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後継者育成のポイント!工務店経営者がすべきこと

公開日: : 工務店 経営

工務店経営者の皆様、日々の業務、本当にお疲れ様です。地域社会の暮らしを支える責任を背負いながら、未来へと続く道を切り拓く。その中で、多くの経営者が直面する重いテーマが「事業承継」ではないでしょうか。「いつ、誰に、どのように事業を引き継ぐか?」という問いは、会社の未来、そして現役で働く従業員やその家族の生活をも左右する重要な決断です。

特に、後継者の育成は、単なる能力開発に留まらず、会社のDNAを受け継ぎ、新たな時代に適応させるための「命綱」とも言えます。しかし、「後継者教育って、具体的に何をすればいいの?」「忙しくて教育に時間を割けない」「果たして、今のやり方で本当に後継者は育つのか?」といった疑問や不安を抱えている方も少なくないでしょう。

この記事では、そうした皆様の具体的な疑問に寄り添い、長年の経験と知見に基づいた実践的な「後継者教育」と「事業承継」のステップを詳細に解説します。単なる理論だけでなく、工務店経営者がすぐに実行できる具体的なアクションプランと、成功のための秘訣を惜しみなく提供します。この記事を読み終える頃には、貴社の大切な事業を次の世代へと盤石に引き継ぐための明確なロードマップが描けるはずです。未来への投資として、ぜひ最後までお付き合いください。

後継者教育の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店の事業承継を成功させる上で、後継者教育は不可欠なプロセスです。しかし、「いつから」「何を」「どのように」教えるべきか、その全体像が見えにくいと感じる経営者の方も少なくありません。ここでは、後継者教育を効果的に進めるための基礎的な考え方から、実践的な導入戦略までを具体的に解説します。

なぜ今、工務店の後継者教育がこれほど重要なのか?

現代の工務店経営は、かつてないほど複雑化し、変化のスピードも増しています。少子高齢化による職人不足、BIMやAIなどの新技術の台頭、SDGsや環境規制への対応、そして資材価格の変動やウッドショックのようなサプライチェーンの課題。これら多様な変化に対応し、持続可能な経営を実現するためには、現経営者の経験と勘だけでは乗り越えられない壁があります。

後継者教育は、単に「仕事を教える」だけでなく、変化に柔軟に対応できる次世代のリーダーを育成し、会社の組織文化を継承しつつ、時代に合わせた進化を促すための重要な投資です。結果として、スムーズな事業承継を実現し、企業の価値をさらに高めることに繋がります。

具体的な後継者教育の導入ステップ

1. 後継者候補の特定と適性評価

まず最初に行うべきは、後継者として誰が最も適任であるかを見極めることです。多くの場合、お子様や親族が候補となりますが、社内の優秀な番頭や幹部社員、あるいはM&Aを視野に入れた外部からの登用も選択肢となり得ます。

  • 候補者の洗い出し: 複数候補がいる場合は、それぞれの強みと弱みを客観的に評価しましょう。
  • 経営者としての適性評価: 工務店の経営者には、リーダーシップ、決断力、コミュニケーション能力はもちろん、数字に強い会計能力、技術的な理解力、そして何よりも「人としての信頼性」が求められます。冷静な判断力と同時に、情熱を持って仕事に取り組めるかどうかも重要な要素です。
  • 評価基準の設定と透明性の確保: 感情に流されず公平な判断を行うため、あらかじめ評価項目を明確にし、候補者本人にもその基準を伝えることで、納得感のある後継者選定へと繋がります。場合によっては、外部の専門家(中小企業診断士など)に評価を依頼することも有効です。

2. 経営理念とビジョンの共有、そして再構築

後継者教育の核となるのは、単なる知識やスキルの伝達ではありません。会社の「魂」とも言える経営理念や、将来目指す姿としてのビジョンを深く共有することです。

  • 創業の精神と歴史を語り継ぐ: 会社がどのように生まれ、どのような困難を乗り越えてきたのか。なぜこの事業を続けているのか。現経営者が自身の言葉で語りかけることで、後継者は会社の根幹にある価値観を内面化できます。これは、事業承継期において社員や顧客に安心感を与えるためにも不可欠です。
  • 工務店の強みと弱みの棚卸し: 後継者と共に、貴社が市場でどのようなポジションにあり、どのような競争優位性を持っているのかを分析しましょう。弱みを認識し、改善策を考えることで、現実的なビジョン設定が可能になります。
  • 後継者自身によるビジョン形成の支援: 最終的に、後継者自身が未来の工務店の姿を描き、それを組織全体に浸透させる力が必要です。現経営者は、後継者が自由に発想できるような対話の機会を多く設け、時には伴走者として、時には壁打ち相手としてサポートしましょう。このプロセス自体が、後継者の経営者意識を育む重要な後継者教育の一環となります。

