モデルハウス見学後も関係を築く!効果的な追客方法
工務店経営者の皆様、集客ツールとしてのモデルハウスは、多くのお客様との出会いを生む大切な場所です。しかし、「モデルハウスは見に来てくれるのに、その後が続かない」「せっかく掴んだ見込み客との関係性が薄れてしまう」といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。高価な集客費用をかけて実現したモデルハウスへの集客も、見学後の追客がうまくいかなければ、その投資対効果は半減してしまいます。
特に住宅建築は、お客様にとって一生に一度の大きな買い物であり、検討期間も長期にわたることが一般的です。その間、いかにしてお客様の関心を引きつけ、信頼関係を築き、他社ではなく自社を選んでいただくか。ここに、モデルハウス見学後の「アフターフォロー」の考え方を導入することが極めて重要になります。ここで言うアフターフォローは、契約後の保証やメンテナンスにとどまらず、見込み客の段階から行う継続的なコミュニケーション全般を指します。
この記事では、ただの「追いかけ営業」ではなく、お客様に寄り添いながら自然に関係性を深めていく、効果的なモデルハウス見学・追客ノウハウを具体的かつ実践的なステップでお伝えします。読者の皆様が抱える「モデルハウス見学後、どうすればいい?」「どんな情報を送れば喜ばれる?」「追客Too Muchにならない?」といった疑問に対し、明日からすぐに実践できる具体的なアクションプランを示します。この記事を読み終える頃には、モデルハウス見学後のお客様との関係構築に対する明確な戦略と、着実に成果を上げるための自信を手に入れていることでしょう。
アフターフォローの「実践的」導入戦略:基礎から応用まで
モデルハウス見学後のお客様への追客は、単なる営業活動ではなく、将来の顧客に向けた「先行アフターフォロー」と捉えるべきです。お客様がまだ具体的に建築計画を進めていない段階から、いかに安心感と信頼感を提供できるかが鍵となります。まずは、この段階での追客の基礎と考え方、そして実践的な戦略を構築するためのステップを見ていきましょう。
なぜモデルハウス見学後のお客様への追客が難しいのか?
モデルハウスに来場されるお客様のニーズや検討段階は様々です。「今は情報収集だけ」という方から、「近く本格的に検討したい」という方まで、その「熱量」は一様ではありません。また、複数の工務店やハウスメーカーのモデルハウスを見比べ、情報が錯綜している状態も珍しくありません。こうした多様な状況のお客様に対し、画一的なアプローチをしても効果は期待できません。むしろ、お客様によっては「押し付けられている」「しつこい」と感じさせてしまい、逆効果になるリスクもあります。
こうした難しさを乗り越えるためには、お客様一人ひとりの状況を正確に把握し、それぞれに合わせたきめ細やかなコミュニケーションを行うことが不可欠です。
従来の追客の課題と「先行アフターフォロー」という考え方
多くの工務店で行われている従来の追客は、電話やDMでのアポイント催促、イベントの告知などが中心になりがちです。もちろんこれらも有効な手段ではありますが、お客様の現在の関心度に合っていない場合、すぐにゴミ箱行きになったり、電話に出てもらえなくなったりします。
ここで提唱したいのが「先行アフターフォロー」という考え方です。これは、お客様が契約に至る前から、契約後の本来のアフターフォローのように、お客様の不安や疑問に寄り添い、長期的な視点で関係性を構築していくアプローチです。モデルハウスは、この先行アフターフォローのスタート地点として理想的な場所です。見学という体験を通じてお客様との接点が生まれるため、その後のコミュニケーションのきっかけを作りやすいのです。
先行アフターフォローの目的は、すぐに契約を取ることだけではありません。お客様の悩みや希望を深く理解し、それに対する適切な解決策や情報を提供し続けることで、「この工務店なら信頼できる」「何かあればここに相談したい」という、お客様からの深い信頼と安心感を醸成することにあります。
実践的な追客戦略構築のためのステップ
