マイホーム購入 まず何から始める?お金の不安を解消する第一歩
公開日: : 住まいと暮らしのコラム
マイホームという夢の実現に向けて、最初の一歩を踏み出すあなたへ。期待に胸を膨らませる一方で、漠然としたお金の不安に直面していませんか?「本当に買えるのかしら?」「いくらまでなら大丈夫なの?」といった疑問は、多くの方が抱える共通の悩みです。
このコラムでは、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、マイホーム購入におけるお金の不安を一つずつ丁寧に解消し、安心して理想の住まいを手に入れるための道筋を共に考えていきます。特に、家づくりを始めたばかりで、資金計画に不安を感じているあなたに寄り添い、専門的ながらも分かりやすい言葉でお伝えしていきますね。
事例に学ぶ:漠然とした不安を具体的にする大切さ
先日、40代のA様(仮名)からご相談をいただきました。A様ご夫婦は、お子さんが小学校に入学するのを機にマイホーム購入を検討し始めたばかり。住宅展示場にも何度か足を運び、素敵な間取りや設備に心ときめかせているものの、漠然としたお金の不安が拭えないとのことでした。
「毎月のローン返済が家計を圧迫しないか不安で…」「頭金はどれくらい貯めればいいのかしら?」「将来、教育費もかかるのに、本当に大丈夫?」といった具体的な声が次々と出てきました。
A様のように、家づくりを始めたばかりの方にとって、お金の不安は漠然とした形で見えにくいものです。しかし、その不安の正体を具体的にしていくことが、前に進むための第一歩となります。このコラムを読み進めることで、あなたの漠然とした不安も、きっと具体的な道筋へと変わっていくはずです。

住宅購入における漠然としたお金の不安の正体
マイホーム購入におけるお金の不安は、大きく分けて以下の3つの要素から成り立っていることが多いです。
- 「総額がいくらになるのか分からない」という不安
- 物件価格だけでなく、税金や手数料、引越し費用、新しい家具家電の購入費用など、住宅購入には見えないお金がたくさんかかります。これらの総額が把握できていないことが、漠然とした不安につながります。
- 「住宅ローンを借りられるのか」「いくら借りていいのか分からない」という不安
- 住宅ローンは、人生で最も大きな借り入れとなることがほとんどです。現在の収入や貯蓄で住宅ローンを組めるのか、また、毎月の返済額が家計に無理なく収まるのか、といった点が不安の大きな要因となります。
- 「将来、お金に困らないか」という不安
- 住宅ローン返済が始まると、毎月の支出が増えます。子どもの教育費、老後の生活費、病気や失業などの不測の事態など、将来のライフイベントやリスクに備えられるのか、といった長期的な視点での不安が挙げられます。
これらの不安は、情報不足や知識不足からくるものがほとんどです。正しい知識を身につけ、一つずつクリアしていくことで、不安は確実に小さくなっていきます。
最初のステップ:現状の家計把握と目標設定
漠然としたお金の不安を解消するための最初のステップは、「現状の家計を正確に把握する」こと、そして「マイホーム購入の目標を具体的に設定する」ことです。
1. 現状の家計を正確に把握する
まずは、あなたの家計の「見える化」から始めましょう。
- 収入の把握: 毎月の手取り収入(給与、ボーナス、その他の収入)を正確に把握します。夫婦共働きの場合は、世帯全体の収入を確認しましょう。
- 支出の把握: 毎月の支出を「固定費」と「変動費」に分けて洗い出します。
- 固定費: 家賃(賃貸の場合)、通信費、保険料、車のローン、サブスクリプションサービスなど、毎月定額で発生する費用。
- 変動費: 食費、水道光熱費、交通費、娯楽費、被服費、医療費など、月によって変動する費用。
- 家計簿アプリや家計簿ノートを活用し、最低でも3ヶ月〜6ヶ月分の支出を記録することをおすすめします。意外なところに無駄が見つかったり、削減できる費用が見えてきたりします。
- 貯蓄・資産の把握: 現在の預貯金、投資信託や株式などの金融資産、退職金の見込みなどを把握します。住宅購入のための頭金や諸費用に充てられる資産を確認しましょう。
- 負債の把握: 住宅ローン以外の借り入れ(車のローン、奨学金、カードローンなど)があれば、その残高と毎月の返済額を把握します。
この家計の把握は、マイホーム購入後の生活をシミュレーションするための大切な基礎情報となります。現在の生活水準を維持しつつ、無理なく住宅ローンを返済できるかを判断する材料となるからです。
2. マイホーム購入の目標を具体的に設定する
次に、マイホーム購入の目標を具体的にイメージしてみましょう。
- いつまでに購入したいか: 漠然とした「いつか」ではなく、「〇年後の〇月までに」といった具体的な時期を設定します。お子様の入学や転居のタイミングなど、ライフイベントと結びつけると目標が立てやすくなります。
- どのような家に住みたいか: 戸建てかマンションか、新築か中古か、広さや間取り、場所、通勤時間など、具体的な条件を洗い出します。理想を明確にすることで、必要な資金の目安が見えてきます。
- かけられる予算はどれくらいか(現時点での仮の目標): 現状の家計把握から、毎月どれくらいの住宅ローン返済なら無理がないか、頭金としてどれくらい用意できそうか、仮の予算を立ててみましょう。この時点では厳密である必要はありませんが、大まかな目安があると次のステップに進みやすくなります。
「現状把握」と「目標設定」は、羅針盤を持つようなものです。この二つが明確になることで、どこに向かって、どのようなペースで進めば良いのかが見えてくるでしょう。

