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オンラインイベントを成功させるためのノウハウとツール

公開日: : 工務店 経営

工務店の経営者の皆様、日々の集客や差別化にお悩みではないでしょうか。競争が激化する現代において、お客様との接点を増やし、自社の魅力を効果的に伝える手段として、「イベント」は非常に有効な取り組みです。しかし、従来の対面型イベントだけでは、地理的な制約や参加者の時間的な都合により、リーチできる層に限界があります。また、準備にかかる手間やコストも少なくありません。

そこで注目されているのが、オンライン活用の可能性です。インターネットを通じて開催されるオンラインイベントは、これらの課題を解決し、新たな顧客層の開拓や効率的な情報発信を可能にします。しかし、「オンラインと聞くだけで苦手意識がある」「どんなツールを使えばいいのか分からない」「どうやって集客すれば参加してもらえるのか」といった疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

この記事は、そういった工務店経営者の皆様のために、オンラインイベントを成功させるための実践的なノウハウと具体的なツール活用法を分かりやすく解説します。オンラインイベントの基礎から、企画、準備、実施、そしてその後のフォローアップまで、一連の流れをステップ形式でご紹介します。この記事を読み終えることで、オンラインを活用した効果的なイベント開催のイメージが掴め、実際に最初の一歩を踏み出すための具体的なアクションプランが得られるでしょう。新しい集客チャネルを確立し、より多くのお客様と繋がり、事業を発展させるためのヒントを掴んでください。

オンラインイベントの「なぜ?」と「何を?」:基礎知識と目標設定

なぜ今、工務店がオンラインイベントに取り組むべきなのでしょうか。そして、一口にオンラインイベントと言っても、どのような種類があり、自社には何が適しているのでしょうか。このセクションでは、オンラインでイベントを開催する基本的な考え方と、成功に向けた土台作りについて掘り下げていきます。

今、工務店がオンラインイベントに取り組むべき理由

オンラインイベントに取り組むことは、工務店の事業成長において、いくつかの重要なメリットをもたらします。

  • 集客力の向上とターゲット層の拡大: 対面イベントは地理的な制約がありましたが、オンラインなら全国どこからでも参加可能です。これにより、今までリーチできなかった遠方の顧客や、忙しくて外出が難しい顧客層にもアプローチできます。特に地方の工務店にとっては、商圏を広げる大きなチャンスとなります。
  • コスト削減: 会場費、設営費、印刷物代、スタッフの交通費など、対面イベントにかかる諸経費を大幅に削減できます。これにより、イベント開催のハードルが下がり、より気軽に、より頻繁にイベントを実施することが可能になります。
  • 効率的な情報発信: 一度の配信で多数の参加者に同時に情報を届けることができます。また、イベントの録画をアーカイブとして公開すれば、後からでも情報にアクセスできるようになり、一度のイベントが継続的な資産となります。
  • データ取得と分析の容易さ: 参加者の登録情報、視聴時間、チャットでの質問など、オンラインイベントは様々なデータを取得しやすいという特性があります。これらのデータを分析することで、参加者の関心度やニーズを把握し、今後のマーケティング活動やイベント企画に活かすことができます。
  • 競合との差別化: まだオンラインイベントを積極的に活用していない工務店が多い中、いち早く取り組むことで、先進的なイメージを顧客に与え、競合との差別化を図ることができます。特に若い世代や情報収集に積極的な層へのアピールに繋がります。

