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工務店の強みを見つける!他社と差別化する視点

公開日: : 工務店 経営

工務店経営は、地域密着型でありながらも激しい競争にさらされています。「仕事はあるが利益率が不安」「他社との差別化が難しい」「自社の強みが曖昧で伝えきれない」といった悩みを多くの経営者が抱えています。こうした課題に対し、経営戦略の見直しと自社の“強み発見”は確かな突破口となります。しかし、「経営戦略と一口に言っても、何から手を付けるべきか分からない」「強み発見と言われても、客観的な視点をどう導入すれば良いのか」といった疑問も多いでしょう。
この記事では、経営戦略の基礎的な考え方から、工務店ならではの強み発見ステップ、具体的な現場で実践できる方法まで体系的に解説します。各ステップの目的・手順・注意点をわかりやすく示し、読者それぞれの状況に応じて“すぐ”に行動できる手順を整理しました。事例やFAQも用意し、読み終えれば「自信を持って自社の戦略を練り直し、他社と差別化できる」状態になれる内容です。あなたの「具体的な悩み」に寄り添い、「確かな一歩」を後押しする、実践型ガイドをご活用ください。

強み発見の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

経営戦略を真に機能させるには、まず自社の立ち位置を正確に見極め、「強み発見」から始めることが不可欠です。ここでは、工務店が独自の強みを見出すための導入アプローチを、初歩から応用まで段階的に示します。また、単に内部分析だけでなく、外部環境や顧客目線も取り入れることで、競合と明確に差別化できる視点を養います。

1. 市場環境と自社の現状把握から始める

  • 地域の市場環境調査
    まず、商圏となるエリアの人口動態、主要な住宅・リフォームニーズ、直近の成約トレンドを調査します。自治体データや施工エリア近隣の不動産動向も確認し、「どのような住宅・工事が今後求められるか」を見極めましょう。
  • 自社の現状を客観的に棚卸し
    現在手がけている主な業務(新築、リフォーム、店舗改装など)、担当できる技術・設備、スタッフの資格・得意分野、過去の実績件数・内容をリストアップします。部署や社員単位でのヒアリングを行い「自社にしかない技術・ノウハウ」が何かを網羅的に洗い出してください。

2. 顧客視点での強み発見を徹底する

  • 過去のお客様の声を徹底収集
    最近引き渡しをしたお客様や、リピート・紹介をくれた方から「なぜ自社を選んだのか」「どこが良かったのか」を再度ヒアリングします。電話やアンケート、訪問時の雑談など、形式を問わずリアルな理由を集めましょう。
  • 競合他社との比較リスト化
    近隣の同業他社について「標準仕様」「価格帯」「技術力」「スタッフ対応」「保証制度」などを比較し、自社だけが提供できる(または評価されている)ポイントをチェックします。見落としがちな“アフターフォローの姿勢”“地元への貢献”なども、顧客評価の視点では武器となります。

3. SWOT分析で強み・弱みを明確化する

  • 次に、自社の「強み」「弱み」「機会」「脅威」をSWOT分析で整理します。
    強み:独自技術、高品質な工事、迅速対応等
    弱み:価格競争力、宣伝の弱さなど
    機会:補助金導入、地域人口増加、リフォーム需要増
    脅威:大手進出、人材流出、資材高騰 など
    SWOTシート(エクセルでも紙でもOK)を作成し、経営メンバーで議論しながらアップデートしましょう。現場担当者とも情報を共有し、現場目線の意見も加えると納得感が増します。

4. 強み発見のプロセスを体系化し「見える化」する

  • 棚卸ししたデータやSWOT分析を踏まえ、「自社の強みはこれ!」と整理できたら、一覧表や社内向けドキュメント、経営会議資料にまとめます。スタッフ向けの説明会や、ホームページ・パンフレットなど外部にも発信できる形に整えることで、社内外への浸透度が段違いに向上します。

5. 「強み」を実践的な差別化戦略に落とし込む

  • 「自社の強みは見つけた。だが、これをどう“売り”としてアピールし業績アップにつなげるか」で悩むことも多いはずです。次のセクションでは、発見した強みをどう経営戦略全体に反映させ、実際に集客や利益向上へ結びつけるのかを具体ステップで紹介します。

