将来の不安を解消!高齢者になっても安心な駅近住宅の選び方ガイド
公開日: : 家づくりのお役立ち情報
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今は車での移動が便利でも、将来は公共交通機関に頼ることになるかもしれません。お子さんの成長とともに住まいを考える今だからこそ、将来の交通アクセスについても考えておくべきではないでしょうか。この記事では、高齢になったときの移動のしやすさを考慮した住宅選びのポイントをご紹介します。車がなくても快適に暮らせる住まい選びは、ご家族の未来の安心につながります。住宅購入は一生に何度もない大きな決断。今すぐ必要と感じなくても、10年後、20年後の生活を見据えた選択をすることで、長く住み続けられる我が家を手に入れましょう。
目次
・なぜ今から「駅近」を意識した住まい選びが重要なのか
・高齢者の移動を楽にする住宅選びの5つのポイント
・実際の事例から学ぶ!交通アクセスに配慮した住宅選び
なぜ今から「駅近」を意識した住まい選びが重要なのか
「今は車があるから問題ないし、駅から少し離れていても大丈夫」 「子どもが小さいうちは送り迎えするから、バス停や駅までの距離はそこまで重要じゃない」
マイホーム購入を検討されている子育て世代のご家族なら、こんな風に考えているかもしれません。確かに、現役世代で車を所有しているうちは、駅やバス停からの距離はさほど気にならないかもしれません。
しかし、住宅は30年、40年と長く住み続ける場所です。子どもたちが独立し、ご夫婦が高齢になったとき、今と同じように車を運転できるでしょうか?
高齢者の運転事情と将来の不安
国土交通省の調査によると、75歳以上の高齢者の約40%が「運転に不安を感じている」と回答しています。実際、高齢による身体機能の低下や認知機能の変化により、多くの方が70代後半から80代にかけて運転を控えるようになるというデータがあります。
さらに、警察庁の統計では、75歳以上のドライバーによる事故の割合は年々増加傾向にあり、社会問題にもなっています。こうした背景から、高齢になった際の運転免許証の自主返納を促す制度も各地で充実してきています。
つまり、多くの方が将来的には車に頼らない生活を余儀なくされる可能性が高いのです。そうなったとき、駅やバス停から遠い住宅を選んでいると、日常生活に大きな支障をきたすことになりかねません。
住み替えのコストと困難さ
「将来、不便になったら引っ越せばいい」と考えるのは現実的ではありません。なぜなら:
- 経済的負担: 住み替えには新たな住宅購入費用や引っ越し費用、さらには古い家の売却や処分費用などがかかります。特に退職後の収入が減少した状態では大きな負担となります。
- 心理的負担: 長年住み慣れた場所や地域のコミュニティから離れることは、特に高齢者にとって精神的なストレスとなります。
- 物理的困難: 年齢を重ねてからの荷物の整理や引っ越し作業自体が身体的に大変になります。
- 住宅ローンの問題: 高齢になると新たな住宅ローンの審査が厳しくなり、借り入れが困難になることがあります。
したがって、最初から将来を見据えた住宅選びをすることが、長期的に見れば最も賢明な選択なのです。
子どもの独立も見据えた計画を
現在小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭なら、お子さんが大学進学や就職で家を離れるのは15年後くらいでしょうか。その頃には、ご夫婦も50代後半から60代に差し掛かっています。
子どもの独立後は、家族の移動パターンも大きく変わります。子どもの送迎がなくなり、ご夫婦二人の生活が中心になるとき、駅やバス停からのアクセスの良さがより重要になってくるのです。
住宅ローンの返済期間も考慮すると、60代や70代になっても快適に暮らせる住環境を今から計画しておくことが、将来の安心につながります。
このように、「駅近」や「交通アクセスの良さ」は、ただの利便性の問題ではなく、将来の生活の質を左右する重要な要素なのです。次のセクションでは、具体的にどのような点に注目して住まいを選べばよいのか、詳しくご紹介していきます。
