【プロが教える】子どもが独立した後の空き部屋を最大限活用する方法と空き家対策
公開日: : 最終更新日:2025/06/02 家づくりのお役立ち情報
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子どもの成長は親にとって嬉しくも寂しいものです。特に子どもが独立して家を出ていくと、それまで賑やかだった家に静けさが訪れ、同時に空き部屋という新たな”悩み”が生まれます。せっかく長年かけて育てた我が子の部屋、ただの物置にするのはもったいない!という方も多いのではないでしょうか。
実は、この空き部屋は家族の新たなライフスタイルを実現する大きなチャンスです。子育てに忙しかった時期には諦めていた趣味の部屋や、家族の団らんスペースとして活用することで、第二の人生を充実させることができます。また、シェアスペースとして活用したり、将来の空き家対策として考えることも重要です。
本記事では、子どもが独立した後の空き部屋活用法について、特に住宅ローンを返済中の子育て世代の方々に向けて、将来を見据えた実践的なアイデアをご紹介します。マイホーム計画中の方は、子どもの成長後の家の使い方も視野に入れた設計を考えるヒントにしてください。
目次
空き部屋の活用で考えるべき3つのポイント
家族の新たな生活を豊かにする空き部屋活用法
将来を見据えた空き部屋の活用と空き家対策
空き部屋の活用で考えるべき3つのポイント
子どもが独立して空いた部屋。「とりあえず物置にしておこう」と考えがちですが、そこには大きな可能性が眠っています。空き部屋を有効活用するために、まずは次の3つのポイントを考えてみましょう。
1. 家族のライフステージの変化を理解する
子どもの独立は家族全体のライフステージの大きな転換点です。共働き世帯であれば、子育てから解放され、夫婦二人の時間が増えます。また、定年退職が近づいている場合は、生活パターンそのものが変わる可能性もあります。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、子どもが独立した後の50代〜60代の夫婦の約65%が「自分の時間が増えた」と感じており、約40%が「新たな趣味を始めた」と回答しています。この時期は自分自身を見つめ直し、新たな生きがいを見つける絶好の機会なのです。
空き部屋の活用法を考える際は、「これからどんな生活をしたいか」という視点が重要です。例えば、趣味に没頭したい方は専用の作業部屋に、健康に気を使いたい方はホームジムに、といった具合に、これからの生活スタイルに合わせた活用法を検討しましょう。
2. 住宅の将来価値を考える
マイホームは大きな資産です。子どもが独立した後も、この資産価値を維持・向上させる視点が重要です。特に、日本では空き家問題が深刻化しており、2033年には全住宅の約3割が空き家になると予測されています。
空き部屋の活用は、将来の空き家対策にもつながります。例えば、間取りを変更して賃貸可能な部屋にリノベーションしておけば、将来的に収入源になる可能性があります。また、高齢者向けのバリアフリー改修をしておけば、長く住み続けられる家になり、空き家になるリスクを減らせます。
住宅ローンの返済計画との兼ね合いも重要です。多くの方が60歳前後の返済完了を目指していますが、その時期は子どもが独立する時期とも重なります。ローン返済後の固定資産税や維持費も考慮に入れた計画が必要です。
3. 地域とのつながりを活かす
子育てが一段落すると、地域とのつながりが希薄になりがちです。PTA活動や子どもの友達を通じた親同士の交流が減少するためです。しかし、シニア世代こそ地域とのつながりが重要になります。
総務省の「社会生活基本調査」によると、地域活動に参加している高齢者は、そうでない高齢者に比べて健康寿命が約2年長いというデータもあります。空き部屋をコミュニティスペースとして活用することで、新たな地域とのつながりを作ることができます。
例えば、趣味のサークル活動の場として提供したり、地域の子どもたちの学習スペースとして開放したりする方法があります。これは単なる社会貢献だけでなく、自分自身の生きがいや健康維持にもつながるのです。
家族の新たな生活を豊かにする空き部屋活用法
子どもが独立した後の空き部屋は、家族の新たな生活スタイルを実現する絶好のスペースです。特に夫婦二人の時間が増えるこの時期、これまで叶えられなかった夢や趣味のための空間として活用することで、第二の人生を豊かにすることができます。ここでは具体的な活用アイデアをご紹介します。
趣味を充実させる専用スペース
子育て中は自分の趣味に費やす時間が限られていた方も多いのではないでしょうか。空き部屋を趣味の専用スペースにすることで、集中して取り組める環境が整います。
