安心の住まいへ導く!シックハウス症候群の原因と徹底対策ガイド

公開日: : 家づくりのお役立ち情報

   

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新築やリフォームで夢のマイホームを計画する中で、「シックハウス症候群」という言葉を耳にして、漠然とした不安を抱えている方もいるかもしれません。せっかく建てる大切な家だからこそ、そこに住む家族の健康は何よりも守りたい。でも、シックハウス症候群って具体的にどんな症状が出るの?その原因は何?そして、一体どんな対策を講じれば安心できる家づくりができるの?そんな疑問をお持ちのマイホーム計画初心者の方に、この記事ではシックハウス症候群の基礎知識から、設計段階、建材選び、そして入居後の暮らし方まで、今日から実践できる具体的な対策を徹底的に解説します。安心して健康に暮らせる住まいを実現するための、一歩踏み込んだ知識とヒントを提供します。

目次

  • シックハウス症候群の基礎知識:見えない脅威の正体を知る
  • 健康な暮らしを実現するためのシックハウス対策:設計と建材選びの工夫
  • 入居後も安心を維持!シックハウス対策を講じる暮らしの実践術
  • まとめ:シックハウス対策で健康と安心を両立する住まいへ

シックハウス症候群の基礎知識:見えない脅威の正体を知る

マイホーム計画を進める上で、快適性やデザイン、機能性と同じくらい、いやそれ以上に重視したいのが「健康」ではないでしょうか。しかし、見えない形で私たちに忍び寄る「シックハウス症候群」という脅威は、多くの家族にとって大きな懸念事項です。まずはこのシックハウス症候群がどのようなものなのか、その正体と原因をしっかりと理解することから始めましょう。

「シックハウス症候群」とは?その定義と知っておきたい症状

シックハウス症候群とは、住まいの建材や家具、生活用品などから放散される化学物質や、カビ・ダニなどによって引き起こされる、さまざまな健康障害の総称です。特定の病名ではなく、非常に多様な症状を呈することが特徴です。たとえば、「新築の家に引っ越してから、どうも体調がすぐれない」「リフォーム後、頭痛やめまいがするようになった」「理由は分からないけれど、家にいると目がチカチカする」といった経験はありませんか?これらはシックハウス症候群の典型的なサインかもしれません。具体的な症状としては、以下のようなものがあります。

  • 目の症状: 目のかゆみ、目の痛み、涙が出る、充血、かすみ目
  • 鼻の症状: 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻血
  • 喉の症状: 喉の痛み、イガイガ感、咳、声がれ
  • 皮膚の症状: 湿疹、かゆみ、じんましん、肌荒れ
  • 神経系の症状: 頭痛、めまい、吐き気、集中力の低下、倦怠感、不眠
  • その他: 動悸、息苦しさ、ぜんそく、アトピー性皮膚炎の悪化など

これらの症状は個人差が大きく、微量な化学物質に反応する方もいれば、比較的強い刺激でなければ症状が出ない方もいます。また、常に症状が出ているわけではなく、特定の空間にいるときだけ症状が出たり、時間帯によって症状が変動したりする場合もあります。アレルギー体質の方や、小さなお子さん、高齢者など、感受性の高い人は特に注意が必要です。症状が原因不明の体調不良として現れるため、シックハウス症候群であると気づかれにくいことも、この問題の難しさの一つです。

主な原因物質と発生源を知る:なぜ家が体調を崩す原因に?

