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クラウドで情報共有!工務店の業務効率を劇的に改善

公開日: : 工務店 経営

工務店の現場で、「あの図面はどこ?」「最新の進捗は?」「本社とのやり取りが煩雑…」という声は少なくありません。こうした悩みの根本原因は、情報共有の仕組みが業務の複雑さやスピードに追いついていないことにあります。今、多くの建設業界で注目されているのが、クラウド活用による情報共有効率化です。正しいステップで導入し、日々の業務に組み込むことで、作業の抜け漏れや重複を防ぎ、現場と事務所のコミュニケーションミスを劇的に減らすことができます。この記事では、クラウド導入に不安を抱える方や、効率化に取り組みたいと考えている経営者・実務担当者に向けて、「明日から始められる実践的なアクション」と「失敗しないコツ」を具体的に解説します。現場の混乱をどのように解消できるのか、どのような手順で進めていくべきか…そうした疑問にお答えします。これを読めば、自社に最適なクラウド活用の進め方と、現場・事務所が一体となった情報共有効率化のポイントが明確になります。

情報共有効率化の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

クラウド活用を実現したいが、「どこから手を付けるべきかわからない」「現場に浸透するか不安」と感じている方は多いのではないでしょうか。ここでは、情報共有効率化を最大限活かすための導入ステップを、基礎から応用まで段階的に紹介します。

1. 現状業務と情報共有フローの棚卸し

まずは自社の情報の流れを把握しましょう。現場-事務所間、部門間、外部パートナーとのやり取りなど、「誰が」「どの情報」を「どうやって」共有しているのか、一度すべて書き出してください。ムダな手入力やメールの多重送信、ファックス等のアナログな工程が潜んでいないかもチェックが必要です。

2. 目的・課題の明確化と優先順位付け

クラウド活用の目的を明確にします。例えば、「現場写真のリアルタイム共有」「図面・契約書の最新化と一元管理」「お客様との進捗共有」など、具体的な場面を洗い出しましょう。同時に、現状のどこにボトルネックや課題があるかを整理し、優先順位を付けてください。

3. 最適なクラウドサービスの選定

建設業向けのクラウドサービスは、ファイル共有(Google Drive、Dropbox、OneDrive)、プロジェクト管理(Asana、Trello、Jooto)、工程管理・現場写真管理(ANDPAD、SPIDERPLUSなど)まで多様です。自社の課題・目的に合ったサービスを比較検討し、「試用(無料トライアル)」などで現場担当者の操作性も必ず確認しましょう。

4. 検証・小規模導入によるリスク低減

一気に全社本格導入せず、まずは1プロジェクトや1現場で小規模に始めて結果を見ます。現場のスタッフから実際にフィードバックをもらい、操作性や運用上の課題を洗い出します。トライアル導入で分かった点を全体展開前に必ず反映しましょう。

5. 着実な全社展開のステップ策定

検証結果を元に、マニュアルづくりや操作研修、FAQの整備など、すぐに使いこなせる体制を作ります。その後、部門や現場ごとに段階的に展開し、進捗を確認しながら全社に広げていくことが重要です。「形式だけ導入して使われない」のを防ぐためには、定期的な質問会、チャットでの質問窓口設置も有効です。

6. 運用体制・ルールの明確化

クラウド活用による情報共有効率化は「使い方」「ルール」が曖昧だと逆に混乱を生みます。ファイル名の付け方、投稿ルール、権限範囲、利用時間帯など、必ずガイドラインを用意し、定期的にアップデートをしてください。現場主導でルール形成することで現場の使いやすさも向上します。

7. 効果検証と振り返りの習慣化

定期的に、導入前との比較(作業時間短縮、ミス削減、社内からの問い合わせ件数など)や現場スタッフの感想を集め、現状の運用を見直しましょう。改善点や、新たなニーズが出てきたら、次のアクションに即反映できる体制作りがカギです。

ポイント

  • 「まずは現状把握」から始め、段階的に進めることで失敗リスクを最小化できます。
  • 現場と事務所、両方の業務フローに合ったサービス・ルール設計が最重要です。
  • 導入後も絶えず見直し・改善を続けましょう。

クラウド活用×情報共有効率化:成果を最大化する具体的な取り組み

「結局、何をどう変えれば現場の働き方が本当にラクになるのか?」にフォーカスし、工務店で即実践できる、クラウド活用による情報共有効率化のベストプラクティスを紹介します。合わせて、よくある疑問や課題への具体的なFAQも掲載します。