3. 段階的な権限移譲と責任範囲の拡大

机上の学習だけでなく、実務を通じて成長を促すことが、後継者教育では極めて重要です。

  • 「小さな成功体験」から始める: 最初は予算が小さくリスクの低いプロジェクトや、特定の業務(例:SNSでの情報発信、見積もり作成の一部)から任せ、成功体験を積ませましょう。
  • 多岐にわたる部門の経験: 現場監督としての施工管理、経理部門での資金繰り、営業部門での顧客対応、人事総務での労務管理など、工務店の幅広い業務を段階的に経験させることで、経営全体を見渡せる視野を養います。
  • 失敗を許容する文化: 失敗は学びの宝庫です。後継者が失敗を恐れず挑戦できる環境を整え、「なぜ失敗したのか」「どうすれば改善できるか」を共に考えることで、問題解決能力が飛躍的に向上します。現経営者は、安易な口出しや過干渉を避け、見守る姿勢を大切にしましょう。

4. 外部研修と専門家との連携

自社内での教育には限界があります。客観的な視点や最新の知識を取り入れるために、外部のリソースを積極的に活用しましょう。

  • 経営戦略・財務会計研修: 商工会議所や経営コンサルティング会社が提供する経営塾、リーダーシップ研修などに参加させることで、体系的な経営知識を習得させます。特に、工務店経営に特化したセミナーは有益です。
  • 法務・税務研修: 企業法務や税務に関する基礎知識はもちろん、昨今複雑化する事業承継税制に関する専門知識も習得させる必要があります。税理士や弁護士との定期的な面談を設定することも有効です。
  • 同業者交流会・異業種交流会への参加: 他の工務店経営者や異業種の経営者との交流を通じて、新たな視点や情報を得られるだけでなく、人脈を広げることは、将来の経営において大きな財産となります。
  • メンター制度の導入: 信頼できる外部の経営者や専門家をメンターとして迎え、後継者が気軽に相談できる環境を作ることも有効です。現経営者とは異なる視点からのアドバイスは、後継者の成長を大きく促します。

Q&A:後継者候補が複数いる場合、どのように選ぶべきですか?

A:透明性と公平性が鍵となります。まずは、それぞれの候補者の強みや適性を客観的に評価する基準(リーダーシップ、専門知識、コミュニケーション能力、熱意など)を明確に設定しましょう。そして、特定の育成プログラムへの参加や、一定期間の実務経験を積ませる機会を平等に与え、その中で適性を見極めます。最終的には、後継者本人の強い意思や覚悟が最も重要ですが、他の社員や関係者が納得できる選定プロセスを踏むことが、事業承継後の組織の一体感を保つ上で非常に重要です。

事業承継×後継者教育:成果を最大化する具体的な取り組み

事業承継は、単に経営者の交代を意味するだけでなく、会社の資産、負債、許認可、顧客との関係、そして従業員の雇用を次世代に引き継ぐ一大プロジェクトです。ここでは、後継者教育を事業承継と結びつけ、その成果を最大化するための具体的なステップを掘り下げます。

事業承継を成功させるための「後継者教育」の具体的なステップ

1. 財務・法務知識の徹底習得と実践

工務店の経営者は、「数字」に強くなくてはなりません。建築技術や現場管理だけでなく、会社の財政状況を正確に把握し、適切な経営判断を下すための財務・法務知識は、後継者教育において最も重要な要素の一つです。

