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「内閣府beyond2020」の認定および「外務省JAPAN SDGs Action Platform」の紹介団体です。

イベント開催の失敗事例から学ぶ改善点

公開日: : 工務店 経営

工務店経営者の皆様、日々の事業運営、誠にお疲れ様です。お客様との信頼関係を築き、問い合わせや契約に繋げるための重要な施策の一つに、「イベント」開催があります。完成見学会、構造見学会、家づくりセミナー、OB顧客感謝祭など、様々な形式で実施されていることと思います。しかし、これらのイベントが必ずしも思ったような成果に繋がらない経験はありませんか?事前の準備に時間をかけ、多くの費用を投じたにも関わらず、来場者数が伸び悩んだり、問い合わせに繋がらなかったり、予期せぬトラブルが発生したり…。このような「失敗」は、イベント開催において避けては通れない壁のように感じられるかもしれません。

しかし、これらの失敗こそが、事業を成長させるための貴重な財産となります。重要なのは、失敗を単なるマイナス経験で終わらせるのではなく、そこから具体的な学びを得て、次のイベントや経営戦略に活かしていくことです。「失敗から学ぶ」という姿勢を持つことで、イベント開催の質は飛躍的に向上し、より効果的な集客・成約へと繋げることが可能になります。

この記事では、工務店がイベント開催で直面しがちな具体的な失敗事例を徹底的に掘り下げ、それぞれの失敗から得るべき学びと、それを克服するための実践的な改善策をステップ形式でご紹介します。イベントの計画段階から実施、そして実施後のフォローアップに至るまで、各プロセスで起こりうる失敗とその対策、さらに効果測定の方法までを網羅します。この記事を最後までお読みいただくことで、次に開催するイベントでは、失敗を恐れず、自信を持って臨むことができるようになります。そして、過去の失敗から学ぶ知見を活かし、イベントを確実に成功へと導く具体的な道筋が見えてくるはずです。あなたの工務店のイベントが、地域のお客様にとって忘れられない体験となり、事業成長の大きな原動力となることを願っています。

イベント計画段階での「失敗から学ぶ」リスクヘッジ戦略

どんなイベントも、その成否の大部分は計画段階で決まります。ここでは、計画段階で陥りやすい失敗事例から学び、リスクを最小限に抑えるための具体的なステップを見ていきましょう。

目的の曖昧さから生じるイベントの失敗

よくある失敗の一つに、「何のためにイベントをやるのか」という目的が不明確なまま進めてしまうケースがあります。「とりあえず他社もやってるから」「なんとなく集客のため」といった漠然とした理由では、イベントの方向性が定まらず、結果として誰にも響かないものになってしまいます。

失敗から学ぶ改善策:イベントのゴールを明確に設定し、KGI/KPIを設定する

  • ステップ 1: イベントの主要目的を一つに絞る集客、ブランディング、契約数向上、OB顧客満足度向上など、イベントで最も達成したい主要な目的を明確にしましょう。複数の目的がある場合も、優先順位をつけ、最も重要なものに焦点を当てます。
  • ステップ 2: 達成目標(KGI)と中間指標(KPI)を設定する設定した目的に対し、具体的な達成目標(KGI:例:契約件数1件、新規問い合わせ5件)を設定します。そして、その達成度を測るための中間指標(KPI:例:来場者数30組、アンケート回収率80%、個別相談申込数10件)を設定します。これにより、イベントの準備段階から終了後まで、常に目標に向かって進めることができます。

ターゲット設定の甘さによる集客の失敗

イベントの対象顧客が曖昧だと、告知方法やイベント内容が的外れになり、期待する層の来場者が集まらないという失敗に繋がります。「誰でもどうぞ」というスタンスは、結果的に「誰にも刺さらない」イベントを生み出します。