1. 図面・書類・現場写真の一元管理

契約書、図面、現場写真…従来はバラバラだったデータを、クラウド上の専用フォルダで一元管理します。具体的な進め方は、以下の通りです。

  1. 全現場・案件ごとに「プロジェクトフォルダ」を作成
  2. ファイルの命名規則を(例:「202406_工事名_図面」「202406_現場写真_日付」など)を明確化
  3. 全スタッフが「どこに」「何を」「いつ」保存・更新するかをルール化
  4. 必要に応じてフォルダごとにアクセス権限を設定(発注者・現場監督のみ、協力業者のみ、など)

一元管理することで、「最新版がどれか分からない」「過去の写真が消えた」などの問題が激減します。スマホやタブレットからも即アップロード・閲覧できるため、現場作業の効率が格段に上がります。

2. 進捗報告・連絡業務のチャット化

電話やメールでの連絡に比べ、クラウド型チャット(Chatwork、Slack、LINE WORKSなど)は、テンポよくやり取りでき情報の見逃しや漏れを防ぎます。以下のように設計しましょう。

  1. 案件ごと・現場ごとに専用チャットルームを作成
  2. 「写真報告」「工程変更」「緊急対応」など用途別のスレッドもわける
  3. 既読・未読、過去のやりとり履歴がすぐ追えるよう全員が定期チェック
  4. ルール:「電話→チャット確認→不明なら再度電話」など運用手順を策定

「ちょっとした確認を即座に」「聞き逃し・言い間違い防止」「タスクごとの進捗状況も可視化」でき、現場全員が状況を共有できます。

3. チェックリスト・タスク管理のクラウド運用

チェックリストやタスク表もクラウドで共有すると、「同じチェックを何人も重複してやる」「工程モレ」「担当者不在で工事が止まる」などのリスクを低減します。おすすめの具体的運用例は以下の通りです。

  1. プロジェクト単位・現場単位でタスク管理ツール(Trello、Jootoなど)を作成
  2. 工事分野・工程ごとにカードやToDoリスト化
  3. 作業が終わったら「完了マーク」「次工程担当への通知」を必ず実施
  4. 進捗会議も「実物のリスト」を投影しながら実施

これにより、タスクの「見える化」が進み、全員が常に最新の工程状況を把握できるようになります。

4. 顧客・協力業者との情報共有もクラウド化

自社スタッフだけでなく、発注者・施主、協力業者ともクラウドを活用した情報共有効率化を図りましょう。進め方の一例は

  1. 顧客向け進捗レポートや写真を、リンク一つで安全に共有(Google Driveの共有リンクや専用ビューア)
  2. 協力業者との書類や図面の受け渡しもクラウド経由でリアルタイム化
  3. やり取りの履歴を残すことで誤解やトラブルを未然に防止

お客様からの信頼向上にも直結し、問い合わせ・確認の手間も削減できます。

5. 情報セキュリティへの配慮

クラウド活用時は、必ず情報セキュリティにも配慮しなければなりません。以下の基本施策を実践してください。

  • スタッフ各自のアカウント・パスワードは個別で必ず管理(共通アカウント利用は避ける)
  • 退職者・異動者のアクセス権は速やかに削除
  • 権限設定は「最小限必要な人だけ」に厳格に運用
  • 毎月一度、アクセスログやファイルの不審な変更箇所も確認

上記を徹底することで、「情報漏洩が心配」という経営者の不安も大きく和らぎます。

よくある疑問FAQ

Q1. 現場がクラウド操作に慣れていない、抵抗が強い場合は?
A. 試用期間を長めに設け、慣れるまでマニュアルや動画研修を充実させましょう。操作が簡単なサービスからスタートさせれば、徐々に抵抗は減少します。必ず「現場の声」を積極的に取り入れてください。
Q2. 万が一サーバーやインターネット障害が発生した場合は?
A. 各サービスの障害対応体制やオフライン閲覧機能も事前に確認しましょう。重要資料は定期的にローカルバックアップしておくと安心です。
Q3. 導入コストが気になるが、費用対効果は?
A. 業務時間短縮による残業・人件費の削減、紙・郵送費削減、問い合わせ件数や再作業減少など、導入効果は非常に大きいものがあります。実績を定量的に評価しながら、費用対効果を見える化しましょう。
Q4. 個人情報や顧客データの安全性はどう担保する?
A. 国内・建設業向けのセキュリティ基準を満たすサービスを選定し、運用ルールで定期的なパスワード変更やアクセス権見直しも徹底してください。

