安心と快適をデザイン!マイホームで手すりを賢く設置する完全ガイド
公開日: : 家づくりのお役立ち情報
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「そろそろマイホームを」そう考え始めた30代〜50代のあなた。住宅ローンのこと、子供部屋の確保、間取りのことなど、考えるべきことは山積みのことと思います。でも、ちょっと待ってください。日々の生活で「もしも」を考えたことはありますか? 実は、新築やリノベーションのタイミングで「手すり」の設置を検討することは、将来にわたる家族の安心と快適な暮らしを守るために、非常に重要な選択肢となるのです。
「手すりなんて、まだ必要ないわ」と感じるかもしれません。しかし、今は元気な家族みんなが、何十年後も同じようにスムーズに家の中を移動できるとは限りません。幼いお子さんが階段を上り下りする時、もしもの転倒を防ぐために何ができるでしょうか。そして、あなたやご主人が年齢を重ねた時、あるいはご両親が訪れた時、家の中でのちょっとした移動が負担になる日が来るかもしれません。
この記事では、マイホームを計画中のあなたが、手すり設置を「今」検討すべき理由から、どこに、どんな手すりを設置すべきか、そして後悔しないための計画の進め方まで、基礎から応用までを丁寧に解説していきます。将来を見据えた安心への投資として、ぜひ手すり設置について深く考えてみませんか?
目次
- なぜ「今」手すりの設置を検討すべきなのか?
- 住まいのどこに?どんな手すりを設置すべき?
- 手すり設置計画のステップと後悔しないための注意点
- まとめ
なぜ「今」手すりの設置を検討すべきなのか?
マイホームの計画を進める中で、「手すり」の優先順位は低いと感じるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。私たちは今、健康な状態であっても、未来は誰にも予測できません。幼いお子様の成長、自分たちの老い、親御さんの介護。これらの変化と密接に関わるのが、住まいの中での「安全な移動」であり、その鍵を握るのが手すりです。
「まだ早い」はもったいない!今だからこそ手すり設置を考えるべき理由
多くの人が手すりを「高齢者が必要なもの」と考えがちですが、それは一面的な見方です。手すりは、年齢や身体能力に関わらず、暮らしの安全と快適性を高めるための有効な設備なのです。
まず、お子様がいらっしゃるご家庭では、小さなお子様が階段を上り下りする際、手すりは大きな安全確保の役割を果たします。まだ足元が不安定な時期でも、手すりにつかまることで転倒の危険性を劇的に減らせるでしょう。また、大人にとっても、高所からの落下や足元の不安定な場所でのバランス補助として役立ちます。例えば、お風呂から上がる時や、急な階段を降りる時など、ふとした瞬間にバランスを崩すことは誰にでも起こり得ます。「まさか」の事態に備えることは、家族を守る上での大切な配慮です。
そして、将来を見据える視点も不可欠です。私たちは誰もが年齢を重ね、身体能力が変化する可能性があります。厚生労働省の統計データによれば、高齢者の家庭内事故のうち約8割が「転倒」によるものであり、特に住み慣れた家の中での発生が多いとされています。骨折を伴う転倒は、その後の生活の質を大きく低下させる要因にもなりかねません。
新築や大規模なリノベーションのタイミングで手すり設置を検討する最大のメリットは、初期段階で計画に組み込むことで、後付け工事に比べて圧倒的にコストを抑えられ、デザイン性も高められる点です。家が完成してから「やっぱり必要になった」と後付けで設置する場合、壁を一度剥がして下地補強をしたり、周囲のインテリアとの調和が難しくなったりと、余計な手間や費用がかかることが少なくありません。また、一度設置した家具の配置を変えたり、工事のために一時的に不便を強いられたりする可能性もあります。
