実家を相続したいけど子どもが住まない?賢い選択肢と活用法
公開日: : 最終更新日:2025/05/28 家づくりのお役立ち情報
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子どもが実家に住む予定がないケースは非常に多く見られます。親から相続した家をどうするべきか悩む方も増えています。特に住宅ローンを返済中の方は、実家の維持費や空き家にしておくリスクなど、考えるべき点が山積みです。この記事では、「子どもが住まない実家」の相続問題について、将来を見据えた具体的な対応策をご紹介します。空き家の売却タイミングや税金対策、実家の有効活用法など、あなたの状況に合わせた最適な選択肢が見つかるはずです。今から準備して、後悔のない相続対策を始めましょう。
目次
はじめに:増加する「子どもが住まない実家」の相続問題
1.子どもが住まない実家を相続するときの選択肢と対応策
2.実家を空き家にしないための活用方法と将来設計
3.実家相続に関する税金対策と専門家への相談ポイント
まとめ:後悔しない実家相続のためのステップ
はじめに:増加する「子どもが住まない実家」の相続問題
「親の家を相続することになったけれど、子どもたちは住む予定がない…」
このような悩みを抱える方は、近年急増しています。国土交通省の調査によると、相続した実家を子どもが住まずに空き家になるケースは、全国の空き家の約4割を占めるとされています。特に地方の実家を相続する都市部在住の子どもたちにとって、遠距離での実家管理は大きな負担となっています。
マイホーム計画中のご家族にとっては、「自分たちの新居のローン」と「親の実家の維持費」という二重の経済負担も無視できません。小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭では、子どもの教育環境を考えると、親の実家に引っ越すことも難しいでしょう。
また、実家を空き家のまま放置すると、建物の老朽化だけでなく、防犯面や近隣トラブルなど様々なリスクが発生します。「とりあえず何もしない」という選択が、後々大きな問題に発展するケースも少なくありません。
この記事では、マイホーム計画中の女性の方々に向けて、子どもが住まない実家の相続問題について、具体的な対応策や活用法をご紹介します。「売却すべきか」「賃貸に出すべきか」「リフォームして自分たちが住むべきか」など、あなたの状況に合った最適な選択肢を見つけるためのヒントをお伝えします。
1.子どもが住まない実家を相続するときの選択肢と対応策
実家を相続したものの、子どもが住む予定がない場合、いくつかの選択肢があります。まずは主な選択肢とそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
選択肢①:売却する
最もシンプルな選択肢は売却です。特に以下のような状況にある方には、売却が適している可能性が高いでしょう。
- 実家が遠方にあり、定期的な管理が難しい
- 自宅のローン返済中で、実家の維持費が経済的負担になる
- 相続税の支払いのために現金が必要
- 兄弟姉妹での共有名義になっており、意見がまとまらない
売却のメリットは、まとまった現金を得られること、維持管理の負担から解放されることです。特に相続税の支払いが必要な場合は、売却によって資金を確保できます。
一方、デメリットとしては、実家の思い出や親が大切にしてきた家を手放す精神的な負担、将来的な不動産価値の上昇の機会を逃す可能性などが挙げられます。
売却を検討する際の重要なポイントは「売却タイミング」です。一般的に、相続後できるだけ早く売却する方が有利なケースが多いです。理由は以下の通りです:
- 空き家の3,000万円特別控除が使える(相続から3年以内の売却が条件)
- 建物の劣化が進む前に売却できる
- 維持費や固定資産税などのコスト負担期間を短縮できる
特に注目すべきは「空き家の3,000万円特別控除」です。これは相続した空き家を売却した際、一定の条件を満たせば売却益から最大3,000万円を控除できる制度です。この控除を利用することで、譲渡所得税の負担を大幅に軽減できます。
選択肢②:賃貸に出す
売却したくない、または将来的に活用の可能性を残しておきたい場合は、賃貸物件として活用する方法があります。
賃貸に出すメリットは:
- 定期的な家賃収入が得られる
- 空き家問題を解消できる
- 将来的な選択肢を残せる