効果的な先行アフターフォロー戦略を構築するために、以下のステップで準備を進めましょう。
ステップ1:見込み客のセグメント分け基準を明確にする
モデルハウス見学のお客様は多様です。見学時に得られた情報(アンケート、会話内容)をもとに、お客様をいくつかのグループに分けます。例えば、
- すぐには建てないが、情報収集段階のお客様
- 将来的に建てたいと考えており、具体的なイメージを掴みたいお客様
- 土地はまだだが、工務店選びを始めているお客様
- 土地は決まっており、プランや資金計画を知りたいお客様
- (競合と比較中の、いわゆる「本命」顧客)
- (他社のモデルハウスも見ているであろう)
このようにセグメント分けすることで、それぞれのグループのお客様に最適なアプローチ方法や情報提供の内容を検討しやすくなります。
ステップ2:追客に使用するツールと担当者を決定する
追客に使用するツールは、お客様のセグメントや自社のリソースに合わせて検討します。電話、メール、LINE、郵送DM、ニュースレター、自社ブログ、SNS、動画コンテンツなど、様々なツールがあります。重要なのは、一方的な情報発信だけでなく、お客様からのリアクションを受け付けられる双方向コミュニケーションが可能なツールを組み合わせることです。
また、誰が追客を担当するのかを明確にしましょう。営業担当者がそのまま追客業務を行うのか、あるいは追客専門の担当者やチームを設けるのか。担当体制によって、追客の質や継続性が大きく変わってきます。追客状況を管理するために、顧客管理システム(CRM)や追客ツールなどのITシステム導入も検討に値します。
ステップ3:追客の目的とKPI(重要業績評価指標)を設定する
「なんとなく連絡を取り続ける」のではなく、追客の具体的な目的を設定します。例えば、
- 個別相談に誘導する
- イベントやセミナーへの参加を促す
- 資料請求や特定の情報への関心を高める
- 〇ヶ月後の再来場を促す
- 追客開始から〇ヶ月以内の契約率を△%に高める
といった具体的な目標を設定することで、活動の方向性が定まり、効果測定も可能になります。設定した目的に対し、どのような指標(メール開封率、クリック率、イベント参加率、アポイント率、契約率など)を追跡・評価するのかも決めます。
ステップ4:基本的な追客スケジュール(シナリオ)を作成する
セグメントごと、あるいは見込み度合いごとに、モデルハウス見学からの基本的な追客スケジュール(シナリオ)を作成します。
- 見学後1日以内:御礼メール/LINE
- 見学後3日後:見学内容に合わせた補足情報(例:モデルハウスのあの部分の詳細は…)
- 見学後1週間後:「家づくりのお役立ち情報」メールマガジン(資金計画、土地探しなど)
- 見学後2週間後:イベント・セミナーのお知らせ
- 見学後1ヶ月後:個別相談の案内
- 見学後2ヶ月後:建築事例の紹介
- …(以降、定期的な接触と、お客様の反応に応じた個別対応)
このシナリオはあくまで「骨子」であり、お客様からの反応や状況の変化に応じて柔軟に変更していくことが重要です。ガチガチのシナリオ通りに進めるのではなく、お客様との対話の中から次のアクションを決める部分が「先行アフターフォロー」の本質とも言えます。
これらの基礎を確立することで、モデルハウス見学後のお客様に対する、計画的かつお客様に寄り添った追客、つまり「先行アフターフォロー」をスタートさせることができます。次項では、この基礎を踏まえ、モデルハウスを最大限に活用した具体的な追客手法について掘り下げていきます。
モデルハウス×アフターフォロー:成果を最大化する具体的な取り組み
モデルハウス見学は、お客様が自社の建物を実際に体験し、空気感を肌で感じる貴重な機会です。この体験こそが、その後の追客の有効性を飛躍的に高める鍵となります。ここでは、モデルハウス見学で得られた情報を最大限に活用し、お客様との関係性を深める具体的な追客ステップとその方法を詳述します。ここでのアフターフォローとは、前述の通り見込み客に対する「先行アフターフォロー」を指します。
モデルハウス見学直後の高速アクション