つまり、今、手すりを「検討しよう」と決めることは、将来の不便や思わぬ出費を未然に防ぎ、経済的にも精神的にも大きなメリットをもたらす賢い選択だと言えるでしょう。長期的に見た「コスパ」と「タイパ」に優れているだけでなく、住宅の資産価値を高める効果も期待できます。バリアフリー化が施された住宅は、将来的に売却する際にもプラスの評価につながることが多いため、長期的な視野で考えて損はありません。
「転倒」は身近なリスク!家族を守る手すりの重要性
「転ぶなんて、自分は大丈夫」そう思っていませんか?しかし、転倒は想像以上に身近なリスクです。特に、以下のようなケースでは、手すりがなければより大きな危険が伴います。
- **小さいお子さんのいる家庭での階段:** 走り回ったり、足元がおぼつかなかったりするお子さんにとって、手すりは命綱になります。
- **足元が濡れる可能性のある場所(浴室・洗面所):** お風呂場での滑りやすい床は、高齢者だけでなく、誰もが転倒しやすい場所です。浴槽への出入りや、洗い場での立ち座りをサポートする手すりは必須と言えるでしょう。
- **夜間の移動が多い場所(廊下・寝室近くのトイレ):** 暗闇の中での移動は危険を伴います。手すりがあれば、安心して移動できます。
- **段差のある場所(玄関の上がり框、和室への入り口など):** 一見小さな段差でも、転倒の原因になることがあります。特に、荷物を持っている時などはバランスを崩しがちです。
手すりは、これらのリスクを軽減し、家族全員が安全に、そして安心して暮らせる環境を整えるための最も簡単で効果的な方法の一つです。転ばぬ先の杖という言葉がありますが、まさに手すりは家庭内での「転ばぬ先の杖」なのです。例えば、玄関の上がり框に縦手すりを一本設置するだけで、靴の着脱時の安定感が格段に増します。また、階段の両側に手すりを設けることで、より安全な昇降が可能となり、子供だけでなく、一時的に足を怪我した家族など、誰もが安心して利用できるようになります。
さらに、手すりは必ずしも「介護用」の無機質なものばかりではありません。最近では、インテリアに調和するようなデザイン性の高いもの、温かみのある木製のもの、スタイリッシュな金属製のものなど、様々な種類が登場しています。適切な場所とデザインを選ぶことで、手すりは安全機能としてだけでなく、住まいのデザインの一部としても美しく溶け込むことができます。
安心は、お金では買えません。しかし、手すり設置は、その安心を形にするための、費用対効果の高い賢い投資と言えるでしょう。大切な家族が毎日暮らす家だからこそ、将来の姿を具体的に想像し、今から手すり設置を「検討しよう」と前向きに捉えてみてください。
住まいのどこに?どんな手すりを設置すべき?
手すりの必要性を理解したところで、次に気になるのは「具体的にどこに、どんな手すりを設置すれば良いのか?」ということでしょう。手すりは、ただ取りつければ良いというものではありません。家族構成やライフスタイル、将来の可能性を考慮し、場所ごとの役割と機能性を考えて選ぶことが大切です。
場所別!設置を検討すべき具体的ポイントと手すりの役割
家の中には、ふとした瞬間にバランスを崩しやすい場所や、重心移動が伴う動作が多い場所がいくつか存在します。これらの場所に手すりがあるだけで、日常生活の安全性が格段に向上します。
- 玄関アプローチ・玄関ホール・上がり框玄関は、外から家へ、家から外へと出入りする際の最初の、そして最後の場所です。靴を脱ぎ履きする際や、荷物を持った状態でのバランス保持に手すりは非常に役立ちます。特に、上がり框は段差があるため、転倒リスクが高い場所の一つです。
- 外玄関アプローチ: 雨の日や雪の日など、足元が滑りやすい状況でも安心して歩けるよう、階段やスロープの片側または両側に手すりを設置すると良いでしょう。金属製や樹脂製で、屋外の環境に耐えうる素材を選びましょう。独立型の手すりも有効です。
