電子書籍を出版する④ 文章のルール
文章を書く際、基本的な作文の決まりがあります。 最低限のルールに沿って、文章全体を統一しておくと、より読みやすい文章になります。例えば、いくつかの基本的なルールを挙げてみたいと思います。
■段落の文頭は1文字分空ける
本文の始まりや段落の変わり目では、最初を1文字分空けて書き出します。どこを段落の変わり目にするかで、読みやすさがだいぶ違ってきますね。
■文頭に句読点や記号が来ないようにする
句読点や記号が行の最後のマスにきたときは、次の行の初めにこないようにします。ワープロソフトなどで文章を作成することが多くなったので、意識しなくても自動でやってくれますが、注意が必要なポイントでね。
■会話には鉤括弧を付け、改行して書く
会話文については、文中でも問題はないですが、改行して「 」をつけて1番上のマスから書き出すことで、より読みやすくなります。
■鉤括弧で括った文章には、句読点を打たない
学校教育ではおそらく句点を入れる様式を学ぶかと思います。どちらも間違いというわけではないので、はじめにルールを決めておいて、あとは統一して書くことで、読みやすくなります。基本的には鉤括弧があることで、一文の終わりと分かるので、
閉じ括弧の前にも後にも、句点を打つ必要はありません。
<句点を打つ場合>
「今日は、涼しくなりましたね」。
「今日は、涼しくなりましたね。」
<句点を打たない場合>
「今日は、涼しくなりましたね」
ただし、鉤括弧の内容が他の文の一部であり、最後がその鉤括弧で終わる場合、句点はそのあとに付けます。また、鉤括弧の後に、鉤括弧の文が続くときは、その間の句点は不要です。
「今日は、涼しくなりましたね」。彼が私に言った。
「今日は、涼しくなりましたね」「明日も涼しいといいですね」
■数字表現の統一
漢数字と算用数字を混ぜて書くと、文章内での統一性がなくなり、読者の混乱を招きます。例えば、「2日後」と「二日後」のような表現を混在させてしまうと、とても読みづらくなります。縦書きの読み物の場合、漢数字を使う場合が多く、横書きの場合は、算用数字が使われます。また、漢数字には、単位語を入れて書く表記と、単位語を省略する表記があります。西暦や少数、郵便番号など、単位語は入れない書き方をするものもあります。
・一〇〇五十年前 → 百五十年前
・十一月二九日 → 十一月二十九日
・西暦千九百九十八年 → 西暦一九九八年
ただし、「A4判用紙」「F14戦闘機」といった固有名詞は、漢数字にしない方が良い場合もありますので、注意が必要です。逆に、「一人前」「三寒四温」など、算用数字にしない固有名詞もあります。
■フォントの形とサイズ
これはどちらかと言うと構成の括りになるかもしれませんが、フォントの種類とサイズを統一しておくことは、読みやすさの基本になります。電子書籍の場合、端末やアプリケーションでフォントの種類やサイズを変えることができますが、基本的にはあらかじめ統一しておくことをお勧めします。
・明朝体
MS明朝、ヒラギノ明朝体などがあります。縦線が横線より太く、払いやはねが顕著に表現されているフォントの総称。通常、書籍の本文に使われます。
・ゴシック体
MSゴシック、丸ゴシック、平成ゴシック体など。縦線と横線が同じ太さのフォントの総称で、見出しや強調したい部分などに使うことが多いです。
・その他
文章内ではあまり使われることがありませんが、カバーデザインなど、インパクトを出すために、明朝体やゴシック体以外の特殊なフォントが使用されることもあります。
文章のルールは他にも様々なものがありますが、こういった基本的な部分を統一しておくことで、だいぶ読みやすさが違って来るかと思います。そして文章を書いたら、編集者や校正者、あるいは周囲の人に読んでもらうことが、最も重要なポイントになりますね。
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