家族を守る!シックハウス対策を講じて健康快適なマイホームを実現する方法
公開日: : 家づくりのお役立ち情報
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念願のマイホーム計画、いよいよ具体的に動き出すのですね。住宅ローンの返済期間や、成長するお子さんたちの子供部屋の必要性を考えると、ご夫婦で将来を見据えた計画を立てていらっしゃるでしょう。新しい家での生活を想像すると、胸が高鳴る一方で、「本当に安全な家づくりができるだろうか?」と、漠然とした不安を感じることはありませんか?特に、小さなお子さんのいるご家庭にとって、新築の家で気になるのが「シックハウス症候群」です。目に見えない化学物質が、知らず知らずのうちに家族の健康に影響を与えているとしたら、心配になりますよね。このブログ記事では、マイホーム計画を始めたばかりのあなたに、シックハウス症候群の基礎知識から、具体的な対策、そして入居後の安心な暮らしを保つためのヒントまで、プロの目線で徹底的に解説します。大切な家族が末永く健康で快適に暮らせる住まいを築くために、今からできる「シックハウス対策を講じる」ための知識を、一緒に学んでいきましょう。
目次
- シックハウス症候群とは?家族の健康を守る基礎知識
- 健康と安心を叶える!シックハウス対策の具体的なステップ
- 入居後も油断禁物!シックハウス予防の日常生活とメンテナンス
シックハウス症候群とは?家族の健康を守る基礎知識
新しい家での生活は、誰もが健やかで快適なものと期待しています。しかし、近年、新築やリフォーム後の住まいで体調不良を訴える人が増え、「シックハウス症候群」という言葉を耳にする機会も多くなりました。シックハウス症候群とは、建材や家具などから放散される化学物質によって引き起こされる、さまざまな健康障害の総称です。特に、成長期にあるお子さんや、体質的に敏感な方がいるご家庭では、シックハウス対策は住まいづくりの最重要課題の一つと言えるでしょう。
シックハウス症候群が引き起こす症状の具体例
シックハウス症候群の症状は多岐にわたり、個人差が大きいのが特徴です。代表的な症状としては、次のようなものが挙げられます。
- 目・鼻・喉の刺激症状: 目がチカチカする、涙が出る、鼻水・鼻づまり、くしゃみ、喉がイガイガする、咳が出る。新築の家に入った際に、このような刺激を感じる場合は注意が必要です。
- 頭痛・めまい・吐き気: 集中力の低下や疲労感とともに、頭痛やめまい、吐き気を訴えるケースもあります。特に、締め切った室内に長時間いると症状が悪化しやすい傾向が見られます。
- 皮膚症状: かゆみ、湿疹、アトピー性皮膚炎の悪化など。お子さんのデリケートな肌に異変が見られる場合、住環境が原因である可能性も考慮すべきです。
- 呼吸器症状: 喘息の悪化、息苦しさなど。すでに喘息の持病がある方は、化学物質が症状の引き金となる可能性があります。
- 倦怠感・不眠: なんとなく体がだるい、寝ても疲れが取れない、よく眠れないといった、体全体のだるさや不調を感じることもあります。
これらの症状は、風邪などの一般的な体調不良と区別がつきにくい場合もあります。しかし、家を出ると症状が改善し、家に戻ると再び悪化するといった傾向が見られる場合は、シックハウス症候群を疑う必要があります。特に、抵抗力の弱い小さなお子さんは、大人よりも影響を受けやすいため、些細な変化にも気づいてあげることが大切です。
なぜシックハウスが発生するのか?主な原因物質と発生源
シックハウス症候群の主な原因となるのは、建材や家具、内装材、接着剤などから放散される揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる化学物質です。その中でも、特に問題視されているのが以下の物質です。
- ホルムアルデヒド: 合板や接着剤、塗料、防腐剤、壁紙などの建材に広く使用されてきました。強い刺激臭があり、国の建築基準法で規制されています。シックハウス対策の代表的な物質として最もよく知られています。
- トルエン・キシレン: 塗料の溶剤や接着剤、防カビ剤などに含まれています。特有のシンナー臭があり、中枢神経系への影響が懸念されています。