ステップ1:見学御礼の速やかな送付(当日〜翌日以内)
モデルハウス見学から時間が経つほど、お客様の印象は薄れていきます。最も重要な最初のステップは、見学いただいたことへの御礼を速やかに伝えることです。当日中〜翌日午前中には、メールやLINEでお送りしましょう。
- **内容:** 見学いただいたことへの感謝、モデルハウスの〇〇(お客様が特に興味を示した点)について触れる、見学時に話した内容の簡単な補足(例:「資金計画について少しお話ししましたが、〇〇の資料を別途お送りします」)、会社のウェブサイトやブログへのリンク、次にお客様の役に立つ情報(イベント、個別相談など)につながる柔らかい案内。
- **ポイント:** 定型文だけでなく、可能な限りお客様の名前を呼びかけ、見学時の会話や興味を示した点に具体的に触れることで、パーソナルな印象を与えます。「〇〇様が特に興味を持たれていたキッチンの収納、やはり便利ですよね!」といった一言が効果的です。
- **手段:** メールだけでなく、お客様から許可を得ている場合はLINEも有効です。手書きのハガキも温かみがあり、他社との差別化になりますが、スピード感は落ちます。
ステップ2:見学で得た情報の詳細な記録と共有
モデルハウス見学中に、お客様との会話で得られたすべての情報を詳細に記録しておくことが、その後の追客の質を決定づけます。間取りの好み、デザイン、設備(キッチン、お風呂など)、重視するポイント(断熱性、耐震性、デザイン、予算)、家づくりに対する不安、家族構成、趣味など、些細なことでも記録します。
- **記録方法:** 紙のアンケートだけでなく、営業担当者が会話中に気づいたこと、お客様の反応などをメモし、社内で共有できるシステム(CRMなど)に入力します。
- **活用:** この記録は、その後の情報提供をパーソナライズするための宝の山です。お客様が関心を持ったモデルハウスの特徴や、会話の中で出た悩みに対してピンポイントで情報を提供できます。
顧客の関心度と状況に合わせた継続的な情報提供
ステップ3:見込み度合い別カスタマイズ情報の提供(見学後1週間〜1ヶ月)
ステップ1で立てたセグメント分けに基づき、お客様の状況や関心度に合わせた情報提供を開始します。一方的な広告ではなく、「お客様の家づくりが成功するために役立つ情報」という視点が重要です。
- **情報例:**
- 資金計画の立て方、住宅ローンに関する情報
- 土地探しのポイント、地域の土地情報
- 断熱性、耐震性などの技術的な解説(分かりやすく)
- モデルハウスで見学した設備に関する深掘り情報(メーカーサイト、ユーザーレビューなど)
- 当社の建築実例(お客様の好みに合いそうなテイストや間取り)
- 家づくりで失敗しないためのチェックリスト
- 完成見学会、構造見学会のお知らせ
- **手段:** メールマガジン、郵送DM、自社ブログの更新情報、限定公開の動画コンテンツ(モデルハウスの特定の場所の紹介など)。お客様の興味を引くタイトルや導入文を工夫しましょう。
- **ポイント:** お客様一人ひとりの記録を見ながら、「〇〇様が興味をお持ちだった〇〇に関する情報です」のように、パーソナルなメッセージを添えることで開封率や関心が高まります。モデルハウスでの体験と関連付けた情報提供が効果的です。例えば、「モデルハウスのリビングの開放感は気に入っていただけましたか?あの空間をさらに快適にするための断熱材について解説した記事を書きました」のように繋げます。
ステップ4:体験型イベント・個別相談への誘導(見学後2週間〜)
テキストやメールによる情報提供だけでなく、お客様と直接顔を合わせる機会や、より深い相談ができる機会への誘導を目指します。
- **有効なイベント:**
- 資金計画セミナー
- 土地探し相談会
- 自社の家づくり勉強会
- 構造見学会(完成前の建物の安心感を伝える)
- 完成見学会 / OB様宅訪問会(実際の暮らしをイメージしてもらう)
- モデルハウスでの個別相談会(予約制でじっくり話せる時間)