- 不動産としての資産価値を維持できる
一方、デメリットとしては:
- 賃貸管理の手間(管理会社に委託する場合はその費用)
- 入居者とのトラブルリスク
- リフォーム費用が必要になる場合がある
- 賃貸需要が少ない地域では入居者が見つからない可能性
賃貸に出す場合は、立地条件や物件の状態、地域の賃貸市場を事前に調査することが重要です。特に地方の実家の場合、賃貸需要が少なく家賃設定が難しいケースもあります。
また、賃貸用にリフォームする場合は、最低限必要な設備更新(水回りやエアコンなど)に絞り、過剰な投資は避けるのが賢明です。投資回収が難しい高額リフォームは、賃貸収入だけでは元が取れないことも多いからです。
選択肢③:セカンドハウスとして活用する
マイホームとは別に、週末や休暇時に利用するセカンドハウスとして活用する方法もあります。
メリットは:
- 家族の思い出の場所として残せる
- 休暇や帰省時の宿泊場所として活用できる
- 将来的な選択肢を残せる
デメリットは:
- 二重の維持費がかかる
- 定期的な管理が必要
- 使用頻度が低い割に費用負担が大きい
この選択肢は、実家が観光地や自然豊かな地域にある場合や、定期的に帰省する予定がある場合に適しています。
選択肢④:実家を解体して更地にする
建物が古く活用が難しい場合は、解体して土地だけを所有する選択肢もあります。
メリットは:
- 建物の維持管理費用が不要になる
- 固定資産税が軽減される場合がある(小規模住宅用地の特例が適用されなくなるため、逆に増える場合もある)
- 将来的な土地活用の可能性を広げられる
デメリットは:
- 解体費用がかかる(一般的な木造住宅で100〜200万円程度)
- 更地の管理(草刈りなど)が必要
解体を検討する場合は、事前に解体費用の見積もりを取るとともに、解体後の固定資産税がどう変わるかを確認しておくことが重要です。
上記の選択肢を比較する際には、家族の状況、財政状態、実家の立地条件などを総合的に考慮して判断することをおすすめします。また、決断を急がず、家族でしっかり話し合い、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることも大切です。
2.実家を空き家にしないための活用方法と将来設計
実家を単なる空き家にしておくのではなく、積極的に活用する方法を考えてみましょう。ここでは、実家の特性や立地条件に応じた様々な活用アイデアをご紹介します。
地域の特性を活かした活用法
実家の立地条件によって、最適な活用法は大きく変わります。
都市部や交通の便が良い地域の場合:
- シェアハウスへの転換
- 学生向け賃貸物件
- 民泊施設(法規制に注意が必要)
- コワーキングスペース
観光地や自然豊かな地域の場合:
- 週末限定の宿泊施設
- 農家民宿
- 田舎暮らし体験施設
- アーティスト向けの制作スペース
例えば、東京都内のある40代女性は、郊外にある実家を大学生向けのシェアハウスに改装し、安定した賃料収入を得ることに成功しています。床や壁、水回りの設備を刷新し、共有リビングを広く取るなどの工夫で、若い世代に人気の物件となりました。初期投資は約500万円でしたが、月々の家賃収入で5年程度で回収できる見込みです。
社会貢献型の活用法
地域貢献や社会的な課題解決につながる活用法も注目されています。
- 地域コミュニティスペース
- 子育て支援施設
- 高齢者向けのサロン
- NPO法人やボランティア団体の活動拠点
こうした活用法は、必ずしも大きな収益にはつながらないかもしれませんが、地域との良好な関係構築や社会貢献という別の価値を生み出します。また、自治体によっては、このような活用に対して補助金が出る場合もあります。
将来を見据えた段階的な活用計画
実家の活用は、現在の状況だけでなく、将来の変化も見据えて計画することが大切です。例えば:
短期(1〜3年): 最低限の修繕を行いながら、賃貸や一時的な利用 中期(3〜10年): 子どもの成長や家族の状況変化に応じて、用途を見直す 長期(10年以上): 自分たちの老後の住まいとしての可能性も含めた計画
このように段階的に考えることで、その時々の最適な選択ができます。
特に小学生のお子さんがいるご家庭では、10年後には子どもが進学や就職で独立する可能性もあります。そうなったときに、実家を自分たちの老後の住まいとして活用するという選択肢も出てくるでしょう。
空き家対策に関する自治体の支援制度