- アセトアルデヒド: カーテンやフローリング、接着剤などから発生することがあります。アルコールのような匂いが特徴です。
- 可塑剤(フタル酸エステルなど): ビニール製の床材や壁紙、サッシなど、プラスチック製品の柔軟性を高めるために使われます。環境ホルモンとしての影響も指摘されています。
これらの化学物質は、新築やリフォーム直後の建物で高濃度になりやすく、「新築の匂い」と感じる独特の匂いの元になっていることも少なくありません。建材だけでなく、新しい家具やカーテン、接着剤を使った内装品、さらには防虫剤や芳香剤など、日常生活で使う様々なものから放散される可能性もあります。住宅の高気密化が進んだことで、これらの化学物質が室内に滞留しやすくなり、シックハウス症候群の発生リスクを高めているのです。
あなたの家は大丈夫?新築やリノベーションで特に注意すべきこと
ご自身のマイホーム計画において、シックハウス対策を講じるためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。特に新築や大規模なリノベーションを行う際には、以下のポイントを意識することが重要です。
まず、建材選びが最も重要です。過去にはF☆☆☆☆(エフフォースター)というJIS規格の表示がある建材を選んでいれば安心とされてきましたが、これはホルムアルデヒドの放散量に対するものであり、他の化学物質に対する規制ではありません。近年では、より安全性の高い建材や、自然素材を用いる動きが広まっています。接着剤や塗料についても、化学物質の放散が少ないものや、天然由来成分のものを選ぶようにしましょう。
次に、計画的な換気です。建築基準法では、全ての居室において24時間換気設備の設置が義務付けられています。これは、常に新鮮な空気を室内に取り入れ、汚れた空気を排出することで、化学物質濃度を低減させることを目的としています。高気密住宅では、自然換気だけでは不十分なため、機械換気システムの導入が必須となります。計画段階で、どのような換気システムを導入するのか、その性能やメンテナンス方法はどうかなど、工務店や設計士と十分に話し合う必要があります。
さらに、設計段階での工夫も重要です。例えば、接着剤を大量に使う場所(フローリングの接着面など)を減らす設計や、化学物質を吸着・分解する機能を持つ壁材の利用、通風の良い窓配置で自然換気を促すなど、建物の構造や間取りそのもので対策を講じることも可能です。
忘れてはならないのが、施工時の管理です。どんなに良い建材を選んでも、施工現場で不適切な接着剤を使用されたり、汚染された建材が持ち込まれたりする可能性もゼロではありません。信頼できる工務店やハウスメーカーを選ぶことはもちろん、可能であれば施工現場に足を運び、使われている材料や換気状況を確認することも大切です。また、引き渡し前に室内空気測定を実施してくれる業者を選ぶことも、安心につながります。これらの基礎知識をしっかりとインプットし、安心して暮らせるマイホームづくりを進めていきましょう。
健康と安心を叶える!シックハウス対策の具体的なステップ
シックハウス症候群は、住まいの設計から建材選び、そして施工方法に至るまで、様々な要素が絡み合って発生します。大切な家族が健康で快適に暮らすためには、計画段階から「シックハウス対策を講じる」という強い意識を持って、具体的なステップを踏んでいくことが不可欠です。ここでは、マイホーム計画の各フェーズで取り組むべき、具体的な対策方法を詳しくご紹介します。
建材選びが最重要!安全な素材を見極めるポイント
家づくりにおいて、壁や床、天井など、室内の大部分を占める建材選びは、シックハウス対策の要となります。目には見えない化学物質だからこそ、素材の選定には細心の注意を払う必要があります。
- ホルムアルデヒド放散量等級F☆☆☆☆(Fフォースター)の確認:建築基準法により、内装仕上げ材や建具、接着剤などから放散されるホルムアルデヒドの濃度には規制があります。F☆☆☆☆(エフフォースター)は、ホルムアルデヒド放散量が最も少ない最高ランクの等級を示すマークです。このマークが付いた建材を使用することは、シックハウス対策の最低限の条件とされています。しかし、F☆☆☆☆であってもゼロ放散ではありませんし、ホルムアルデヒド以外の化学物質には対応していない点に留意が必要です。