失敗から学ぶ改善策:具体的なペルソナを設定し、ターゲットに響く企画と告知を行う

  • ステップ 1: 理想的な顧客像(ペルソナ)を具体的に定義する年齢、性別、居住地域、家族構成、職業、年収はもちろん、家づくりへの関心度、重視する点(デザイン、性能、価格、自然素材など)、情報収集チャネル、ライフスタイル、価値観まで深く掘り下げて、具体的な顧客像(ペルソナ)を複数設定します。
  • ステップ 2: ペルソナに合わせたイベント内容と告知方法を検討する設定したペルソナが「知りたいこと」「体験したいこと」は何か? を考え、それに合わせたイベント内容(セミナーテーマ、体験ワークショップ、見学ポイントなど)を企画します。告知も、ペルソナがよく利用する媒体(SNS、地域情報誌、ポスティング、Web広告など)を選び、興味を引くメッセージで発信します。
Q&A: ペルソナ設定に役立つ情報はありますか?

A: 過去の契約顧客データ、問い合わせ内容、見学会のアンケート結果、地域の統計データ、営業担当者の肌感覚などが役立ちます。顧客への簡単なヒアリングも非常に有効です。

予算計画の不備によるコスト超過やクオリティ低下の失敗

イベント準備を進めるうちに、当初想定していなかった費用がかさんだり、逆に予算不足で企画内容を縮小せざるを得なくなったりする失敗です。予算が見積もり通りにいかないと、イベント全体の質に影響が出ます。

失敗から学ぶ改善策:詳細な予算計画と予備費の設定、費用対効果の検討

  • ステップ 1: イベントに関わる全ての項目費用を洗い出す会場費、設営費、装飾費、印刷費(チラシ、資料)、広告宣伝費、人件費(スタッフ、外部講師)、景品・手土産代、保険料、予備費など、考えられる全ての費用項目をリストアップし、それぞれ詳細に見積もりを取ります。
  • ステップ 2: 予備費を設定し、費用対効果を常に意識する予期せぬ出費に備え、総予算の10-20%程度の予備費を必ず設定します。また、各費用項目がイベントの目的に対してどの程度貢献するか、費用対効果を常に意識し、無駄な支出を抑えます。

広報・集客活動の不足または方法の失敗

どんなに素晴らしいイベント内容でも、認知されなければ来場者は来ません。告知開始が遅すぎたり、告知チャネルが限定的だったり、魅力が伝わらない告知内容だったりすると、集客は失敗します。

失敗から学ぶ改善策:多角的な広報計画と魅力的なコンテンツ発信

  • ステップ 1: ターゲットに合わせた広報チャネルとスケジュールを計画するSNS(Instagram, Facebookなど)、自社ウェブサイトのお知らせ・ブログ、地域情報誌、新聞折込チラシ、ポスティング、インターネット広告(リスティング広告、SNS広告)、PR TIMESのようなプレスリリース、地域団体との連携など、ペルソナに合わせた有効なチャネルを複数組み合わせます。告知開始時期、頻度、各チャネルの役割分担を明確にスケジュール化します。
  • ステップ 2: イベントの魅力が伝わる予告コンテンツを作成・配布する単なる「〇月〇日 イベント開催」だけでなく、「このイベントに参加すると、家づくりの〇〇な疑問が解決する」「〇〇な体験ができる」「〇〇なメリットがある」といった、参加することで得られる具体的な価値を前面に出した予告コンテンツ(Webサイトの特設ページ、ブログ記事、SNS投稿、予告動画など)を作成し、発信します。
Q&A: 効果的なイベント集客のコツは?

A: イベント内容の「特別感」や「緊急性」をアピールすること(特典、限定〇組、今回限りなど)。また、過去のイベント開催実績や、参加者の声などを紹介するのも有効です。営業担当者や現場担当者からの直接の声かけも重要です。

リスク予測と対策の不足による当日のトラブル失敗

雨天時の対応、予想以上の来場者による混乱、機材トラブル、スタッフの急な欠席など、イベント当日には様々な予期せぬ事態が発生し得ます。これらを想定していないと、当日の対応に追われ、イベント運営や顧客対応がおろそかになる失敗が起こります。