- **誘導方法:** 各情報提供の末尾に、関連するイベントや相談会への案内を掲載します。限定〇組、個別対応可能、といった特別感を出すことも有効です。モデルハウスでの会話で「資金が不安」といった声があれば、資金計画セミナーの案内を中心に送るなど、ニーズに合わせたプッシュを行います。
- **ポイント:** これらのイベントや相談会は、モデルハウスとは異なる視点から自社の強みや家づくりのプロセスを理解していただく場です。お客様の疑問や不安を解消し、次のステップへ進んでいただくための重要な機会として位置づけます。
関係構築を深めるための工夫
ステップ5:お客様の反応に応じたパーソナルコミュニケーション
メールの開封・クリック状況、イベントへの参加履歴、ウェブサイトの閲覧履歴(可能な場合)など、お客様の反応を注意深く観察し、追客内容を調整します。反応が良いお客様にはより具体的な提案、反応が薄いお客様には情報提供の頻度や内容を見直すなど、柔軟に対応します。
- **具体例:**
- 特定のブログ記事を繰り返し読んでいるお客様には、そのテーマに関するさらに詳しい情報や専門家への相談を提案する。
- 資金計画セミナーに参加したお客様には、具体的な資金計画の事例や提携金融機関の情報を提供する。
- モデルハウスの〇〇という設備に感動していたお客様には、その設備について実際に使用しているOB様の声や、最新のモデル情報を送る。
- **ポイント:** お客様からの問い合わせや相談には最優先で丁寧に対応します。ここでの対応の質が、お客様からの信頼を大きく左右します。
ステップ6:手書きメッセージや季節のご挨拶
デジタルツールでのコミュニケーションが中心になりがちですが、年に数回程度、暑中見舞いやクリスマスカード、年賀状などを手書きのメッセージを添えて送ると、温かみと丁寧さが伝わります。「モデルハウス見学から〇年ですね。お陰様で当社のモデルハウスも…」といった一言があると、過去の素晴らしい体験(モデルハウス見学)を思い出していただくきっかけにもなります。
潜在的な疑問に答えるQ&A
Q1: 追客が「Too Much」になってお客様に嫌われませんか?
A1: 追客の頻度や内容は、お客様の反応や見込み度合いに合わせて調整することが重要です。一方的な情報提供や、電話での催促ばかりでは「Too Much」になりがちです。お客様の役に立つ情報提供や、家づくりに関する疑問に答えるQ&A形式のコンテンツ、イベントへの「ご案内」といったスタンスに徹することで、お客様は押し付けられていると感じにくくなります。重要なのは、「売ろう」とするのではなく、「お客様の家づくりをサポートしたい」という姿勢を伝えることです。迷惑がられた場合は、すぐに追客を停止し、数ヶ月後に改めて挨拶や情報提供を行うなど、一旦距離を置く判断も必要です。
Q2: 異なる関心を持つお客様への情報提供を手作業で行うのは負担が大きいのでは?
A2: お客様のセグメント分けと基本的な追客シナリオを作成し、ある程度の自動化を図ることで負担を軽減できます。例えば、メールマガジンを数種類作成し、お客様の興味に合わせて購読リストを分ける、といった方法があります。さらにシステム導入(CRM、MA)は、お客様の行動履歴に基づいた自動的な情報提供や、担当者へのアラート機能など、追客業務を効率化しつつ質を高める上で非常に有効です。初期投資はかかりますが、長期的に見れば追客の成果向上とコスト削減につながります。
Q3: 追客にかかる費用対効果はどう測ればいいですか?
A3: 設定したKPI(アポイント率、イベント参加率、契約率など)を追跡・分析することで費用対効果を測定します。追客にかかった人件費、ツールの費用、DM郵送費などを合計し、そこから獲得できた契約の売上や粗利と比較します。「モデルハウスからの見込み客〇名に対し、追客の結果△名が契約に至り、契約単価は〇〇円だったため、追客コストを差し引いても十分な利益が出ている」というように具体的な数値で評価することが重要です。高い費用対効果を出すためには、お客様の反応を分析し、追客方法を継続的に改善していく必要があります。
Q4: すぐに家を建てないお客様への追客はどうすればいいですか?
