安心の住まいづくり:段差解消リフォームで家族みんなが快適に暮らすコツ

公開日: : 家づくりのお役立ち情報

   

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家の中の段差や階段が気になりはじめたとき、それは将来の生活に不安を感じるサインかもしれません。親の高齢化、または自分自身の将来を考えると、今の住まいがこのままで大丈夫なのか心配になりますよね。実は、日本の住宅における事故の多くが「つまずき」や「転倒」によるもの。特に高齢者にとって、ちょっとした段差が大きな危険につながることがあります。

しかし、適切なリフォームによって、そんな不安は解消できます。バリアフリー化は、高齢者だけでなく、小さなお子さんがいるご家庭や、将来のことを考える全ての方にとって大切な住環境づくりです。この記事では、段差解消のポイントから補助金制度の活用法まで、誰もが安心して暮らせる住まいづくりのヒントをご紹介します。

目次

・家の中の危険な段差とその解消法
・バリアフリーリフォームの費用と補助金制度
・将来を見据えた段階的なバリアフリー計画

家の中の危険な段差とその解消法

「うちにはそんなに段差がないから大丈夫」と思っていませんか?実は、日常生活で気にならない小さな段差でも、加齢とともに大きな障害になることがあります。特に注意したい場所と、その解消法を見ていきましょう。

玄関の段差

多くの日本家屋で見られる玄関の上がり框(あがりかまち)は、高齢者にとって最も越えにくい段差のひとつです。厚生労働省の調査によると、高齢者の転倒事故の約15%が玄関付近で発生しています。

解消法:

  • スロープの設置:常設型と取り外し可能な簡易型があります。設置スペースが限られている場合は、折りたたみ式も検討できます。
  • 手すりの設置:玄関の両側に手すりを設けることで、安定した立ち上がりをサポートします。
  • 踏み台の活用:中間の高さとなる踏み台を置くことで、一度に越える段差を小さくします。

トイレ・浴室の段差

水回りの段差は、わずか2〜3cmでも高齢になると大きな障害となります。特に浴室は床が濡れていることが多く、転倒リスクが高まります。

解消法:

  • 段差解消プレート:緩やかな傾斜のプレートを設置して段差をなくします。防水性の高い素材を選びましょう。
  • 浴室の床のかさ上げ:浴室全体の床をかさ上げして、脱衣所との段差をなくす方法もあります。
  • バリアフリー用浴室ユニットへの交換:リフォームのタイミングで、はじめからバリアフリー設計の浴室ユニットに交換するのも効果的です。

部屋間の敷居

和室と洋室の間など、部屋の間にある敷居も要注意です。特に夜間のトイレ移動時などに、つまずきの原因になることがあります。

解消法:

  • 敷居スロープ:木製や樹脂製の小型スロープを敷居に取り付けます。
  • フラットな床材への交換:リフォーム時に部屋間の段差をなくすよう床材を選定します。
  • 段差解消材の活用:市販の段差解消テープやクッション材を使って、比較的安価に対応することも可能です。

廊下や居室の床の凹凸

長年の使用による床板の反りや、畳の縁の出っ張りなども見落としがちな危険箇所です。特に視力が低下した高齢者は、こうした小さな凹凸に気づかずつまずくことがあります。

解消法:

  • フローリングのリフォーム:経年変化で反りが生じた床材は、交換することで安全性が高まります。
  • 畳からフローリングへの変更:畳の縁の段差が気になる場合は、バリアフリー対応のフローリングへの変更も一案です。
  • カーペットの適切な使用:過度に厚みのあるカーペットや、端がめくれやすいラグは避けましょう。

段差解消リフォームを行う際のポイントは、単に段差をなくすだけでなく、「歩きやすさ」と「安全性」のバランスを考えることです。例えば、床材の種類や色の違いで段差がなくても視覚的に区別できるようにしたり、手すりと組み合わせて使用することで、より効果的な対策となります。

また、リフォームを検討する際は、現在の家族構成だけでなく、5年後、10年後の生活イメージも大切です。小さなお子さんがいる家庭では、子どもの成長にあわせて、段階的にバリアフリー化を進めていくことをおすすめします。

バリアフリーリフォームの費用と補助金制度

「バリアフリーリフォームは必要だけど、費用が心配…」という声をよく耳にします。確かに初期投資は必要ですが、国や自治体の補助金制度を利用することで、負担を軽減できる可能性があります。まずは一般的な費用感と、活用できる補助金制度を見ていきましょう。