シックハウス症候群の主な原因となるのは、建材や家具などから放散される揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる化学物質です。代表的なものには、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどがあります。これらの物質は、建築基準法で規制されているものの、私たちの身の回りにある様々なものに含まれており、気づかないうちに室内の空気を汚染している可能性があります。原因物質と主な発生源を具体的に見ていきましょう。

揮発性有機化合物(VOC)

  • ホルムアルデヒド: 接着剤、塗料、合板、壁紙、タンスなど家具の木材加工、繊維製品の防しわ加工剤など。住宅の建材から継続的に放散されることが多く、特に高気密・高断熱住宅では空気中に蓄積しやすい傾向があります。鼻や喉の刺激、目の痛みなどを引き起こします。
  • トルエン・キシレン: 塗料、接着剤、合板、内装材、防虫剤、ワックスなど。シンナーのような特有の臭気があり、めまいや吐き気、頭痛の原因となることがあります。
  • その他のVOC: アセトアルデヒド、エチルベンゼンなど、多様な化学物質が建材や家具、日用品から放出されます。消臭剤や芳香剤、殺虫剤なども、化学物質の濃度を高める一因となることがあります。

カビ・ダニ

化学物質だけでなく、カビやダニといった生物的な要因もシックハウス症候群の一因となります。これらはアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などを悪化させる原因になることが知られています。高気密住宅では、適切な換気や湿度の管理がされないと、結露が発生しやすく、それがカビやダニの温床となることがあります。

  • カビ: 高湿度環境を好むため、浴室、洗面所、キッチン、押し入れなど湿気がこもりやすい場所で繁殖します。カビの胞子を吸い込むことで、アレルギー症状や呼吸器系の問題を引き起こすことがあります。
  • ダニ: 温度20~30℃、湿度60~80%程度の環境で繁殖しやすく、畳、カーペット、布団、布製ソファなどに多く生息します。ダニの死骸やフンがアレルゲンとなり、ぜんそくや鼻炎、アトピー性皮膚炎などの原因となります。

私たちが直面する現代の住まいの課題

現代の住宅は、省エネ性能や快適性を追求し、高気密・高断熱化が進んでいます。これは冷暖房効率を高め、家計に優しく、一年中快適な室温を保てるという大きなメリットがある一方で、空気の入れ替わりが少なくなり、建材などから放散された化学物質が室内に滞留しやすいというデメリットも生み出しました。さらに、新築の住宅では、建材だけでなく、新しく購入する家具やカーテン、フローリング用のワックス、洗剤、消臭剤など、実に様々なものから化学物質が放散され、室内の空気質を悪化させる可能性があります。昔の住宅に比べて、住まいが化学物質の“貯蔵庫”になりやすい背景があるのです。

このような状況を認識し、適切な「対策を講じる」ことが、家族の健康を守る上で不可欠です。次に、具体的にどのような対策が考えられるのか、家づくりの計画段階から見ていきましょう。

健康な暮らしを実現するためのシックハウス対策:設計と建材選びの工夫

シックハウス症候群の対策は、家が完成してから始めるのではなく、マイホーム計画の初期段階、つまり設計や建材選びの時点から「対策を講じる」ことが最も重要です。一度建ててしまった後で建材を入れ替えるのは大変な労力とコストがかかります。だからこそ、新築やリフォームを検討している今が、健康な住まいを実現するための最大のチャンスなのです。

家づくりの初期段階で「対策を講じる」重要性

シックハウス症候群は、室内の化学物質濃度を下げることで症状が改善されることが多いですが、その根本的な解決には、そもそも化学物質を家の中に入れない、あるいは発生させない工夫が必要です。これは、建物の構造や断熱方法、使用する建材の選定、換気計画といった、住宅の基本性能に関わる部分に直結します。例えば、ホルムアルデヒドは建材から数年にわたって放散が続くため、初期の段階で低排出建材を選ぶことが非常に大きな意味を持ちます。また、高気密・高断熱な現代の住宅では、計画的な換気システムが不可欠であり、これは設計段階でしっかりと組み込む必要があります。

信頼できるハウスメーカーや建築家を選ぶことも、この段階での重要な「対策」です。シックハウス対策に積極的に取り組んでいる事業者であれば、最新の知見に基づいたアドバイスや、低揮発性物質建材の提案、適切な換気システムの導入など、専門的な視点から強力にサポートしてくれます。打ち合わせの際には、シックハウス対策について積極的に質問し、施工実績や使用する建材の方針などを確認しましょう。