これらの理由から、オンラインを活用してイベント開催することは、現代の工務店にとって避けて通れない重要な戦略と言えるでしょう。

どんな種類がある?工務店向けオンラインイベントのアイデア集

工務店がオンラインで実施できるイベントには、様々な形式があります。自社の強みや目的に合わせて、最適なイベント形式を選択することが重要です。</

  • オンライン相談会: 個別のお客様や家族と、ビデオ通話を使って家づくりに関する相談に応じます。じっくりと話を聞き、信頼関係を構築するのに最適です。気軽に質問できるため、対面よりもハードルが低いと感じるお客様もいます。
  • VR/オンライン内覧会: 建築済み物件やモデルハウスを、VR技術や高画質カメラを使ってオンライン上で見学できるようにします。遠方で見学に来られないお客様でも、まるで現地にいるかのような体験ができます。録画しておけば、いつでも好きな時に視聴できるアーカイブとしても活用できます。
  • 家づくりセミナー/勉強会: 住宅ローンの知識、土地選びのポイント、デザインのトレンド、耐震性や断熱性の重要性など、家づくりに関する役立つ情報をオンラインセミナー形式で提供します。参加者の疑問にリアルタイムで応える質疑応答の時間を設けることも重要です。講師を招くことも、社内の専門家が担当することも可能です。
  • 設計相談会/プラン提案会: お客様の敷地情報や要望を聞き、オンライン上でラフプランやデザインイメージを提示する会です。具体的な検討段階にある見込み顧客にピンポイントでアプローチできます。
  • 現場中継/構造見学会: 建築中の現場から、基礎や構造、断熱材の施工状況などをライブ中継します。完成してからでは見えなくなる部分を公開することで、品質へのこだわりや技術力をアピールできます。職人の声を紹介するのも良いでしょう。
  • OB様宅訪問イベント(オンライン中継): お客様の許可を得て、実際に建てた家にオンラインで訪問し、住み心地やこだわりなどをインタビュー形式で紹介します。お客様の生の声は、見込み顧客にとって非常に参考になります。
  • 地域の専門家連携イベント: 地域のファイナンシャルプランナーやインテリアコーディネーターと協力し、家づくりに関する総合的な知識を提供するイベントです。新たな顧客層へのリーチや、地域内でのネットワーク強化に繋がります。
  • オンラインワークショップ: DIY講座や住まいに関するお手入れ方法など、参加型のオンラインイベントです。共感や親近感を醸成しやすく、参加者の満足度を高めることができます。

これらのイベント形式を参考に、自社のターゲット層や伝えたいメッセージに合った最適なオンラインイベントを企画しましょう。

成功させるための大前提:目標設定の重要性

どのようなイベントを開催するにしても、成功のためには具体的な目標設定が不可欠です。「オンライン活用のイベントを開催する」という漠然とした考えではなく、「このイベントを通じて何を達成したいのか?」を明確にしましょう。

目標設定には、「KGI(重要目標達成指標)」と「KPI(重要業績評価指標)」を用いるのが効果的です。

  • KGI(最終的な目標): 例としては、「イベント参加者の中から○件の個別相談予約を獲得する」「イベント参加がきっかけで○件の契約に繋げる」「資料請求数を前月比○%増加させる」「ブランド認知度を向上させる(Webサイトアクセス数、SNSフォロワー数など)」といったものが考えられます。
  • KPI(中間目標): KGI達成のために追うべき途中段階の目標です。例えば、「イベント集客のためにWebサイトに○件の流入を目指す」「告知メールの開封率○%」「イベント申込者数○名」「イベント当日の参加率○%」「アンケート回答率○%」「イベント後のWebサイトへの再訪問率○%」などです。

これらの目標を具体的に数値化することで、イベントの成果を適切に評価でき、次回のイベントや他のマーケティング活動への改善点を見つけやすくなります。目標設定は、イベント企画の最初の段階で行うべき最も重要なステップです。

【Q&A】オンラインイベントは対面イベントより効果的?

「どちらが一方的に優れている」というよりは、「それぞれに強みがある」と理解するのが適切です。オンラインイベントは、リーチの広さ、コスト効率、開催の手軽さがメリットです。対面イベントは、五感を刺激する体験、熱量のある交流、その場での深い関係構築が強みです。工務店の場合、最終的には対面での打ち合わせや現場確認が不可欠になるケースが多いため、オンラインイベントを見込み顧客獲得や初期の情報提供の場とし、対面イベント(個別相談会や構造見学会など)を契約検討度の高い顧客との関係深化に使うなど、それぞれの特性を活かした使い分けや組み合わせが効果的です。オンライン活用は、あくまで対面活動を補完・強化し、全体的な集客・受注プロセスを効率化するツールとして捉えましょう。

