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強い企業文化を作る!工務店の成長を支える土台

公開日: : 工務店 経営

日本全国の工務店が直面している課題は多岐にわたります。厳しい受注競争、職人不足、コスト上昇、そして顧客の多様化するニーズ。そのなかで、業績が頭打ちになり「経営改善をしたいが、何から始めればよいかわからない」と悩む工務店経営者も多いのではないでしょうか。実は、事業の伸び悩みや現場の混乱は、「企業文化」の未成熟さが根本原因となっているケースが少なくありません。
本記事では、工務店経営の現場で本当に使える「経営改善✕企業文化」の実践ノウハウを徹底解説します。具体的な手順、失敗しないポイント、よくある悩みに対するプロの解答を丁寧にご紹介。明日から取り入れられるアクションプランを示し、経営者の皆様が抱える「どうしたら組織の雰囲気が良くなる?」「現場を動かす文化づくりは?」「成果が出る改善とは?」という疑問に、現場目線でお応えします。この記事を読み終える頃には、“本質的な経営改善” の第一歩を力強く踏み出せるはずです。

企業文化の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

経営改善のために「企業文化を整える」ことが重要だとわかっていても、実際にどう着手すればよいのか悩む経営者は多いはずです。ここでは、工務店における企業文化の意味を改めて押さえつつ、現場で実践できる導入手順を具体的に示します。

1. 経営者自ら「文化」を定義し、言語化する

まず必要なのは、経営者自身が自社の「あるべき文化」像を言語化することです。営業方針、現場で大事にしたい価値観、チームで目指す姿を誰でも説明できるほど明確にしましょう。

  • 例:「お客様の安心安全が最優先」「全員が現場改善を提案できる職場」など
  • 社是・経営理念に企業文化を盛り込む

2. スモールステップで共感を広げる

一度に組織全体へ浸透させるのは非現実的です。中核となる数名のリーダーや現場チーフと小さな“文化プロジェクト”を始め、成功体験を積み重ねていきます。

  • 月一回の理念共有ミーティングを開催
  • 現場の声をもとに行動指針を作成
  • 「うちの強み」を1日1つ話し合う小集団活動

3. 現場主導の仕組みで文化を「見える化」する

どんなに経営者が発信しても、現場のスタッフに定着しなければ企業文化にはなりません。現場の意見を反映しつつ、全員が「うちの文化はこれだ」と共有できる仕組みづくりが経営改善のカギです。

  • 社員が事例を紹介し合う掲示板や社内SNS
  • 「らしさ」の体現者を表彰する仕組み
  • 経営者の現場同行や対話の回数増加

4. 既存制度・評価に文化を直結させる

給与、昇給、表彰、評価項目などの人事制度を企業文化と直結させることで、「これが経営改善の方向性だ」と社内に強く根付かせることができます。形だけで終わらせず、実質と一貫させることがポイントです。

  • 文化に沿った行動・提案を評価制度に組み込む
  • 現場リーダーからのフィードバックを重視
  • 表彰内容に経営理念や文化と結びつくキーワードを盛り込む

5. トップダウンとボトムアップの両立

経営者主導(トップダウン)で旗を振りつつも、現場スタッフが主体的に意見を言い合える(ボトムアップ)環境を用意しましょう。このバランスが崩れると「押し付け」「形骸化」になってしまいます。

6. 「言いっぱなし」「やりっぱなし」を防ぐ振り返りの仕組み

経営改善は「やりっぱなし」では継続しません。定期的に振り返りの場をもち、文化の定着度や課題を可視化することが継続のポイントです。

  • 四半期ごとの現場ミーティングでテーマを置く
  • アンケートや1on1面談を通じて本音を集める
  • 「出来ていること・変化したこと」の見える化

工務店における導入時の注意点

・全社員が同じスピードで馴染めるわけではありません。個人差を認めつつ、諦めずに発信し続けることが大切です。
・「昔ながらのやり方」との対立がある場合、意見の対立ではなく「お互いの良さ」を引き出す対話を意識してください。
・中途入社メンバーや若手職人の声も積極的に吸い上げましょう。

経営改善×企業文化:成果を最大化する具体的な取り組み

「企業文化を育てると本当に経営改善に繋がるのか?」。ここからは、現場の成果と直結する具体策と、よくあるQ&A(疑問)にお応えする形でご紹介します。

1. 現場業務を「文化目線」で再点検する

経営改善を目指すなら、日々の現場業務自体を企業文化の観点で見直しましょう。例えば「報告・連絡・相談」がなぜ弱いのかといった根本原因も、文化の視点で整理することで改善の糸口が見えてきます。

  • 朝礼・終礼で「良い行動事例」の共有
  • クレーム発生時の共有フローを見直し、隠さず相談できる雰囲気に
  • 道具や備品の扱いにも「大切に敬意を持つ」という文化を明示

2. サービス品質の標準化と「らしさ」の体現

顧客対応や現場マナーも企業文化の体現そのものです。マニュアルを超えた“わが社らしさ”を言語化し、「誰がやっても同じ品質」を追求することは、リピート・紹介獲得につながる大きな経営改善策です。

  • 職人・現場監督ごとの対応差を無くす研修・OJT
  • 「らしさカード」や「笑顔ポイント」などを導入し、接客時の行動基準を明示
  • お客様アンケートのフィードバックを現場へ即座に反映

3. 人材採用・定着のための文化活用

採用活動や人材定着も経営改善の大きな柱です。企業文化を軸にした採用・育成を行うことで、ミスマッチを減らし“辞めにくい・慕われる職場”が実現します。

  • 求人広告や面接時に「自社の文化・価値観」を明確に伝える
  • 入社時オリエンテーションに文化紹介や体感ワークを導入
  • 内定時・入社後のメンター制度やサポート体制の徹底