  • 会社の「数字」を読めるようになる: 損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)の基礎知識は必須です。これらを現経営者と共に読み解き、具体的な経営指標(売上高、利益率、人件費率、原価率など)が何を意味し、どのように改善できるかを議論する機会を設けてください。
  • 資金繰り計画の立案と実行: 工務店は受注産業であり、資金繰りは常に重要な課題です。現経営者と共に資金繰り計画を立案し、金融機関との折衝、投資計画の策定など、実務を通じて「お金の流れ」を肌で感じさせることが大切です。
  • 契約書・許認可・労務に関する基本法務: 請負契約、売買契約、労務契約など、工務店に関連する主要な契約書の仕組みと注意点を理解させます。建設業許可をはじめとする各種許認可の申請プロセスや、労働基準法、安全衛生法などの労務関連法規についても、基本的な知識を習得させる必要があります。
  • 税務対策と事業承継税制の知識: 会社の財務状況は税金と密接に関わります。法人税、消費税、各種固定資産税など、工務店が納めるべき税金の仕組みや、節税対策についても学ばせましょう。また、事業承継を円滑に進めるための事業承継税制(贈与税・相続税の納税猶予・免除制度)についても、税理士から説明を受けさせる機会を設けてください。

2. 顧客・取引先との関係構築と信頼の継承

工務店の財産は、長年にわたって培ってきた顧客や取引先との「信頼関係」です。これらをいかにスムーズに後継者に引き継ぐかは、事業承継の成否を分ける大きな要素となります。

  • 現経営者からの紹介と同行訪問: 現経営者が後継者を連れて顧客や取引先を訪問し、積極的に紹介することで、顔と名前を覚えてもらい、関係性のバトンパスを始めます。最初のうちは現経営者が主導し、徐々に後継者が話す機会を増やしていくという段階的なアプローチが効果的です。
  • 信頼関係の構築期間: 一朝一夕には信頼は築けません。数年単位の引き継ぎ期間を設け、後継者が自ら顧客や取引先と関わり、課題解決に貢献する経験を積ませることが重要です。
  • 新規顧客開拓の経験: 既存顧客との関係維持だけでなく、後継者自身が新たな顧客を開拓する経験も積ませましょう。自らの営業力で顧客を獲得するプロセスは、商売の厳しさと面白さを理解する上で貴重な糧となります。

3. 組織マネジメント能力の向上とチームビルディング

経営者には、組織をまとめ、従業員の能力を最大限に引き出すマネジメント力が不可欠です。後継者教育では、この能力を体系的に高めることが求められます。

  • 従業員との密なコミュニケーション: 現場の職人から事務職まで、全ての従業員とのコミュニケーションを重視させましょう。彼らの声に耳を傾け、課題を共有し、解決策を共に考えることで、組織の一体感を醸成し、信頼関係を築くことができます。
  • 目標設定と評価システムへの関与: 会社の全体目標から各部署、個人の目標設定、そしてその評価プロセスに至るまで、後継者に積極的に関与させましょう。これにより、目標達成に向けた組織の動かし方や、従業員のモチベーション管理についての実践的な知見が得られます。
  • リスク管理と危機対応の経験: 工務店経営には、予期せぬトラブルやクレームがつきものです。後継者には、そうしたリスクを未然に防ぐための管理体制の構築や、実際に問題が発生した際の対応策立案、そして実行までを経験させましょう。冷静な状況判断と迅速な意思決定能力が養われます。

4. イノベーションとDX推進への参加

建設業界は、テクノロジーの進化が著しい分野です。後継者には、旧態依然とした慣習にとらわれず、積極的に新しい技術や手法を取り入れ、工務店を革新する視点を持たせる必要があります。

  • 新技術の導入検討と実行: BIM(Building Information Modeling)やCAD、ドローンを活用した現場測量、AR/VRによる顧客への提案など、最新技術の導入を検討させ、その費用対効果や導入プロセスを学ばせましょう。
  • 若い世代ならではの視点での業務効率化: デジタルネイティブ世代である後継者には、既存の業務プロセスの非効率な部分を見つけ出し、RPA(Robotic Process Automation)やクラウドサービスを活用した効率化を提案させましょう。
  • デジタルマーケティングの導入: 今や、工務店の情報発信もデジタルが主流です。ウェブサイトの改善、SNSマーケティング、MEO対策(マップエンジン最適化)など、デジタルを活用した集客戦略を立案・実行させることで、新たな顧客層の開拓にも繋がります。