失敗しない企画・準備・実施のステップ:ツール選定と集客戦略

目標設定ができたら、いよいよオンラインイベントの具体的な planning に移ります。ここでは、イベントの企画から、必要なツールの選定、そして効果的な集客方法、さらにはイベント当日の運営ノウハウまでを、実践的なステップ形式で解説します。

ステップ1:イベント内容の具体化と企画

目標に基づき、イベントの詳細を詰めていきます。

  • テーマとターゲット層の明確化: 「誰に(どんな見込み顧客に)、何を伝えたいのか?」を具体的に決めます。例:「30代子育て世帯向けの、耐震性を重視した賢い家づくりセミナー」「定年後を見据えた、平屋リノベーション個別相談会」など、テーマを絞ることで、響くターゲットに効果的にアプローチできます。
  • イベント形式の選択: セクション1で紹介したアイデアの中から、テーマとターゲットに最適な形式を選びます。セミナー形式か、個別相談形式か、見学会形式かなど、参加者にとって最も有益な方法を検討します。
  • 開催日時と時間の決定: ターゲット層の都合の良い時間帯を設定します。平日夜か、週末の午前中かなど、ターゲット像を具体的にイメージして決めましょう。オンラインイベントの場合、移動時間がかからないため、少し短い時間でも参加しやすい傾向があります。30分~1時間半程度が良いでしょう。
  • コンテンツの設計: イベント時間全体の中で、どのような内容を、どのような順番で提供するかを具体的に設計します。導入(挨拶、概要説明)、メインコンテンツ(セミナー、相談)、質疑応答、会社紹介、次のステップへの案内(個別相談予約、資料請求など)といった流れを組み立てます。飽きさせない工夫(双方向性、休憩など)も取り入れましょう。
  • 使用ツールの想定: どのようなツールを使えば、設計したコンテンツを最も効果的に提供できるかを考えます。ここで一旦ツールを想定しておくと、後のステップがスムーズに進みます。

この段階で、イベントの「骨子」をしっかりと作り上げることが重要です。企画が曖昧だと、その後の準備や集客、当日の運営全てに影響が出ます。

ステップ2:必須ツールの選定と比較

オンラインイベント開催には様々なツールが必要です。イベント形式や規模、予算に合わせて最適なツールを選びましょう。

  • Web会議ツール/ウェビナーツール:
    • Zoom: 最も有名で多機能。大人数対応のウェビナー機能もあり、画面共有、チャット、Q&A、録画など機能が豊富。有料プラン加入が一般的。操作に慣れている人が多いのも利点。
    • Google Meet: Googleアカウントがあれば手軽に利用可能。シンプルな操作性で、社内会議や小規模な個別相談会に適しています。G Suite(現Google Workspace)ユーザーであれば機能が拡張されます。
    • Microsoft Teams: Office 365(現Microsoft 365)ユーザー向け。ビジネス利用に適した機能が多いですが、外部ユーザーを招待してのイベント利用も可能です。
    • YouTube Live: 一方的な情報発信(セミナー、現場中継など)に向いています。多数の視聴者に同時に届けられますが、双方向性は低めです。無料で利用でき、アーカイブとして残しやすいのが強み。

    選定のポイント: 参加人数上限、利用料金、必要な機能(画面共有、チャット、Q&A、ブレイクアウトルーム、録画、共同ホストなど)、操作の容易さ、参加者のアカウント有無などを比較検討します。工務店のオンラインイベントの場合、個別相談会ならZoomやGoogle Meet、セミナーならZoomウェビナーやYouTube Liveなどが考えられます。