4. チームワークと現場力の強化へステップアップ

複数現場、パートナー企業との連携が不可欠な工務店経営では、「現場のチームワーク向上」が経営改善の急所となります。チーム意識を醸成する文化的仕掛け作りが成功への近道です。

  • 週1回、施工管理と大工職による「クロストーク会議」
  • 「現場間ありがとうカード」など感謝を伝える仕組み
  • 繁忙期こそ助け合いを評価・表彰する仕掛け作り

5. よくある疑問Q&A

Q1:「うちのような家族経営・小規模でも文化導入は有効?」
はい。特に小規模組織ほど企業文化が直接業績に影響します。経営者と従業員の距離が近く、価値観の共有・現場での柔軟な試行がしやすいのが強みです。
Q2:スタッフが以前のやり方から変わりたがらない場合は?
まずは小さな成功体験と称賛を重ね、否定ではなく「一緒に良くする」対話の場づくりが効果的です。“なぜ変えるのか”をしっかり説明し、納得感を高めてください。
Q3:文化導入の失敗でよくあるパターンと注意点は?
トップの一方通行や、評価制度と連動しない「形だけの導入」で終わるケースです。“現場と経営者”双方から本音を引き出し、評価・制度にしっかり組み込むのが肝心です。
Q4:結果が出るまでの期間は?
早い場合で3~6ヶ月、小さな成果が出ることが多いです。本格的な定着・業績への効果は1~2年を見込み、焦らず継続することが成功のポイントです。

6. 現場のアイデアをすぐ制度へ反映する「高速改善サイクル」

今の時代、数年がかりの文化改革は現実的ではありません。特に工務店では、現場スタッフのアイデアを見える形で即時に反映できる「高速サイクル」を組むことが鍵となります。

  • 月次・週次で小さな提案を募集し、即トライアル&評価
  • 「試してダメでもOK」という挑戦歓迎の文化を打ち出す
  • 現場チーム主導の「実践→フィードバック→改善」の定着

経営改善を継続的に成功させるための「次の一手」

経営改善と企業文化は一過性で終わらせてはいけません。長期安定経営・競争力強化のため、着実な「定着」と「アップデート」を続けましょう。

1. 成果を定量・定性で計測する

改善サイクルで成果を出すには、主観に頼らず数字・ストーリーの両面で成果を捉えます。

  • 現場ごとの売上・粗利・クレーム件数などの主要KPIを定期計測
  • 従業員アンケート・面談を活用した「雰囲気・士気」の見える化
  • 施工ミス・事故件数やお客様満足度(アンケート点数)推移も分析対象

2. 新しい価値観や多様性の受容

住宅業界の変化や若手・女性・多国籍の人材増加など、多様性の活用が企業文化のレベルアップを促します。

  • 新入社員・外部パートナーの意見を積極的に組織に取り込む
  • 異文化・年代間の交流イベントを開催
  • 新資格取得・提案型現場改革の表彰などで新しい風を評価

3. 経営陣・現場リーダー層の定期研修/外部刺激の導入

定期的な外部講師招聘、他社事例紹介、リーダー研修などは「井の中の蛙」から脱する強力な手段です。

  • リーダー層向け「企業文化研修」の定期実施
  • 同業他社視察ツアーや外部講師のオンラインセミナー
  • 業界誌・SNSでの最新事例収集とシェア

4. デジタル・ITツールの活用で文化浸透を推進

忙しい現場でも活用しやすいITツール—例えば社内LINE、チャットワーク、簡易アプリなどを活用し、企業文化浸透の速度と幅を飛躍的に高めます。

  • 毎朝の「今日のひとこと」を社内グループで共有
  • 施工現場の好事例・改善事例を画像+コメント形式で配信
  • 社内SNSや協力業者交流グループで横断的に文化を拡散

5. 成功事例・失敗事例を素早く社内で共有

文化醸成の成功も失敗も、個人の中で留めず全体で共有し、失敗も笑って話せる雰囲気づくりが「次のレベル」を生みます。

  • 失敗が許容されることで挑戦や創造的改善が生まれやすい
  • 社内報・会議冒頭での「最近の学び」コーナーを定番化
  • 「また失敗したらどうしよう」から「やってみて次に活かす」文化へ

6. 社外への発信・ブランド力強化も欠かさず

社内に根付いた企業文化には、社外向けのブランディング効果も生まれます。地域への情報発信やSNS活用、OB施主会との連携を通じて、好循環のコミュニティを拡大しましょう。

  • 自社ホームページに「私たちの文化・価値観」ページを設置
  • SNSで日常の現場やスタッフの姿を魅力的に発信
  • 地域イベントや施主感謝祭を文化の“発表の場”にする

まとめ

工務店経営における経営改善の要諦は、“どれだけ現場に根ざした企業文化を育み、組織と人材に一貫したエネルギーと方向性を与えられるか”に尽きます。今回ご紹介した導入ステップ、現場密着の具体策、継続的な改善ポイントは、どれも今日から実践できるものばかりです。
改善活動は決して一夜にして完結するものではありませんが、小さな“成果”と“変化”を積み重ね、社員一人ひとりが「自分たちの会社をより良くしよう」と思える文化が定着すれば、営業力・生産性・定着率・顧客満足といった経営成果が自然と積み上がります。
困難な挑戦の連続に思えるかもしれませんが、「現場が輝けば会社も伸びる」。その信念を胸に、今日から一歩踏み出してください。持続的成長の土台は、皆さんの手の中にこそあります。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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