5. 事業承継計画の策定と実行

上記で挙げた教育ステップと並行して、具体的な事業承継計画を策定し、実行に移すことが重要です。

  • 現経営者と後継者による綿密な話し合い: いつ、誰に、何を、どのように引き継ぐのか、具体的なスケジュール、役割分担、目標設定を文書化しましょう。将来の会社の方向性についても、深く議論する機会を設けてください。
  • 専門家チームの結成: 弁護士、税理士、金融機関、中小企業診断士など、事業承継に精通した専門家を巻き込み、法務、税務、財務、経営戦略のあらゆる側面からサポートを受けましょう。彼らの客観的な視点と専門知識は、計画の実現可能性を高めます。
  • 定期的な進捗確認と調整: 策定した計画は、あくまで出発点です。定期的に進捗を確認し、市場環境の変化や後継者の成長度合いに合わせて柔軟に計画を調整していくことが、成功への鍵となります。

Q&A:後継者がなかなか育たないと感じた場合、どうすればいいですか?

A:まず、期待値と現実のギャップを冷静に分析しましょう。「育たない」と感じる具体的な理由は何でしょうか? もしかしたら、現経営者の持つ「理想の後継者像」と、後継者自身の特性やペースが異なっているのかもしれません。重要なのは、一方的に評価するのではなく、後継者本人との対話を重ね、何が課題なのかを共に特定することです。外部のメンターやコーチングの機会を提供したり、敢えて現経営者が関わらない期間を設け、後継者が自力で問題解決する経験を促すことも有効です。また、自身の関わり方が、後継者の自律性を阻害していないか、客観的に振り返ることも大切です。

事業承継を継続的に成功させるための「次の一手」

事業承継は、経営者が交代すれば終わりではありません。後継者が事業を盤石なものとし、さらに発展させていくための「次の一手」を考慮することが、真の事業承継の成功を意味します。ここでは、承継後も見据えたより応用的な視点から、継続的な成長を支援する取り組みを解説します。

後継者が事業を軌道に乗せた後も重要なこと

1. 現経営者の「卒業」と適切な距離感

事業承継後、最もデリケートながら重要な課題の一つが、現経営者(先代)と後継者(新社長)の関係性です。先代がいつまでも経営に口出しをしてしまうと、後継者は自由に采配を振るえず、成長の機会を奪われてしまいます。

  • 役割の明確化: 現経営者は承継後、完全に引退するのか、それとも顧問や非常勤役員として特定の役割(例:特定の顧客との関係維持、技術指導)に限定して関わるのかを明確にしましょう。
  • 「見守る」姿勢の徹底: 後継者の経営判断に安易に介入しないことが重要です。大きなミスを犯さない限りは、後継者に任せ、自ら学び、成長する機会を与えましょう。失敗から学ぶことは、成功以上に価値のある経験となり得ます。
  • 社内外への周知: 現経営者の新たな役割や、後継者の最終決定権について、従業員や取引先、金融機関など社内外の関係者に明確に周知することで、混乱を避け、後継者への支持を確立させます。

2. 定期的なレビューとフィードバックシステム

後継者が一人で全てを抱え込まず、客観的な意見やアドバイスを受けられる仕組みを構築することは、長期的な成長に不可欠です。

  • 経営会議の活性化: 後継者が中心となって定期的な経営会議を開催し、財務状況、プロジェクト進捗、市場動向などを幹部社員と共有し、オープンな議論を促しましょう。
  • 外部メンターや理事会の活用: 経験豊富な外部の経営者や専門家をメンターとして継続的に招いたり、独立した社外取締役を含む理事会を設置したりすることで、後継者が客観的な視点から経営判断の助言を得られる機会を確保できます。
  • 自己評価と目標設定: 後継者自身が定期的に自らの経営パフォーマンスを評価し、強みと弱みを認識し、新たな目標を設定する仕組みを導入することで、継続的な自己成長を促します。

3. 第二次後継者教育・組織文化の醸成

一度の事業承継が成功しても、その先の「次の世代」を見据えた準備が必要です。会社全体で後進を育てる文化を醸成し、持続的な事業承継サイクルを確立しましょう。

  • 中堅社員の育成プログラム: 後継者だけでなく、その下の中堅社員を将来の幹部候補として育成するプログラムを導入します。技術指導だけでなく、マネジメント能力やリーダーシップを養うための研修も組み込みましょう。
  • 知識・技術の「見える化」と共有: 熟練職人の技術やノウハウ、ベテラン社員の持つ知識などを、マニュアル作成やOJT、社内研修を通じて組織全体で共有する仕組みを構築することで、個人の経験に依存しない組織的な強さを育みます。
  • 「学び続ける」文化の醸成: 最新の建築技術や建材、法規制に関する情報共有はもちろん、失敗事例からの学び、顧客からのフィードバックを組織全体で共有し、常に改善していく「学び続ける工務店」の文化を根付かせましょう。