例えば、読書好きな方は本棚を壁一面に設置した「ホームライブラリー」にするのがおすすめです。お気に入りの本に囲まれた空間で、ゆったりとしたソファに座って読書を楽しむ時間は格別です。本の収納に困ることもなくなります。
手芸や工作が好きな方は、作業テーブルと材料の収納棚を配置した「クラフトルーム」にするのも良いでしょう。散らかりがちな材料や道具を一か所にまとめておけるので、急に思い立った時にすぐ作業を始められます。
また、楽器演奏が趣味の方は、防音対策をして「音楽室」にすれば、時間を気にせず練習できます。壁に吸音材を貼ったり、二重窓にリフォームしたりすることで、近隣への音漏れを防げます。音楽室のリフォーム費用は100〜300万円程度が目安ですが、長年の趣味を考えれば価値ある投資です。
健康維持のためのスペース
年齢を重ねると健康への意識が高まります。空き部屋を健康維持のためのスペースにすることで、天候や時間を気にせず体を動かせます。
「ホームジム」として活用する場合、ヨガマットやダンベル、エアロバイクなどを設置すれば、自宅でのトレーニングが可能です。鏡を壁に設置すれば、フォームのチェックもできて効果的です。フローリングの上にクッション性のあるマットを敷けば、床への負担も軽減できます。
また、瞑想や呼吸法を行う「リラクゼーションルーム」としての活用も増えています。アロマディフューザーやゆったりとしたクッション、間接照明などを配置し、心身ともにリラックスできる空間を作りましょう。特に仕事のストレスが多い方には、帰宅後の「デトックス空間」として効果的です。
健康関連の設備投資は将来の医療費削減にもつながります。厚生労働省の調査では、定期的な運動習慣のある60代の医療費は、運動習慣のない同年代と比べて年間約10万円少ないというデータもあります。
家族の交流を深めるマルチスペース
子どもが巣立った後も、家族の絆を深める場所として空き部屋を活用する方法もあります。特に、孫が遊びに来る機会が増える世代には、世代を超えた交流スペースが重宝します。
「ファミリーシアタールーム」として整備すれば、大型テレビやプロジェクターを設置して映画鑑賞を楽しめます。防音対策をすれば、大音量でも気兼ねなく楽しめます。孫と一緒にアニメや映画を見たり、夫婦で昔の映画を懐かしんだりと、使い方は様々です。
また、「マルチパーパスルーム」として、可動式の家具を取り入れることで、用途に応じて部屋の雰囲気を変えられます。平日は夫婦のリビング、週末は子どもや孫が集まる遊び場、特別な日はホームパーティースペースというように、フレキシブルに活用できます。
具体的には、壁面収納を設置し、必要に応じて折りたたみテーブルや追加の椅子を出せるようにしておくと便利です。リフォーム費用は使用する素材や設備によって異なりますが、50〜150万円程度が目安です。将来の家族団らんを豊かにする投資と考えれば、決して高くはないでしょう。
将来を見据えた空き部屋の活用と空き家対策
子どもが独立した後の住まいは、「今」だけでなく「将来」も見据えた活用法を考えることが重要です。特に日本では少子高齢化が進み、空き家問題が深刻化しています。ここでは、将来の空き家対策も含めた空き部屋の賢い活用法をご紹介します。
シェアスペースとしての活用
空き部屋を「シェアスペース」として活用することで、新たな収入源になると同時に、社会とのつながりも維持できます。特に定年退職後の収入減少を補う手段としても注目されています。
「民泊」として活用する方法があります。2018年の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行により、一定の条件を満たせば一般住宅でも宿泊サービスを提供できるようになりました。特に観光地や大都市近郊の住宅は需要が高く、外国人観光客との交流も楽しめます。ただし、年間提供日数の制限(180日以内)や、自治体による独自規制もあるため、事前の確認が必要です。
また、「シェアオフィス」としての貸し出しも増えています。コロナ禍以降、リモートワークの普及で自宅近くの作業スペースへのニーズが高まっています。Wi-Fi環境を整え、デスクと椅子を配置するだけで、日中のみの利用なら比較的安心して貸し出せます。月額3〜5万円程度の収入になることもあります。
さらに、「トランクルーム」としての貸し出しも手軽な活用法です。都市部では収納スペースが不足している世帯も多く、安定した需要があります。荷物を預かるだけなので、管理も比較的簡単です。防犯対策と保険加入は必須ですが、月額1〜2万円程度の収入が見込めます。
将来の高齢期を見据えたリフォーム
空き部屋ができたタイミングで、将来の高齢期を見据えたリフォームを行うのも賢明な選択です。早めの対策が将来の住みやすさと資産価値の維持につながります。