- 自然素材・無垢材の活用:新建材に多く使われる合板や集成材は、接着剤を使用するため、化学物質放散のリスクがあります。一方、無垢の木材や漆喰(しっくい)、珪藻土(けいそうど)などの自然素材は、化学物質の放散が極めて少ない、本来の素材そのものです。無垢材は調湿効果や消臭効果も期待でき、快適な室内環境を作り出します。ただし、自然素材の中にも、防腐剤や塗装に化学物質が含まれる場合があるため、使用する塗料や仕上げ材についても確認が必要です。例えば、自然塗料や蜜蝋ワックスなどで仕上げることで、より安全性を高めることができます。
- 接着剤・塗料・防蟻剤の選定:壁紙を貼る接着剤、フローリングの接着剤、そして木材に施す塗料や防蟻剤(シロアリ対策)なども、シックハウスの原因となる化学物質を含んでいることがあります。これらの補助材についても、ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ない「低VOCタイプ」または「ノンVOCタイプ」を選ぶように工務店に依頼しましょう。防蟻剤も、ホウ酸処理など、人体に安全な素材を用いた製品を選ぶことが可能です。
- 見えない部分の建材にも注意:壁の裏側や床下など、普段目に見えない部分に使用される構造材や断熱材も、シックハウスの原因となりえます。例えば、グラスウールは安全とされていますが、一部の断熱材には接着剤を使用しているものもあります。また、調湿シートや防湿シートなども、素材をよく確認することが肝心です。工務店や設計士と、見えない部分の建材についても積極的に話し合い、成分表や安全性データを確認するようにしましょう。
効率的な換気システムで空気をきれいに保つ
どんなに安全な建材を選んだとしても、微量の化学物質は常に室内に存在します。これらを効率的に排出し、新鮮な空気を取り入れるためには、適切な換気システムが不可欠です。2003年より建築基準法で24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、その種類や能力にも注目しましょう。
- 24時間換気システムの重要性:住まいの気密性が高まった現代住宅では、自然換気だけでは十分な空気の入れ替えができません。24時間換気システムは、窓を開けなくても常に計画的に空気の入れ替えを行い、室内の化学物質濃度を低減させる役割を担っています。システムを切ってしまうと意味がありませんので、常に稼働させることが重要です。
- 換気システムの種類と選び方:換気システムには、大きく分けて主に3種類あります。
- 第一種換気: 給気も排気も機械で行うシステム。熱交換器を内蔵したものは、排気する空気から熱を回収し、給気する空気に移すことで、冬場の室温低下や夏場の室温上昇を抑え、省エネ効果が高いのが特徴です。初期費用は高めですが、高性能な換気を実現できます。
- 第二種換気: 給気のみ機械で行い、排気は自然に行うシステム。室内が陽圧になるため、外部からの汚染物質の侵入を防ぎやすいというメリットがありますが、壁内結露のリスクがあるため、一般住宅にはあまり使われません。
- 第三種換気: 排気のみ機械で行い、給気は自然に行うシステム。現在の日本の住宅で最も普及しているタイプです。比較的費用が安く導入しやすいですが、冬場は外気がそのまま入ってくるため寒く感じやすいというデメリットがあります。
ご自身の住まいの地域環境や、気密性・断熱性のレベルに合わせて、最適な換気システムを専門家と相談して選びましょう。特に、高気密・高断熱住宅の場合は、熱交換型第一種換気が省エネと快適性の両立に有効です。
- 設計における通風計画:機械換気だけでなく、自然の風を効率的に取り入れる通風計画も非常に重要です。窓の位置や配置を工夫し、空気の流れを意識した間取りにすることで、心地よい風が家中を通り抜け、室内の空気をリフレッシュしてくれます。特に、春や秋など気候が良い時期には、窓を開けての自然換気を積極的に行うことが、シックハウス対策にも繋がります。
設計段階から始める、シックハウスを防ぐ住まいづくり
シックハウス対策は、使用する個々の建材や設備だけでなく、家全体の設計思想にも組み込むべきものです。早めの段階から、シックハウスを防ぐためのコンセプトを明確にしておきましょう。