A4: こうしたお客様こそ、「先行アフターフォロー」の真価が問われる対象です。短期的な契約を追わず、家づくりに関する継続的な役立つ情報提供に徹します。例えば、定期的なメールマガジン、ブログ更新通知、地域イベント情報、暮らしに関するコラムなどを送ることで、工務店の存在を忘れられずに、信頼感を醸成します。たとえ契約までに数年かかったとしても、「いざ建てる」となった際に一番に思い出してもらえる存在になることを目指します。ここでの地道なアフターフォローが、数年後の契約や、ご紹介に繋がることも少なくありません。
モデルハウス見学後の追客は、単に営業機会を増やすだけでなく、お客様との信頼関係を築き、工務店というブランドを深く理解していただくための重要なプロセスです。これらの具体的なステップと工夫を実践することで、モデルハウスへの投資効果を最大化し、着実な成果に繋げることが可能になります。
モデルハウスを継続的に成功させるための「次の一手」
せっかく構築したモデルハウスを活用した追客の仕組みも、一度作って終わりではありません。常に変化する市場やお客さまのニーズに対応し、より高い成果を出し続けるためには、継続的な改善が不可欠です。ここでは、モデルハウスを起点とした追客活動をさらに洗練させ、ご紹介やファン化に繋げるための「次の一手」について解説します。ここでも、アフターフォローの考え方は「見込み客への先行アフターフォロー」として活動の根幹に据えます。
追客活動のデータ測定と分析
ステップ1:KPIに基づいた定期的なデータ収集
ステップ1で設定したKPI(メール開封率、クリック率、イベント参加率、個別相談への誘導率、契約率など)に関するデータを定期的に収集します。使用しているツール(メール配信システム、CRM、ウェブサイト分析ツールなど)から正確なデータを抽出します。
ステップ2:収集したデータの分析と課題発見
収集したデータを基に、追客シナリオのどの段階でお客様の離脱が多いか、どの情報提供の反応が良いかなどを分析します。例えば、「ステップ3で送った資金計画に関するメールマガジンは開封率が高いが、その後の個別相談への誘導率が低い」「モデルハウス見学から1ヶ月以上経過したお客様への連絡頻度が少ない」といった具体的な課題や成功要因を発見します。
- **分析の視点:** セグメントごとの成果比較、情報提供ツールごとの効果測定、担当者ごとの成果比較など、様々な角度から分析を行います。
追客シナリオとコンテンツの改善
ステップ3:分析結果に基づく追客シナリオのブラッシュアップ
分析で発見した課題や成功要因に基づき、追客シナリオを見直します。反応の良かったコンテンツを増やす、離脱率の高い段階でのコミュニケーション方法を変更する、特定のセグメント向けの情報提供を強化するなど、具体的な改善策を実行します。
- **具体例:** 資金計画への関心が高いお客様が多いと分かれば、モデルハウス見学時にさらに詳しくヒアリングし、見学直後の御礼メールに資金計画セミナーの案内を載せる、といったシナリオに変更する。
ステップ4:提供するコンテンツの質の向上とバリエーション追加
お客様に提供する情報コンテンツの質は追客の成功を大きく左右します。ブログ記事、メールマガジン、SNS投稿、動画などのコンテンツ内容を定期的に見直し、お客様にとってより魅力的で役立つものにします。
- **工夫例:**
- モデルハウスの見どころをテーマにしたショート動画シリーズを作成し、メールやLINEで配信する。
- お客様からのよくある質問をQ&A形式でまとめ、情報コンテンツとして提供する。
- 自社の施工事例を、お客様がモデルハウスで感じたデザインや性能と関連付けて紹介する。
- OB施主様へのインタビュー記事を作成し、「実際の暮らし」をイメージしてもらう。
- **ポイント:** 最新の住宅情報や、お客様の関心が高いテーマ(省エネ、IoT、災害対策など)を取り入れ、常に新鮮な情報を提供し続けることが重要です。
モデルハウスと追客活動のシステム化・連携
ステップ5:CRM/MAツールの最大限の活用
顧客管理システム(CRM)は見込み客情報を一元管理し、追客状況を把握するために不可欠です。さらに、マーケティングオートメーション(MA)ツールと連携させることで、お客様のウェブサイト閲覧履歴、メール開封・クリック履歴などを自動で追跡し、関心度合いに応じて自動的に適切な情報提供を行うことが可能になります。