化学物質排出量の少ない建材選びの基準

建材選びは、シックハウス対策における最も直接的かつ効果的な「対策を講じる」方法の一つです。使用する建材から放散される化学物質を最小限に抑えることが、健康な室内環境を維持する上で不可欠です。

「F☆☆☆☆(エフフォースター)」で安心基準をクリア

日本の建築基準法では、ホルムアルデヒドの放散量を規制するために、「F☆☆☆☆(エフフォースター)」という等級表示制度を設けています。これは、主に合板や木質フローリング、壁紙用の接着剤、内装仕上げ材などに用いられ、ホルムアルデヒドの放散量に応じてF☆~F☆☆☆☆の4段階で区分されます。F☆☆☆☆は、ホルムアルデヒドの放散量が最も少なく、内装仕上げ材として面積制限なしで使用できる最高ランクの建材であることを示します。建築基準法では、特定の化学物質についてF☆☆☆☆の建材を使用することが義務付けられている部分もありますが、より安全性を高めるためには、できる限り多くの建材でF☆☆☆☆製品を選ぶことが推奨されます。すべての内装材をF☆☆☆☆等級で揃えることを目指しましょう。カタログや製品表示でこのマークを確認することが、具体的な対策の一つです。

自然素材を積極的に取り入れる

化学物質をほとんど含まない、あるいは全く含まない自然素材の建材を選ぶことも有効な「対策」です。自然素材には、調湿作用や消臭作用を持つものも多く、室内の空気質を改善する効果も期待できます。

  • 無垢材: 木本来の調湿作用があり、化学物質をほとんど含みません。フローリングや内装材に利用することで、温かみのある空間を作りながら、健康的な空気環境を保てます。ただし、無垢材に塗布する塗料やワックスにも注意が必要です。自然塗料や蜜蝋ワックスなど、天然由来の成分で作られたものを選びましょう。
  • しっくい・珪藻土: 壁の仕上げ材として使用されます。高い調湿作用があり、室内の湿度を快適に保ち、カビの発生を抑える効果が期待できます。また、ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着・分解する作用を持つものもあり、空気清浄効果も期待できます。
  • 和紙・い草: 和室に用いられる和紙やい草も、化学物質の放散が少なく、自然な風合いと調湿作用が魅力です。
  • 自然由来の接着剤・塗料: 建材そのものだけでなく、それらを固定したり保護したりするために使われる接着剤や塗料にも、アレルギーの原因となる化学物質が含まれることがあります。米のりや柿渋、天然樹脂を主成分としたものなど、自然由来の製品を選ぶことで、リスクを低減できます。

計画換気システムでクリーンな空気を保つ

高気密・高断熱住宅において、シックハウス対策の要となるのが「換気」です。化学物質をどれだけ抑制しても、ゼロにすることは困難であり、また生活の中で発生する二酸化炭素やハウスダストなども室内に滞留することで健康リスクを高めます。これらの汚染物質を適切に排出するためには、建築基準法で義務付けられている24時間換気システムを適切に設置し、機能させることが不可欠です。

24時間換気システムには、大きく分けて第一種、第二種、第三種換気方式があります。

  • 第一種換気: 給気と排気の両方を機械で行う方式です。最も効率的に換気ができ、熱交換型換気システムを併用することで、外気の温度・湿度を室温に近づけてから取り込むことができ、省エネ効果も期待できます。費用は高めですが、計画通りの換気性能が得られやすい点が大きなメリットです。
  • 第二種換気: 給気を機械で行い、排気は自然に行う方式です。室内を陽圧に保つため、工場などで用いられることが多く、一般住宅ではあまり採用されません。
  • 第三種換気: 排気を機械で行い、給気は自然に行う方式です。一般住宅で最も広く採用されており、比較的安価で導入できます。各部屋に設けられた給気口から新鮮な空気を取り込み、浴室やトイレなどの換気扇で一括して排気を行うのが一般的です。気密性の高い住宅であれば十分な換気効果が期待できますが、給気口の位置や風向きによって換気効率が左右されることがあります。

