にやってみて成果が出るノウハウ」にこだわって解説しますので、自社に合うアクションをぜひ見つけてください。この記事を読み終えることで、「今のままではいけない」と感じていた売上向上への筋道が、自信を持って描けるようになります。
顧客単価の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで
売上向上を目指す上で「顧客単価」を意識的に上げることは、最も短期間かつ効果的な方法の一つです。ここでは、工務店経営にすぐ役立つ「顧客単価」の基礎知識から、現場で即実践できる導入ステップを解説します。
1. 顧客単価向上の現状分析を行う
- まずは自社で現在の「顧客単価」を正確に把握しましょう。売上高を成約件数で割った金額が、一般的な顧客単価です。これにより、どれだけ1件の商談で収益が得られているか、一目でわかります。
- さらに、「新築」「リフォーム」「追加工事」「オプション」などサービスごとに平均単価を分類・比較してください。
- 現状分析では、過去1年分のデータをExcelやクラウド会計ソフトで抽出するのがおすすめです。
2. 単価アップのターゲット設定
- 自社の売上向上を考えた場合、全案件均等に単価を伸ばすのは現実的でありません。「拡大できる余地のある商品・顧客層」を選別しましょう。
- 具体例としては、「住宅の大規模リフォームを検討している顧客」や「築10年以上で追加工事やメンテナンス提案が可能なOB客」などです。
3. サービスの「バリューアップ」設計
- 工務店の主力商品・サービスに「付加価値」をプラスして、顧客が納得できる明確な理由をつくりましょう。これが、自然かつ無理のない顧客単価アップ戦略の核です。
- 例:「内装リフォーム」の単価アップのために、「省エネ断熱材の追加」や「間取りプランの個別提案」「施工後のアフターサポート3年延長」を有料オプションとする。
4. ターゲット別顧客単価アップ施策リスト
- 高額商品のセット化(例:太陽光+蓄電池、浴室+洗面・トイレ一体リフォーム)
- グレード別オプションの開発・提案
- 「定期点検」「シロアリ防除」など定期収入型メニューの導入
- OB客向け年間メンテナンスパックの販売
5. チーム全体での共通目標設定
- 営業・現場担当・事務スタッフ全員で「顧客単価向上」の目標・意味を共有しましょう。成約率維持と単価アップ両立のためには、日常の意識づけが不可欠です。
- 定例会での進捗報告やよく売れた付加価値プランの情報共有、職人さんにも協力を頼む仕組み作りが売上向上の下地となります。
6. 料金体系・見積書の工夫
- 見積書の最下部に「おすすめオプション」「今だけ割引」の記載スペースを加えるだけでも、顧客単価が上がるケースが増えます。
- 全体として「選びやすさ」「わかりやすさ」を重視し、提案のたびに自社の付加価値メニューへ導く工夫が大切です。
【Q&A】顧客単価向上の現場リアルな疑問に答える
- Q: 顧客単価を上げると、成約率が下がりませんか?
- A: 無理な値上げや単なる高額提案は逆効果。しかし、お客様の「なぜそれが必要なのか」という納得ポイントを押さえたバリュープレゼンであれば、単価アップ+成約率維持は十分可能です。例えば「今の断熱性能では10年後修繕費が大きくなるので追加提案します」といった説明が有効です。
- Q: 付加価値オプションが売れにくいとき、どうすべき?
- A: 販売実績や事例(OB客の声・施工写真)を活用した「裏付け」に強化を。特に写真や体験談が説得力を高めます。セールストークに説得力を持たせましょう。
売上向上×顧客単価:成果を最大化する具体的な取り組み
ここからは売上向上のために「顧客単価アップ」をどのように日常業務で定着させ、実際に成果に結び付けていくかを、今日からすぐ実践できる手順で解説します。
1. 営業現場の「ヒアリング力」を高める
- 顧客単価を上げるためには、お客様の「潜在的な不満・要望」に触れることが必須です。営業担当にはお客様の生活背景、家族構成、今後の生活設計までヒアリングできる「対話型ヒアリングシート」を持たせましょう。
- 見積・現地調査の際、「お困りごとチェックシート」「暮らしの不安リスト」を用意すると、追加受注のタネが見つかりやすくなります。
2. クロスセル・アップセルの仕組み化
- 例えば「外壁塗装」を検討しているお客様に、「バルコニー防水」「雨樋交換」など関連工事をわかりやすいセット提案。リフォームは「現場が同じなら費用も割安です」と説明しやすく、納得感も高いです。
- キッチン交換時、「水栓や食洗器のグレードアップ」「収納プラン追加」「光熱費が下がる最新設備」を同時提案し、グレードUPへの誘導を仕組み化します。
3. OB顧客の掘り起こし・再提案営業
- 「売上向上」は新規開拓だけでなく、既存顧客からのリピート・追加受注が最も効率の良い戦略です。OB客への年次点検DMや誕生月キャンペーン、住宅履歴台帳による提案型営業で、平均顧客単価をアップさせた実例は多く見られます。
- LINEやメール、SNSでのアフターフォローも近年効果を発揮しています。(「夏前のエアコン点検特価」「シロアリチェックご案内」等)
4. 標準仕様の見直しと選択肢の明確化
- 基本プランを「最低限機能」+「推奨オプション」とすることで、自然に顧客単価が上向きます。価格や性能表を見せて「ここにこれだけ足すだけで快適になります」と視覚的な資料を活用しましょう。
- 標準仕様そのものを引き上げる場合もコストとの兼ね合いをシミュレーションしてください。
5. 営業教育とトークスクリプトの整備
- 付加価値提案や単価アップの「伝え方」は誰もが悩むところ。必ず「提案トーク集」「NGワード例(押し売り印象のある表現など)」を用意し、ロールプレイで練習を積みます。
- 顧客の不安を先回りして解消するコミュニケーションをチーム全員で強化しましょう。
6. Web・SNS・既存資料の既存資産活用
- 自社実績や「お客様の事例」を紹介する専用ページ、SNS投稿を充実させ、「こんな追加工事も相談できるんだ!」と顧客に気付かせる仕掛けを増やします。
- 定期メンテナンスやリフォーム補助金情報、季節イベント(断熱キャンペーンなど)をWeb・紙媒体両方で発信しましょう。
【よくある疑問FAQ】
- Q: 既存顧客への追加提案でしつこい印象を与えませんか?