- 玄関ホール・上がり框: 縦型の手すりを設置すると、靴の脱ぎ履き時に体を支えやすくなります。また、小さな子供が自分で靴を履く練習をする際にも、つかまる場所があることで自立を促せます。リビングへの動線となる廊下にも、必要に応じて横手すりを連続して設置することで、より安全な移動経路を確保できます。
- 階段階段は、家の中で最も転倒事故が起こりやすい場所の一つです。特に、小さなお子さんのいる家庭では、走り回ったり、手荷物を持って昇降したりする際に危険が伴います。高齢者がいる場合は、足腰への負担軽減にもつながります。
- 両側設置: 片側にしか手すりがない家が多いですが、理想は両側設置です。人は利き手や体調によって左右どちらかの手すりを使う方が楽な場合があります。特に小さなお子様や高齢者には両手でしっかりと体を支えられる安心感があります。
- 昇り始めと降り終わりに配慮: 階段の昇り始めと降り終わりに、壁から少し延長して手すりを設けることで、よりスムーズな動作をサポートし、転倒しにくくなります。これは、高齢者施設などでのバリアフリー設計でも推奨される手法です。
- 蹴込み板の有無: 蹴込み板がないスケルトン階段は現代的なデザインですが、足元が見えやすく、かえって不安を感じる人もいます。手すりでしっかりと安全性を補強する必要があります。
- 廊下リビングから寝室、洗面所、トイレなど、家の中の主要な空間を結ぶ廊下。普段は何気なく通り過ぎる場所ですが、夜間や体調が悪い時など、ふとバランスを崩す可能性がある場所です。特に、L字型やT字型の交差点、長い一直線の廊下などは、連続的な手すり設置を検討する価値があります。
- 連続設置: 廊下が長い場合は途切れないように連続して設置することで、移動中の安心感が確保されます。もし将来、車椅子を使うことになった場合にも、手すりがあるだけで介助が楽になります。
- 補助照明: 手すりと合わせて、足元を照らす補助照明(フットライトなど)を設置することで、夜間の安全性がさらに高まります。
- トイレ・洗面所・浴室水回り設備は、滑りやすい床や狭い空間、立ち座り動作の多さから、転倒リスクが非常に高いため、手すりはほぼ必須と言えます。
- トイレ: 便器からの立ち座りをサポートするために、横手すりやL型手すり、跳ね上げ式の手すりなどを設置します。壁の構造やスペースに合わせて最適なタイプを選びましょう。ペーパーホルダー一体型の手すりなど、スッキリとしたデザインのものもあります。
- 洗面所: 洗面台での立ち座り、床が濡れている時の移動などに備え、鏡の横や壁に縦手すりを設置すると安心です。
- 浴室: 浴槽への出入り、洗い場での立ち座り時には、それぞれ適切な位置と形状の手すりが不可欠です。浴槽内にも手すりを設置することで、より安全に入浴できます。水に強いステンレス製や樹脂製で、滑りにくい素材を選ぶのが基本です。
- 寝室寝室では、ベッドからの立ち座りや、夜間のトイレへの移動をサポートする手すりが有効です。
- ベッドサイド: ベッド柵の代わりになるような据え置き型の手すりや、壁に取り付けるタイプの手すりを設置することで、夜中に目覚めた際や体調が悪い時に、安全に体を起こしたり、立ち上がったりできます。
- クローゼットや収納: 高い位置の物を取ったりする際に、一時的に体を支えることができる縦手すりが役立つこともあります。
どんな種類がある?適材適所の選び方
手すりには、形状、素材、機能など、様々な種類があります。それぞれの特徴を理解し、設置場所と用途に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。
1. 形状による分類
- 横手すり:水平に取り付けられ、主に移動時のバランス保持や、歩行補助に用いられます。廊下や長いアプローチなどに適しています。握りやすく、連続して使えるものが良いでしょう。設置高さは、通常、床から75cm〜85cm程度が目安ですが、利用者の身長に合わせて調整が必要です。