経営戦略×強み発見:成果を最大化する具体的な取り組み

強み発見で得た知見を「現場で成果につながる経営戦略」に変えるには、戦略的な施策立案と、継続した実践・検証が必要です。この章では、スピーディーに「施策化→実行→改善」のサイクルを回すための具体手順を解説します。

1. 強みを「ターゲット別」に再定義する

  • 住宅新築、リフォーム、高齢者向け修繕など、狙うべきターゲット層ごとに、「この層にはどんな強みが最も響くのか」を明確化します。顧客分類ごとに、専門事例やモデルプランをピックアップし、「自社独自のウリ」として使い分けます。
  • 例:子育て世代向け…収納・家事導線の工夫/シニア向け…バリアフリー工事+迅速対応/同業他社との差別化強調等

2. 強みを活かしたプロモーション・集客施策を構築

  • 自社ホームページやチラシ、SNS、地域紙の記事広告など、販促手段ごとに「自社だけの強み」を具体的に伝えるコンテンツを整えましょう。「施工例・お客様の声」は信頼性UPに直結します。
    チラシでは「○○工法で断熱性能アップ」「家族が安心するスタッフ対応」等、目に見えるメッセージに。「何を頼むとき、なぜ自社を選ぶべきか」まで端的に伝えましょう。
  • ホームページの「よくある質問」ページも強化ポイントです。SEO観点でも、「自社の強みが反映されたQ&A」を掲載することで検索上位も狙えます。

3. バリュープロポジションを明確化し営業活動に活用

  • 営業担当全員が「自社の強み」を正確に説明できるよう、営業マニュアルやロールプレイングで徹底訓練します。「うちの工務店は、○○○だから選ばれている」という一言ストーリーを練り、各現場でブレなく活用します。新規相談会やOB訪問でも統一したメッセージを伝えましょう。

4. 施策ごとに成果指標(KPI)を設定し、数値で管理

  • 例:「毎月の新規問い合わせ数」「資料請求数」「現地見学会からの成約率」「アンケート回収率」など、各戦略の成果指標を決めて管理します。
    改善サイクル(PDCA)を施策ごとに回し、「どの強みが成果につながっているか」「どんな情報発信が効果的だったか」等を毎月集計・検証しましょう。

5. 経営会議・現場ミーティングでフィードバックを共有

  • 月次のミーティング等で、施策の実施状況、顧客から寄せられた生の声、競合他社の動向、SNSで拡散された内容などを全社員と共有します。
    「現場の小さな気づき」「お客様からの褒め言葉」も全社的に蓄積。現場主導の戦略改善や、スタッフ提案型の新サービス検討も活発化します。

6. よくある疑問・悩みに答えるQ&A

  • Q: 強み発見がどうしても抽象的になってしまいます。具体例をどう掘り下げるべき?A: 実際の施工案件やクレーム対応、お客様のリピートエピソードなど、“体験ベース”で深掘りすることがコツです。「○○様邸では、希望納期より●日早く完成して喜ばれた」「地域イベントへの協賛で10組の新規相談につながった」など、数字や具体行動で記録するとブレずにまとめられます。
  • Q: 社内に強みが浸透せずスタッフが一丸になりません。A: 見える化(ドキュメント化や事例集)、定期研修、小規模グループでの体験共有、社内表彰など、日常業務と結びつける取り組みが有効です。現場スタッフからアイデアやエピソードをヒアリングし、経営層主導ではなく「全員参加型」にすると一体感が高まります。
  • Q: 競合他社の強みが強くて萎縮してしまいます。どうしたらよい?A: 地域密着型工務店なら「お客様との距離の近さ」や「迅速対応」「地元貢献」など、大手がカバーできない価値を改めて整理。「他社にない“小回り”や“顔が見える安心”」を具体的に打ち出しましょう。差別化は規模の大小ではなく、選ばれる理由の「質」の違いで勝負できます。
  • Q: 強み発見に時間がかかりすぎて施策化まで手が回りません。A: まずは「今、得意・評価されている分野」を2〜3個、仮説ベースでピックアップして、簡易的な施策(例:SNS発信、HPの打ち出し強化)から始めてみましょう。走りながらアップデートしていく方法が、現場優先の忙しい工務店経営者には現実的です。