高齢者の移動を楽にする住宅選びの5つのポイント
将来、高齢になっても快適に暮らせる住まいを選ぶためには、交通アクセスに関する以下の5つのポイントを押さえておくことが大切です。これから家族で新居を検討される際に、ぜひチェックリストとしてお役立てください。
1. 駅やバス停までの「実質的な」徒歩距離を確認する
不動産広告でよく目にする「駅徒歩10分」という表示。しかし、この数字だけで判断するのは危険です。実際に歩いてみると、坂道や階段があって思ったより時間がかかったり、高齢になったときに負担になったりする場合があります。
チェックポイント:
- 実際に歩いてみる(できれば平日の朝や夕方の時間帯に)
- 坂道や階段の有無をチェック
- 雨の日の歩きやすさも考慮する(屋根付きの通路があるか等)
- 冬場の凍結や積雪の可能性がある地域では、そのときの状況も想像する
例えば、東京都世田谷区の住宅地では、駅から徒歩10分と表示されていても、実際には急な坂道があり、高齢者にとっては体力的に厳しいケースがあります。平坦な道のりの「駅徒歩12分」と、坂道のある「駅徒歩8分」なら、将来的には前者の方が住みやすい可能性が高いのです。
2. 複数の交通手段にアクセスできるエリアを選ぶ
一つの交通手段だけでなく、複数の選択肢があると安心です。例えば、電車の駅だけでなく、バス停も近い、または複数の路線にアクセスできるなど、選択肢が多いほど将来の変化に対応しやすくなります。
チェックポイント:
- 最寄り駅までの複数のルートがあるか
- バス路線の充実度(本数、運行時間)
- タクシーの利用しやすさ(台数、配車アプリの対応状況等)
- 将来的に導入が期待される自動運転バスやシェアリングサービスの計画はあるか
全国の自治体では、高齢者向けのコミュニティバスや乗合タクシーなどの移動支援サービスを導入しているところが増えています。例えば、東京都武蔵野市の「ムーバス」は、高齢者や障がい者の移動を支援するために運行されているコミュニティバスで、通常の路線バスが通らない住宅街の狭い道路も走行するよう設計されています。こうしたサービスの有無も、将来の住みやすさに大きく影響します。
3. 生活インフラが徒歩圏内に整っているか確認する
高齢になると、買い物や通院などの日常的な移動が大きな課題になります。駅だけでなく、以下のような施設が徒歩圏内にあるかどうかも重要なポイントです。
チェックポイント:
- スーパーマーケットや食料品店(徒歩10分以内が理想的)
- ドラッグストアや薬局
- 診療所や病院
- 郵便局や銀行
- 公園や図書館などの憩いの場所
厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者の約8割が「買い物の不便さ」を生活上の課題として挙げています。特に、車の運転をやめた高齢者にとって、食料品などの日用品の調達は大きな問題になります。
例えば、千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」では、住宅エリア内に商業施設や医療機関を計画的に配置し、高齢者でも歩いて暮らせるまちづくりを実現しています。このような「歩いて暮らせるまち」は、高齢者だけでなく子育て世代にとっても住みやすい環境と言えるでしょう。
4. 住宅内のバリアフリー設計と外部アクセスの関係
住宅そのものが駅近でも、家の中に階段が多かったり、玄関へのアプローチに段差があったりすると、将来的に外出のハードルが高くなります。
チェックポイント:
- マンションの場合、エレベーターの有無と信頼性
- 戸建ての場合、1階に生活必需品(寝室、浴室、トイレ)を配置できるか
- 玄関までのアプローチに段差はないか
- 将来的なリフォームの可能性(手すりの設置スペースなど)
国土交通省の調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯の約6割が、住宅のバリアフリー化を望んでいるものの、実際に対応できているのは約3割にとどまるという結果が出ています。家を購入する際に、将来のバリアフリーリフォームのしやすさも考慮しておくとよいでしょう。
5. 地域コミュニティと高齢者支援サービスの充実度