失敗から学ぶ改善策:リスクアセスメントの実施と対応マニュアルの作成

  • ステップ 1: 起こりうるリスクをリストアップし、発生確率と影響度を評価する考えられるリスク(例:悪天候、来場者の大幅な増減、設備故障、スタッフ不足、体調不良者発生、近隣からの苦情)をブレインストーミングで洗い出し、「起こりやすさ」と「起きた時の影響の大きさ」で評価します。影響が大きいもの、起こりやすいものから優先的に対策を検討します。
  • ステップ 2: それぞれのリスクに対する具体的な対応策と担当者を決める例えば、悪天候なら代替会場や開催可否の判断基準、集客過多なら誘導方法や整理券配布、機材故障なら代替機材や業者連絡、スタッフ不足なら応援体制など、具体的な対応マニュアルを作成します。誰がその対応を行うか担当者も明確にしておきます。

イベント実施中・終了後に見落としがちな「失敗から学ぶ」改善ポイントとFAQ

計画通りに進まないのがイベントです。しかし、実施中や終了後のフォローアッププロセスにも、多くの学びと改善の機会が潜んでいます。ここでは、これらの段階で起こりうる失敗から学び、成果に繋げる方法を詳述します。

実施中の運営・対応の失敗

イベント当日、会場の導線が悪くて混雑した、スタッフの説明不足で参加者が混乱した、待ち時間が長すぎた、参加者の質問や要望に対応できなかった、といった運営上の失敗です。これらは来場者の満足度を著しく低下させ、工務店への印象を悪くします。

失敗から学ぶ改善策:スタッフ間の綿密な連携と柔軟な現場対応

  • ステップ 1: スタッフ間で役割分担と情報共有を徹底する受付、誘導、案内、説明、休憩、個別相談対応など、事前にスタッフ一人ひとりの役割を明確にします。イベント開始前に全体で打ち合わせを行い、当日の流れ、重要事項、共有すべき情報、連絡方法などを確認します。トラブル発生時のエスカレーションルートも定めておきます。
  • ステップ 2: 来場者の反応を観察し、必要に応じて現場で軌道修正する来場者の流れ、特定のコーナーでの滞留状況、質問内容などを注意深く観察します。もし特定の場所に人が集中している、説明が分かりにくそうにしている、といった状況が見られたら、スタッフ配置を変えたり、説明方法を補足したりと、現場で柔軟に対応します。休憩スペースやキッズスペースの有無、使いやすさなども再確認します。

コンテンツの魅力を伝えきれなかった失敗

せっかく素晴らしいコンテンツ(見学箇所、セミナー内容など)を用意しても、その魅力や価値を来場者に効果的に伝えられなかったという失敗です。見学ポイントの説明が足りない、セミナーが難解すぎる、体験コーナーが分かりにくいなどが該当します。

失敗から学ぶ改善策:来場者目線でのコンテンツ提供と分かりやすい説明

  • ステップ 1: コンテンツの「なぜ」を明確に伝える準備をする見学会であれば、「なぜこの場所にこの素材を使っているのか」「なぜこの広さの窓を設置したのか」など、単に仕様を説明するだけでなく、それらがお客様の暮らしにどう役立つのか、「なぜ当社はこの家づくりをしているのか」という背景や哲学を伝えられる準備をします。
  • ステップ 2: 一方的な説明にせず、対話や体験を促す機会を作る説明は専門用語を避け、分かりやすい言葉で話します。質問しやすい雰囲気を作り、一方的な話にならないよう心がけます。実際に触れる、体験する(例:キッチンの使い勝手を確認する、自然素材の床材に触れる)といった機会を設けることで、コンテンツへの理解と共感を深めます。

来場者へのフォローアップ不足による機会損失の失敗

イベントが無事終了し、多くの来場者がいたとしても、そこで満足してしまい、その後のフォローアップを怠けてしまうと、せっかくの機会を逃してしまいます。イベント参加は、お客様が自社に関心を持った明確なサインであり、ここからのナーチャリングが極めて重要です。