バリアフリーリフォームの費用相場

段差解消リフォームの費用は、範囲や方法によって大きく異なります。一般的な相場をご紹介します。

  • 玄関スロープの設置:5万円〜20万円 (素材や長さ、勾配によって変動)
  • 浴室の段差解消:10万円〜50万円 (単純な段差解消から、バリアフリー浴室への全面改修まで)
  • トイレの段差解消:3万円〜10万円 (床のかさ上げや解消プレートの設置など)
  • 部屋間の段差解消:3万円〜15万円/箇所 (敷居の撤去や床レベルの調整など)

※これらはあくまで目安であり、住宅の構造や既存設備の状態によって変動します。

活用できる補助金制度

バリアフリーリフォームには、複数の公的支援制度があります。主なものをご紹介します。

1. 介護保険によるリフォーム支援

要支援・要介護認定を受けている方が対象です。住宅改修費として上限20万円(自己負担1〜3割)の支給が受けられます。

対象となる工事例:

  • 段差の解消
  • 手すりの取り付け
  • 床材の変更
  • 扉の取り換え(開き戸から引き戸へなど)
  • 洋式トイレへの変更

申請のポイント:

  • 工事前に必ず申請が必要です
  • ケアマネージャーなどの専門家に相談しながら進めると安心です
  • 原則として1人1回限りの給付です(引っ越しや状態変化による例外あり)

2. 自治体独自の住宅改修補助金

お住まいの市区町村によって、独自の住宅改修補助金制度を設けていることがあります。介護保険の対象とならない方や、介護保険と併用できるケースもあります。

補助金額の例:

  • 工事費用の10〜50%(上限10万円〜50万円)
  • 定額補助(手すり設置1本につき○万円など)

特徴:

  • 自治体によって対象者や工事内容、補助額が異なります
  • 高齢者だけでなく、障がい者世帯や子育て世帯を対象としている場合もあります
  • 年度ごとに予算に限りがあるため、早めの申請がおすすめです

3. 国の支援制度

長期優良住宅化リフォーム推進事業 耐震性や省エネ性能と合わせてバリアフリー化を行う場合、費用の一部が補助されることがあります。

住宅ローン減税(バリアフリーリフォーム) バリアフリー改修工事を含むリフォームをローンで行った場合、一定の条件のもとで所得税の控除が受けられます。

補助金活用のコツ

補助金を最大限に活用するためには、以下のポイントに注意しましょう。

  1. 複数の制度を組み合わせる 介護保険と自治体の補助金を併用できるケースもあります。リフォーム前に必ず確認しましょう。
  2. プロに相談する バリアフリーリフォームに詳しい設計士や工務店に相談することで、適切な補助金制度を紹介してもらえることがあります。
  3. 計画的に申請する 多くの補助金は「工事前申請」が原則です。工事を始めてからでは申請できないため注意が必要です。
  4. 定期的に情報を確認する 補助金制度は年度ごとに内容が変わることがあります。自治体のホームページや窓口で最新情報を確認しましょう。

バリアフリーリフォームは一見コストがかかるように思えますが、将来的な介護負担の軽減や、住み慣れた家で長く暮らせることを考えると、価値ある投資といえます。特に新築やフルリフォームを検討している方は、初期段階からバリアフリー設計を取り入れることで、後々の追加工事を減らすことができるでしょう。

将来を見据えた段階的なバリアフリー計画

「今すぐ全面的なバリアフリーリフォームは必要ないけれど、将来のことを考えると不安…」 このような声は多く聞かれます。実は、バリアフリー対策は一度にすべてを行う必要はありません。家族の年齢や生活スタイルの変化に合わせて、段階的に進めていくことがベストな選択肢です。ここでは、ライフステージに合わせた段階的なバリアフリー計画をご紹介します。

基本的な考え方:「スマートエイジング」

近年注目されている「スマートエイジング」の考え方は、加齢による変化を先回りして対応するのではなく、その時々の状況に合わせて住環境を最適化していくというものです。全面的なバリアフリー化を急ぐよりも、まずは安全性の高い基本設計とし、必要に応じて対応していくアプローチが効果的です。

ステップ1:新築・リフォーム時の基本設計で対応

新築やリフォームを行うなら、この段階で「将来のバリアフリー化」を見据えた基本設計を取り入れましょう。

ポイント:

  • 可変性のある間取り:将来の間仕切り変更や設備交換が容易な構造にする
  • 廊下・開口部の幅:車いす対応を想定し、廊下は78cm以上、開口部は75cm以上確保
  • 設備配管の工夫:将来の設備変更に対応できるよう、配管スペースを考慮
  • 構造補強:手すりを後付けできるよう、壁の一部に下地補強を施しておく