どの換気システムを選ぶにしても、最も大切なのは、住宅の気密性能に見合った適切な換気量が確保されているか、そしてそのシステムが効率的に機能するように設計されているかです。ハウスメーカーや建築家と十分に相談し、ご自身のライフスタイルや家族構成、予算に合った最適な換気計画を立てましょう。また、換気口やフィルターの定期的な清掃も非常に重要です。吸気口が汚れて詰まると、十分な換気量が得られず、シックハウス対策の効果が半減してしまいます。

設計段階で化学物質を「ためない」「除去する」工夫

換気システム以外にも、設計段階で「対策を講じる」ことで、シックハウスのリスクを低減することができます。

  • 収納計画: 湿気がこもりやすい押し入れやクローゼットには、調湿効果のある建材を使用したり、換気扇の設置を検討したりしましょう。モノを詰め込みすぎると空気の流れが滞り、カビやダニの温床になりがちです。適切な収納量を見越したスペース確保も重要です。
  • 通風と採光: 窓の配置や大きさによって、自然な風の流れ(通風)を確保することで、空気の滞留を防ぎ、化学物質の排出を促すことができます。また、日当たりの良い設計は、室内の湿度を適切に保ち、カビの発生を抑える効果も期待できます。ただし、直射日光が当たりすぎると建材の劣化を早め、化学物質の放散を早めることもあるため、バランスが重要です。
  • 水回り: 浴室や洗面所、キッチンなど、多湿になりやすい場所には、十分な換気扇と防カビ対策を施すことが重要です。床や壁材も、湿気に強く、清掃しやすいものを選ぶと良いでしょう。
  • 家具の配置計画: 家具の配置をあらかじめ計画し、壁との間に適切な隙間を設けることで、空気の通り道を確保しやすくなります。特に新築の場合は、建材からの放散が最も多い時期なので、家具もできるだけ「F☆☆☆☆」相当の、低ホルムアルデヒド製品を選ぶか、シックハウス対策済みの製品を選びましょう。

これらの設計上の工夫は、単にシックハウス対策に留まらず、快適で暮らしやすい住まいを実現するためにも役立ちます。専門家との綿密な打ち合わせを通じて、ご自身の理想とする暮らしと、健康に配慮した設計を両立させましょう。

入居後も安心を維持!シックハウス対策を講じる暮らしの実践術

新築やリフォームでシックハウス対策を万全にして家を建てたとしても、それは終わりではありません。入居後の日々の暮らし方やメンテナンスによって、シックハウス症候群の症状を未然に防ぎ、健康な室内環境を維持し続けることができます。せっかく「対策を講じる」家を建てたのですから、その効果を最大限に引き出すための生活習慣を身につけましょう。ここでは、入居後に実践できる具体的な対策についてご紹介します。

日々の暮らしで実践する効果的な換気術

家全体の空気を新鮮に保つためには、計画的な換気と、日々のこまめな換気が欠かせません。室内の化学物質濃度を低下させる最も簡単な方法が換気です。

窓開け換気のポイント

24時間換気システムが導入されていても、窓開け換気を組み合わせることで、より効果的に空気を入れ替えることができます。特に、新築入居から数年間は、建材からの化学物質放散が比較的多いため、意識的に窓を開けて換気を行いましょう。