このコラム全体で扱うテーマのご紹介
この「後悔しないマイホーム購入のための資金計画」コラムシリーズでは、全10回にわたって、あなたが抱えるお金の不安を解消し、安心してマイホーム購入を進められるよう、以下のテーマを深掘りしていきます。
- 第1回:マイホーム購入、まず何から始める?お金の不安を解消する第一歩(今回)
- 第2回:住宅購入の総費用を徹底解剖!見落としがちな諸費用とは?
- 物件価格以外にどんな費用がかかるのか、具体的な数字を交えて解説します。
- 第3回:あなたの借り入れ可能額はいくら?住宅ローンの基礎知識
- 住宅ローンの種類や仕組み、いくらまで借りられるのかの目安をお伝えします。
- 第4回:賢い住宅ローンの選び方:金利タイプと返済計画の立て方
- 変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきか?無理のない返済計画のポイントを解説します。
- 第5回:住宅ローン控除を最大限活用!税金優遇制度のポイント
- 住宅購入で受けられる税金の優遇措置について、具体的な活用方法をお伝えします。
- 第6回:頭金はどれくらい必要?貯蓄計画と頭金の重要性
- 頭金の考え方や、無理なく貯めるための方法をご紹介します。
- 第7回:マイホーム購入後の家計を見直す:無理のない生活設計の秘訣
- 住宅購入後の家計管理のコツや、ライフプランの変化に備える方法をお伝えします。
- 第8回:もしもの時に備える:団信と火災保険でリスクヘッジ
- 万が一に備える保険の種類と選び方について解説します。
- 第9回:マイホーム購入で得する!知っておきたい補助金・給付金情報
- 国や自治体が提供するお得な制度について、最新情報をお届けします。
- 第10回:いよいよ最終決断!後悔しないマイホーム購入のチェックリスト
- これまでの知識を総動員し、後悔しないための最終チェックポイントをお伝えします。
このシリーズを通じて、あなたのマイホーム購入におけるお金の不安が、一つずつ希望と確信に変わっていくことを心から願っています。
Q&A:よくあるご質問
Q1:家計の把握って、どれくらい細かくやればいいですか?
A1:最初から完璧を目指す必要はありません。まずは、収入と大きな固定費、そして食費や日用品費といった毎月の大きな変動費から把握し始めましょう。家計簿アプリなどを活用すると、レシートを撮るだけで自動的に記録されるものもあり、手軽に始められます。大切なのは、継続して家計の流れを「見える化」することです。おおよそ3ヶ月〜6ヶ月分のデータがあれば、あなたの家計の傾向が掴めてくるはずです。
Q2:住宅ローンの金利が低い今、急いで買った方がいいですか?
A2:確かに現在の住宅ローン金利は歴史的に低い水準にあります。しかし、焦って購入を決めると、後で「こんなはずではなかった」と後悔することにもなりかねません。金利の状況も大切ですが、それ以上に「あなた自身のライフプランに合った購入時期か」「無理のない資金計画が立てられているか」が重要です。このコラムで学んだ知識を基に、冷静に判断するための準備を進めることが大切です。
Q3:頭金はやはり貯めてからでないと買えませんか?
A3:いいえ、必ずしも頭金が必須というわけではありません。頭金がなくても住宅ローンを組めるケースは増えています。ただし、頭金を用意することで、住宅ローンの借入額を減らせて毎月の返済額を抑えたり、金利を優遇してもらえたりするメリットもあります。また、もし頭金がゼロの場合でも、諸費用分は自己資金で用意できるのが理想的です。ご自身の状況に合わせて、頭金の有無や金額を検討することが重要です。この点については、第6回で詳しく解説しますね。
まとめ:不安を味方につけて、夢へ一歩
マイホーム購入におけるお金の不安は、決してネガティブなものではありません。むしろ、その不安があるからこそ、私たちは慎重になり、しっかりとした準備をしようと行動できます。今日から、漠然とした不安を具体的なステップに変え、夢の実現に向けて最初の一歩を踏み出しましょう。
家計の現状を把握し、理想のマイホームの目標を具体的に描くこと。これこそが、後悔しない資金計画の第一歩です。
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武政学

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