- 縦手すり:垂直に取り付けられ、立ち座り時や、段差を乗り越える際のバランス補助に最適です。玄関の上がり框、トイレの立ち座り場所、浴室の浴槽の縁などに多用されます。力が入りやすく、握りやすい太さと形状を選ぶことが重要です。
- L型手すり:縦手すりと横手すりを組み合わせたもので、トイレや浴室など、立ち座りから移動まで一連の動作をサポートする場所に有効です。限られたスペースでも両方の機能を持たせられるため、非常に人気があります。
- 独立型・据え置き型手すり:壁に固定せず、床に置いて使用するタイプです。置くだけで設置できるため工事不要で、一時的な使用や、ベッドサイドなどで便利です。ただし、安定性には限界があるため、あくまで補助的に使用し、常時必要であれば壁固定式を検討しましょう。
2. 素材による分類
- 木製:温かみがあり、インテリアに馴染みやすいのが特徴です。握った時の感触も良く、冬場でも冷たさを感じにくいのがメリット。リビングや寝室、玄関ホールなどの内装用によく選ばれます。滑り止め加工が施されたものもあります。
- 金属(ステンレス、アルミなど):耐久性が高く、モダンな印象を与えます。屋外や浴室など、水に濡れる場所や衛生面を重視する場所に適しています。滑り止め加工や、樹脂コーティングされたものもあります。
- 樹脂(プラスチック):軽量で加工しやすく、カラフルなものもあります。金属製同様、水回りにも適していますが、耐久性やデザインのバリエーションは木製や金属製に劣る場合があります。抗菌加工が施されたものもあります。
3. 機能性による分類
- 蓄光・夜光タイプ:停電時や夜間の暗闇でも位置がわかるように、光を蓄えて発光する素材が使用されています。廊下や階段など、夜間利用が多い場所に有効です。
- 滑り止め加工:手すりの表面に凹凸をつけたり、ザラつきのある加工を施したりすることで、濡れた手や汗ばんだ手でも滑りにくく、しっかりと握れるようになります。特に水回りや屋外用で重要です。
- デザイン性:最近では、インテリアの一部として美しく溶け込むような、洗練されたデザインの手すりも増えています。モダンなものから和風、北欧スタイルまで、内装に合わせて選ぶことができます。色や素材、エンドキャップの形状など細部にもこだわると、手すりが生活感を排除し、むしろデザインアクセントになります。
手すりを設置する際は、利用する可能性のある家族(お子さんはもちろん、将来の自分たち、両親など)の身長や身体状況を考慮し、実際に握ってみて「握りやすいか」「力が入りやすいか」を確認することが重要です。適切な高さや太さは、安全性を大きく左右します。専門家と相談し、ショールームなどで実物を確認しながら決めるのが理想的です。
手すり設置計画のステップと後悔しないための注意点
手すり設置の重要性や適切な設置場所、種類について理解が深まりました。いよいよ、具体的な計画に取り掛かる段階です。せっかくマイホームに手すりを「検討しよう」と決めたのですから、後悔のないように、計画的に進めていきましょう。特に、新築や大きなリフォームの場合は、設計段階での検討が何よりも重要です。
家族会議から専門家との連携まで!計画の進め方
手すり設置は、家族全員の将来に関わる大切な決断です。まずは家族でしっかり話し合い、将来を見据えた計画を立てることが成功の鍵となります。
- ステップ1:家族会議でニーズを明確にするまずは、これからの家族の暮らしについて話し合いましょう。「今」だけでなく、「5年後、10年後、30年後」を具体的に想像してみてください。お子様が成長し、やがて巣立ち、そして自分たちが年を重ねた時、あるいは親御さんと同居・介護する可能性はどうか。そうしたライフステージの変化に、手すりがどのように役立つかを検討します。「こんな場所で困るかも」「将来、こんな動作が難しくなるかも」といった具体的なイメージを共有することで、本当に必要な場所が見えてきます。
