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社会貢献活動で工務店のブランドイメージUP

公開日: : 工務店 経営

建設業界を取り巻く環境は、人口減少や競争の激化、地域社会との関係性の変化、そして持続可能な事業運営への期待など、かつてないほど多様な課題に直面しています。工務店が安定した成長を目指すには、価格競争や技術力だけではなく、ブランディングや信頼獲得を軸に据えた経営戦略が欠かせません。その中でも今、社会貢献活動を自社の強みと捉え、積極的に取り組む経営戦略が注目を集めています。しかし、「具体的にどのように取り組めばブランディングや集客に繋がるのか」「日々の業務と両立できる現実的な方法は?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、経営戦略の根幹に社会貢献を取り込む意義や実践的なノウハウ、プロセス、そして継続的な成果を生み出すための工夫まで、工務店経営に即した詳細なアクションプランを具体的に解説します。「今すぐ始めたいが何から進めればいいか分からない」、「成果が出る取り組みのコツが知りたい」といったお悩みに本質的かつ実践的な回答をお届けします。

社会貢献の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店が目指すべき経営戦略の新たな軸が社会貢献活動です。しかし「CSR(企業の社会的責任)」という響きから、大手企業のためのものという印象を持たれがちですが、地域密着型の工務店ほど社会との接点が多く、即効性のあるブランド力向上が期待できます。ここでは、社会貢献活動を着実にスタートし、経営戦略へ発展させるためのステップを具体的に解説します。

1. 社会貢献を経営戦略に組み込む目的を定める

  • まず、工務店として「なぜ社会貢献を行うのか」を明確にしましょう。単なるイメージアップや慈善活動ではなく、自社の成長地域との共存、そして本業への波及効果を明確に意識することが大切です。例えば、従業員のモチベーション向上、新規顧客層の開拓、地域社会との信頼関係強化といった、具体的な経営目標に落とし込みます。

2. 地域課題や自社リソースを洗い出す

  • 経営戦略としての社会貢献を進めるには、地域課題の把握と自社の強みの明確化が欠かせません。自治会や行政、地域団体へのヒアリングや、スタッフから意見を集め、例えば「空き家問題」「高齢者の住環境整備」「防災・減災」などの課題と自社の建築技術や人材力とを結び付けましょう。

3. 具体的な社会貢献活動のメニューを作成する

  • できる活動を段階的にリストアップし、実践しやすいものから始めます。たとえば、以下のような活動が有効です。
    • 空き家リノベーション相談会の開催
    • 地域清掃や美化活動への協賛・参加
    • 高齢者への住まい点検・相談(無償または安価)
    • 災害時の仮設住宅建設や支援ボランティア参画
    • 地元学校への職業体験プログラム提供
    • 地域のイベントやお祭りへのブース出展

4. スモールスタートで経営への影響を検証する

  • はじめから大規模展開を目指さず、小規模で開始し、効果や負荷を検証できる仕組みを整えます。一度の実施ごとに「参加者の声」「地域の反応」「スタッフの負担感」などを細かくフィードバックし、次の活動や経営戦略の指針に活かしていきます。

5. 社会貢献活動の「成果」を見逃さず社内・外へ発信

  • 活動報告やビフォーアフターの写真、地域の方のコメントなどを自社ウェブサイトやSNS、プレスリリース等で積極的に発信します。他社や住民にも伝わる“客観的なエピソード”や“数字”を掲載するとより信頼感が高まります。この発信がブランディング強化と経営戦略の実効性を高める重要なカギとなります。

6. 継続的な体制づくりと評価制度を設計

  • 特定の担当者をおくだけでなく、経営陣・現場スタッフの“自発的な関わり”を促す仕組みを構築してください。たとえば「社会貢献活動に関与した従業員の評価制度」「月次での活動報告会の実施」など、経営戦略に直結する現場の熱意を組織的に醸成しましょう。

