オンラインイベントの集客から運営までの完全ガイド
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工務店 経営
工務店の経営者にとって、新規顧客との出会いや既存顧客との関係構築は、永続的な課題です。多くの会社が地域密着型のイベントを行ってきましたが、社会情勢の影響や多様化する顧客ニーズを受け、オンライン開催が重要性を増しています。しかし、いざオンラインイベントを計画しようと思うと「集客方法が分からない」「運営の段取りやツール選びに不安がある」「リアルな交流の温かみをどう再現するか」など、さまざまな疑問や壁に直面しがちです。本記事では、工務店経営者がイベントをオンラインで企画・運営し、集客から実施後のフォローまで成果に直結させるための具体的な手順を余すことなく解説します。どなたでもすぐに実践できるアクションプランをご紹介しますので、はじめてオンライン開催に挑戦する方も、既存のイベントをブラッシュアップしたい方も、必ずお役に立てます。
オンライン開催の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで
ここでは、工務店がイベントのオンライン開催を成功に導くための計画段階から準備、実施前後の基礎的かつ実践的な戦略を、段階的に解説します。従来の対面イベントとは異なる視点が必要ですが、正しい順序で取り組んでいけば、未経験からでも着実に成果を積み上げることができます。
1. イベントの目的を明確にする
オンライン開催にするメリットは多くありますが、最大の効果を得るためには「何のために行うのか」を数字や目標で明確化しましょう。例えば、「新築検討層のリストを30件獲得する」「既存顧客10組にリフォーム提案の情報接点を創出する」など、イベントの目標をできるだけ具体的に設定してください。これがすべての企画・運用の基盤となります。
2. ターゲットに合わせたコンテンツ設計
オンライン開催では、画面越しだからこそコンテンツの質と構成が重要です。下記の流れを参考にして設計しましょう。
- ターゲット像(年齢・家族構成・生活課題など)を箇条書きで洗い出す
- ターゲットが“得する”価値や悩みに寄り添ったコンテンツを用意(例:失敗しない家づくり講座、断熱性能比較、ローン相談会etc.)
- 1時間以内の集中型プログラムが理想(飽きさせない進行、休憩やQ&A挿入)
- 実際の施工事例を写真や動画で紹介すると、臨場感と信頼感が高まります
3. 最適なオンライン開催ツールの選定
ツール選びでつまずきやすいですが、目的や参加者層によって使い分けが重要です。
- Zoom:一般的。画面共有・ブレイクアウト機能で各種対応可。高齢層でも比較的導入しやすい。
- Microsoft Teams・Google Meet:主にBtoB、企業間交流やセミナーに有効。
- RemoやSpatialChat:バーチャル会場型。展示会や交流イベントなどに向いています。
- ショート動画やライブ配信はInstagram、YouTubeなどSNSとも連携可能。
事前に運営側で必ずテスト開催し、不測のトラブルや通信の確認を徹底してください。
4. オンラインイベントの告知方法・集客動線の設計
せっかくのイベントも、知ってもらわなければ参加者は集まりません。オンライン開催で特に効果的な告知・集客方法をご紹介します。
- 自社ウェブサイトに専用イベントページを開設し、来訪者をしっかりキャッチ
- 既存のお客様へはDMやメールマガジンで直接案内を送付
- 地域のSNSグループ、Facebookイベント、Instagramストーリーズなどで拡散
- Googleマイビジネスへイベント情報を掲載
- 地元情報誌や地域ポータルサイトとの連携掲載も有効
告知文章は「なぜオンライン開催なのか」「参加のメリット」「応募方法(2クリック以内)」を簡潔かつ魅力的に表現しましょう。申込ページでは、氏名・メールアドレス・参加検討理由など、必要最小限の項目にとどめて離脱を防ぐ工夫も大切です。
5. シミュレーションとリハーサルの実施
オンラインイベントは事前準備でほぼ成否が決まります。流れやトラブル対応を想定したリハーサルは必ず行い、下記ポイントを確認しましょう。
- 全担当者の役割(ファシリテーター・技術担当・Q&A担当など)を明確化
- 資料共有・動画再生・チャット運用・アンケート配信の手順を練習
- 万が一の通信トラブル時のバックアップ方法
- 実際に参加者視点で入室してみて画面や音声をチェックする
主催者サイドだけでなく、サクラとして社外スタッフや関係者に実際の参加体験をしてもらい、フィードバックを募ると精度が高まります。
6. イベント当日の運営マニュアル化
オンライン開催当日は、画面越しでの対応ゆえイレギュラーが起きがちです。必ず簡易な運営マニュアルとタイムテーブルを用意し、以下の流れでスムーズに進行できるよう体制を整えましょう。
