段差を解消して安心の住まいへ!高齢者にも優しいバリアフリーリフォーム完全ガイド
公開日: : 最終更新日:2025/05/09 家づくりのお役立ち情報
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「最近、家の中の段差が気になるようになった」「親が高齢になり、自宅の階段での転倒が心配」そんな悩みを抱えていませんか?
日本の住宅は伝統的に「上がり框(かまち)」や「たたき」など、さまざまな段差が設けられています。これらは日本の住文化の一部でもありますが、高齢になるにつれて転倒リスクを高める要因にもなります。実際、65歳以上の高齢者の約5人に1人が1年間に一度は転倒を経験しているというデータもあります。
この記事では、段差解消リフォームの基礎知識から具体的な方法、活用できる補助金制度まで徹底解説します。マイホームを計画中の方も、現在の住まいをより安全に暮らしやすくしたい方も、この記事を読めば高齢者にも優しいバリアフリー住宅への第一歩が踏み出せるでしょう。
目次
・段差が家族の安全を脅かす!バリアフリーリフォームの必要性
・具体的に何ができる?段差解消リフォームの方法と費用
・負担を軽減!バリアフリー改修補助金の申請方法と条件
段差が家族の安全を脅かす!バリアフリーリフォームの必要性
「うちはまだ若いから大丈夫」そう思っていませんか?実は、バリアフリーリフォームは高齢者だけでなく、すべての家族にとって重要な意味を持ちます。
バリアフリーリフォームが必要な理由
家の中の段差は、普段何気なく生活している中では気にならないかもしれません。しかし、玄関の上がり框、和室と洋室の間、浴室の出入り口など、住宅内には思った以上に多くの段差が存在しています。
国土交通省の調査によると、高齢者の住宅内事故の約7割が「転倒・転落」によるものであり、その多くが段差につまずいたことが原因とされています。特に注意が必要なのは以下の場所です:
- 玄関の上がり框(高さ10~20cm程度)
- 浴室の出入り口(高さ10~15cm程度)
- トイレの出入り口(高さ5~10cm程度)
- 和室と洋室の間(高さ3~5cm程度)
- 廊下からリビングへの入り口(高さ2~5cm程度)
「でも、うちはまだ子育て中の家族だから」と思われるかもしれませんが、実はバリアフリーリフォームは小さなお子さまがいるご家庭にもメリットがあります。小さな子どもにとっても段差は転倒の原因になりますし、将来的に高齢の親御さんが訪ねてくる機会も考えると、早めの対策が安心につながります。
段差がもたらすリスクとは?
段差がもたらす主なリスクとして、以下の3点が挙げられます:
1. 転倒・転落リスク 高齢者の場合、加齢による筋力低下や視力の衰えにより、わずかな段差でも気づかずにつまずいてしまうことがあります。厚生労働省の調査では、65歳以上の高齢者の転倒原因の約25%が「段差につまずいた」というデータがあります。
2. 転倒による二次被害 転倒による骨折は、高齢者の場合、寝たきりの原因になることも少なくありません。特に大腿骨頸部骨折(太ももの付け根の骨折)は、手術後のリハビリが長期にわたり、元の生活に戻れなくなるケースが多いのです。
3. バリアによる行動制限 段差があることで、「あそこに行くのは大変だから」と行動を制限してしまうケースもあります。これは身体機能の低下を加速させる原因にもなります。
実際、私の知人のAさん(70代女性)は、浴室の段差につまずいて転倒し、腰を強く打ってしまいました。幸い大きな怪我には至りませんでしたが、その後はお風呂に入ることに恐怖を感じるようになり、結果的に入浴回数が減ってしまったといいます。このような「心理的バリア」も見逃せない問題なのです。
バリアフリー住宅の基本的な考え方
真のバリアフリー住宅とは、単に段差をなくすだけではありません。ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、「誰もが使いやすい」住環境を目指すことが重要です。
バリアフリー住宅の基本的な考え方は以下の通りです:
1. シームレスな移動動線 住宅内の移動をスムーズにするために、できるだけ段差をなくし、車いすでも移動しやすい幅を確保します。
2. 安全性の確保 手すりの設置や滑りにくい床材の使用など、転倒予防の工夫を随所に取り入れます。
3. 使いやすさの工夫 レバーハンドルやプッシュ式のドアノブなど、力の弱い方でも操作しやすい設備を取り入れます。
4. 将来の変化への対応 今は元気でも、将来の身体機能の変化に対応できるよう、あらかじめ設計しておくことが大切です。
このように、バリアフリーリフォームは「今」だけでなく「将来」を見据えた投資でもあります。特に、新築やリフォームを計画中の方は、初めからバリアフリー設計を取り入れることで、後々の大規模改修を避けられる可能性が高まります。
具体的に何ができる?段差解消リフォームの方法と費用
段差解消のリフォームには、様々な方法があります。ここでは、よくある段差のタイプ別に解消方法と概算費用をご紹介します。
玄関の段差解消方法
玄関は住宅の中でも特に段差が大きく、転倒リスクの高い場所です。以下の方法で段差解消が可能です:
1. スロープの設置 最も一般的な方法は、スロープを設置することです。固定式のものから、必要な時だけ使用する可搬式のものまで様々なタイプがあります。
- 固定式スロープ:5~15万円(工事費込み)
- 可搬式スロープ:1~5万円(設置工事不要)
2. 玄関ステップの設置 段差を一気に解消するのではなく、中間に踏み台を設けることで、一段あたりの高さを低くする方法です。
- 据え置き型ステップ:1~3万円
- オーダーメイドステップ:3~8万円
3. 上がり框の段差緩和 上がり框自体の高さを低くするリフォームも可能です。ただし、建物の構造に関わる部分なので、費用は比較的高めになります。
- 上がり框の段差緩和工事:15~30万円
【事例】東京都在住のBさん宅では、80代の母親との同居を機に玄関の段差解消リフォームを実施しました。「母は杖を使っていますが、玄関の段差に苦労していました。固定式のなだらかなスロープを設置したことで、安全に出入りできるようになり、母も外出するのが楽しみになったようです」とBさんは話します。
室内の段差解消方法
室内の段差も、小さなものでも転倒の原因になります。特に和室と洋室の間や水回りの段差は注意が必要です。
1. フロア全体のかさ上げ 段差のある部分の床をかさ上げして高さを揃える方法です。
- 和室から洋室への変更(6畳間の場合):20~40万円
- 既存フロアのかさ上げ(6畳間の場合):10~25万円
2. スロープやステップの設置 室内用の小型スロープやステップを設置する方法もあります。
- 室内用スロープ:5千円~2万円
- 室内用ステップ:5千円~1万5千円
3. 段差解消プレートの使用 小さな段差であれば、段差解消プレートで対応できる場合もあります。
- 段差解消プレート:3千円~1万円
水回りの段差解消方法
特に注意が必要なのが浴室やトイレなど水回りの段差です。滑りやすい環境だけに、転倒リスクはさらに高まります。
1. 浴室の段差解消 浴室の出入り口や浴槽への出入りを安全にするための改修です。
- ユニットバス全体の交換:80~150万円
- 出入り口の段差解消工事のみ:10~30万円
- 浴槽をまたぎやすいタイプに変更:30~60万円
2. トイレの段差解消 トイレの出入り口の段差解消やトイレ自体の高さ調整なども可能です。
- トイレ出入り口の段差解消:5~15万円
- 洋式トイレへの交換(段差の少ないタイプ):15~30万円
3. キッチンの段差解消 キッチンフロアとリビングの段差解消も、日常生活の安全性を高めます。
- キッチンフロアの段差解消:10~25万円
- キッチン全体のリフォーム(バリアフリー対応):50~100万円
階段の安全対策
住宅内の階段も、転落事故が起こりやすい場所です。完全な段差解消は難しくても、以下のような安全対策が有効です:
1. 手すりの設置 階段の両側に手すりを設置することで、安全性が大幅に向上します。