実家の活用を考える際には、自治体の支援制度も積極的に活用しましょう。多くの自治体では、空き家対策として以下のような支援制度を設けています:
- 空き家バンク(売却・賃貸希望の空き家情報を自治体が無料で公開)
- リフォーム補助金
- 空き家活用アイデアコンテスト
- 移住者向けの住宅支援制度
例えば、島根県のある町では、空き家を改修して移住者向け住宅にする場合、最大300万円の補助金を出しています。こうした制度を利用することで、実家活用の選択肢が広がるでしょう。
空き家になるリスクと予防策
もし何らかの理由で実家を空き家のままにせざるを得ない場合は、以下のリスクと対策を知っておくことが重要です:
空き家のリスク:
- 建物の劣化・損傷の加速
- 防犯上の問題
- 近隣トラブル(雑草、害虫、不法投棄など)
- 固定資産税の特例措置が適用されなくなる可能性
予防策:
- 定期的な換気と点検(最低でも2ヶ月に1回)
- 防犯対策(センサーライト、警備会社との契約など)
- 庭の定期的な手入れ
- 近隣住民との良好な関係維持(状況説明と連絡先の共有)
- 空き家管理サービスの利用
特に注目すべきは「空き家管理サービス」です。最近では、月額5,000円〜15,000円程度で、定期的な巡回、通気、清掃、庭の手入れなどを行うサービスが増えています。遠方に住んでいる場合は、こうしたサービスの利用も検討する価値があるでしょう。
実家の活用方法は一つではありません。あなたやご家族の状況、実家の立地条件、経済的な事情などを考慮して、最適な方法を選びましょう。そして何より大切なのは、「何もしない」という選択を避け、積極的に対策を講じることです。
3.実家相続に関する税金対策と専門家への相談ポイント
実家の相続を考える際には、税金面での対策も重要です。ここでは、知っておくべき税金の基礎知識と、専門家に相談する際のポイントをご紹介します。
実家相続に関わる主な税金
実家の相続で関係する主な税金には、以下のようなものがあります:
相続税: 相続財産の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合に課税されます。実家の評価額が高い場合、相続税の負担は無視できません。
固定資産税・都市計画税: 実家を相続した場合、固定資産税・都市計画税の納税義務も引き継ぎます。特に注意したいのは、居住用の住宅として使用されなくなると、「小規模住宅用地の特例」が適用されなくなり、税額が上がる可能性があることです。
譲渡所得税: 相続した実家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合に課税されます。相続開始から3年10ヶ月以内に売却した場合、「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」が適用できる可能性があります。
知っておくべき税制優遇措置
実家の相続や売却に関しては、いくつかの税制優遇措置があります:
空き家の3,000万円特別控除: 相続した空き家を売却した際、一定の条件を満たせば売却益から最大3,000万円を控除できる制度です。条件としては:
- 相続開始から3年以内に売却すること
- 相続開始時に被相続人が住んでいた家であること
- 相続開始から売却までの間、居住や賃貸などの用途に供されていないこと などがあります。
相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例: 相続した不動産を売却する際に、支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度です。これにより譲渡所得が減少し、結果的に譲渡所得税を軽減できます。
小規模宅地等の特例: 被相続人の自宅の敷地については、一定の要件を満たせば最大80%の評価減が受けられます。ただし、相続後も相続人が住み続けるなどの条件があります。
これらの制度は条件が複雑で、適用に際しては専門家への相談が不可欠です。
相続税対策としての生前対策
相続が発生する前から対策を講じることで、相続税の負担を軽減できる可能性があります:
生前贈与の活用: 年間110万円までの基礎控除を利用した生前贈与を計画的に行うことで、将来の相続財産を減らすことができます。
家の評価を下げる工夫: 古い家屋はそのままにして土地だけを評価する「自用地評価」が適用されることがあります。建物が古く価値が低い場合、あえてリフォームせずに残しておくという選択肢もあります。