  • 告知・集客ツール:
    • 自社Webサイト: イベント告知ページを作成し、詳細情報、申込フォーム、最新情報などを集約します。
    • SNS(Facebook, Instagram, X(旧Twitter), LINEなど): イベント情報を発信し、興味を引くための視覚的な工夫(写真、動画)を取り入れます。ターゲット層が多く利用しているSNSを選びましょう。LINE公式アカウントでの告知や友だち限定イベントなども有効です。
    • メールマガジン: 既存の見込み顧客やOB顧客リストに向けて、イベント開催を告知します。パーソナルなメッセージを添えることで参加意欲を高められます。
    • イベント告知サイト(例: Peatix, connpassなど): 不特定多数の人にイベント情報を届けたい場合に有効です。検索エンジンからも見つけられやすくなります。
    • オンライン広告(リスティング広告、SNS広告など): ターゲット層に絞ってイベント告知を配信し、効率的に集客したい場合に検討します。
  • 申込管理ツール:
    • Googleフォーム: 無料で簡単に申込フォームを作成できます。回答はスプレッドシートに自動集計されるため管理が楽です。
    • イベント告知サイトの機能: Peatixなどのイベント告知サイトは、申込管理機能も備わっています。
    • CRM/SFAツール: 既存顧客管理システムと連携させることで、申込者を既存データと紐付けて管理・フォローアップしやすくなります。
  • その他ツール:
    • オンラインストレージ(Google Drive, Dropboxなど): 参加者へ配布する資料などを共有する場合に便利です。
    • アンケートツール(Googleフォーム, Typeform, SurveyMonkeyなど): イベント後のフィードバック収集に利用します。

これらのツールを効果的にオンライン活用することで、イベント運営の効率化と参加者満足度の向上を図ることができます。

ステップ3:効果的な集客戦略

どんなに素晴らしい企画でも、集客できなければ成功とは言えません。ターゲット層に合わせた効果的な集客戦略を実行しましょう。

  • 魅力的な告知ページの作成: イベントのタイトル、日時、内容、登壇者、参加メリット(このイベントに参加すると何が得られるか)を明確に記載した告知ページを自社Webサイトに作成します。スマートフォンでも見やすいデザインを心がけましょう。
  • 多角的なオンライン告知: Step2で選定した SNS、メールマガジン、イベント告知サイト、オンライン広告などを活用して、幅広いチャネルでイベントの開催を告知します。それぞれの媒体特性に合わせて、告知内容やクリエイティブ(画像、動画)を工夫しましょう。例えば、Instagramでは美しい写真や短い動画で関心を惹き、Facebookではより詳しい内容を投稿するなどです。
  • ターゲットに合わせたメッセージ: ただのお知らせではなく、「〇〇でお悩みのあなたへ」「こんな情報が欲しかったという方はぜひ」など、ターゲットの悩みや関心に寄り添った言葉で呼びかけます。
  • 早期申込特典やリマインダー: 早期申込割引を設けたり、イベント開催日が近づいたら申込者へリマインダーメールを送ったりすることで、申込促進や参加率向上につなげます。オンラインイベントの参加忘れは意外と多いため、直前のリマインダーは特に重要です。参加用URLを分かりやすく記載しましょう。
  • 提携先との連携: 地域の金融機関や不動産会社など、見込み顧客となりうる層と接点を持つ提携先にイベント告知への協力を依頼することも有効です。

集客はイベント成功の鍵を握ります。粘り強く、工夫を凝らしたオンライン活用による告知活動を展開しましょう。

ステップ4:参加率を高めるための準備

申込があったとしても、当日参加してもらえなければ意味がありません。参加率を高めるための準備は非常に重要です。

  • 参加者への丁寧な連絡: 申込受付メール、参加用URLの案内メール、前日のリマインダーメールなど、節目ごとに分かりやすく、必要な情報(参加方法、ツールの使い方の簡単な説明など)を記載したメールを送ります。
  • 使用ツールの事前案内: 使用するWeb会議ツールなどの使い方が分からない参加者もいる可能性があります。事前にツールのダウンロード方法や基本的な操作方法(ミュートの仕方、チャットの使い方など)をまとめた資料や動画を共有しておくと親切です。
  • 資料準備: イベント中に画面共有する資料(プレゼン資料、物件写真、VR内覧データなど)や、参加者がダウンロードできるようにする資料(パンフレット、チェックリストなど)を事前に準備・確認します。
  • 通信環境の確認: 主催者側、特に発表者は、安定した通信環境が必須です。有線LANの利用、高速回線の確認などを行いましょう。可能であれば、予備の回線やモバイルルーターも準備しておくと安心です。
  • 機材の確認: パソコン、カメラ、マイク、ヘッドセットなどの機材が正常に動作するか、事前にテストしておきます。クリアな音声はオンラインイベントにおいて非常に重要です。
  • リハーサルの実施: 特に複数のスタッフやゲストが関わる場合、本番と同じツールを使って必ずリハーサルを行います。画面共有のタイミング、音声・映像チェック、役割分担、質疑応答の流れなどをシミュレーションし、当日のトラブルを減らします。