Q&A:社会貢献活動導入時のよくある疑問

  • Q: 社会貢献は本業の経営に負荷をかけませんか?
    A: スモールスタートで適切な仕組み化を図り、業務と無理なく両立できる内容から始めましょう。外部協力や業務分担、ボランティアスタッフ活用も一案です。
  • Q: 成果が見えにくいのでは?
    A: 定性(感謝の声など)・定量(参加人数やSNS反響など)両面で記録を行い、月次・四半期など区切りごとに成果レビューを行うことで、実感値を可視化しやすくなります。

経営戦略×社会貢献:成果を最大化する具体的な取り組み

社会貢献は工務店のブランドイメージUPに直結するだけでなく、従来のマーケティングとは異なり、地域からの信頼、顧客との絆、そして持続可能な事業運営の基盤となります。ここでは、今すぐ実践可能なアクションと、成果を最大化するための具体的な工夫、FAQについて詳しく解説します。

1. ターゲットを明確化し、共感を生む活動設計

  • 社会貢献活動の成果を事業価値へ最大限還元するには、「誰のどんな課題を解決するか」を明確に設定します。
    例えば、「子育て世帯の住まい準備支援」「独居高齢者住宅の安全点検」「若年層技能者への奨学支援(職業体験・インターンの受け入れなど)」など、地域ニーズに寄り添ったテーマを課題から深堀りすることが重要です。

2. 他企業・団体との連携によるスケールメリット獲得

  • 単独での活動は人手や費用の負担も大きくなります。自治体、地元企業、NPO、教育機関などとの連携は、社会貢献の幅を大きく広げ、活動自体の信頼性や認知度UPにも直結します。
    共同イベントや合同キャンペーン、共同広報の実施で、見落としがちな潜在顧客層にもアピールでき、経営戦略全体の拡張性も高まります。

3. 社会貢献と営業活動の「自然な連携」をデザイン

  • 社会貢献は直接的な営業行為とは性質が異なりますが、上手な連動によって集客・顧客獲得に寄与します。たとえば、活動に参加した方限定で「住まいの無料相談」「リフォームの特別割引」「施工事例見学会」などの案内を用意し、無理なく興味喚起を誘導します。
    営業色を前面に出さず、「関わった方への感謝」と「丁寧なアフターフォロー」の流れを徹底することで、好印象のまま商談へ繋げられます。

4. デジタル時代の情報発信力を強化

  • 社会貢献活動の成果を社外に発信するため、以下を意識しましょう。
    • 活動内容・実績の定期的なブログ、SNS、プレスリリース配信
    • 動画や写真で“臨場感”を伝える工夫
    • 地域コミュニティサイトやインフルエンサーとの連携
    • 自社WEBサイト内に「社会貢献活動」専用コーナー設置

    デジタル情報発信の回数と質が経営戦略上の認知・信頼獲得の速度を大きく左右します。

5. 参加型プログラムでスタッフと住民の満足度向上

  • 社会貢献への社員参加率が高まるほど、スタッフの帰属意識や顧客への説明力が向上し、職場の一体感も強まります。一方、地域住民の「一緒につくる」「一緒に学ぶ」機会は、パートナー企業や町内会など多方面に波及します。例えば、防災訓練やDIY教室、ワークショップ形式など、主体的参加が“ブランド体験”そのものになります。

6. 成果測定と改善サイクルの構築

  • 単発・やりっ放しの活動にならないよう、事前に「KPI(成果指標)」を決めておきます。たとえば「イベント参加人数」「WEBアクセス数」「問い合わせ件数」「従業員の活動参加率」「地域からの紹介数」など指標を活用し、毎月または四半期ごとに評価・フィードバック、必要なら活動内容や計画の修正を行い、経営戦略としての精度を高めていきましょう。

Q&A:実践を通じて生まれる疑問と解決策

  • Q: 実際にどれくらいの工数やコストが必要?
    A: 内容や規模により異なりますが、月に1回の小規模活動なら、2〜5人・半日〜1日程度、予算1〜10万円以内で十分な事例多数。外部から協賛やスタッフを募ることでコスト圧縮も可能です。
  • Q: 社会貢献に参加する従業員のやる気を引き出すには?
    A: 組織全体で意義を共有し、小さな活動でも成功事例・感謝の声を積極的に称える文化や社内表彰制度等が効果的です。自発的なアイデア出しや評価を取り入れることも重要です。
  • Q: 本業や組織文化との衝突を防ぐには?
    A: 業務負担や社内調整の懸念に対し、社会貢献によるイメージ・顧客増・採用力への還元等、具体的な経営メリットを可視化する説明を重ねることがポイントです。