- 片側手すり設置:3~8万円(長さ・材質による)
- 両側手すり設置:6~15万円
2. 階段の改修 踏み面を広くしたり、滑り止めを設置したりする改修も有効です。
- 階段の滑り止め設置:1~3万円
- 階段の踏み面拡張工事:20~50万円
3. 階段昇降機の設置 高齢者や身体が不自由な方のために、階段昇降機を設置する方法もあります。
- 階段昇降機の設置:50~150万円(階段の形状による)
DIYでできる段差解消対策
予算を抑えたい場合は、一部DIYで対応することも可能です:
1. 簡易スロープや段差プレートの設置 ホームセンターなどで購入できる簡易スロープや段差プレートは、DIYでも比較的簡単に設置できます。
- 簡易スロープ:5千円~2万円
- 段差プレート:3千円~1万円
2. 滑り止めマットやテープの使用 段差部分に滑り止めテープを貼ったり、滑り止めマットを敷いたりする方法も、手軽で効果的です。
- 滑り止めテープ:千円~3千円
- 滑り止めマット:2千円~5千円
3. 家具の配置の工夫 手すりの代わりになるような家具の配置を工夫する方法もあります。ただし、家具が不安定だと逆に危険なので注意が必要です。
【注意点】DIY対策は、あくまで一時的または補助的な対策として考えましょう。特に構造に関わる部分や、安全性が重要な場所は、専門業者に依頼することをお勧めします。
負担を軽減!バリアフリー改修補助金の申請方法と条件
バリアフリーリフォームには、様々な公的支援制度があります。上手に活用することで、経済的負担を軽減できるでしょう。
バリアフリー改修に利用できる主な補助金・支援制度
1. 介護保険による住宅改修費支給 要介護認定または要支援認定を受けている方を対象に、バリアフリー改修費用の一部(上限20万円)が支給されます。
対象となる工事:
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑りの防止、移動の円滑化等のための床材の変更
- 引き戸等への扉の取り替え
- 洋式便器等への便器の取り替え
- その他これらの工事に付帯して必要となる工事
手続きの流れ:
- 工事前に、ケアマネジャーなどに相談
- 住宅改修費支給申請書を提出
- 自治体から事前承認を取得
- 工事を実施
- 工事完了後、領収書などの書類を提出
- 支給額の決定・支給
2. 高齢者向け返済特例制度(住宅金融支援機構) 60歳以上の高齢者を対象に、バリアフリーリフォームのための資金を低金利で融資する制度です。特徴は、利息のみの返済で済み、元金は borrower(借主)の死亡時に一括返済または自宅を売却して返済することができる点です。
融資限度額:1,000万円(設計費、工事費、諸費用を含む) 金利:固定金利(住宅金融支援機構のサイトで最新の金利を確認) 返済方法:利息のみ毎月返済、元金は借主全員の死亡時に一括返済
3. 自治体独自の補助金制度 各自治体によって、独自のバリアフリー改修補助金制度を設けている場合があります。例えば:
- 東京都世田谷区:高齢者等住宅改修費助成(最大50万円)
- 大阪市:高齢者住宅改修費助成事業(最大30万円)
- 名古屋市:高齢者向け住宅改造助成事業(最大90万円)
※補助金額や条件は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の窓口に確認することをお勧めします。
4. 住宅リフォームに係る所得税控除 バリアフリー改修工事を行った場合、一定の条件を満たせば、所得税の控除を受けることができます。
- バリアフリー改修工事に係る投資型減税:最大控除額20万円
- バリアフリー改修工事に係るローン型減税:最大控除額62.5万円(5年間)
補助金申請の注意点
補助金を申請する際は、以下の点に注意しましょう:
1. 事前申請が必要 多くの補助金制度は、工事着工前の申請が必要です。工事後に申請しても対象外となるケースがほとんどなので、計画段階からしっかり調べておきましょう。
2. 条件確認を忘れずに 補助金には様々な条件があります。例えば:
- 年齢条件(65歳以上など)
- 所得制限
- 要介護認定の有無
- 工事内容の制限
- 指定業者での施工が必要な場合
3. 複数の制度を組み合わせる 場合によっては、複数の補助金や減税制度を組み合わせることも可能です。ただし、一部制度の併用が制限されている場合もあるので確認が必要です。
【事例】神奈川県在住のCさん(75歳)は、浴室と玄関の段差解消リフォームを計画した際、介護保険の住宅改修費支給と市の独自補助金を併用することで、70万円の工事費のうち35万円の補助を受けることができました。「事前に市の窓口で相談したことで、知らなかった補助金制度を教えてもらえました。手続きは少し大変でしたが、経済的負担が半分になって本当に助かりました」とCさんは話します。
補助金申請の流れと必要書類
一般的な補助金申請の流れと必要書類をご紹介します(具体的な内容は制度によって異なります):
1. 事前相談 まずは自治体の担当窓口やケアマネジャーに相談しましょう。
2. 見積もり取得 複数の施工業者から見積もりを取得します。補助金対象工事と対象外工事を明確に区分した見積書を依頼するとよいでしょう。
3. 申請書類の提出 主な必要書類の例:
- 申請書
- 工事計画書・見積書
- 工事前の写真
- 住民票
- 所得証明書(所得制限がある場合)
- 要介護認定証の写し(介護保険利用の場合)
- 納税証明書(滞納がないことの証明)
- 建物の登記簿謄本
4. 審査・交付決定 書類審査の後、交付決定通知が届きます。
5. 工事実施 交付決定後に工事を実施します。途中で計画を変更する場合は、必ず事前に相談しましょう。
6. 完了報告 工事完了後、報告書と以下の書類を提出します:
- 工事完了報告書
- 工事後の写真
- 領収書
- 施工証明書
7. 確認・補助金交付 書類確認や現地確認を経て、補助金が交付されます。
信頼できるリフォーム業者の選び方
バリアフリーリフォームを成功させるためには、信頼できる業者選びが重要です:
1. 専門知識の有無をチェック バリアフリー改修の実績や、福祉住環境コーディネーター等の資格を持つスタッフがいるかどうかをチェックしましょう。
2. 複数の見積もりを比較 必ず複数の業者から見積もりを取り、内容と価格を比較しましょう。安すぎる見積もりには注意が必要です。
3. アフターフォローの確認 工事後のサポート体制も重要なポイントです。
4. 第三者評価の活用 住宅リフォーム事業者団体登録制度や、建設業許可など、第三者による評価や認証を受けている業者を選ぶと安心です。
まとめ:段差解消で実現する安心の住まい
段差解消リフォームは、単に「転ばないため」だけでなく、家族全員が快適に、そして長く安心して暮らせる住環境を作るための重要な取り組みです。
今回ご紹介した内容をまとめると:
1. バリアフリーリフォームの必要性
- 高齢者だけでなく、全世代にとって安全な住環境を提供
- 将来の変化に備えた先行投資としての意味も
2. 段差解消の具体的な方法
- 玄関、室内、水回りなど場所に応じた適切な対策
- 費用を抑えるDIY対策から本格的なリフォームまで、ニーズに合わせた選択肢
3. 活用できる補助金・支援制度
- 介護保険による住宅改修費支給
- 自治体独自の補助金制度
- 税制優遇措置
バリアフリーリフォームは、「今困っているから」だけでなく、「将来のために」行うものでもあります。新築やリフォームを計画中の方は、ぜひ早い段階からバリアフリーの視点を取り入れることをお勧めします。
最後に、バリアフリーリフォームは「誰かのため」ではなく「家族全員のため」の投資です。段差のない住環境は、小さなお子さまから高齢者まで、すべての家族にとって安心して暮らせる空間を提供してくれます。
今日から一歩踏み出して、将来を見据えたバリアフリーリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
ハウジングバザール運営アカウントです。
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