例えば、「今は元気だけど、雨の日に玄関の段差でつまずきそうになったことがある」「夜中にトイレに行くとき、足元が暗くて不安を感じる」「将来、親と同居するかもしれない」といった、日常生活の中で感じた小さな不安や将来への漠然とした心配を具体的に洗い出しましょう。
- ステップ2:情報収集とイメージの具体化インターネットで「手すり おしゃれ」「バリアフリー住宅 事例」などのキーワードで検索し、多様な手すりのデザインや設置事例を見てみましょう。写真や動画で具体的なイメージを膨らませることが大切です。住宅展示場やリフォーム会社のリノベーション済み物件、福祉用具の展示会などに足を運び、実際に手すりを触ってみる、握ってみる、つかまってみるという体験をすることも非常に有効です。カタログだけでは分からない、素材の質感や握りやすさを実感できます。
特に、家族の身長や普段の姿勢、歩き方などを考慮し、現在の生活動線の中でどこに手すりがあると便利か、どの種類の手すりが最適か、具体的にリストアップしてみましょう。
- ステップ3:専門家への相談と計画への組み込み新築の場合は、住宅メーカーや建築家、工務店に、リノベーションの場合はリフォーム会社に、早い段階で手すり設置の希望を伝えましょう。彼らは住宅の構造や建築基準、デザインの専門家です。あなたの希望を伝えることで、最適な設置場所やデザイン、素材について具体的な提案をしてくれます。
特に、壁の内部に下地補強が必要になる場合が多いため、設計段階で計画に組み込むことが重要です。後から無理やり設置しようとすると、余計な手間やコストがかかるだけでなく、強度不足で安全性に問題が生じる可能性もゼロではありません。
また、バリアフリー専門家や介護福祉士といった専門家は、より専門的な視点からアドバイスをくれます。彼らは高齢者や身体が不自由な方の暮らしを長年サポートしているため、実用性や安全性を踏まえた深い知見を持っています。可能であれば、設計図を持って相談してみることを強くお勧めします。
- ステップ4:複数見積もりと、費用・補助金の確認複数の業者から見積もりを取り、費用を比較検討しましょう。手すりの種類、素材、長さ、取り付け場所、工事の難易度などによって費用は大きく変動します。ただ価格が安いだけでなく、実績や信頼性、アフターサービスなども考慮して業者を選びましょう。
また、国や地方自治体によっては、バリアフリー改修や介護保険制度の利用で補助金や助成金が受けられる場合があります。例えば、介護保険を利用した住宅改修では、一定の条件を満たせば費用の9割が支給される制度があります。ただし、利用にはケアマネージャーの作成する「理由書」が必要など、手続きが複雑な場合も多いため、必ず事前に自治体窓口や専門家(ケアマネージャーなど)に相談し、活用できる制度がないか確認しましょう。
後悔しないための具体的な注意点
手すりの設置は一度行えば簡単に変更できるものではないため、失敗しないための注意点がいくつかあります。
- 取り付け位置と高さの確認手すりの高さは、利用する人の身長や身体状況によって最適な位置が異なります。一般的には、床から75cm〜85cm程度が目安とされますが、実際に利用する家族が握りやすいか、力を入れやすいかを確かめることが重要です。例えば、階段の場合は、踏み板の先端から垂直に測って75cm〜80cm程度が標準とされます。子供の利用を想定するなら、やや低めに設置するか、手すりを二段で設ける(大人用と子供用)といった工夫も有効です。
また、取り付け位置も重要です。例えばトイレでは、便器に座った状態で自然に手が届く位置、立ち座り時に力が入りやすい位置などを考慮する必要があります。実際に体を動かしながら最適な場所を決めることが、使い勝手を大きく左右します。