失敗から学ぶ改善策:イベント後の迅速かつ継続的なフォローアップ計画を実行する

  • ステップ 1: イベント参加者の情報を適切に管理・分類するアンケート情報などを活用し、参加者の連絡先、興味関心、家づくりの進捗状況などを正確にデータベース化します(個人情報の取り扱いに注意)。アンケートで「個別相談を希望する」「特に興味がある点」などを把握し、優先順位をつけます。
  • ステップ 2: セグメントに合わせたフォローアップアクションを計画・実行する個別相談希望者には最優先で連絡し、面談を設定します。それ以外の参加者にも、イベント参加のお礼、資料送付、関連セミナーの案内、ブログ記事の紹介など、興味関心やニーズに合わせた情報提供を継続的に行います。連絡のタイミングや内容は事前に計画しておきます。顧客管理システム(CRM)の活用も検討します。
Q&A: フォローアップの連絡手段は何が良いですか?

A: 電話、メール、手書きの礼状、LINE公式アカウントなど、ターゲット層や取得できている情報によって使い分けます。特に、手書きのお礼状は丁寧な印象を与え、記憶に残りやすいというメリットがあります。

効果測定の欠如による成果不明瞭の失敗

イベントを開催して「なんとなく良かった」「多くの人が来た」で終わってしまい、具体的な成果を測定しないという失敗です。目標設定がない、あるいは目標があっても測定方法が分からない、というケースで見られます。これでは、そのイベントが本当に事業に貢献したのかが分からず、次のイベントに向けた改善点も見えません。

失敗から学ぶ改善策:目標達成度を数値で測定し、イベントの貢献度を明確にする

  • ステップ 1: 事前に設定したKPI/KGIの測定方法を確立する来場者数は受付時のチェック、問い合わせ件数や個別相談申込数は担当者が記録、資料請求はアンケートや申込書で確認、契約件数は後から集計するなど、各KPI/KGIをどうやって、誰が測定するかを明確にします。
  • ステップ 2: イベント終了後、速やかにデータを収集・分析する収集したデータを集計し、目標に対してどの程度達成できたか、各KPIの数値はどうだったかを確認します。想定と異なった点(例:来場者数は多かったが個別相談申込数が少ない)があれば、その原因について仮説を立てて分析します。
Q&A: 効果測定で特に重視すべき指標は?

A: 来場者数だけでなく、「個別相談につながった数」や「具体的なアポイントメントにつながった数」、そして最終的な「契約件数」は、イベントが事業売上に直接貢献したかを示す重要な指標です。また、アンケートによる来場者の満足度や自由意見も、イベント内容や運営の改善に役立ちます。

反省会やフィードバック収集の未実施による学び機会の損失の失敗

イベントが終わって一旦「完了」としてしまい、関係者間での反省会を開かなかったり、参加者からの意見を拾い上げなかったりする失敗です。これでは、今回のイベントで何が上手くいき、何が上手くいかなかったのかが共有されず、次のイベントに活かすべき貴重な「失敗から学ぶ」機会を逃してしまいます。

失敗から学ぶ改善策:関係者合同の反省会実施と多角的なフィードバック収集

  • ステップ 1: イベント終了後、速やかに関係者合同で反省会を実施する企画担当者、営業担当者、現場スタッフ、協力業者など、イベントに関わった全ての関係者を集め、速やかに反省会を実施します。良かった点、悪かった点、改善点、次のイベントへの要望などを自由に、かつ具体的に話し合える場を設けます。記録係を決めて、議事録を残します。
  • ステップ 2: 来場者アンケート、ヒアリング、スタッフの意見を収集・分析するイベント当日のアンケート結果を細かく分析します。可能であれば、数名の参加者に直接ヒアリングを行うことも検討します。イベントに関わったスタッフ一人ひとりの意見も丁寧に聞き取ります。これらの多角的なフィードバックを照らし合わせ、客観的な改善点を見つけ出します。
Q&A: 反省会を効果的に行うためのポイントは?

