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モデルハウス集客に役立つ最新ツールとその活用法

公開日: : 工務店 経営

工務店経営者の皆様、日々の業務で最も頭を悩ませる課題の一つが「集客」ではないでしょうか。特に、魂を込めて建築したモデルハウスに、どのようにしてより多くのお客様を呼び込むか。多くの方が「モデルハウスは建てたものの、思うように来場に繋がらない」という壁に直面しています。モデルハウスは、私たちの技術力やデザイン、住まいへの想いを具体的に伝える最高のツールですが、その存在を知ってもらい、足を運んでもらうための導線がなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

かつては折り込みチラシや電柱看板が主要な集客手段でしたが、情報過多の現代において、それだけで集客を維持・拡大するのは困難です。お客様は情報を自ら探しにいき、多様なチャネルで比較検討を行っています。このような状況でモデルハウスへの来場を促進するためには、デジタルとアナログを組み合わせた多角的なアプローチと、それを支える最新の集客ツールが不可欠です。集客ツールを戦略的に活用することで、より効率的かつ効果的に、興味を持つ見込み客をモデルハウスに誘導することが可能になります。

この記事では、工務店がモデルハウス集客を成功させるために、どのような集客ツールがあり、それぞれをどのように活用すれば良いのか、具体的な手順と実践的な視点から解説します。一般的なツールの紹介に留まらず、工務店ならではの使いこなし方、そして成果を最大化するための連携術、さらには効果測定と改善の方法まで掘り下げていきます。この記事を通じて、あなたのモデルハウスが集客の強力なエンジンとなり、安定的な受注に繋がる未来を掴むための具体的な一歩を踏み出せることを目指します。

具体的な集客ツールの導入と活用:モデルハウスへの導線を強化する基礎

モデルハウスへの効果的な集客は、お客様が「あなたの会社のモデルハウスに行きたい」と思うような興味喚起と、その後の来場までのスムーズな導線設計にかかっています。ここでは、そのために不可欠な「集客ツール」の基礎から応用までを具体的な活用法とともにご紹介します。

1. Webサイト:モデルハウスの「顔」となるオンライン拠点

現代において、会社のWebサイトはお客様が最初に接触する最も重要な集客ツールの一つです。モデルハウスの情報発信において、以下の点を強化しましょう。

具体的なアクション:

  • 写真・動画の質の向上:プロカメラマンによる高品質な写真、ウォークスルー動画は必須です。モデルハウスの魅力を最大限に伝える視覚情報は、お客様の興味を大きく引きます。
  • モデルハウス専用ページ作成:コンセプト、間取り、こだわりポイント、写真、動画、バーチャルツアー(後述)、イベント情報、予約フォームなどをまとめた専用ページを設け、情報を集約しましょう。
  • 予約システムの導入:Webサイトから直接モデルハウスの見学予約ができるシステムは、お客様の利便性を高め、予約率を向上させます。日時選択式の簡単なフォームが理想です。
  • SEO対策:地域名+「工務店」「注文住宅」「モデルハウス 見学」といったキーワードで検索された際に上位表示されるよう、コンテンツの質を高め、適切なキーワードを配置しましょう。

潜在的な疑問:「Webサイトはあるけど、見られていない気がする…」
解決策:単に情報があるだけでなく、見た人が次にとるべき行動(例:予約、資料請求)が明確になっているか、デザインは見やすいか、スマートフォン対応はできているかなどを定期的に見直しましょう。アクセス解析ツールでどこからお客様が来ているか、どのページを見ているか分析することも重要です。

2. ソーシャルメディア(SNS):潜在顧客との接点構築

Facebook, Instagram, X(旧Twitter), Pinterestなどは、モデルハウスの日常やコンセプト、建築事例などを非公開で発信し、潜在的な顧客と繋がりを作る強力な集客ツールです。

具体的なアクション:

  • 豊富なビジュアルコンテンツ:モデルハウスの写真だけでなく、建築過程、素材の紹介、インテリアの細部、イベント風景などを投稿しましょう。Instagramは特にビジュアル重視なので、美しい写真やリール動画が効果的です。
  • 定期的な情報発信:オープン日、イベント告知、予約状況などをタイムリーに発信します。ストーリーズ機能を活用して、モデルハウスの「今」を気軽に見せるのも良いでしょう。
  • ターゲット広告の活用:FacebookやInstagramの広告は、年齢、地域、興味関心などでターゲットを絞り込み、モデルハウスから近いエリアに住む住宅購入検討層に効率的にアプローチできます。
  • フォロワーとのコミュニケーション:コメントやダイレクトメッセージに丁寧に返信し、エンゲージメントを高めることで、会社への親近感を醸成します。

潜在的な疑問:「SNSはやっているけど、集客に繋がっているか分からない…」
解決策:SNSからのWebサイト流入数、予約フォームへの遷移数、特定の投稿からの問い合わせ数を測定しましょう。また、どのような内容の投稿に反応が良いか分析し、発信内容を改善していくPDCAサイクルを回すことが重要です。

3. オンライン広告:ターゲット層へピンポイントにアプローチ

Google広告(検索広告、ディスプレイ広告)、SNS広告(前述)などは、費用をかけて短期間で露出を増やし、モデルハウスへの誘導を促進する即効性のある集客ツールです。

具体的なアクション:

  • 地域+関連キーワードでの出稿:Google検索広告では「〇〇市 工務店」「〇〇町 モデルハウス 見学」「〇〇市 注文住宅 価格」といった、地域に根差した具体的なキーワードで出稿します。
  • モデルハウス特化型LPへの誘導:広告クリック後の遷移先は、Webサイトのトップ󠁥ページではなく、モデルハウス専用の予約や問い合わせに特化したランディングページ(LP)に設定しましょう。
  • リターゲティング広告:一度Webサイトを訪れたことがあるユーザーや、モデルハウス専用ページを見たことがあるユーザーに対して再度広告を表示し、来場予約を促します。
  • 広告効果測定:どの広告からどれくらいのクリックがあり、さらにそこからWebサイトへの流入、モデルハウス予約、問い合わせに繋がったかを詳細に測定し、費用対効果の高い広告に予算を集中させましょう。

潜在的な疑問:「広告費がどれくらいかかるか心配」「運用が難しそう…」
解決策:少額からテストを開始し、効果を見ながら予算を調整できます。最初は地理的ターゲティングや年齢層など、絞り込んだ設定で始めるのがおすすめです。自社での運用が難しい場合は、地域密着型の広告代理店やWebマーケティング会社に相談するのも一つの方法です。重要なのは、広告を通じて得られたデータ(クリック率、コンバージョン率など)を分析し、改善を続けることです。

4. メールマーケティング:見込み客への継続的な情報提供

Webサイトからの資料請求者や過去のイベント参加者、そしてモデルハウスの来場者など、一度接点を持った見込み客に対して、メールで継続的に情報を届けることも重要な集客ツールです。

具体的なアクション:

  • ステップメール設定:資料請求やイベント参加後、「お礼」「家づくりのポイント」「モデルハウスの魅力再紹介」といった内容を段階的に自動送信し、関心を維持します。
  • イベント告知メール:新しいモデルハウス公開、完成見学会、OB施主様宅訪問会などのイベント開催情報を定期的に配信し、次の来場機会を提供します。
  • セグメント分けした配信:興味のあるテーマ(例:高気密高断熱、デザイン、コスト)や検討段階に応じてリストを分け、それぞれの関心に合わせた内容のメールを送ることで開封率やクリック率を高めます。
  • モデルハウス特典の案内:メール登録者限定のモデルハウス見学特典(例:プレゼント、専門家相談会)などを案内し、来場を促進します。

潜在的な疑問:「メールなんて読まれないのでは?」「どんな内容を送ればいい?」
解決策:件名を工夫し、本文は長すぎず簡潔に、写真や動画を効果的に使いましょう。一方的な宣伝だけでなく、家づくりの豆知識やお客様の声なども織り交ぜると読まれやすくなります。メール配信ツールの開封率やクリック率を分析し、件名や内容、配信タイミングを改善していくことが効果を高めます。

5. CRM(顧客関係管理システム):見込み客情報の「見える化」と「 nurtured 」

Webサイト経由の問い合わせ、モデルハウスの来場者リスト、イベント参加者、電話での問い合わせなど、点在しがちな見込み客情報を一元管理できるのがCRMという集客ツールです。