- **活用例:** お客様がモデルハウスに関する特定のページを何度も閲覧している場合、自動的にモデルハウスに関するより詳細な情報や個別相談の案内メールを送る、といったシナリオを設定できます。
- **ポイント:** ツールの導入だけでなく、担当者全員がシステムを適切に使いこなし、正確なデータ入力を徹底することが重要です。
ステップ6:モデルハウス現場と追客担当者間の連携強化
モデルハウスでのお客様の様子や会話内容は、追客のパーソナライズに不可欠な情報です。現場の担当者(営業、アドバイザーなど)が、お客様の関心ポイントや会話内容を正確かつタイムリーに記録し、追客担当者(営業、マーケティング担当など)に共有・連携できる仕組みを構築します。
- **具体例:** モデルハウスのiPadなどで、お客様の興味を示した箇所を写真付きで記録できるチェックリストを用意する。見学終了後すぐに、特記事項と共に見込み客情報を登録・共有するフローを徹底する。
ご紹介やファン化への繋げ方
ステップ7:真のアフターフォロー(契約後)との連携
見込み客段階での先行アフターフォローは、契約後の真のアフターフォローにスムーズに繋がるように連携させることが理想です。見込み客段階で築かれた信頼関係は、契約後のお客様満足度を高め、OB施主様からのご紹介に繋がる可能性を大きく広げます。
- **連携例:** 見込み客時代の担当者が契約後も窓口の一部を担う、契約前からお客様に送っていたニュースレターを契約後も継続して送る(OB様向けの内容にシフト)、など。
ステップ8:OB施主様によるモデルハウス見学の活性化
OB施主様は、自社の家づくりの何よりの証です。可能であれば、OB施主様に協力いただき、実際の暮らしを見学できる機会(OB様宅訪問会)を設けることは、見込み客にとって最も信頼できる情報源となります。モデルハウスだけでは分からないリアルな住み心地やエピソードを聞くことで、安心感や具体的なイメージを持ってもらえます。これは、見込み客へのアフターフォロー活動の一つとしても非常に有効です。
- **ポイント:** OB施主様との良好な関係維持(真のアフターフォローの充実)が前提となります。
これらの「次の一手」を継続的に実行することで、モデルハウスが見込み客との出会いの場としてだけでなく、長期的なお客様との関係構築のハブとなり、安定的な集客と契約、さらにはご紹介による新規顧客獲得の源泉となります。モデルハウスは一度建てれば終わりではなく、その後の運用と追客(先行アフターフォロー)の質によって、その価値が決まると言っても過言ではありません。
まとめ
この記事では、工務店の皆様がモデルハウスへの投資対効果を最大化し、見込み客との関係性を深めるための具体的な追客方法、つまり「先行アフターフォロー」戦略について、基礎から応用、継続的な改善策までを詳細に解説しました。モデルハウスは、お客様があなたの工務店の家づくりを肌で感じるための最高の体験の場です。しかし、その後の追客がなければ、せっかく芽生えたお客様の興味や関心は、時間と共に薄れ、他社へと流れていってしまうリスクがあります。
お客様一人ひとりの見込み度合いや関心に合わせてセグメントを分け、パーソナルな情報の提供や体験型イベントへの誘導を行うこと。このお客様に寄り添う「先行アフターフォロー」こそが、お客様からの信頼を築き、他社との差別化を図るための鍵となります。見学直後の迅速な御礼から始まり、継続的な役立つ情報提供、そしてお客様の反応に応じた柔軟なコミュニケーションを通じて、「この工務店なら私たちの夢を叶えてくれる」という確信をお客様の中に育んでいくことが、具体的なアクションプランとして重要です。
これらの実践的なステップを着実に実行し、データに基づいた改善を継続してください。CRM/MAといったツールの活用や、モデルハウス現場と追客担当者の密な連携は、業務効率化と追客の質向上に大きく貢献します。そして、見込み客段階での丁寧なアフターフォローは、契約後の真のアフターフォローへと繋がり、満足度の高いOB施主様からのご紹介という最大の成果へと結びつくはずです。モデルハウスを単なる展示場ではなく、「お客様との一生涯の関係づくりのスタート地点」と捉え直し、この記事で学んだことをぜひ明日からの具体的な行動に移してください。あなたの工務店の未来は、モデルハウス見学後の「次の一歩」に大きくかかっています。応援しています!
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