A: 事前に「良かった点」「課題点」「改善提案」の3点を考えてくるように参加者に依頼しておくと、スムーズに進行します。また、特定の個人を責める場ではなく、あくまでイベント自体の運営や内容に関する建設的な議論を行う場にする意識が重要です。

イベントを「成功」と捉えるための定義、効果測定、そして継続的な「失敗から学ぶ」サイクル構築

単発のイベントで終わらせず、継続的に成果を出し続けるためには、「イベントの成功」をどのように定義し、そのために何を測定し、そして何より「失敗から学ぶ」プロセスを組織としてどう定着させるかが鍵となります。

イベントの「成功」を多角的に定義する

「来場者数」だけでイベントの成功を測るのは不十分です。場合によっては、少人数でも質の高い顧客が集まり、濃密なコミュニケーションが取れた方が、その後の商談につながりやすいこともあります。工務店にとってのイベントの「成功」は、来場者数だけでなく、契約、問い合わせ、ブランディング、顧客満足度、地域貢献など、様々な側面から評価されるべきです。

実践的な成功定義と評価軸の設定

  • ステップ 1: イベントの種類と目的に応じた成功指標を設定する例えば、完成見学会であれば「新規顧客からの個別相談申込数」や「そこから〇ヶ月以内の契約率」を重視する。OB顧客感謝祭であれば「参加者の満足度(アンケート評価)」や「OBからの紹介件数」を重視するなど、イベントの種類や計画段階で定めた主要目的に合わせた多角的な成功指標を設定します。
  • ステップ 2: 過去のイベントデータと比較し、具体的な目標数値を設定する過去に同種のイベントを開催したことがあれば、その時の一人当たりの問い合わせ率や契約率などを参考に、今回のイベントで達成したい具体的な目標数値を設定します。目標数値に到達しなくても、過去の実績を上回る、あるいはある一定の基準を満たすことなども成功と定義できます。

効果測定結果から「失敗から学ぶ」を深掘りする

集計した効果測定のデータは、単なる数字の羅列ではありません。そこには、イベントのどこが上手くいき、どこに改善の余地があるのかを示す貴重な情報が詰まっています。このデータを深く掘り下げて分析することが、「失敗から学ぶ」ための重要なステップです。

効果測定データの分析と、そこから導く具体的な改善策の検討

  • ステップ 1: 目標未達項目についてデータと現場の声から原因を推測する目標値に届かなかったKPI(例:個別相談申込数が少ない)について、データ(例:アンケートで「相談したいことがなかった」という意見が多かった)と現場のスタッフの意見(例:「時間が短くて話しにくかった」「展示内容が難しかった」といった声があった)を突き合わせ、なぜ目標が達成できなかったのか、具体的な原因を推測します。
  • ステップ 2: 原因に基づき、次のイベントに向けた具体的な改善策を複数洗い出す推測した原因(例:相談時間が足りなかった)に基づき、「相談時間を長く設定する」「事前に簡単な相談内容をヒアリングする」「セミナー形式ではなく個別相談会に特化する」など、具体的な改善策を複数考え出します。費用や実現可能性を考慮し、最も効果的と思われる改善策を選択します。

イベントの「失敗から学ぶ」プロセスを組織文化として定着させる

「失敗から学ぶ」ことを特定の担当者任せにしたり、単発の取り組みで終わらせたりしていては、組織全体の成長には繋がりません。学びのプロセスを標準化し、次のイベント計画に自然と組み込まれるようにすることが重要です。

イベントPDCAサイクルの構築と継続的な改善

  • ステップ 1: イベント開催後、一連の振り返りプロセス(データ収集、分析、反省会、改善策検討)を標準化するイベント終了後〇日以内に効果測定データを集計、〇週間以内に反省会を実施、といった具体的なスケジュールと、各プロセスで誰が何を行うかを明確に定義し、標準的な流れとして定めます。チェックリストなどを活用し、抜け漏れがないようにします。
  • ステップ 2: 導き出された改善策を次のイベントの企画・計画に必ず反映させる反省会で抽出された改善点や具体的なアクションプランを、次のイベントの計画書の中に必ず組み込みます。前回のイベントの振り返り結果を確認する項目を、新しい計画のワークフローに加えるイメージです。これにより、「失敗から学ぶ」ことが単なる反省で終わらず、具体的な行動に繋がり、継続的な改善が可能になります。
Q&A: 失敗に対する組織の雰囲気はどうあるべき?