徹底した事前準備が、イベント当日のスムーズな運営に繋がります。

ステップ5:イベント当日の運営ノウハウ

いよいよイベント当日です。準備した内容をしっかり実行し、参加者にとって有益で快適な時間を提供しましょう。

  • 早めの接続と参加者受け入れ: イベント開始時間の10分~15分前にはツールに接続し、参加者の入室を始めます。待機中にBGMを流したり、簡単な開催案内を表示したりするのも良いでしょう。
  • アイスブレイクと今日の流れ説明: 初めに簡単な自己紹介やアイスブレイクを行い、場の緊張を和らげます。今日のイベントの流れやツールの基本的な使い方(質問はチャットで、発表中はミュートに、など)を改めて説明します。
  • 分かりやすい進行: 声のトーン、話すスピード、画面共有の切り替えなどを意識し、参加者が内容を理解しやすいように進行します。一方的な説明だけでなく、チャットでの参加者への呼びかけや簡単な質問投げかけなど、双方向性を意識すると飽きさせずに済みます。
  • 質疑応答への丁寧な対応: 寄せられた質問には、可能な限りリアルタイムで丁寧に回答します。答えられない質問は、後日個別に回答する旨を伝えます。他の参加者にも役立つ情報は全体で共有すると良いでしょう。
  • トラブル対応: 音声が聞こえない、画面が見えないなどのトラブルが発生した場合、慌てず冷静に対応します。事前に想定されるトラブルとその対応方法をまとめておくと役立ちます。参加者全体に影響がある場合は、チャット等で状況説明を行い、復旧に努めます。
  • 次のステップへの案内: イベント終了後、「さらに詳しく知りたい方は個別相談会へどうぞ」「本日の資料はこちらからダウンロードできます」など、次の具体的なアクションへの動線を明確に案内します。申込フォームや資料ダウンロードページのURLを示しましょう。
  • 感謝の言葉: 参加してくれたことへの感謝を丁寧に伝え、イベントを締めくくります。

イベント当日も、オンライン活用ならではの緊張感がありますが、準備をしっかり行っていれば大丈夫です。落ち着いて、参加者とのコミュニケーションを楽しみましょう。

【Q&A】ITに自信がないのですが大丈夫?

はい、大丈夫です。まずは、Web会議ツールなど基本的なツールの使い方を覚えることから始めましょう。多くのツールは直感的な操作で利用できます。操作方法を解説した動画やマニュアルも豊富にあります。いきなり本格的なイベントではなく、まずは社内会議で使ってみる、知人と試験的に繋いでみるなど、小さなことから慣れていくのがおすすめです。技術的なサポートが必要な場合は、外部の専門家やサービスに補助を依頼することも検討できます。重要なのは、「やってみよう」という気持ちと、少しずつ慣れていくことです。

【Q&A】参加者が少ない場合は?

残念ながら参加者が少なくても、落ち込む必要はありません。オンラインイベントは録画して後日公開したり、資料を配布したりすることで、参加できなかった人にも情報を提供できます。また、少人数だからこそ、参加者一人ひとりとより深くコミュニケーションを取るチャンスと捉えましょう。イベント終了後、集客・告知のどの段階で躓いたのか(告知が届かなかったのか、内容に興味が湧かなかったのか、申込手続きが面倒だったのかなど)を分析し、次回のイベントや他の集客施策に活かすことが重要です。まずは一度開催してみることが、次の成功に繋がる第一歩です。

成果を最大化するフォローアップと改善:顧客育成と継続的な取り組み

オンラインイベントは開催して終わりではありません。イベントの成果を最大限に引き出し、次のビジネスチャンスに繋げるためには、イベント後のフォローアップと、継続的な改善活動が不可欠です。このセクションでは、イベント後の具体的な取り組みと、イベントを通じて得られる学びを次にどう活かすかについて解説します。