交通の便だけでなく、住民同士の支え合いや自治体の高齢者支援サービスも、将来の暮らしやすさに大きく影響します。
チェックポイント:
- 自治会や町内会の活動状況
- 高齢者向けの配食サービスや見守りサービスの有無
- 介護保険サービスの充実度(地域包括支援センターの位置など)
- ご近所付き合いの雰囲気
総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、高齢者の多くは住み慣れた地域に住み続けることを望む傾向にあります。しかし、コミュニティの希薄化が進む地域では、高齢者の孤立が社会問題となっています。住宅を選ぶ際には、そのエリアの地域コミュニティの活発さも重要な判断材料となるでしょう。
例えば、神奈川県横浜市の一部地域では、高齢者の外出を支援するボランティア団体や、買い物代行サービスなどが充実しています。こうした地域のサポート体制は、将来的な暮らしやすさに大きく貢献します。
以上の5つのポイントを総合的に考慮することで、将来的にも住みやすい住まいを選ぶことができます。次のセクションでは、実際の事例を通して、交通アクセスに配慮した住宅選びについて見ていきましょう。
実際の事例から学ぶ!交通アクセスに配慮した住宅選び
実際に高齢になってから交通アクセスの重要性を実感した方々の事例から、これから住宅を購入される方が参考にできるポイントをご紹介します。
事例1:駅から離れた住宅を選んで後悔したAさん夫婦のケース
東京郊外に住むAさん夫婦(70代)は、30年前に子育て環境を重視して駅から徒歩25分の戸建て住宅を購入しました。当時は車2台を所有し、通勤や買い物にも困りませんでした。しかし、70歳を過ぎたころから夫の視力が低下し、運転に不安を感じるようになりました。
バス停までは徒歩10分ありますが、冬場や雨の日は特に負担を感じるようになり、外出頻度が減少。その結果、健康状態が悪化し、社会との交流も減ってしまいました。
「もっと若いうちに、将来の交通アクセスについて考えておけばよかった」とAさんは振り返ります。今では、駅近のバリアフリー対応マンションへの引っ越しを検討していますが、不動産価格の上昇もあり、経済的な負担が大きいと悩んでいます。
教訓:
- 現在の生活スタイルだけでなく、20〜30年後の状況も想像して住宅を選ぶことが重要
- 特に坂道や冬場の凍結など、年齢を重ねると負担になる要素を事前に確認する
事例2:駅近住宅を選んで良かったBさんのケース
大阪に住むBさん(65歳)は、45歳のときに住宅購入を検討。当時は車での移動が中心でしたが、「いずれ高齢になったときのことを考えて」と駅徒歩5分のマンションを選びました。
購入当時は割高感を感じていましたが、60歳で定年退職し、車の運転頻度が減った今、その選択の正しさを実感しています。駅前には商業施設も充実しており、雨の日も地下通路を使って濡れずに買い物に行けることが大きな利点です。
また、交通の便が良いため、子どもや孫が気軽に訪ねてくれるようになり、家族の交流も増えたといいます。
「住宅ローンの返済は少し大変でしたが、将来を見据えた選択をして本当に良かった」とBさんは満足しています。
教訓:
- 初期投資は大きくても、長い目で見れば生活の質を維持できる選択が重要
- 家族が訪問しやすい立地は、高齢期の孤立防止にもつながる
事例3:二段階の住み替え計画で成功したCさん家族のケース
神奈川県に住むCさん家族は、子どもが小さい頃は郊外の広い戸建てに住んでいましたが、子どもの独立をきっかけに60歳で駅近のマンションに住み替えました。
「第一のマイホームは子育て重視、第二のマイホームは老後重視」という二段階の計画を若い頃から立てていたそうです。子どもが独立するタイミングで住み替えることで、不要になった部屋のメンテナンスコストも削減できました。
また、資産価値の維持も考慮し、郊外の戸建てより、駅近のマンションの方が将来的に売却しやすいと考えての判断だったそうです。
「60代のうちに環境を変えておいて正解でした。新しい土地でのコミュニティづくりも、まだ元気なうちにできて良かった」とCさんは話します。
教訓:
- ライフステージに合わせた住み替え計画も一つの選択肢
- 住み替えるなら、体力のある60代前半までに実行するのがおすすめ
- 資産価値の維持という観点でも、駅近物件は有利
事例4:コンパクトシティ政策を活用したDさんのケース
地方都市に住むDさん(68歳)は、自治体の「コンパクトシティ政策」を活用して、郊外から中心市街地の高齢者向け住宅に引っ越しました。
この地域では、公共交通機関を中心としたまちづくりが進められており、バスの本数も多く、主要施設が徒歩圏内に集約されています。また、高齢者向けの住み替え支援制度もあり、経済的な負担を軽減できました。
「地方都市でも、自治体の政策をうまく活用すれば、車がなくても便利に暮らせる環境を選べることを知ってほしい」とDさんは話します。
教訓:
- 自治体の高齢者向け住宅政策や支援制度も調査しておくと良い
- 地方都市でも、中心市街地なら公共交通機関が充実している場合が多い
住宅選びのヒント:将来を見据えたチェックリスト
これらの事例から、将来を見据えた住宅選びのためのチェックリストをまとめました:
- 駅・バス停までの実際の道のりを歩いてみる → 坂道や階段はないか、雨の日や夜間の安全性はどうか
- 複数の交通手段の有無をチェック → 電車だけでなく、バスやタクシーの利便性も確認
- 徒歩圏内の生活インフラを確認 → スーパー、病院、薬局などがあるか
- 将来的なバリアフリーリフォームの可能性 → 構造上の制約がないか、コスト的に実現可能か
- 地域のコミュニティ活動や高齢者支援の状況 → 自治会の活動状況、高齢者サービスの充実度など
- 自治体の住宅政策や高齢者支援制度の確認 → 住み替え支援や公共交通機関の整備計画など
これらのポイントを事前に確認することで、将来的にも安心して暮らせる住まい選びができるでしょう。
まとめ:今からできる「将来を見据えた住まい選び」
マイホーム購入を検討されている子育て世代のご家族にとって、「駅近」や「交通アクセスの良さ」は、今すぐには必要ないように感じるかもしれません。しかし、本記事でご紹介したように、将来的な視点で考えると非常に重要な要素です。
この記事のポイントをおさらい
- 将来の車離れを想定する 高齢になると、多くの方が運転をやめる可能性が高く、その時に駅やバス停から遠い場所に住んでいると、移動の自由が大きく制限されます。
- 住み替えは思ったより難しい 高齢になってからの住み替えは、経済的にも身体的にも負担が大きいため、最初から将来を見据えた選択をすることが賢明です。
- 複数の交通手段へのアクセスが重要 一つの交通手段だけでなく、電車、バス、タクシーなど複数の選択肢がある場所が理想的です。
- 生活インフラの徒歩圏内の充実度をチェック 買い物や通院などの日常生活に必要な施設が徒歩圏内にあるかどうかも重要なポイントです。
- バリアフリー設計と外部アクセスの関係を考慮 住宅内外のバリアフリー環境も、将来的な外出のしやすさに影響します。
- 地域コミュニティと高齢者支援サービスの充実度も確認 住民同士の支え合いや自治体のサービスも、将来の暮らしやすさを左右します。
最後に:バランスの取れた住宅選びを
もちろん、「駅近」だけが住宅選びの唯一の基準ではありません。子育て環境や教育環境、自然環境、住宅の広さなど、現在のライフスタイルに合わせた条件も大切です。
大切なのは、現在の生活の質と将来の安心のバランスを取ることです。例えば:
- 予算的に難しければ、「駅から少し離れていても、バス停が近い」
- 「坂道がなく、平坦な道のりで駅までアクセスできる」
- 「将来的にリフォームしやすい構造の住宅を選ぶ」
など、優先順位をつけて検討することが重要です。
住宅購入は人生で最も大きな買い物の一つ。30年後、40年後も快適に暮らせる住まいを選ぶことで、将来の安心を手に入れてください。そして、その選択は、お子さんが独立した後の「セカンドライフ」の質も大きく左右することを忘れないでください。
今回の記事が、将来を見据えたマイホーム選びの参考になれば幸いです。
ハウジングバザール運営アカウントです。
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