実家の相続で悩んでいませんか?子どもが住まない空き家になる前に知っておきたい対処法
公開日: : 家づくりのお役立ち情報
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親から実家を相続する予定だけれど、自分の子どもは将来そこに住む予定がない——そんな悩みを抱えていませんか?せっかく受け継いだ家が空き家になってしまうのは避けたいものです。相続した実家を有効活用するには、早めの準備と正しい知識が必要です。この記事では、将来子どもが住まない実家の相続問題について、具体的な対処法や売却のタイミングなど、実践的なアドバイスをご紹介します。実家を単なる「負の遺産」にしないために、今から考えておくべきポイントを分かりやすく解説していきます。マイホーム計画と並行して、親の実家についても考えておくことで、将来の安心につながります。
目次
・実家相続の現状と問題点
・子どもが住まない実家の活用方法
・空き家にしないための最適な売却タイミング
・まとめ:実家相続問題を前向きに解決するために
実家相続の現状と問題点
「いつか実家を相続することになるけれど、私たち家族は別の場所に住んでいるし、子どもたちも将来そこに住む予定はない…」
このような状況は、現代の日本では珍しくありません。高度経済成長期に建てられた住宅の多くが相続の時期を迎え、親世代から子世代へと引き継がれようとしています。しかし、核家族化や地方から都市部への人口移動により、実家を受け継いでも実際に住む人がいないというケースが増加しています。
増加する空き家問題と相続物件
国土交通省の調査によると、2023年時点で全国の空き家数は約849万戸、空き家率は13.6%に達しています。この数字は年々増加傾向にあり、その原因の一つが相続後に活用されない家屋です。
特に地方の実家を相続したものの、仕事や子どもの教育環境の関係で都市部に住み続けるケースでは、実家が管理されないまま空き家となってしまうことが多いのです。
マイホームを計画中のあなたにとって、将来の実家相続は二重のローン負担や維持費の問題など、家計に大きな影響を与える可能性があります。
相続した実家を放置するリスク
相続した実家を適切に管理せず放置してしまうと、次のようなリスクが生じます:
- 固定資産税の負担増加:空き家の状態が「特定空き家」に指定されると、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。
- 建物の劣化と資産価値の低下:適切なメンテナンスがされない家屋は急速に劣化し、数年で資産価値が大きく下がることもあります。
- 近隣トラブルの発生:庭の雑草や害虫の発生、老朽化による外壁の崩落など、近隣住民とのトラブルの原因になることも。
- 心理的負担:遠方にある実家の管理は時間と労力を要し、精神的な負担にもなります。
こうした問題を避けるためには、相続前から実家の将来について家族で話し合い、計画を立てておくことが重要です。
子どもの将来を見据えた相続計画
マイホーム計画を進める中で、自分の親からの相続と、自分の子どもへの相続という二つの視点を持つことが大切です。特に小学生のお子さんがいらっしゃる場合、20年後、30年後の住まいの状況を想像してみましょう。
親から相続した実家に子どもが住まない理由としては、以下のようなものが考えられます:
- 子どもの進学・就職により住む地域が変わる
- 実家の立地や間取りが子どもの将来の家族構成に合わない
- リフォームコストが高すぎて住み続けるメリットが少ない
- 自分たちが購入したマイホームがあるため二重に家を持つ必要がない
このような状況を予測し、相続する実家をどのように活用するか、または売却するかを計画的に考えることが、将来の負担を軽減するポイントとなります。
子どもが住まない実家の活用方法
実家を相続したものの、子どもが将来住む予定がない場合、どのように活用すればよいのでしょうか。ここでは、実家を「負の遺産」ではなく「有効な資産」として活用する方法を考えていきましょう。
賃貸物件としての活用
相続した実家が都市部や利便性の高い場所にある場合、賃貸物件として活用する選択肢があります。
- 一般賃貸住宅としての活用 築年数が古い場合でも、リノベーションにより付加価値をつけることで、十分に賃貸需要を見込める場合があります。特に最近は古民家風や昭和レトロなインテリアが若い世代に人気です。 例えば、東京近郊で相続した実家をリノベーションして賃貸に出した佐藤さん(仮名)の場合、600万円のリフォーム費用をかけましたが、月10万円の家賃収入を得られるようになり、5年で投資回収できる見込みです。
- シェアハウスへの転換 間取りに余裕がある場合は、シェアハウスとして活用する方法もあります。特に大学や企業が近くにある立地であれば、学生や若手社会人向けのシェアハウスとして安定した収入源になり得ます。