イベント後のフォローアップ戦略

イベント終了後、参加者への適切なフォローアップを行うことで、見込み顧客との関係性を深め、成約へと繋げる可能性を高めます。

  • お礼メールの送付: イベント参加から24時間以内を目安に、参加してくれたことへの感謝を伝えるお礼メールを送ります。メールには、本日の内容の簡単な要約、資料ダウンロードURL、イベント動画アーカイブへのリンク(もしあれば)、そして、次にとってほしいアクション(個別相談の予約、資料請求など)への明確な動線を記載します。
  • アンケートの実施: イベント満足度、内容の評価、今後興味のあるテーマ、個別相談の希望の有無などを尋ねるアンケートを実施します。率直な意見を収集することで、イベントの改善点や参加者の具体的なニーズを把握できます。回答してくれた参加者には、お礼や特典を設けるのも良いでしょう。
  • 個別相談への誘導: イベント中に興味を示したり、アンケートで個別相談を希望したりした参加者に対して、改めて個別相談の機会をご案内します。イベントで得た信頼関係を活かし、具体的な家づくりについての deeper な話へと進めます。オンラインでの個別相談から始めることも、参加者の負担を減らす上で有効なオンライン活用法です。
  • 見込み顧客リストへの追加と属性管理: イベント参加者を顧客リストに追加し、イベントへの参加履歴、アンケート回答内容、チャットでの質問内容などの情報を記録・管理します。これにより、その後のメール配信やアプローチをよりパーソナルに行えるようになります。CRMツールなどを活用すると効率的です。
  • 見込み顧客への継続的な情報提供: イベント後すぐに個別相談や契約に繋がらなくても、見込み顧客リストに対して、定期的に役立つ情報(ブログ記事、施工事例、他のイベント情報など)を提供することで、関係性を維持し、将来的な機会を伺います。
  • 動画アーカイブの公開: 多くのオンラインイベントツールには録画機能があります。イベントの録画を編集し、WebサイトやYouTubeなどで公開することで、イベントに参加できなかった人への情報提供や、見込み顧客が後から参考にできるコンテンツとして活用できます。

イベント後のフォローアップは、単なる「お礼」ではなく、顧客育成の重要なプロセスと捉えましょう。オンライン活用によって得られた繋がりを、次のステップへと着実に繋げることが重要です。

効果測定の方法:何を見るべきか?

イベントを成功させるためには、成果を正しく測定し、良かった点や改善点を見つけることが不可欠です。セクション1で設定した目標(KGI/KPI)に基づき、以下の指標などをチェックします。

  • 申込者数と参加者数: 告知活動がどれだけ効果的だったか、また、申込者がどれだけ実際に参加してくれたか(参加率)を知ることができます。参加率が低い場合は、リマインダーの頻度や方法、イベントへの参加方法の分かりやすさなどを改善する必要があるかもしれません。
  • アンケート回答数と満足度: イベント内容や運営に対する参加者の評価を具体的に把握できます。満足度が低い場合は、コンテンツ内容、説明の分かりやすさ、質疑応答への対応などに改善点がある可能性が高いです。
  • Webサイトへのアクセス数や特定のページの閲覧時間: イベント関連ページのアクセス数の増減、イベント後のWebサイト全体のアクセス状況、特定物件やサービスページの閲覧時間などから、イベントがWebサイトへの関心度向上にどれだけ貢献したかを ölçebiliriz。
  • 資料ダウンロード数: イベント関連資料や会社のパンフレットなどのダウンロード数から、参加者の興味・関心の度合いを測ることができます。
  • 個別相談への移行率: イベント参加者のうち、どれだけの人が個別相談に進んだかは、イベントが契約に近い見込み顧客獲得にどれだけ貢献したかを示す重要な指標です。
  • 実際のお問い合わせ数や契約数: 短期的には難しい場合もありますが、長期的にはオンラインイベントがどれだけ事業成果に繋がったかを測る最も重要な指標です。イベント参加者の属性情報を管理しておくと、追跡しやすくなります。