- 適度な収納スペースの確保:物が散乱し、ホコリが溜まりやすい環境は、ダニやカビの発生を促し、アレルギーの原因ともなります。適切な収納スペースを計画段階で確保し、新築後に新たに家具を買い足す必要を減らすことも、シックハウス対策につながります。造り付けの収納家具は、接着剤の使用量を減らせるメリットもあります。
- 湿度管理しやすい計画:カビはアレルギーや喘息の原因となるだけでなく、シックハウスの原因となる化学物質を誘発・増幅させることもあります。適切な断熱・気密性能を確保し、結露を防ぐことが重要です。また、調湿作用のある漆喰や珪藻土などの壁材を使用したり、浴室やキッチンなど水回りの換気を強化したりするなど、湿度をコントロールしやすい設計を心がけましょう。
- メンテナンス性の考慮:シックハウス対策は、建てて終わりではありません。日々の清掃や換気がしやすいように、シンプルなデザインや、掃除がしやすい素材を選ぶことも重要です。例えば、凹凸の少ない壁や床、掃除しやすい窓のサッシなど、長期的なメンテナンスまで見据えた設計は、住む人の負担を減らし、清潔な環境を保つ上で役立ちます。
リフォーム・リノベーション時も忘れてはいけない注意点
すでに持ち家がある場合や、中古住宅を購入してリフォーム・リノベーションを考えている場合も、シックハウス対策は怠ってはいけません。むしろ、既存の建物の状態を把握した上で対策を講じる必要があります。
- 既存建物の診断:リフォーム前に、既存の建材に含まれる化学物質や、過去の結露・カビの履歴などを専門家に見てもらうのが理想的です。特に、アスベストや古い塗料に含まれる鉛など、現代では使用が禁止されている有害物質が潜んでいる可能性もありますので注意が必要です。
- 解体時の換気と養生:解体作業を行う際、古い建材から化学物質が飛散する可能性があります。作業中は十分な換気を行い、隣接する部屋への汚染が広がらないよう、しっかりと養生してもらうことが重要です。
- 新しい建材の選定基準は新築と同じ:リフォーム・リノベーションで新しく導入する建材や内装材についても、新築と同様にF☆☆☆☆等級の製品を選び、可能な限り自然素材や低VOCの製品を使用するようにしましょう。特に、床材や壁材、塗装材など、表面積の広い部分の素材は慎重に選ぶ必要があります。
- 工期と引き渡しまでの換気期間:リフォーム後も、新しい建材や接着剤から化学物質が放散されます。引き渡しまでに十分な換気を工務店に依頼し、可能であれば入居前に窓を全開にして換気を行い、空気を入れ替える期間を設けることを検討しましょう。気温が高い時期は化学物質の放散量が増えるため、特に注意が必要です。また、化学物質の匂いが残っている場合は、入居時期を調整することも視野に入れるべきです。
これらのステップを一つひとつ丁寧に踏み、専門家と密に連携を取りながら計画を進めることで、マイホームでの安心で健康的な暮らしを実現するための「シックハウス対策を講じる」ことができるでしょう。
入居後も油断禁物!シックハウス予防の日常生活とメンテナンス
念願のマイホームが完成し、いよいよ新しい生活が始まる時、シックハウス対策はこれで終わりではありません。むしろ、ここからが本当の始まりと言っても過言ではないでしょう。家は生き物と同じで、日々の使い方やメンテナンスによって、その健康状態が大きく左右されます。シックハウス症候群の発症リスクを長期的に低減させ、家族が健やかに暮らすためには、入居後の暮らし方や定期的なメンテナンスが非常に重要となります。ここでは、新生活でのシックハウス予防策と、もしも症状が出た場合の対処法について、具体的なヒントをご紹介します。
新しい家具や化学物質を含む製品の選び方と初期対応
家が完成したからといって、家の中の化学物質がゼロになるわけではありません。新築の住宅であっても、入居後に持ち込む家具やカーテン、家電製品、さらには日用品からも、様々な化学物質が放散される可能性があります。これらの製品を選ぶ際にも、意識したいポイントがあります。
- 家具選びの注意点:特に新しい家具は、接着剤や塗料に化学物質が含まれていることがあります。できるだけ「F☆☆☆☆」表示のあるものや、無垢材、自然素材の家具を選ぶようにしましょう。購入する前に、「匂いを嗅いでみる」のも一つの有効な手段です。強い刺激臭がするものは避けるのが賢明です。また、一度に大量の家具を搬入するのではなく、少しずつ様子を見ながら増やすことで、万が一症状が出た場合の特定が容易になります。