  • 2カ所以上の窓を開ける: 空気の通り道を作るために、対角線上にある窓や、玄関と窓など、互いに離れた2カ所以上を開けて、空気の入口と出口を確保します。空気の流れが生まれることで、効率的に換気ができます。
  • 短時間で頻繁に: 常に窓を開け続ける必要はありません。朝起きた時、外出前、帰宅後、寝る前など、1回5分~10分程度でも良いので、こまめに換気を行うのが理想的です。季節によっては防犯や防虫の対策も考慮し、無理のない範囲で実践しましょう。
  • 部屋ごとの換気も意識: リビングだけでなく、寝室、子ども部屋、書斎など、長時間過ごす部屋は個別に換気することも大切です。特に閉め切った状態で使用することが多い部屋は要注意です。
  • 季節ごとの工夫: 夏場は熱気がこもりやすいため、朝晩の涼しい時間帯に換気。冬場は室温が下がりすぎないよう、短時間で集中して換気を行うなど、季節に合わせた工夫が必要です。花粉症の時期は、飛散量の少ない時間帯を選んだり、換気機能を備えた空気清浄機を併用したりするのも良いでしょう。

換気扇の賢い活用法

浴室、トイレ、キッチンの換気扇は、それぞれの場所で発生する湿気や臭気を排出する重要な役割を担っています。これらの換気扇も、シックハウス対策に積極的に活用しましょう。

  • 料理中は必ずキッチンの換気扇をONに: 調理中に発生する湯気や臭気だけでなく、ガスコンロなどから発生する化学物質も排出するために、調理開始から終わりまで、しっかりと換気扇を回しましょう。調理後もしばらく回しておくことで、室内の空気をよりクリアに保てます。
  • 入浴後は浴室の換気扇を長時間: 浴室はカビが発生しやすい場所です。入浴後は換気扇を数時間、あるいは一晩中回し続けることで、浴室内の湿気を効果的に排出できます。乾燥機能がある場合はその活用も検討しましょう。
  • トイレ使用後はこまめに換気扇を: トイレも換気扇を回すことで、臭気や湿気を排出します。来客時など、特に長時間使用した後はしっかりと換気しましょう。
  • フィルターの清掃を怠らない: 換気扇のフィルターが目詰まりすると、換気効率が著しく低下します。定期的にフィルターを清掃することで、常に最大の換気効果を発揮できるように保ちましょう。

室内で使うものからの化学物質排出を抑える

家を建てる際の建材だけでなく、入居後に持ち込む家具や日用品も、シックハウスの原因となる化学物質を放散することがあります。これらのアイテムを選ぶ際にも、「対策を講じる」意識が重要です。

家具やインテリア選びの注意点

安価な合成木材を使用した家具や、新品のカーテン、カーペットなどからは、ホルムアルデヒドなどの化学物質が放散されることがあります。購入時には以下の点に注意しましょう。

  • 「F☆☆☆☆」表示や低ホルムアルデヒド製品を選ぶ: 家具にもJIS規格やJAS規格に準じたF☆☆☆☆相当の表示がある製品を選びましょう。また、「エコマーク」や「グリーン購入法適合品」など、環境配慮型の認定を受けた製品も、化学物質の排出量が少ない傾向があります。
  • 新品の家具は「風通し」を: 購入したての家具は、化学物質の放散量が最も多い時期です。可能であれば、使用する前にベランダや風通しの良い屋外で数日間陰干しし、化学物質を揮発させてから室内に搬入すると良いでしょう。
  • 中古家具の活用: 古い家具は化学物質の放散が落ち着いていることが多く、シックハウス対策という点では安心材料になることもあります。ただし、カビやダニが発生していないか、状態をよく確認しましょう。
  • 布製品の洗濯・乾燥: カーテンやラグ、クッションカバーなど、新品の布製品はホルムアルデヒドなどの防縮・防しわ加工剤が残っていることがあります。一度洗濯・乾燥させてから使用することで、これらの化学物質を洗い流すことができます。