- 開始前30分にスタッフ集合(最終チェック・リハーサル)
- 開会から自己紹介・イベント説明→コンテンツ提供→Q&A→クロージングまでタイムマネジメントを徹底
- チャット質問管理、途中退出者への個別フォロー体制もあると親切です
7. 終了後のフォロー・効果測定
オンラインイベントは「終わってからが本番」とも言えます。迅速なアフターフォローと、集客や参加状況のデータ分析が次に繋がります。
- 開催後24時間以内に御礼メール・アンケートを送付
- アンケートで得た課題・お客様の声を記録し、資料や録画を希望者へ限定配信
- 参加者を自社メルマガやLINE配信にスムーズに誘導
- 数字(集客数・参加率・アンケート回収率・問い合わせ数)を毎回評価・記録
こうした事後のアクションによって、1回のイベントをその後の商談・受注機会へ広げていくことが可能です。
イベント×オンライン開催:成果を最大化する具体的な取り組み
ここでは、オンライン開催ならではの応用テクニックや、成果の上がるイベントの現場運営・集客の「裏技」や「コツ」、よくある質問とその実践的な解決策について、より深掘りして解説します。単なる“オンライン化”にとどまらず、「参加してよかった」「次もまた参加したい」と思ってもらえる工夫を盛り込んでいきましょう。
1. 参加者体験をワンランク上げる演出法
オンライン開催でも参加者の一体感を演出することで、記憶への定着や信頼感が格段に高まります。
- 開始10分前からBGMやスタッフの準備風景を配信し、リラックスした雰囲気を作る
- オープニングに“クイズ”や“アンケート回答”などのインタラクティブ企画を入れる
- Zoom等のバーチャル背景を工務店の施工現場や完成住宅に設定
- クロージング時に“限定特典”(個別相談や資料)を提示し、余韻を演出
子育て世代向けには“お楽しみ抽選会”、高年齢層には“懐かしの住まい写真コンテスト”など、参加層に合わせた“ワクワク感”の仕掛けも効果的です。
2. 双方向型の交流・コミュニケーション施策
オンライン開催が“受け身”な一方通行にならないよう、適度に参加者を巻き込むコツがあります。
- チャットで質問を随時募集し、その場で取り上げ実践的に回答
- 希望者のみ小グループ分け(ブレイクアウトセッション)を設け、個別相談や参加体験のシェアタイムを実施
- 事前アンケートで「興味テーマ」を調査し、当日内容に抽出反映する
- 特別ゲストや実際のオーナー様を招いて実体験を語ってもらう
オンラインでも“顔が見える”体験を作り出すことで心理的ハードルが下がり、参加者の反応が格段に良くなります。
3. オンラインならではのメリットを活かす運用
オンライン開催には“リアル”では難しかった独自の強みがあります。最大限に活かすポイントは以下の通りです。
- どこからでも参加できる利点を活用し、遠隔地・共働き世帯をターゲットにする
- 録画配信やオンデマンド提供で「当日参加できなかった層」もフォロー(アーカイブ申込フォーム設置)
- 外部講師や複数拠点中継など、“広域コラボ”型の新しいイベントを展開
- 住宅の性能説明・比較やモデルハウス紹介を3DCGやVRツールで可視化
特にコロナ禍以降、「移動不要・自宅から情報収集」というオンライン開催の魅力は定着しつつあるため、十分な情報提供と利便性訴求が重要です。
4. SNS・Web広告をフル活用した「ファン化」設計
集客から長期的な関係構築を見越して、SNSやWeb広告の“活用レベル”を向上させましょう。
- Instagram・LINE公式アカウントでイベントを定期発信し、フォロー獲得
- Facebookイベントページで参加登録→当日リマインダー配信
- Google広告や地域ターゲティングのFacebook広告で新規層の申込増を狙う
- 申し込みフォームはLINE・メール・電話など複数導線で設置(顧客の負担を軽減)
「イベント後、メルマガ登録で次回割引」や「LINE友だち追加で限定動画配信」など、オンラインでの継続接点を作る施策も有効です。
5. オンライン開催でよくあるトラブルと事例別FAQ集
オンラインイベントには必ず“想定外”が発生します。ここでは実際によくある質問とその対策例をまとめました。
- Q. 参加者がうまく入室できず開始が遅れる
- 前日に「参加マニュアル」をメール送付し、入室テスト日を設けるとトラブルが激減します。開始10分前からスタッフが待機して、電話・メール対応用意も。
- Q. パソコンやスマホの操作に不慣れな方への対応は?
- 「電話での事前説明」「プリントアウト用マニュアル送付」「参加前の個別相談枠」等を設け、フォロー体制を強化しましょう。
- Q. 参加数が思ったよりも伸びない
- 既存顧客への徹底リマインド(電話・SMS・ハガキ)と、SNSの“体験者の声”投稿による口コミ集客を強化。広告費用を小額でテスト運用し、効果が高いプラットフォームに絞るのも有効です。
- Q. イベント後の商談・受注へどう繋げる?