A: 失敗を個人や特定部署の責任として追及するのではなく、「なぜ失敗が起きたのか」「次に同じ失敗をしないためにはどうすれば良いか」を組織全体で建設的に考える文化が理想です。オープンなコミュニケーションと、失敗を成長の機会と捉えるポジティブな捉え方が重要です。

イベントの種類と使い分けも「失敗から学ぶ」視点で考える

工務店のイベントには、完成見学会、構造見学会、家づくりセミナー、資金計画セミナー、土地探し相談会、リフォーム相談会、OB顧客感謝祭、ワークショップなど様々な種類があります。それぞれのイベントには適した目的、ターゲット、時期、費用対効果があります。過去のイベントの失敗事例を分析する際には、「今回のイベント形式は、目的やターゲットに合っていたか?」という視点も非常に重要です。

イベント形式の選択と、過去の失敗からの学び

  • ステップ 1: 開催するイベントの目的とターゲットに最適な形式を検討する例えば、「具体的な建物の性能や構造に関心が高い層」を集めたいのに完成見学会だけでは不十分かもしれません(構造は見えないため)。構造見学会や断熱・気密性能体感イベントなどを組み合わせる方が 효과적일 수 있습니다。「まずは漠然とした家づくり知識を得たい」という層には、セミナー 형식の方が参加しやすい 등、目的に合わせて最適な形式を選びます。
  • ステップ 2: 過去の同種イベントの失敗や成功事例を参考に形式を評価する過去の完成見学会で「具体的な疑問に答えきれなかった」という失敗があれば、次回は「専門家による個別相談ブースを設ける」という改善策が考えられます。過去のセミナーで「参加者の関心と内容がずれていた」失敗があれば、ターゲット層に事前にアンケート調査を行うなどの対策が立てられます。このように、目的と過去の学びを照らし合わせながらイベント形式を選択・改善します。
Q&A: 複数の種類のイベントを組み合わせるメリットは?

A: 異なる層の顧客にアプローチできたり、顧客の家づくりプロセスのフェーズに合わせて段階的に情報提供できたりします。例えば、構造見学会で性能に着目した顧客に、後日開催する資金計画セミナーを案内するなど、連携による効果を高めることができます。

まとめ

工務店経営において、イベントは集客やブランディング、そして顧客との関係構築において非常に重要な役割を果たします。この記事では、イベント開催で起こりうる様々な「失敗事例」を取り上げ、それぞれの失敗から何を学び、どう改善策に繋げていくべきかについて、具体的な行動プランをご提示しました。イベントの計画段階での目的・ターゲット・予算・広報の失敗、実施中の運営・コンテンツ伝達の失敗、そして終了後のフォローアップ・効果測定・反省会不足の失敗。これら一つ一つの失敗は、適切に分析し学びとすることで、次のイベント成功のための貴重な糧となります。

重要なのは、失敗を恐れてイベント開催を躊躇するのではなく、失敗を前提としてリスクを予測し、万全の準備をし、そして万が一失敗が起きたとしても、そこから学びを得て次に活かす「失敗から学ぶ」という前向きな姿勢です。今日からご紹介したステップ(目的とKPI設定、ペルソナ定義、詳細な予算・広報計画、リスクマニュアル作成、迅速なフォローアップ、効果測定と反省会の実施、そしてPDCAサイクル構築)を実践することで、あなたの工務店のイベント開催能力は確実に向上します。

イベントを通じてお客様との信頼関係を築き、地域社会に貢献することは、工務店経営者であるあなたの情熱そのものです。失敗は一時の挫折ではなく、未来の成功への階段を一段上がるためのステップです。この記事で得た知識を武器に、ぜひ次のイベント開催に挑戦してください。失敗から学び、改善を続けることで、イベントはあなたの工務店にとって欠かせない、そして大きな成果をもたらす強力なツールとなるでしょう。皆様のイベントが必ず成功裏に終わり、素晴らしい出会いと事業の発展に繋がることを心から応援しています!

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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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