これらの指標を多角的に分析し、イベントの効果を正確に把握しましょう。

収集したデータを次にどう活かすか:改善点の洗い出し

イベントを成功で終わらせず、次の成功につなげるためには、効果測定で得られたデータを徹底的に分析し、改善点を見つけ出すことが重要です。

  • 企画段階の評価: ターゲット設定は適切だったか? テーマは魅力的だったか? 開催日時や時間は適切だったか?
  • 集客段階の評価: どの集客チャネル(SNS、メール、広告など)からの流入が効果的だったか? 特定の告知媒体での反応が悪かった箇所は? 告知メッセージは分かりやすかったか?
  • コンテンツ段階の評価: セミナー内容は参加者の期待に応えられたか? 説明は分かりやすかったか? 質疑応答は活発だったか? 飽きさせてしまう時間はなかったか? 時間配分は適切だったか?
  • 運営段階の評価: ツールの操作性に問題はなかったか? 通信トラブルは発生しなかったか? スタッフの対応は適切だったか?
  • フォローアップ段階の評価: お礼メールの開封率は? アンケート回答率は? 個別相談への移行率は?

これらの観点から、具体的な改善点を洗い出し、次回のイベント企画や他のマーケティング施策に反映させます。「〇〇が原因で参加率が低かった可能性があるから、次回は〇〇を改善しよう」「△△という内容への関心が高かったから、今後は△△に特化したイベントを企画しよう」といった具体的なネクストアクションを導き出します。小さくテストを繰り返し、改善を続けることが、オンラインイベントを成功させるための王道です。

継続的なイベント開催の重要性

一度オンラインイベントが成功したとしても、それで終わりではありません。継続的にイベントを開催することには、以下のような大きなメリットがあります。

  • 見込み顧客リストの継続的な拡大・強化: イベントを定期的に開催することで、常に新しい見込み顧客を獲得し続けることができます。また、過去の参加者に対して、さらに進化させた、あるいは関連性の高いイベントを案内することで、関係性を維持・深化させることができます。
  • スタッフの経験値向上: 回数を重ねるごとに、企画、準備、運営、フォローアップといった一連の作業にスタッフが慣れ、よりスムーズかつ質の高いイベント運営が可能になります。
  • ブランド認知度の向上: 「いつも役立つイベントを開催している工務店」という評判が広まり、地域内外でのブランド認知度が向上します。
  • 顧客ニーズの constante な把握: 定期的にイベントを開催し、参加者からの質問やアンケート結果を収集することで、市場や顧客ニーズの変化を constante に把握でき、提供するサービスや住宅プランの改善にも繋がります。

オンライン活用は、まさに継続的な「イベント」マーケティングを可能にする強力な手段です。計画を立て、定期的にオンラインイベントを実施し、そこから得られる学びを次に活かすpdcaサイクルを回していくことが、工務店の持続的な成長に繋がります。

【Q&A】イベント後の顧客育成はどうすれば?

イベント後の参加者は、多少なりとも貴社に興味を持った「見込み顧客」です。すぐに契約に繋がらなくても、ハウスメーカーを選ぶ検討期間は長いのが一般的です。まずは、お礼メールやアンケート回答への返信で丁寧な印象を残します。その後、定期的に価値ある情報(家づくりコラム、OB宅訪問レポート、完成見学会情報、資金計画のヒントなど)をメールマガジンやLINE公式アカウントを通じて発信します。重要なのは、「自社の商品・サービスを売り込む」だけでなく、「お客様の家づくりに役立つ情報を提供する」というスタンスです。これにより、お客様からの信頼を築き、「家を建てる・リフォームするならあの工務店に相談しよう」と思ってもらえる関係性を構築します。個別相談会の案内や、実際の現場やモデルハウスへの招待など、検討段階を進めるための具体的なステップへの誘導も忘れずに行いましょう。自動化ツール(MAツール)などを活用して、顧客の関心度に合わせて配信内容を変えるといった、より高度なオンライン活用も可能です。

【Q&A】オンラインイベントの費用対効果は?