- アンケート項目に「個別相談」「来店希望」に✓できる欄を設け、希望者のみ当日から1週間以内にフォローコールや資料送付。スタッフ個人名で「気軽なご案内」メールを打ちましょう。
- Q. セミナー中に通信が不安定になる
- 有線LAN接続、スタッフのバックアップ端末配置、事前に録画版を用意し「トラブル時はこちらから視聴できます」の安全弁をセットするのが安心です。
上記のような事前準備とリスクヘッジを積み重ねることで、オンライン開催の失敗リスクを大幅に減らし、参加者満足度向上につなげることができます。
イベントを継続的に成功させるための「次の一手」
単発で終わるのではなく、オンラインイベントを中長期で成果へとつなげていくための具体的なノウハウや改善のサイクルを、ここでご紹介します。
1. イベントの振り返りとPDCAサイクルの導入
開催終了後、必ず「良かった点」「課題」「数字(集客~受注)」を振り返り、次回へ活かしましょう。
- 開催後2~3日以内にスタッフで“打ち合わせ(レビュー会)”を実施し、成功と改善を共有
- アンケートの「感想欄」「困った点」「希望テーマ」をまとめ、次回コンテンツに反映
- KPI(参加申し込み数、実参加率、満足度、来店予約数…等)を毎回記録して数値化。変化を可視化してチームで共有
このPDCAサイクルこそ、イベントを「続けて成長させる」最大の鍵となります。
2. 成果測定とデジタルマーケティングの活用
オンライン開催は「参加者データ」が資産になります。具体的な成果測定手法や、その後のマーケティング施策と連動しましょう。
- 申込フォーム→CRMツール・Google Analyticsで来訪経路、属性、申込率を分析
- イベント参加者にはステップメールやLINEで段階的な情報配信
- “最終目標”=商談・受注(モデルハウス来場、リフォーム提案への切り替え)までの転換率を把握
データに基づいたアプローチで効果の「見える化」ができるのは、オンライン開催最大のストロングポイントです。
3. ブランド価値向上・差別化に繋げる
イベントをオンラインで継続することで、地元だけでは訴求しにくかった自社独自の価値・ブランドイメージを広域に伝えやすくなります。
- 「参加者の声」「実際のQ&A」をコンテンツ化し、WEBサイト・SNSで発信
- 動画アーカイブ(第三者が見ても分かる内容)を用意し、新規層の不安解消と信頼構築
- IT・デジタル対応力のPRによる若年層・共働き層へのアピール
自社ならではの「地域密着」「職人の技術力」「住まいの安心感」は、オンラインで伝えにくい部分も演出やストーリーテリングで訴求可能です。また、省人化・自動化でコスト削減、人手不足対応にも寄与します。
4. ファン化・紹介促進のための続け方
オンライン開催のイベントは「一回きり」でなく、定期やシリーズ化が続けやすいという特長があります。毎月・隔月開催による“定点観測イベント”も好評です。
- 毎回「相談会」「講座」等のテーマを少しずつ変えて再来を促す
- リピーター参加者には“限定特典”や“紹介キャンペーン”を打つ
- 動画アーカイブや資料プレゼントで「イベント後も学び続けられる」状態に
- 紹介者にはイベント参加時の粗品プレゼントや、お得なキャンペーン案内をセット
紹介や口コミを狙ったやり方は新規顧客獲得にも強く、長期的なファンコミュニティの拡大に寄与します。
5. オンライン開催の課題とその克服法
最後に、まだ解決し切れていない課題点や、今後の成長へのヒントをまとめます。
- リアルな交流感・臨場感不足は、動画編集やライブQ&A、バーチャル現場案内で“体験共有”を意識
- スタッフのITリテラシー不足には、社内研修や「事前練習」を繰り返すことで克服
- 高齢層・機械が苦手な方には“出張サポート”や電話での個別案内を行う
- 今後は“ハイブリッド型”(リアル+オンライン)で選択肢を増やし、多様なニーズへ対応するのも有効
挑戦を恐れず、小さく始めて改善を繰り返すことで、オンラインイベントは大きな武器となります。
まとめ
工務店が主催するイベントをオンラインで開催することは、最新の顧客ニーズに応え、集客効率や成約への道筋を大幅に強化する有効な戦略です。本記事でご紹介した「目的設定~集客・当日運営~アフターフォロー・成果測定」までの具体的なステップや、よくあるトラブルへの対策、そしてファンを生み出すための応用施策を着実に実行すれば、初回からでも手応えを感じていただけるはずです。イベントをただ“やる”のではなく、継続と改善を重ねていくことで、ブランド価値・信頼・受注増加へと未来が拓けます。本記事を参考に、ぜひ一歩前へと踏み出し、オンライン開催のイベント運営で貴社の更なる飛躍を実現してください。今後も時代と共に変化するニーズを敏感に捉え、「顧客に選ばれる会社」への道を一緒に歩んでいきましょう。
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