- A: 「お住まいの資産価値向上」「家族の安心」を軸に、押し売りでなく“情報提供”という立場を明確に伝えましょう。「3年後のライフスタイル変化も見据えて、ご提案いたします」など、顧客視点の会話を徹底することが重要です。
- Q: クロスセル・アップセルは現場スタッフの負担増になりませんか?
- A: 必要なのは一人一人が「提案できる話題のヒント」を持つこと。現場作業スタッフ用の簡単なトークマニュアルやパンフレットを用意して、提案は営業がフォローする形にすればスムーズです。
売上向上を継続的に成功させるための「次の一手」
「売上向上」は一時的なキャンペーンや一人の営業力頼みにしてしまうと、どうしても続きません。ここでは、成果を持続させるための「仕組み化」「効果測定」「継続改善」のポイントを解説します。
1. KPI(重要業績評価指標)の設定と見直し
- 売上向上には、「顧客単価」「成約率」「案件数」などのKPIをチームで共有し、定期的に見直す仕組みが求められます。週1回の営業会議では、必ず最新数値をメンバーに伝え、うまくいった事例・つまずいた事例をオープンに話し合いましょう。
- 全社KPIだけでなく、部門や担当者別の小単位KPIも設定すれば、施策の効果をより細かく把握できます。
2. 成功事例と失敗事例のナレッジ化
- 単価アップや売上向上を実現できた現場・担当にインタビューし、「実際にどう工夫したのか」「どう断られたか」「顧客からどんな反応があったか」などナレッジ共有会を開催します。
- 「事例ノート」「トーク集」「QA集」など、紙資料・データどちらでもOKなので定期蓄積・社内共有を習慣化しましょう。
3. 顧客属性/商談記録のデータベース化
- 再販や顧客単価アップのきっかけは「住まい方の変化」に現れることが大半です。顧客属性(家族構成、築年数、趣味、困りごと)の情報を、なるべく詳細に記録できる社内CRM(顧客管理システム)を活用してください。
- 数年後、思いもよらないタイミングで追加ニーズが生まれるヒントにもなります。
4. 独自提案・新商品開発でより高付加価値化を目指す
- 成果が出始めたら、さらに自社独自の「セット商品」「メンテナンスパッケージ」「定額サブスクリプション」を開発・テスト導入することで、中長期的な売上向上・顧客単価アップにつながります。
- 補助金や助成金制度、メーカーとのコラボ商品等、業界情報にアンテナを立てて、先行導入事例をいち早くキャッチアップしましょう。
5. 継続的な現場教育とフィードバックサイクル
- 一度のミーティングやトーク訓練ではなく、現場の声を基に営業や工務スタッフの教育を「継続的なOJT・研修」として仕組み化してください。
- 月1回の顧客満足度調査、半年ごとの業務改善会議など、現場フィードバックを活かす社内文化づくりが重要です。
6. 「顧客の生涯価値(LTV)」を意識した全社戦略へ
- 「顧客単価」向上はその場限りの利益増だけでなく、顧客との長期的な信頼関係創出=生涯価値(LTV)拡大へとつながります。
- 「契約→追加受注→メンテナンス→リフォーム→紹介獲得」の流れを社内で設計し、売上向上を持続性ある仕組みに発展させてください。
【応用編Q&A】
- Q: KPIを設定しても現場が数字で動かなくなってしまいました。どうすれば?
- A: KPIの「意味」と「現場でできる小目標」をきちんと伝えることが不可欠です。「売上向上」自体よりも、「お客様全員に必ず2件以上提案をする」など現場が行動できる小さな目標に切り替えると、成果につながりやすいです。
- Q: サブスクリプションや新サービスの展開が難しい場合、何から取り組むべき?
- A: まずは「既存メニューの中で、セット販売や年間契約への切り替え提案」から着手しましょう。新商品開発にはコストや時間がかかるため、現場の負担の少ない小さなチャレンジで成果を積み重ねることが最重要です。
まとめ
工務店の売上向上は「顧客単価アップ」を中心に据え、戦略的かつ実践的な取り組みを積み重ねることで、確実に成果が現れます。まずは現状の数値分析・サービス設計・ターゲット顧客の明確化から着手し、営業・現場全体で付加価値提案を徹底してください。現場でのヒアリング力やクロスセル提案、OB顧客へのアプローチは、長い目で見れば自社の顧客基盤と生涯価値を強固にします。そして、これらを一過性で終わらせず、データや事例の蓄積、社員教育の継続で仕組み化することで、“勝ち続ける営業体制”を実現できます。地道な一歩から始めたアクションが数年後には大きな売上向上へ――本記事を参考に、ぜひ明日から自信を持ってチャレンジを始めてください。現場経営者ならではの視点で「自社らしい成長物語」を築けることを、心より応援しています。
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