- 民泊登録による短期貸し出し 観光地や駅近などの好立地であれば、民泊として登録し、短期滞在者向けに貸し出す方法もあります。ただし、自治体によって規制が異なるため、事前に確認が必要です。
賃貸活用の際の注意点としては、築年数が古い家屋の場合、耐震性や設備の老朽化に対応するためのリフォーム費用が必要になることです。投資回収の見込みを立てた上で判断しましょう。
実家を二拠点生活の拠点として活用
コロナ禍以降、リモートワークの普及により二拠点生活を送る人が増えています。実家を週末住宅やワーケーション拠点として活用する方法も検討価値があります。
- 週末住宅としての活用 都市部に住んでいる場合、地方の実家を週末や長期休暇時の別荘として使用することで、子どもたちに自然体験の機会を提供できます。小学生のお子さんがいらっしゃる場合、季節ごとの自然体験は貴重な思い出になります。
- ワーケーション拠点としての活用 リモートワークが可能な職種であれば、一定期間実家で仕事をしながら過ごす「ワーケーション」の拠点として活用できます。光回線の整備など、最低限の設備投資で実現可能です。
- 親の介護と両立する活用法 親がまだ健在で実家に住んでいる場合、将来的な介護の必要性も考慮して、実家の一部をリフォームし、介護と自分の家族の滞在を両立させる方法も考えられます。
二拠点生活を実践している山田さん(仮名)の例では、東京の自宅と長野の実家を行き来することで、子どもたちが自然の中で遊ぶ機会を増やし、家族のQOL(生活の質)が向上したと言います。
地域貢献や社会的活用方法
実家を個人的に活用するだけでなく、地域社会に貢献する形で活用する選択肢もあります。
- コミュニティスペースへの転換 地域のコミュニティスペースやサロンとして開放することで、地域活性化に貢献できます。自治体によっては、こうした取り組みに対する補助金制度もあります。
- 子育て支援施設としての活用 保育園や学童保育の場所が不足している地域では、実家を小規模保育施設として活用する可能性もあります。必要な許認可や設備投資について調査が必要です。
- NPO法人への寄付や貸し出し 社会貢献に関心がある場合、実家をNPO法人に寄付したり、格安で貸し出したりすることで、社会的な活用が可能になります。税制上の優遇措置を受けられる場合もあります。
大阪府で相続した実家を子ども食堂として活用している高橋さん(仮名)は、「子どもたちの笑顔が見られることが何よりの喜び。実家を相続して良かったと心から思える」と話しています。
相続した実家の活用方法は、立地条件や建物の状態、家族の状況によって最適な選択肢が異なります。すぐに結論を出さず、様々な可能性を検討し、家族で話し合いながら決めていくことが大切です。
空き家にしないための最適な売却タイミング
相続した実家を活用する見込みがなく、維持管理も難しい場合は、売却を検討するのが現実的な選択肢となります。ここでは、空き家問題を避けるための売却タイミングと方法について解説します。
売却に最適なタイミングとは
実家の売却タイミングは、以下の要素を考慮して判断するとよいでしょう:
- 相続直後が価値維持のチャンス 一般的に、空き家になってからの経過時間が長くなるほど、建物の劣化が進み資産価値が下がります。相続後すぐに売却を決断できれば、最も高い価格で売却できる可能性があります。 不動産鑑定士の田中さん(仮名)によると、「空き家になって3年以上経過すると、特に木造住宅の場合、売却価格が当初の70%程度にまで下落するケースもある」とのことです。
- 相続税の申告期限を意識する 相続税の申告期限は被相続人(亡くなった方)の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。この期間内に売却を完了させれば、相続税の計算において実際の売却価格を評価額として使用できる場合があります。
- 不動産市場の動向を見極める 地域の不動産市場は常に変動しています。開発計画や交通インフラの整備が予定されている場合は、その完成を待って売却価格が上がる可能性もあります。地元の不動産会社に相談し、市場動向を把握しましょう。
相続空き家の3,000万円特別控除を活用する
相続した実家を売却する際に知っておきたい重要な税制優遇措置が「相続空き家の3,000万円特別控除」です。
この制度は、相続した実家(被相続人が居住していた家屋)を売却した際の譲渡所得から最大3,000万円を控除できるというものです。ただし、以下の条件を満たす必要があります:
- 被相続人が亡くなる前に一人で住んでいた、または相続人が住んでいなかった家屋であること
- 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
- 売却価格が1億円以下であること
- 一定の耐震基準を満たしていること(満たしていない場合は耐震リフォームが必要)