- カーテンや絨毯などのファブリック製品:防炎加工や防汚加工が施されたカーテンや絨毯には、化学物質が含まれていることがあります。購入後、可能であれば一度洗濯したり、風通しの良い場所で陰干ししたりすることで、初期の化学物質放散を抑えることができます。
- 日用品・家電製品:洗剤、消臭剤、芳香剤、接着剤、塗料など、日常生活で使用する様々な製品にも化学物質が含まれています。香りの強いものや、成分表示が不明瞭なものは避ける、もしくは使用量を控えるようにしましょう。特に、アレルギー体質のお子さんがいるご家庭では、これらの製品の選定に一層注意を払う必要があります。新しい家電製品、特にプラスチック部分が多いものも、初期には独特の匂いを発することがあります。使用前に換気を十分に行うなどの配慮が大切です。
- 購入後の「べたつき」や「匂い」への初期対応:新しい家具や製品によっては、表面がべたついたり、独特の匂いがしたりすることがあります。これは「VOC(揮発性有機化合物)フォギング」と呼ばれる現象で、製品から化学物質が放散されている証拠です。このような場合は、すぐに窓を開けて換気を徹底し、可能であればベランダなどで数日間陰干しをすることで、化学物質の放散を促すことができます。表面を拭き取る場合も、水拭きなどで対応し、洗剤の使用は控えましょう。
快適な室内環境を維持するための換気習慣
入居後も、室内の空気質を良好に保つためには、日々の適切な換気習慣が欠かせません。建築基準法で設置が義務付けられている24時間換気システムの効果を最大限に引き出すとともに、自然換気も有効活用しましょう。
- 24時間換気システムの常時稼働:多くの家庭で、「電気代がもったいない」「寒い(暑い)」といった理由で、24時間換気システムのスイッチを切ってしまいがちです。しかし、これはシックハウス対策の観点から見ると、非常にもったいない行為です。化学物質は常に室内に発生・蓄積するため、24時間換気システムは休みなく稼働させるのが基本です。月に一度はフィルターの掃除を行い、吸気口や排気口が目詰まりしないようにすることも重要です。フィルターが汚れていると、換気効率が低下するだけでなく、そこにカビや細菌が繁殖する原因にもなりかねません。
- 積極的な自然換気:天候や気温が許す限り、積極的に窓を開けて自然換気をしましょう。対角線上にある窓を同時に開ける「風の道」を作ることで、効率的な換気が可能です。短時間(5分~10分程度)でも、1日に数回行うだけでも効果があります。特に、起床後や外出前、調理後、来客後など、空気がこもりやすいタイミングでの換気を心がけましょう。雨の日や花粉が気になる時期は、無理に窓を開ける必要はありませんが、状況に応じて判断してください。
- エアコンや換気扇の活用:料理中はレンジフードを必ず使用し、浴室も入浴後しばらく換気扇を回しておくなど、局所換気も積極的に活用しましょう。エアコンを使用する際も、定期的にフィルターを清掃し、クリーンな空気を循環させるように心がけましょう。空気清浄機を併用するのも有効ですが、根本的な換気には代わりません。
日常の掃除とメンテナンスで健康被害を防ぐ
ホコリやハウスダストは、アレルゲンの温床となるだけでなく、化学物質を吸着し、室内で再放散する「シンク効果」を引き起こすことがあります。こまめな掃除とメンテナンスは、シックハウス対策の基本です。
- こまめな掃除の習慣化:床や家具の表面、手の届く範囲のホコリは、こまめに拭き掃除や掃除機がけで取り除きましょう。特に、小さなお子さんが床で遊ぶことが多いご家庭では、拭き掃除を頻繁に行うことをお勧めします。水拭きで十分ですが、洗剤を使う場合は成分に注意し、少量使用に留めましょう。
- ダニ・カビ対策:湿度が高い環境は、ダニやカビの繁殖を促します。室内の湿度が60%を超えないように、除湿器を活用したり、換気を徹底したりしましょう。特に、浴室、キッチン、寝室、押入れなどはカビが発生しやすい場所です。定期的に換気し、結露が見られたらすぐに拭き取る習慣をつけましょう。寝具もまめに干し、清潔に保つことが大切です。