「バリアフリー化」は最も基本的な対策です。段差の解消や手すりの設置、滑りにくい床材への変更などが代表的です。特に浴室やトイレ、玄関といった事故が起きやすい場所の改修が優先されますが、子ども部屋が2階にある場合は、将来の1階生活も見据えて、1階の空き部屋を寝室に改修することも検討したいところです。国の「介護保険住宅改修費支給制度」を利用すれば、20万円を上限に改修費用の9割が支給されることもあります。
また、「スマートホーム化」も高齢者の安全な生活をサポートします。IoT技術を活用した見守りシステムや、音声操作による家電制御など、テクノロジーの導入で生活の質を維持できます。例えば、遠方に住む子どもがスマートフォンで親の生活状況を確認できるシステムは、双方の安心につながります。
さらに、「二世帯住宅への改修」も選択肢の一つです。将来、介護が必要になった場合に備えて、子ども家族と同居できるよう、独立性を保ちながらも行き来しやすい設計に改修しておくことで、空き家化を防ぎつつ、世代間の支え合いも実現できます。リフォーム費用は300〜500万円程度が目安ですが、将来の介護施設入居費用と比較すれば、長期的には経済的な選択となる可能性もあります。
地域貢献型の空き部屋活用
空き部屋を地域貢献のために活用することで、社会的価値を創出しながら、自身の生きがいにもつなげられます。また、地域とのつながりは将来の見守りネットワークにもなり得ます。
「子ども食堂」や「学習支援スペース」として提供する方法があります。現在、全国に7,000か所以上ある子ども食堂は、多くが場所の確保に苦労しています。週1回程度の開放であれば、大きな負担にはならず、地域の子どもたちとの交流も楽しめます。
また、「コミュニティサロン」として、近隣の高齢者が集まれる場所を提供する方法もあります。お茶会や手芸教室など、気軽に集える場所は高齢者の孤立防止に効果的です。自治体によっては「空き家・空き室活用補助金」などの支援制度があり、改修費用の一部が補助されることもあります。
さらに、「シェアガーデン」として庭付きの空き部屋を開放し、近隣住民と園芸を楽しむ取り組みも広がっています。特に都市部では貴重な緑のスペースとして喜ばれ、季節の野菜づくりなど、共同作業を通じた交流が生まれます。
このような地域貢献型の活用は、直接的な収益にはつながらなくても、地域での評判や信頼関係の構築、さらには自身の生きがいや健康維持に大きく貢献します。総務省の調査では、社会参加活動を行っている高齢者は、そうでない高齢者と比べて認知症発症リスクが約30%低減するというデータもあります。
まとめ:空き部屋は新たな可能性を広げるチャンス
子どもが独立した後の空き部屋は、一見すると寂しさを感じさせるものですが、実は家族の新たな生活スタイルを実現する大きなチャンスでもあります。趣味や健康のための専用スペース、家族の交流を深めるマルチスペース、将来の収入源となるシェアスペース、または地域貢献の場として活用することで、住まいの価値を高め、充実したシニアライフを送ることができます。
空き部屋活用のポイントをまとめると以下のようになります:
- 家族のライフステージ変化を理解し、これからの生活スタイルに合わせた活用を考える
- 住宅の将来価値を見据え、空き家対策も視野に入れたプランを立てる
- 地域とのつながりを活かした活用法で、社会参加と健康維持を両立させる
- 趣味や健康維持のための専用スペースとして活用し、第二の人生を充実させる
- シェアスペースとして活用し、新たな収入源を確保する
- 将来の高齢期を見据えたバリアフリー化やスマートホーム化を検討する
今はまだ子育て真っ最中の方も、将来の空き部屋活用を想定した家づくりをすることで、ライフステージの変化にスムーズに対応できる住まいになります。例えば、子ども部屋は将来の用途変更を見据えた仕様にしておく、1階に将来の主寝室となり得る部屋を配置するなど、長期的な視点での計画が大切です。
最後に、空き部屋の活用法に正解はありません。家族それぞれのライフスタイルや価値観に合わせた使い方を見つけることが最も重要です。子どもが巣立った後も、家族の思い出が詰まった我が家で、新たな可能性を広げながら、豊かな生活を送りましょう。

「家を建てたい人と、地域に根ざした信頼ある工務店をつなぐ」ことを使命に、全国の工務店情報・家づくりノウハウ・実例写真などをお届けする住宅情報サイトを運営しています。家づくり初心者の方が安心して計画を進められるよう、専門家の知識やユーザー視点の情報発信を心がけています。住宅計画の疑問や不安にも寄り添い、役立つ情報をお届けします。
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