空き家の有効活用: 空き家をそのまま放置せず、賃貸や他の用途に活用することで、「小規模住宅用地の特例」を継続して適用できる可能性があります。
専門家への相談ポイント
実家の相続問題は複雑なため、以下の専門家への相談を検討しましょう:
税理士: 相続税の計算や申告、各種特例の適用可否、税金対策のアドバイスを受けられます。
弁護士: 相続人間のトラブル解決、遺産分割協議のサポート、法的なアドバイスが必要な場合に相談しましょう。
不動産鑑定士: 実家の適正な評価額を知りたい場合に依頼します。
ファイナンシャルプランナー: 家計全体を見据えた相続対策のアドバイスを受けられます。
専門家に相談する際のポイントは:
- 早めの相談: 相続が発生してからでは選択肢が限られます。親御さんが元気なうちから対策を始めるのが理想的です。
- 複数の専門家の意見を聞く: 専門家によって得意分野や見解が異なることがあります。複数の意見を比較検討することで、より良い判断ができます。
- 具体的な数字やシミュレーションを示してもらう: 曖昧なアドバイスではなく、具体的な試算やシミュレーションに基づく提案を求めましょう。
- 定期的な見直し: 法改正や家族状況の変化に応じて、定期的に対策を見直すことが重要です。
例えば、東京都在住の40代夫婦は、地方にある実家の相続対策として、税理士とファイナンシャルプランナーに相談し、「実家を賃貸に出す」「親の生前に一部を贈与してもらう」「空き家特例を視野に入れた売却計画を立てる」という3段階の対策を実行。結果的に相続税を約300万円軽減することができました。
相続対策は早めに始めるほど選択肢が広がります。特に実家を子どもが住まない予定の場合は、将来を見据えた計画的な対応が重要です。不安や疑問があれば、ためらわずに専門家に相談することをおすすめします。
まとめ:後悔しない実家相続のためのステップ
実家の相続問題、特に子どもが住む予定がないケースでは、早めの対策と計画的な対応が何より重要です。この記事でご紹介した内容を踏まえて、実家相続に関する対策のステップをまとめます。
STEP1:家族での話し合い
まずは家族全員で、実家の将来について話し合いましょう。親御さんの意向を尊重しながらも、現実的な選択肢を一緒に考えることが大切です。特に兄弟姉妹がいる場合は、将来のトラブルを防ぐためにも、早い段階からオープンな話し合いを持ちましょう。
STEP2:実家の状況と価値の把握
実家の現在の状態、市場価値、維持費用などを客観的に把握します。必要に応じて不動産会社に相談したり、不動産鑑定士に評価を依頼したりするのも良いでしょう。
STEP3:選択肢の比較検討
この記事で紹介した選択肢(売却、賃貸、セカンドハウス、解体など)について、あなたの状況に照らし合わせて比較検討します。それぞれのメリット・デメリットを整理し、家族の将来設計に最も合う選択肢を見極めましょう。
STEP4:専門家への相談
税理士、弁護士、ファイナンシャルプランナーなど、専門家のアドバイスを積極的に求めましょう。特に税金面での対策は、専門家の助言が不可欠です。
STEP5:計画的な実行
決めた方針に基づいて、計画的に実行に移します。特に売却を検討する場合は、空き家の特別控除などの期限を意識して、タイミングを逃さないように注意しましょう。
STEP6:定期的な見直し
一度決めた方針も、家族の状況変化や法改正によって見直す必要が出てくることがあります。定期的に計画を見直し、必要に応じて軌道修正することも大切です。
実家の相続問題は、経済的な側面だけでなく、感情的な側面も大きく影響します。「親の思い出が詰まった家」という感情と、「現実的な選択」のバランスを取ることが難しい場面もあるでしょう。しかし、早めの対策と家族での十分な話し合いがあれば、後悔のない選択ができるはずです。
マイホーム計画中の皆さんにとって、「自分たちの新居」と「親の実家」の両方を考えることは大変かもしれません。しかし、今から少しずつ準備を始めることで、将来の負担を大きく軽減できます。この記事が、あなたの実家相続問題の解決の一助となれば幸いです。
最後に、実家相続の問題は一家庭ごとに状況が異なります。この記事で紹介した一般的なアドバイスを参考にしつつも、最終的には専門家に相談の上、あなたの家庭に最適な選択をすることをおすすめします。

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