経営戦略を継続的に成功させるための「次の一手」

一過性で終わってしまう社会貢献活動では、経営戦略としての価値は限定的です。継続する仕組みづくりと、時代や地域ニーズの変化に応じた進化が不可欠となります。ここでは、活動の定着・発展・競合優位性強化のための次の戦略的アクションを紹介します。

1. 社会貢献活動のPDCAサイクル化

  • 活動の計画(Plan)・実行(Do)・成果評価(Check)・改善(Act)を徹底し、社内外のフィードバックを積極活用しましょう。
    年次計画書の作成、活動評価会・共有会実施、KPIの更新、アクションプランの見直しなどを繰り返すことで、定着と成長を図ります。

2. 新規性・話題性のあるテーマへの定期チャレンジ

  • 社会貢献のテーマや手法がマンネリ化しないよう、トレンドや新しい地域課題に即応しましょう。
    例えば、SDGs、SDGs住宅教育、防災×IT、子育てDX、高齢者福祉関連など、時代のキーワードを取り入れることが、次世代顧客や地域メディアとも結びつきやすいきっかけになります。

3. 顧客との「新しい関係性」を継続設計する

  • 社会貢献活動を通じて出会った顧客・住民へのアフターフォロー(例えば季節ごとの宅配DM・感謝イベント優先招待・リピート相談窓口など)を充実させ、一度きりで終わらない長期的な関係づくりに投資しましょう。
    この一貫性あるケアが、既存顧客のリピート・紹介や、従業員のロイヤリティ向上、経営戦略としての「地域密着」の本当の実現につながります。

4. 次世代人材育成を経営戦略に組み込む

  • 社会貢献の一環で、地域学校や専門学校と連携した職業体験やインターン受け入れを継続し、ものづくりや建築業界の魅力を発信。働き手不足・高齢化といった課題対策に繋げることで、自社の人材確保にも大きく貢献します。

5. 地域外への波及と競合他社との差別化推進

  • 他の工務店や業種とも積極的にベストプラクティスを共有し、地域外でのセミナーや事例発表、SNSを活用した「共創」型の社会貢献活動も検討してください。
    この姿勢が業界内での新しい「地域リーダー」としてのポジションや、安定した中長期経営戦略の礎となります。

Q&A:経営改善や拡大に向けた実践的疑問

  • Q: 社会貢献による競合との差別化をどう図る?
    A: 独自性をもったテーマや方法、参加者の声や影響事例を積極発信し、他社との違いを明確打ち出しましょう。地域・行政からの推薦や共催証明も効果的です。
  • Q: 長期的な組織文化として定着するポイントは?
    A: 経営層が率先する姿勢と、「小さな成功体験の積み重ね」「フィードバックの可視化」、社内での称賛・表彰といった仕組みを徹底することです。
  • Q: 新しい分野や課題にも柔軟対応するには?
    A: 社会や地域動向を定期ウォッチし、現場スタッフの意見やアイデアをいつでも吸い上げられる組織体制(提案箱や定例ミーティング等)を用意しましょう。

まとめ

本記事で紹介した経営戦略の各ステップを通じて、社会貢献活動は工務店経営の持続的発展、ブランド力向上、そして地域社会との強い絆構築に直結します。まずは小さな一歩から着実に始め、目標と実績を可視化し、関係者やスタッフ、そして地域の声を尊重しながら取り組みを進化させてください。活動の継続と成長は、やがて自社の経営戦略に不可欠な核となり、「地域から選ばれる存在」「本業への好循環」を自然と生み出します。たった一つの具体的なアクションが、次々と新しい価値や出会いを生み、皆さんの工務店に明るい未来をもたらす──その確信とともに、新たな挑戦の一歩をぜひ今日から踏み出してください。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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