- デザインとインテリアとの調和手すりは機能性が第一ですが、毎日見るものだからこそ、家のインテリアと調和するデザインを選ぶことも大切です。木製、金属製、樹脂製など、素材によって雰囲気も大きく変わります。壁紙の色や床材、ドアの色などを考慮し、統一感のあるものを選びましょう。最近では、木目の美しいものや、スタイリッシュな金属製、あるいはカラフルでアクセントになるものなど、デザイン性の高い手すりが豊富に登場しています。手すりが「いかにも介護用」という印象を与えることを避けたい場合は、デザイン性の高い製品を積極的に「検討しよう」とすることで、後悔しない選択ができるでしょう。
- 下地補強の重要性手すりは体重を支えるためのものであり、十分な強度が必要です。壁の石膏ボードだけでは重さに耐えられないため、必ず壁の内部に下地補強を施す必要があります。新築時やリノベーション時に計画すれば、壁を壊す手間なく事前に下地を入れておくことができるため、工事がスムーズに進み、コストも抑えられます。後から下地がない場所に手すりを取り付ける場合は、壁を一部剥がして下地を入れてから再度壁を修復する必要があり、費用も時間もかかってしまいます。このため、設計段階で「ここに手すりを設置する可能性がある」と伝えておくことが非常に重要です。
- メンテナンスと耐久性手すりは日常的に使用するものですから、耐久性があり、適切なメンテナンスがしやすい素材を選ぶことも重要です。特に屋外や水回りに設置する場合は、錆びにくい素材や、汚れにくいコーティングが施されたものを選びましょう。定期的に清掃を行うことで、衛生的に長く使い続けることができます。
- 将来的な可変性も考慮するお子さんが独立した後のご夫婦二人の暮らし、あるいは将来的に親御さんとの同居や介護の可能性など、ライフステージの変化に合わせた柔軟性も考慮すると良いでしょう。例えば、現在はシンプルな手すりにしておき、将来的に必要があれば、後から取り外し可能な補助手すりを追加できるような設計にしておくなど、先の見通しを持った計画を立てることも賢明な選択です。
これらのポイントを踏まえ、担当の建築家や工務店、リフォーム会社と密に連携を取りながら、家族にとって最適な手すり計画を進めていってください。未来を見据えた賢い手すり設置は、あなたのマイホームの価値をさらに高め、家族全員が安心して快適に暮らせる未来への投資となるでしょう。
まとめ
マイホームの計画は、私たちの人生における大きな節目であり、家族の未来を形作る大切なプロセスです。「手すり設置」は、一見すると地味な要素に思えるかもしれませんが、この記事を通じて、それが家族の安全と快適な暮らしを長期にわたって支える、非常に重要な設備であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
「まだ早い」という考えは、実は大きな機会損失につながる可能性があります。幼いお子様の小さな手から、成長した家族の手、そして将来、高齢になったあなた自身の体を支える手まで、手すりは様々なライフステージにおいて、思わぬ事故を防ぎ、日々の移動をスムーズにする頼もしい存在となります。
新築やリノベーションのタイミングは、設計段階で手すりの設置を計画に組み込むことで、後からの工事にかかる費用や手間を大幅に削減し、デザイン性も高めることができる絶好の機会です。玄関、階段、廊下、そして水回りなど、家の中のあらゆる場所で、手すりが果たす役割は大きく、その種類も多岐にわたります。
大切なのは、家族全員で将来のライフスタイルを具体的にイメージし、それぞれの場所で本当に必要な手すりの種類と設置位置を検討することです。デザイン性、安全性、そして費用、補助金制度の活用など、多角的な視点から情報収集を行い、信頼できる専門家と密に連携を取りながら、最高の家づくりを進めていってほしいと願っています。
「手すり設置、検討しよう」このシンプルな問いかけが、あなたのマイホームを、家族全員にとって永く愛される、安全で快適な「終の住処」へと導く第一歩となることを心から願っています。未来への安心と快適をデザインする、賢い選択をしてくださいね。

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