オンラインイベントは、対面イベントに比べて会場費や設営費、人件費(交通費など)といった直接的なコストを大幅に削減できる可能性が高いです。必要なのは、ツールの利用料、インターネット回線費、そして企画・準備・運営にかかる人件費(社内スタッフの時間)です。成果を測る指標で挙げた、個別相談への移行数や最終的な契約数で得られる収益と比較することで、費用対効果を把握できます。例えば、ツールに月額数千~数万円、人件費がxx万円かかったとして、そこから○件の個別相談、○件の契約に繋がった、という具体的な数字で評価してみましょう。また、イベント録画を繰り返し活用できることや、遠方顧客にアプローチできる機会損失の削減といった、短期的な費用対効果だけではない長期的なメリットも考慮に入れることが重要です。適切な計画と実施、そして thorough なフォローアップを行うことで、オンラインイベントは非常に費用対効果の高い集客・顧客育成手段となり得ます。

まとめ

工務店経営において、集客と顧客獲得は konstante な課題です。従来の対面型イベントに加え、オンライン活用によるイベント開催は、この課題を解決し、事業成長を加速させる powerful な手段となります。この記事でご紹介したように、オンラインイベントには、リーチの拡大、コスト削減、効率的な情報発信、そしてデータ活用といった数多くのメリットがあります。オンライン相談会やVR内覧会、専門家セミナーなど、工務店ならではの多種多様なイベント形式が考えられ、自社の目的やターゲットに合わせて最適なものを選べます。

オンラインイベントを成功させるためには、まず明確な目標を設定し、「誰に、何を、どのように伝えるか」という企画の骨子を固めることが何よりも重要です。次に、ZoomやGoogle MeetといったWeb会議ツール、WebサイトやSNSなどの告知ツールを賢くオンライン活用し、効果的な集客戦略を実行します。イベント当日のスムーズな運営のためには thorough な事前準備とリハーサルが不可欠であり、当日は参加者との双方向コミュニケーションを意識して進行します。

イベントは開催して終わりではなく、その後のフォローアップが success の鍵を握ります。お礼メールやアンケートで参加者との繋がりを維持し、個別相談や継続的な情報提供へと繋げることで、見込み顧客を育成します。そして、イベントの効果測定を通じて得られたデータを次の企画や運営に活かし、改善を重ねていくpdcaサイクルを回すことが、継続的な成果を生み出す基盤となります。最初のオンラインイベントは手探りになるかもしれませんが、小さな規模から始めて経験を積むことが大切です。

オンラインイベントという新しい取り組みは、貴社のビジネスに新たな光をもたらし、これまで出会えなかったお客様との縁を結んでくれるはずです。ITスキルに自信がなくても、まずは「やってみる」こと、そして「どうすればもっと良くなるか」を考え続けることで、必ず道は開けます。ぜひこの記事を参考に、貴社ならではの魅力が輝くオンラインイベントを brave に企画・実行し、より多くのお客様との素晴らしい家づくりのご縁を掴み取ってください。オンライン活用を力強い味方につけて、工務店の明るい未来を切り拓きましょう。

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浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。 今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」 ※8月実施予定。 住宅サイトの運営もしています。 福島県 喜多方市出身 県立会津高校卒 市立高崎経済大学卒 著書: 頼みたくなる住宅営業になれる本 https://x.gd/oatiM SDGsに取り組もう 建築業界編 https://x.gd/MXYJr とっておきの見込み客発掘法 https://x.gd/001or 主な講演: 鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」 リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト) 育英西中学校 その他住宅FCなど 活動実績 2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア 2020~ 木ッズ絵画コンクール
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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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    代表理事の浄法寺が書いた住宅営業向けの本です。特にこれからの住宅営業向けに基本的な考え方と流れについて書いています。

  • 協会の著作

    代表理事の浄法寺が「SDGsをどうすれば建築業に活かせるか」を具体的な事例を取り入れながら書いた本になります。

  • 当協会監修の本です。工務店さんの集客に役立つアイデアがたくさん詰まってます!!

  • 僕たちが応援している【建築会社ができる社会貢献】のひとつのかたちです。

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