クラウド活用を継続的に成功させるための「次の一手」

一度クラウド活用による情報共有効率化を達成しても、その効果を定着・拡大させ続けるためには「継続的な改善」と「応用」が不可欠です。ここでは次のステップとして、さらなる成果を引き出すヒントを提供します。

1. 現場フィードバックからの絶え間ない改善

クラウドサービスは進化し続けています。毎月1度、「使いにくい点」「追加してほしい機能」「運用ルールの不満」など現場のリアルな声を定期的に集め、都度運用を見直します。アンケートや定例ミーティング、匿名意見箱の設置も有効です。

2. 各種デジタルツールとの連携強化

クラウド活用の真骨頂は、他のデジタルツールと連携できる点です。たとえば:

  • 会計ソフト・見積書管理ツールとのデータ自動連携
  • 現場管理アプリと社内タスク管理ツールの統合
  • お客様への自動進捗レポート送信機能

これらを活用することで、さらなる省力化・見える化が進み、情報共有効率化の効果が最大化します。

3. データ活用による業務改善・経営戦略の高度化

クラウド活用で蓄積したデータ(作業時間、進捗状況、問い合わせ履歴など)を、月次分析や経営会議で活用しましょう。「ボトルネック現場はどこか」「業績アップにつながるパターン分析」など、定量的に業務改善や経営判断ができるようになります。

4. 継続的な教育と新入社員・協力業者研修

ITリテラシーは人それぞれ。全スタッフを対象に、定期の研修や「いつでも学べる動画マニュアル」を整備しましょう。新入社員や協力業者には導入タイミングで集中的にレクチャーする仕組みが不可欠です。「社内ITアンバサダー」役を置き、現場ごと相談役を明確にするのも有効です。

5. 定期的なKPI設定・効果測定で成果を見える化

情報共有効率化の成果を「体感」だけでなく、「見える化」することも重要です。

  • 作業時間や残業の減少量
  • ミス・再作業発生件数の前後比較
  • 現場⇔事務所の問い合わせ件数・回数
  • お客様からの満足度レビューの変化

定期的なKPIレポートを提出し、スタッフ・経営陣が成果を実感→更なるモチベーション向上につなげましょう。

クラウド活用の応用事例ピックアップ

  • 遠方現場へのリアルタイム進捗報告や、複数現場同時進行での効率化
  • 災害現場や緊急時の情報共有体制の構築
  • パート・外注スタッフへの限定的アクセスで、外部連携も安全に効率UP
  • eラーニングや社内勉強会をクラウド上で展開、ナレッジ共有・定着化

これらの応用を進めることで、単なる効率化だけでなく、自社ならではの強み・新しい顧客体験創出にも繋がっていきます。

まとめ

工務店がクラウド活用を基軸とした情報共有効率化に取り組むことで、日々の業務が「伝えたつもり」を一掃し、残業の削減や現場・事務所のストレス軽減、さらにはお客様満足度向上へと確実に繋がります。本記事で解説した導入手順や具体的なアクション(現状棚卸し、段階的な小規模導入、ルール設定、効果検証など)を一つずつ実践すれば、業務の抜本的な効率化はもちろん、デジタル化についていける組織風土も育ちます。よりよい現場づくり・人材定着・顧客から選ばれるブランド力強化のため、まずは「小さな一歩」から始めてください。実践による実感こそ、次なるチャレンジの原動力です。皆様の現場に、着実な変化と明るい未来が訪れることを心より応援しています。

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浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。 今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」 ※8月実施予定。 住宅サイトの運営もしています。 福島県 喜多方市出身 県立会津高校卒 市立高崎経済大学卒 著書: 頼みたくなる住宅営業になれる本 https://x.gd/oatiM SDGsに取り組もう 建築業界編 https://x.gd/MXYJr とっておきの見込み客発掘法 https://x.gd/001or 主な講演: 鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」 リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト) 育英西中学校 その他住宅FCなど 活動実績 2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア 2020~ 木ッズ絵画コンクール
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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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