経営戦略を継続的に成功させるための「次の一手」

経営戦略と強み発見を一過性のイベントに終わらせず、常に時流とお客様の変化に応じて「進化」させていくことが繁盛工務店の重要な要素です。ここでは、実践した戦略を中長期的にブラッシュアップし、成功軌道に乗せ続けるための具体策を紹介します。

1. 定期的な戦略見直しサイクルの構築

  • 毎年または半年ごとに、経営戦略や強み発見の棚卸しを行いましょう。新たな競合参入や法改正、補助金政策の変化、昨今の消費者トレンド等、市場の動きを踏まえた見直しが業績安定化につながります。
    定期的な全社ワークショップや、現場スタッフを交えたディスカッションも有効です。

2. 外部の視点、多様な評価軸を取り入れる

  • 経営コンサルタントや地元異業種経営者との意見交換会、他地域工務店との情報共有、OB施主からのフィードバックなど、外部視点を積極的に取り込むことで、「自分たちが見落としている強み」や「業界の新潮流」に気付くきっかけが得られます。
  • 口コミサイトや顧客アンケート、スマートフォンアプリを活用して施主満足度やイメージ評価を数値化すると、社内の“感覚”と実際の評価ギャップを補正できます。

3. 継続的な人材育成と“強み”のアップデート

  • 技術者の世代交代や新たな資格取得、女性・若手スタッフの活躍推進などを戦略的に推進します。「このスタッフがいるから頼みたい」と個が輝く強みも、経営資源となります。
    定期的なスキルアップ研修や、スタッフ自らの“マイストーリー”共有も、社内の自信とお客様満足度の向上に直結します。

4. デジタル化・効率化の実装で競争力を強化

  • 工事進捗管理や顧客対応のデジタル化(施工現場アプリ、簡易CRM導入等)、予約受付のオンライン対応、資料請求の自動化なども、次世代の強みとして戦略に盛り込みましょう。
    工数削減やスタッフ負担軽減、顧客満足度アップも同時に狙える施策です。

5. 地域貢献・社会的価値の創出を経営軸に

  • 地元イベントへの協賛やリフォーム相談会、防災ワークショップ、地域学生との連携など、「地域に根ざした工務店」としての活動を継続。単なる売上施策を超えた“選ばれる理由”になります。
    SNSや広報でも積極的に情報発信し、「地域で愛される強み」をさらに磨いていきましょう。

6. 「経営戦略×強み発見」応用事例

  • 事例1:リフォーム特化→女性スタッフの接客力を前面に女性スタッフによる丁寧な現地調査〜アフターフォローをHP・チラシ事例で積極展開。競合他社との差別化に成功し、女性施主からの依頼・紹介が拡大。
  • 事例2:工期信頼・迅速対応を強みとし口コミ獲得施工前のスケジュール説明と、進捗報告のこまめな連絡徹底を実施。施主の安心感が増し、SNS口コミ・紹介が新規顧客開拓の主軸に。
  • 事例3:地元密着イベントで名刺交換→HP誘導→受注UP地域イベントでのワークショップ主催+限定プレゼントなど、地元との接点を拡大し、HP問い合わせを増加。施主の信頼獲得・再依頼にも波及。

まとめ

工務店の経営戦略において「強み発見」は、競合との差別化はもちろん、スタッフ全員が同じ目的を目指す原動力となります。本記事で紹介した「市場環境と自社棚卸し→顧客視点ヒアリング→SWOT分析→戦略への具体的落とし込み→施策のKPI化と改善」の流れに沿えば、どの段階からでも実践開始が可能です。経営戦略は一度きりではなく、定期的な見直しとチーム全体での取り組みが成否を分けます。今日からできる小さな強み発見、現場での一歩を重ねることで、10年先にも愛される「選ばれる工務店」へと進化を遂げてください。あなたのチャレンジが、必ずやより良い未来への礎になることを心より応援いたします。

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浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。 今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」 ※8月実施予定。 住宅サイトの運営もしています。 福島県 喜多方市出身 県立会津高校卒 市立高崎経済大学卒 著書: 頼みたくなる住宅営業になれる本 https://x.gd/oatiM SDGsに取り組もう 建築業界編 https://x.gd/MXYJr とっておきの見込み客発掘法 https://x.gd/001or 主な講演: 鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」 リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト) 育英西中学校 その他住宅FCなど 活動実績 2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア 2020~ 木ッズ絵画コンクール
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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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