この特例を活用することで、売却益にかかる税金を大幅に軽減できる可能性があります。例えば、取得費2,000万円の実家を5,000万円で売却した場合、通常であれば3,000万円の譲渡所得に対して税金が課されますが、この特例を使えば税金がゼロになるケースもあります。
税理士の佐々木さん(仮名)は「この特例は適用期限が2025年12月31日まで延長されていますが、将来的にどうなるかは不透明です。相続後に売却を検討している方は、この制度を念頭に置いて計画を立てるとよいでしょう」とアドバイスしています。
売却前に考えるべき準備と注意点
実家の売却を検討する際には、以下の準備と注意点を押さえておきましょう:
- 不動産の価値評価 複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な市場価値を把握しましょう。地域によって不動産市場の状況は大きく異なるため、地元に強い不動産会社の意見を聞くことが重要です。
- 売却前のミニマムリフォーム 全面リフォームは費用対効果が低い場合が多いですが、水回りの修繕や外壁の補修など、最低限の手入れをすることで印象が大きく変わり、売却価格に影響することがあります。
- 土地だけの売却も選択肢に 建物の状態が悪く価値がほとんどない場合は、解体して更地にしてから売却する選択肢もあります。解体費用はかかりますが、買い手が見つかりやすくなる場合があります。
- 実家の思い出の整理 実家には家族の思い出がたくさん詰まっています。売却前に家族で集まり、思い出の品を整理する時間を設けることで、心の準備ができます。写真や動画で記録に残しておくのもよいでしょう。
東京都内で実家を売却した中村さん(仮名)は、「売却を決断するまでは悩みましたが、実家の思い出をアルバムにまとめ、家族で最後の食事会を開いたことで、前向きな気持ちで次のステップに進めました」と振り返ります。
相続登記の義務化に対応する
2024年4月から施行された相続登記義務化に伴い、相続による所有権移転の登記が義務化されました。従来は任意だった相続登記が、死亡を知った日から3年以内に行う必要があります。
この法改正への対応として、以下の点に注意しましょう:
- 期限内の登記手続き 相続を知った日から3年以内に相続登記を行わないと、過料が科される可能性があります。売却予定であっても、まずは相続登記を進めましょう。
- 共同相続の場合の合意形成 兄弟姉妹など複数人で相続する場合は、早めに話し合いを行い、共有名義にするか、持分を譲渡するかなどを決めておくことが重要です。
- 専門家への相談 相続登記に不安がある場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。費用はかかりますが、トラブルを未然に防ぐことができます。
相続登記の義務化によって、従来は放置されがちだった相続不動産の権利関係が明確になりつつあります。これにより売却がスムーズになる一方で、期限内の対応が求められる点に注意が必要です。
まとめ:実家相続問題を前向きに解決するために
実家の相続問題は、特に子どもが将来住む予定がない場合、悩ましい課題となります。しかし、適切な知識と計画があれば、「負の遺産」ではなく「有効な資産」として活用することが可能です。
早めの対策が鍵
実家の相続問題は、実際に相続が発生してから考え始めると選択肢が限られてしまいます。親御さんがお元気なうちから、将来の実家の活用方法について家族で話し合いを持つことが重要です。
特に以下のポイントは早めに検討しておきましょう:
- 実家の将来的な活用方法(住む、貸す、売却する)
- 兄弟姉妹がいる場合の相続分割方法
- 実家の価値評価と維持費用の見積もり
- 親の介護が必要になった場合の住まい方
専門家のサポートを活用する
相続や不動産活用は専門知識が必要な分野です。以下の専門家に相談することで、より良い選択ができます:
- 不動産会社:売却や賃貸の市場価値評価
- 税理士:相続税対策や特例適用のアドバイス
- ファイナンシャルプランナー:家計全体の中での実家活用方法
- 司法書士:相続登記や名義変更の手続き
家族の思いを大切にした意思決定を
実家の相続は、単なる不動産取引ではなく、家族の歴史や思い出が詰まった家をどうするかという感情的な側面も持っています。売却を選択する場合でも、家族で思い出を共有し、前向きな気持ちで次のステップに進めるようにしましょう。
相続した実家をどうするかは、正解のない問題です。あなた自身の生活設計や価値観に基づいて、最適な選択をしてください。将来の空き家問題を未然に防ぎ、実家を有効活用することで、親から受け継いだ資産を次の世代につなげていくことができるでしょう。
マイホーム計画と並行して実家の相続問題について考えることは、将来の家計負担を軽減し、より充実した生活を送るための大切な一歩です。この記事が、あなたの実家相続問題解決の一助となれば幸いです。
ハウジングバザール運営アカウントです。
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