4. 市場の変化に対応する経営戦略の柔軟性

工務店業界は常に変化しています。後継者には、環境変化を敏感に察知し、柔軟に経営戦略を転換できる能力が求められます。

  • 定期的な市場分析と戦略立案: 地域人口の変動、競合工務店の動向、住宅需要の変化、リフォーム市場の成長など、定期的に市場環境を分析し、それに基づいた事業戦略(例:ターゲット顧客の見直し、サービス領域の拡大)を策定させましょう。
  • 新規事業への挑戦と多角化: 伝統的な木造建築だけでなく、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やIoT住宅、リノベーション事業、不動産事業など、新たなニーズに対応するための新規事業への挑戦も視野に入れるべきです。
  • 競合との差別化戦略: 自社の強みを活かし、地域で唯一無二の工務店となるための差別化戦略(例:特定の建築工法に特化、デザイン性の高い住宅を提供、アフターメンテナンスの充実)を確立することが重要です。

5. 地域社会への貢献とブランド価値向上

工務店は地域に根差した事業であり、地域社会との繋がりが会社の成長にとって不可欠です。後継者には、地域貢献を通じて工務店のブランド価値を高める視点を持たせましょう。

  • CSR活動の推進: 地域のお祭りへの参加、清掃活動、小学校での出前授業、災害時のボランティア活動など、地域社会への貢献活動を積極的に行うことで、工務店への信頼と好感度を高めます。
  • 地域メディアとの連携: 地域の情報誌やインターネットメディアなどを活用し、工務店の取り組みや、地域に対する貢献を発信していくことで、地域住民への認知度向上とブランドイメージの確立に繋がります。
  • 顧客からの信頼をさらに高める: 高品質な施工と丁寧な顧客対応はもちろんのこと、引き渡し後の定期点検やメンテナンス、顧客イベントの開催などを通じて、長期にわたる顧客との良好な関係を維持・発展させることが、地域におけるブランド価値を不動のものとします。

Q&A:事業承継後も現経営者が関与し続ける場合、どのような点に注意すべきですか?

A:最も重要なのは、「権限と責任の範囲」を明確にすることです。口頭だけでなく、書面で役割分担を定義し、従業員にも周知徹底させましょう。例えば、現経営者は「相談役」として経験に基づくアドバイスは行うが、最終的な経営判断は「後継者」に委ねる、といった具合です。また、後継者が失敗した際に、安易に自分が解決に乗り出すのではなく、後継者が自ら問題を解決できるようサポート役に徹することが大切です。これにより、後継者は主体性と自信を育み、組織は新体制への移行をスムーズに進めることができます。

まとめ

工務店の事業承継は、単なる手続きではなく、会社の未来を築くための壮大なプロジェクトです。この記事では、後継者教育を核とし、工務店経営者が直面する疑問に具体的に答える形で、実践的な導入戦略から継続的な成功への一手までを解説してきました。後継者候補の特定から経営理念の共有、段階的な権限移譲といった基礎を固め、財務・法務知識の習得や顧客関係の構築、そしてイノベーション推進といった事業承継と連動した具体的な教育ステップを踏むことで、次世代リーダーは確実に育ちます。そして、現経営者の適切な「卒業」と、継続的な成長を促すレビューシステムは、事業承継後の工務店が市場の変化に対応し、さらに発展していくための不可欠な要素です。

未来への不安を希望に変えるために、今日からできることを始めてみませんか。ここで提示した具体的なアクションプランは、決して一朝一夕に達成できるものではありませんが、一歩一歩着実に実行することで、貴社の大切な事業は永続的な成長を遂げる土台を築けるはずです。この取り組みは、後継者自身の成長だけでなく、貴社の従業員のモチベーション向上、ひいては地域社会からの信頼獲得にも繋がります。諦めず、未来を見据え、ぜひこの機会に後継者教育と事業承継に本腰を入れて取り組んでください。貴社のこれまでの歴史と知見、そして未来への情熱が、次世代によって鮮やかな形で引き継がれることを心より応援しております。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

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