- 植物の活用:観葉植物の中には、空気中の有害物質を吸収する効果があるとされる種類もあります。インテリアとしてだけでなく、シックハウス対策の一環として、室内に取り入れてみるのも良いでしょう。
- 専門業者による定期的な点検・清掃:エアコンの内部洗浄や、換気ダクトの清掃など、ご自身では難しい箇所のメンテナンスは、専門業者に依頼することも検討しましょう。特に、換気システムは定期的な点検によって性能を維持できます。
もしシックハウス症状が出たら?専門家への相談タイミング
どんなにしっかりと対策を講じても、体質や環境の変化により、シックハウス症状が出てしまう可能性もゼロではありません。もし、ご自身やお子さんに、新居での生活が始まってから気になる症状が現れた場合、焦らず冷静に対処することが重要です。
- 症状の記録:いつ、どんな症状が、どこで、どのくらいの期間出たのかを記録しておきましょう。例えば、「リビングにいると目が痒くなる」「朝起きると頭痛がする」「家を出ると症状が治まる」など、具体的な情報が診断の手助けになります。
- 換気の徹底と原因の特定:まずは、とにかく換気を徹底し、室内の空気の入れ替えを行いましょう。同時に、最近購入した家具や家電、使用し始めた日用品などを特定し、一時的に室外に出してみるなどして、何が原因となっているのかを探る努力をします。
- 専門医への相談:症状が続くようであれば、まずはかかりつけの医師に相談することをお勧めします。アレルギー専門医や環境アレルギー専門医など、シックハウス症候群に詳しい医師に相談すると、より適切なアドバイスや治療が受けられるでしょう。
- 建築関係の専門家への相談:医師の診断で住環境が原因の可能性が高いと判断された場合は、家を建てた工務店やハウスメーカー、またはシックハウス診断士などの専門家に相談しましょう。室内空気質測定の実施や、原因物質の特定、改善策の提案をしてもらえる可能性があります。必要に応じて、リフォームや改修が必要になる場合もありますが、まずは原因を明確にすることが重要です。
大切な家族の健康を守るために、計画から入居後まで一貫してシックハウス対策を意識し、「シックハウス対策を講じる」という意識を持ち続けることが、安心で快適なマイホーム生活の鍵となります。
健康で快適な住まいは家族への贈り物:シックハウス対策は未来への投資
ここまで、マイホーム計画を始めたばかりのあなたに向けて、シックハウス症候群の基礎から、計画段階での対策、そして入居後の快適な暮らしを保つための具体的な方法まで、幅広く解説してきました。シックハウス症候群と聞くと、漠然とした不安を抱えがちですが、その原因と対策のポイントをしっかりと押さえることで、過度に恐れる必要はありません。
住まいは、人生の中で最も長く時間を過ごす場所であり、家族の健康と成長を見守る大切な空間です。お子さんたちが健やかに育ち、ご夫婦が共に歳を重ねていく中で、何よりも優先すべきは「安全で健康な住環境」の確保ではないでしょうか。安心して深呼吸できる空気、心地よく過ごせる室内環境は、家族の笑顔を育み、心豊かな暮らしの礎となります。
シックハウス対策は、単なる法令遵守の義務ではありません。それは、長期的な視点に立った「未来への投資」です。初期の計画段階で少し手間やコストがかかるように感じても、その後の家族の健康を守り、医療費を抑え、快適な日々を送れることを考えれば、十分に価値のある投資と言えるでしょう。質の高い建材を選び、適切な換気システムを導入し、日々のメンテナンスを怠らない。これらの地道な努力が、将来にわたって家族の健康と心の平穏を守ってくれます。
この記事で得た知識を胸に、ぜひご夫婦で「どんな家にしたいか」を具体的に話し合い、信頼できる工務店や設計士を見つけてください。そして、彼らと「シックハウス対策を講じる」という共通認識を持って、一歩一歩、理想の家づくりを進めていってください。きっと、あなたの家族にとって最高の、安心と健康に満ちたマイホームが実現するはずです。新築の家で、深呼吸するたびに「この家を選んでよかった」と心から思える、そんな毎日があなたを待っていますように。

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