これらは見た目にはほとんど変化がなく、コストも大きく変わりませんが、将来のリフォームをスムーズにする重要な準備となります。

ステップ2:子育て期〜中年期の対応

小さなお子さんがいる家庭では、高齢者対応のバリアフリーが子どもの安全にも役立つことがあります。この時期は、安全性と使いやすさを両立させることが大切です。

おすすめの対応:

  • 玄関の緩やかなスロープ:ベビーカーの出し入れもラクになります
  • 危険な角の保護:小さな子どもとお年寄り、どちらにも安心です
  • 滑りにくい床材の選択:転倒防止に効果的です
  • 手すりの部分的な設置:浴室など、必要性の高い場所から始めましょう

ステップ3:親の高齢化に伴う対応

親世代が70代を超え、体力や視力などに変化が見られ始める時期には、より具体的なバリアフリー対応が必要になります。

おすすめの対応:

  • トイレ・浴室の優先的な改修:最も事故が多い場所からリフォームを始めましょう
  • 照明の明るさ調整:視力低下に配慮し、適切な明るさと配置を検討
  • 緊急通報システムの導入:急な体調変化に備えましょう
  • 居室の1階への移動:階段の上り下りを減らす工夫も効果的です

ステップ4:介護が必要になった場合の対応

実際に介護が必要になった段階では、要介護度や身体状況に合わせた具体的な改修が必要です。この段階では、介護保険の住宅改修費を活用できます。

おすすめの対応:

  • 動線の見直し:生活動作を分析し、最小限の移動で済む間取りに
  • 車いす対応のリフォーム:必要に応じて開口部拡張や段差解消を実施
  • 介護スペースの確保:介助者が動きやすいスペースの確保
  • 在宅医療機器の設置場所:電源や配置を考慮したプランニング

将来を見据えたリフォームの事例

事例1:将来の二世帯同居を見据えたリフォーム 川崎市の田中さん(仮名)は、将来の親との同居を見据え、築25年の実家をリフォーム。玄関と水回りの段差をなくし、1階に将来の親の寝室になる和室を配置。現時点では家族の団らんスペースとして使い、必要になった時点で寝室へ転用できるよう設計しました。

事例2:子育てと将来のバリアフリーを両立したプラン 大阪市の佐藤さん(仮名)は、新築時に「将来のバリアフリー」を視野に入れた基本設計を採用。廊下幅を十分に確保し、浴室は最初からバリアフリー対応のものを選択。壁には将来の手すり設置を想定した下地補強を施しました。現在は小学生のお子さんがいる家庭ですが、将来の親の同居も視野に入れた計画的な住まいづくりの好例です。

バリアフリー計画のチェックリスト

将来を見据えたバリアフリー計画を立てる際は、以下のポイントをチェックしてみましょう。

□ 家族全員の年齢と今後10年の変化を予測する
□ 住まいの中で危険度の高い場所を優先的に改修計画に入れる
□ 将来的なリフォームのしやすさを考慮した基本設計になっているか
□ 活用できる補助金制度を事前に調査する
□ 専門家(建築士、介護専門職など)に相談する機会を設ける
□ 段階的な改修計画と予算計画を立てる

住まいのバリアフリー化は、一度に完璧を目指すのではなく、家族の状況に合わせて柔軟に対応していくことが大切です。そして何より、「いつか必要になるかも」という不安から、「必要な時に対応できる」という安心に変えていく過程を楽しむことができれば理想的です。

まとめ:安心の住まいづくりは段階的に進めるのがベスト

家の中の段差や階段に不安を感じ始めたとき、それは住環境を見直すきっかけにしたいものです。バリアフリーリフォームは、高齢者だけでなく、小さなお子さんからご年配の方まで、家族全員が安心して暮らせる住まいづくりの第一歩です。

この記事で紹介したように、バリアフリー化は必ずしも一度に大規模なリフォームを行う必要はありません。家族の年齢やライフスタイルの変化に合わせて、段階的に進めていくことが理想的です。特に新築やフルリフォームを検討している方は、初期段階から「将来のバリアフリー化」を視野に入れた基本設計を取り入れることで、後々の追加工事を減らすことができます。

また、バリアフリーリフォームには様々な補助金制度があります。介護保険の住宅改修費や自治体独自の補助金など、上手に活用することで経済的負担を軽減できる可能性があります。補助金申請は工事前に行うことが原則ですので、計画的に進めましょう。

最後に、バリアフリーリフォームを検討する際は、専門家に相談することをおすすめします。建築士や介護専門職など、それぞれの専門知識を持った方のアドバイスは、安全で使いやすい住環境づくりに大いに役立ちます。

段差のない安心の住まいで、家族みんなが快適に過ごせる日々を手に入れましょう。

   

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