具体的なアクション:

  • 情報の一元管理:氏名、連絡先、問い合わせ内容、興味のあるモデルハウスタイプ、予算、検討状況(初期段階、具体的なプラン検討中など)、接触履歴(いつ、どのような媒体で接触したか、モデルハウス来場履歴など)などを詳細に記録します。
  • 見込み客の「見える化」:現在の見込み客数を把握し、それぞれの検討段階が分かれば、今どのようなアプローチが必要か、誰に優先的に連絡すべきかなどが明確になります。
  • タスク管理と履歴共有:営業担当者間の情報共有がスムーズになり、「いつ、誰が、どのような内容で連絡したか」といった履歴が残るため、重複した連絡を防ぎ、適切なタイミングでフォローアップできます。特にモデルハウス来場後のフォローアップは、CRMの記録に基づいて行うことで質を高めることができます。
  • 追客の自動化・効率化:特定の条件(例:モデルハウス来場から1週間経過)を満たした見込み客に対し、自動的にメールやタスクを生成するなどの機能を使えば、追客漏れを防ぎ、効率を大幅に向上させられます。

潜在的な疑問:「CRMって大企業向けでは?」「導入・運用が難しそう、社員が使いこなせるか不安…」
解決策:最近では中小企業向けの安価でシンプルなCRMツールも増えています。段階的に導入し、まずは顧客情報の一元管理と基本的な接触履歴の記録から始めるのがおすすめです。操作教育の時間を設けたり、使いやすいツールを選んだりすることで、社員の抵抗感を減らせます。CRMは単なるリストではなく、モデルハウス来場者を「ご契約につながる可能性のある見込み客」として育成するための重要な基盤となる集客ツールです。

6. バーチャルモデルハウス・VR/AR体験:手軽な一次接点の創出

実際にモデルハウスに足を運ぶ前に、オンライン上で内部を見学できるバーチャルモデルハウスや、VR/AR技術を活用した体験は、物理的な距離や時間の制約を取り払い、手軽な一次接点となる集客ツールです。

具体的なアクション:

  • 高品質な360°カメラ撮影:モデルハウス内を360°カメラで撮影し、WebサイトやSNSで公開します。家具や設備のタグ付け、解説文などを加えれば、より理解が深まります。
  • VRウォークスルーの開発:専用のヘッドセットやWebブラウザ上で、実際に歩いているような感覚でモデルハウス内を自由に移動できるシステムを導入します。
  • AR配置シミュレーション:お客様の土地にモデルハウスをAR表示させたり、モデルハウスの家具をARで配置換えしたりするなど、具体的なイメージを掴めるツールを提供します。
  • Webサイト・SNSでの導線強化:「オンラインでモデルハウスを見学する」といったボタンやリンクを分かりやすい場所に設置し、バーチャル体験へ誘導します。

潜在的な疑問:「バーチャルで見たら、リアルに来てもらえなくなるのでは?」
解決策:バーチャル体験はあくまで「興味を持ってもらうため」「来場のハードルを下げるため」の集客ツールです。バーチャルだけでは感じられない空間の広さ、素材の質感、空気感などは、実際のモデルハウスでしか体験できません。バーチャル体験の最後に「ぜひ、この空気感を実際にモデルハウスで体験してください」といった明確なメッセージと予約フォームへの導線を設けることが重要です。

モデルハウス集客を成功させる具体的な戦略:ツール連携と成果最大化

ここまで個別の集客ツールをご紹介しましたが、それぞれのツールを単体で使うだけでは効果は限定的です。複数のツールを連携させ、お客様の行動フローに合わせて情報提供を行うことが、モデルハウス集客の成果を最大化するカギとなります。ここでは、より実践的な戦略と、工務店経営者が抱えがちな疑問への回答をまとめました。

1. カスタマージャーニーに基づいたツール連携

お客様が家づくりを意識し始めてからモデルハウスを訪れ、最終的に契約に至るまでの「道のり(カスタマージャーニー)」を理解し、各段階で適切な集客ツールを使ってアプローチすることが重要です。

具体的なアクション例:

  • 認知・興味関心段階:
    • お客様:「家づくりについて色々知りたいな」「地域にどんな工務店があるんだろう?」
    • ツール:SNS (事例投稿、家づくり豆知識)、Webサイト (建築事例、イベント情報)、ブログ (知識提供)、オンライン広告 (地域名+工務店/注文住宅)
    • 目的:会社やモデルハウスの存在を知ってもらい、専門性に関心を持ってもらう。
  • 情報収集・比較検討段階:
    • お客様:「この会社のモデルハウスはどんな感じだろう?」「他社とどう違うんだろう?」
    • ツール:Webサイト (モデルハウス詳細ページ、バーチャルツアー、お客様の声)、SNS (モデルハウス動画、ライブ配信)、資料請求LP、メールマーケティング (ステップメール)
    • 目的:モデルハウスの魅力を具体的に伝え、候補の一つとして検討してもらう。
  • 行動・来場段階:
    • お客様:「このモデルハウスを実際に見に行きたいな」
    • ツール:Webサイト (予約フォーム)、オンライン広告 (モデルハウス見学予約キャンペーン)、SNS (予約受付中告知)、メールマーケティング (モデルハウス見学案内)
    • 目的:モデルハウスへの来場予約、及び来場を促進する。

連携のポイント: SNSの投稿からWebサイトのモデルハウス予約ページへ誘導する、Webサイトの資料請求者リストをCRMで管理し、モデルハウスイベントのメールをタイミング良く配信する、など、各ツールが分断せず、お客様を次のステップへスムーズに誘導する流れを作りましょう。

2. モデルハウス体験価値の最大化:ツールとの連携

モデルハウスは単なる「建物」ではなく、お客様に「ここで暮らしたい」と感じてもらうための「体験の場」です。集客ツールを使って、この体験価値を事前に共有したり、来場後のフォローに繋げたりできます。

具体的なアクション:

  • 来場前の期待醸成:SNSでモデルハウスのコンセプトストーリーを発信する、ブログで設計担当者のこだわりを紹介する、Webサイトで施工中の写真を掲載するなど、来場前からモデルハウスへの期待感を高めます。
  • 来場中の情報補完:モデルハウス内にQRコードを設置し、読み取ると詳細な仕様説明ページ(Webサイト)、使用されている素材のメーカー情報、建築費用の目安、過去の施工事例(Webサイト/SNS)などが閲覧できるようにする。
  • 来場後のフォローアップ:CRMに記録した来場者情報を元に、興味を示したポイントに合わせた情報(例:高断熱に興味があれば、断熱性能についてのブログ記事リンク)をメールで送る、感謝のメッセージとともにSNSで交流を続ける。

ここを間違えない!:ツールは「来店させること」がゴールではありません。重要なのは「来店したお客様が、その後の商談や契約に進むこと」です。集客ツールは、そのフロー全体を支援するために使うものです。

工務店経営者のためのQ&A:集客ツール活用編

工務店経営者が抱えがちな、集客ツールに関する実践的な疑問とその回答をまとめました。

Q1: どの集客ツールから始めるべきですか?

A1: まずはWebサイトのモデルハウス専用ページを充実させることが最優先です。お客様は必ず会社の信頼性をWebで確認しますし、他の集客ツールからの受け皿となります。次に、ターゲット顧客層がよく利用しているSNS(視覚的な魅力を伝えやすいInstagramやPinterestなど)や、地域キーワードでのGoogle広告を試してみるのが良いでしょう。最初は2~3つのツールに絞り、それぞれをしっかり活用することから始めるのがおすすめです。CRMは、問い合わせや来場が増えてきて情報の管理が難しくなってきた段階での導入を検討すると良いでしょう。

Q2: 集客ツールにかかる費用はどれくらいですか?

A2: ツールの種類や活用レベルによって大きく異なります。Webサイトのリニューアルやバーチャルツアー導入は数十万~数百万円かかる場合もあります。SNS運用自体は無料ですが、広告出稿には月数万円から数十万円以上かかる可能性があります。CRMは月額数千円~数万円程度のクラウドサービスが多いです。重要なのは単なる費用ではなく、そのツールを導入・運用することで、どれだけモデルハウスへの来場数や問い合わせが増え、最終的に契約に繋がるかという「費用対効果(ROI)」を意識することです。最初はスモールスタートでテストし、効果が見込めるツールに優先的に投資していくのが賢明です。

Q3: ITツールに詳しくないのですが、自社で運用できますか?