日用品・清掃用品の選び方

洗剤、消臭剤、芳香剤、殺虫剤など、日常的に使用する日用品からも、化学物質が放散されます。これらもシックハウス対策の対象です。

  • 無香料・低刺激性の製品を選ぶ: 合成香料を含む製品は、アレルギー反応を引き起こしたり、空気中の化学物質濃度を高めたりする可能性があります。できるだけ無香料や天然由来成分の製品を選びましょう。
  • 必要最低限の使用に留める: 過度な消臭剤や芳香剤の使用は避け、換気によって臭気を除去する方が健康的です。殺虫剤も必要最小限の使用に留め、使用後は必ず十分な換気を行いましょう。
  • 自然素材の清掃用品: 重曹やクエン酸、セスキ炭酸ソーダなど、自然由来の成分を使った清掃用品は、化学物質の心配が少なく、環境にも優しい選択肢です。

結露・カビ・ダニの発生を防ぐ湿度管理と清掃

化学物質だけでなく、カビやダニもシックハウス症候群の一因となります。これらは高湿度環境を好むため、適切な湿度管理とこまめな清掃が非常に重要です。

  • 室内の湿度を50~60%に保つ: 湿度計を活用し、室内の湿度を常に意識しましょう。加湿器の使いすぎはカビやダニの温床になりかねません。冬場の乾燥期でも、加湿器を使用する場合は加湿しすぎないよう注意が必要です。夏場は除湿器やエアコンのドライ機能を活用し、湿度を下げましょう。
  • 結露対策: 冬場の窓ガラスや壁に発生する結露は、カビの大きな原因となります。二重窓や複層ガラスにする、結露防止シートを貼る、こまめに拭き取る、換気を徹底するなど、結露対策を講じることで、カビの発生を抑制できます。
  • こまめな掃除と換気: 定期的な掃除機がけや拭き掃除で、ハウスダストやカビの胞子、ダニの死骸やフンなどを除去しましょう。特に、カーペットや布製ソファ、布団などはダニが繁殖しやすい場所なので、念入りに掃除機をかけたり、天日干ししたりすることが有効です。
  • 水回りの清掃徹底: 浴室、洗面所、キッチンのシンク回りなど、水を使う場所は特にカビが発生しやすいため、使用後は水滴を拭き取り、乾燥を心がけましょう。排水溝も定期的に清掃し、カビの発生源を断つことが重要です。

もしシックハウス症状が出たら?:専門家への相談を

これらの対策を講じても、「どうも体調がすぐれない」「特定の部屋にいるときだけ症状が悪化する」といった心当たりのある症状が出た場合は、専門家への相談を検討しましょう。医療機関(アレルギー科、内科、心身医療科など)で症状について相談するとともに、住宅の空気環境を測定してくれる専門業者や、シックハウス対策に詳しい建築家などに相談することも有効です。原因を特定し、適切な「対策を講じる」ことで、症状の改善につながることが期待できます。

まとめ:シックハウス対策で健康と安心を両立する住まいへ

マイホーム計画において、シックハウス症候群は「見過ごせないけれど、何から手をつけていいか分からない」という悩みの一つかもしれません。しかし、この記事でご紹介したように、シックハウス対策は家づくりの初期段階から入居後の暮らしまで、多様な「対策を講じる」ことで、着実にリスクを低減できるものです。ホルムアルデヒドの放散量が少ないF☆☆☆☆等級の建材選び、適切な計画換気システムの導入、そして入居後のこまめな換気や湿度管理、安全な日用品選びなど、一つ一つのステップが、家族の健康を守る確かな一歩となります。

大切なのは、新築・リフォームのどのフェーズであっても、家族の健康を最優先に考え、積極的に情報を集め、不安な点は専門家に相談する姿勢です。専門家と協力し、信頼できる建材を選び、適切な設計と施工を行うことで、有害な化学物質から家族を守り、安心して深呼吸できる、快適で健康的な住まいを実現できるでしょう。あなたの家が、家族みんなが心身ともに癒され、健やかに成長できる「安心のシェルター」となるよう、この記事がその手助けとなれば幸いです。理想のマイホームで、心豊かな暮らしをスタートさせてください。

   

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