A3: 全てを自社で行う必要はありません。Webサイト制作や難易度の高いオンライン広告運用は外部の専門業者に委託し、SNS投稿やブログ執筆、簡単なメール配信などは社内で行うなど、役割分担を考えましょう。使いやすい操作性のツールを選んだり、ツールの提供元が提供するサポートやセミナーを活用したりすることも有効です。重要なのは、諦めずに少しずつでも挑戦し、慣れていくことです。若い社員にツールの担当を任せるのも良いでしょう。

Q4: モデルハウス以外にも集客ツールを応用できますか?

A4: はい、もちろん可能です。今回紹介した集客ツールは、モデルハウスだけでなく、完成見学会、構造見学会、各種セミナー、相談会など、工務店が行う様々なイベントや、提供する家づくりのサービス全般の集客に活用できます。例えば、特定の工法に関するセミナーの告知をWebサイト、SNS、メルマガで同時に行う、といった連携が考えられます。ツールの運用で得られた知見は、工務店全体のマーケティング活動に活かすことができます。

成果を見える化し、次の成功へ繋げる:データに基づいたモデルハウス集客改善

せっかく集客ツールを導入し、モデルハウスへの導線を作っても、それがどれだけ効果を生んでいるか、そしてどこに改善点があるかを把握しなければ、継続的な成功は望めません。ここでは、データに基づいた効果測定と改善のサイクルについて解説します。

1. 焦点を当てるべき集客指標

モデルハウス集客における成功を測るために、以下の指標を定期的にチェックしましょう。単に「Webサイトアクセス数」だけでなく、「モデルハウス予約」や「来場」に繋がる指標を重視することがポイントです。

具体的な指標:

  • Webサイト関連:
    • モデルハウス専用ページのアクセス数、滞在時間
    • 特定の集客ツール(SNS、広告など)からのWebサイト流入数
    • モデルハウス見学予約フォームの表示回数と完了回数(予約完了率)
    • 資料請求数、問い合わせ数
  • 広告関連:
    • クリック率(CTR):広告が表示された回数に対して何回クリックされたか
    • コンバージョン率(CVR):広告クリック後にモデルハウス予約や資料請求に繋がった割合
    • CPA(Cost Per Acquisition):1件の問い合わせや予約獲得にかかった広告費用
  • SNS関連:
    • フォロワー数の推移
    • 投稿への「いいね!」「コメント」「シェア」「保存」といったエンゲージメント率
    • DM(ダイレクトメッセージ)での問い合わせ数
    • 投稿からのWebサイトや予約ページへの遷移数
  • CRM関連:
    • 収集できた見込み客数(モデルハウス来場者数含む)
    • 見込み客のセグメント別数(例:モデルハウス来場者リスト、資料請求者リスト)
    • 特定の集客ツール経由の見込み客から、商談、そして契約に至った件数・割合
  • モデルハウス関連:
    • 実際のモデルハウス来場者数(オフラインの最重要指標!)
    • 来場者の属性情報(どこで情報を知ったか、何に興味があるか、検討段階など – アンケートやヒアリングで収集)
    • モデルハウス来場後の商談移行率、契約率

これらの指標を、Google AnalyticsのようなWeb解析ツール、各集客ツールの管理画面、そしてCRMなどから収集・集計します。

2. 収集したデータの分析と改善点の発見

様々な集客ツールから集めたデータは、単に数字を眺めるだけでなく、そこに隠された意味を読み取ることが重要です。以下の視点でデータを分析し、モデルハウス集客の課題を見つけ出しましょう。

具体的な分析例:

  • 来場経路分析:「モデルハウスに来場した方が、最も多い情報源(集客ツール)は何だったか?」を把握することで、最も効果の高いツールが分かります。逆に、力を入れているのに成果が出ないツールがあれば、原因を掘り下げます。(例:「SNSの投稿は見られているけど、Webサイトに来て予約する人が少ない」 → SNS投稿からWebサイトへの導線は見やすいか? Webサイトのモデルハウス予約ページは分かりやすいか?)
  • 離脱ポイント分析:Webサイトでどのページからユーザーが離脱しやすいかを確認します。モデルハウス予約フォームの入力途中で離脱が多いなら、フォームに問題がある可能性があります。これはGoogle Analyticsなどで分析できます。
  • 広告効果分析:「どの広告キーワードやSNS広告のクリエイティブが、最も効率よくモデルハウス予約に繋がっているか?」を特定します。CPAが高い広告があれば、ターゲティングを見直したり、広告文を改善したりする必要があります。
  • 来場者属性と契約率:モデルハウスに来場したお客様の属性や、事前にどの集客ツールで接触があったかをCRMで追跡し、「どのような経路で来場したお客様が、契約に至る確率が高いか」を分析します。例えば、Webサイトのバーチャルツアー経由の来場者が契約に繋がりやすいなら、バーチャルツアーへの誘導を強化するといった戦略が立てられます。

データ分析は、感覚や経験だけでなく、具体的な根拠に基づいた意思決定を可能にします。「あのモデルハウスはデザインが良いから人が来るはずだ」という主観だけでなく、「WebサイトのモデルハウスAのページは滞在時間が長く予約率も高いが、モデルハウスBは低い。Bのページの情報構成や写真に問題があるかもしれない」といった具体的な改善点が見つかります。

3. アクションプランの策定と継続的な改善サイクル

分析で得られた知見をもとに、具体的な改善のためのアクションプランを策定し、実行に移します。そして最も重要なのは、この効果測定→分析→改善というサイクルを一度きりでなく、継続的に回していくことです。

具体的なアクションプランの例:

  • 分析結果:「Facebook広告からのWebサイト流入は多いが、モデルハウス予約に繋がらない」
    • → アクション:Facebook広告の遷移先をWebサイトトップからモデルハウス専用LPに変更する。LPのコピーやCTA(予約ボタン)を改善する。
  • 分析結果:「モデルハウス来場者は多いが、その後の商談移行率が低い」
    • → アクション:CRMでの来場者情報のヒアリング項目を増やす(検討時期、要望など)。来場者へのフォローメールの内容を見込み客の興味関心に合わせて個別化する。
  • 分析結果:「Webサイトのブログ記事からのアクセスは増えない」
    • → アクション:読者が検索しそうな「家づくり 失敗談」「断熱材 選び方」などのキーワードでブログ記事を執筆する。書いた記事をSNSで積極的にシェアする。

Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを回すことで、集客ツール活用の精度を高め、常にモデルハウスへの最も効果的な導線を探求し続けることができます。ツールや市場のトレンドは常に変化しますので、一度成功した方法もいつか通用しなくなる可能性があります。定期的にデータを確認し、新しい集客ツールの情報も収集しながら柔軟に対応していく姿勢が、競争の激しい市場で勝ち残るためには不可欠です。

まとめ

工務店経営者の皆様にとって、モデルハウスは会社の「顔」であり、集客の要です。しかし、ただ建てるだけでなく、その魅力を最大限に引き出し、効率的に見込み客を誘導するためには、現代の集客ツールの戦略的な活用が不可欠です。この記事では、Webサイト、SNS、オンライン広告、メールマーケティング、CRM、バーチャル体験といった多岐にわたる集客ツールが、どのようにモデルハウスへの強力な導線となり得るのか、具体的な手法と活用戦略を解説しました。重要なのは、個々のツールを単体で使うのではなく、カスタマージャーニーに合わせて連携させ、お客様がモデルハウスに来場するまでの過程をスムーズにデザインすることです。さらに、ツールから得られる様々なデータを測定・分析し、具体的な改善策を継続的に実行するPDCAサイクルが、成果を最大化し、安定的な集客を実現するための鍵となります。最初から全てのツールを完璧に使いこなす必要はありません。まずは自社の状況とターゲット顧客に合ったツールをいくつか選び、スモールスタートで試してみてください。そして、データに基づいた分析と改善を繰り返し行うことで、必ずあなたのモデルハウスは、単なる展示場から、未来のお客様との出会いの場、そして確実な受注へと繋がる強力な集客エンジンになるはずです。この記事で得た実践的なヒントを元に、ぜひ今日から新たな一歩を踏み出し、貴社のモデルハウス集客、そしてさらなる事業の発展を実現させてください。応援しています。

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この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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