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旅費交通費を削減する!工務店の経費削減

公開日: : 工務店 経営

工務店の経営現場では、利益率の低下や予期せぬコスト増大に直面するケースが多く、特にコスト管理の重要性は年々増しています。なかでも油断しがちな旅費・交通費の削減は、日常業務の中でつい見逃されがちですが、実は経営数字へのインパクトが非常に大きいポイントです。本記事では「日々の旅費が積み重なって気づけば大きな経費になってしまう」「コスト管理の仕組みをどう実務に落とし込めばいいのか分からない」といった声に応え、工務店経営者がすぐに行動に移せる実践的な旅費・コスト管理の手順、最新動向、落とし穴とその回避策、そしてコスト削減を加速させる継続的な改善手法まで余すところなく解説します。この記事を読むことで、経営体質を一歩引き締め、旅費削減から始まる確かな経費コントロールスキルを身につけられます。ぜひ、日々の悩みやモヤモヤの解決にお役立てください。

旅費の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店におけるコスト管理の最初の壁は、経費の「見える化」です。特に旅費・交通費は管理が甘くなりやすい項目ですが、ここを押さえておくことで経費全体の見通しも劇的に改善されます。具体的な導入ステップを確認しましょう。

1. 経費区分の明確化と旅費実態の把握

従業員や現場ごとに、どの経費(交通費/宿泊費/日当/雑費など)が発生しているかを洗い出すことから始めます。具体的には下記の手順です。

  • 各従業員・現場単位での旅費記録表を過去半年分集める
  • 交通費(電車、車、タクシー、高速)、宿泊費、日当等に分けて出費傾向を分析
  • 「なぜこの交通手段だったのか」「複数人の出張だったか」等、利用状況にも目を向ける

ここでの目標は、「どの現場・どのスタッフにどのような旅費がかかっているか」を数値で把握することです。これにより「基準外の使い方」や「改善余地の大きい現場」を可視化できます。

2. 旅費規程の策定と社内徹底

実態把握の次は「旅費規程」(社内ルール)の見直し・制定です。具体的なステップは次の通りです。

  • 会社として許容する交通手段・宿泊クラス・日当金額を明文化
  • 例外申請の手順・承認フローを明確化
  • 社内イントラや掲示板で繰り返し周知・定着を図る
  • 新規採用時や部署異動時にも都度説明を行い、社員全員の理解度を高める

特に重要なのは「現場毎に例外を許さない仕組み」と「全員に同じ基準で旅費が支払われているかの定期的なチェック」です。このルールがあることで、無用なトラブルや無駄な出費を未然に防げます。

3. 旅費精算方法の見直しとデジタル化

紙や手書き伝票、エクセル管理では不正や抜け漏れリスクが高まります。以下のような改善策を段階的に導入します。

  • 交通系ICカード・経費精算アプリの導入(スマートフォンから即時申請・写真アップロード)
  • 領収書や利用明細のデジタル保存(紛失・改ざんリスク軽減)
  • 会計システムとの自動連携で、コスト管理の手間・人件費を削減
  • 出勤・退勤記録との紐付で「本当に移動したか」の実績管理も一元化

これらの導入により、旅費申請のスピードアップと経理担当者の負担軽減、そして不正支出の防止が同時に実現します。デジタル化は初期のハードルこそあれ、長期的には工務店の成長に不可欠といえるでしょう。

4. 社内説明会とフィードバックの実施

新しい規程や運用方法の導入時には、現場社員の納得感を得ることが極めて大切です。社内説明会で、

  • なぜ旅費・交通費のルール改正が必要か
  • どんなメリットがあるのか
  • 現場での困りごとや要望を吸い上げ、規程や運用に柔軟に反映

これらを丁寧に説明することで、コスト管理体制が形骸化せず、現場と経営層の信頼関係も強まります。

5. ケース別・実例:旅費削減に成功した工務店の事例

例えば、ある地域密着型工務店では以下の取り組みにより年間40万円以上の旅費を削減しました。

  • 近隣現場への移動は電車・バス中心(社用車利用の明確な基準化)
  • 宿泊出張の必要性を現場責任者と月次レビュー
  • 定型業務の出張は「リモート指示」「写真報告」で対応

このように、単なる経費カットではなく「従業員の動線設計」「業務効率化」の観点からアプローチすることで、旅費と業績改善を両立している事例も増えています。

コスト管理×旅費:成果を最大化する具体的な取り組み

コスト管理のゴールは削減だけでなく、「使うべき所にしっかり投資し無駄を省く」ことです。ここでは旅費を中心とした経費全般の継続的な最適化ステップと、工務店経営者の「よくある疑問」への実践的な回答をまとめます。

ステップ1:月次レビューの習慣化

どんな経費も「振り返り」がなければ改善は生まれません。旅費を含む経費全体に対して、下記の取り組みを毎月実施します。

  • 月ごとの旅費・交通費と全経費の推移を一覧表に可視化
  • 異常値や予定外の支出が発生していないかを数値で確認
  • 大幅に増減している場合は必ず理由を担当者にヒアリング
  • 次月以降の対応策やルール改訂を経営会議で共有・決定

ルールを作っただけで「定着した」と考えるのは危険です。月1回の振り返りを行い「何がうまくいき、どこが緩んだか」を常にチェックしましょう。

ステップ2:現場リーダー巻き込み型のコスト意識改革

旅費の発生元である現場(工事・営業)のリーダーを巻き込むと、取り組みの成功率が大きく高まります。

  • 現場長・担当者に毎月の旅費報告と「改善点・工夫したこと」を添えて提出させる
  • 「一番旅費削減に寄与した現場」など、簡単な表彰制度やインセンティブ導入
  • コスト管理で生じた成果を直接現場還元(金一封や懇親会費等)する仕組み

現場の当事者意識を高めることで、トップダウン型の押し付け施策から「自発的に考え動く」現場文化が生まれます。

ステップ3:旅費の予算化・見える化による事前管理

計画段階で旅費の予算を組み、現場ごとに「この範囲内で納める」文化を作り上げます。

  • 年度・半期ごとに営業部・工事部ごと旅費予算を策定・配分
  • 現場稼働予定と移動回数、主要な出張案件から現実的な旅費枠を算出
  • 予算超過時には必ず理由報告・経営層の確認を義務化

旅費を含めた固定経費の「先取り管理」ができれば、不意の赤字や計画外の浪費を避けられます。

ステップ4:旅費以外のコスト管理手法との連携

旅費管理の最適化は、全社的なコスト管理の一環です。例えば下記項目との連動でさらに効果が広がります。

  • 社用車利用ルールや車両維持費の見直し(燃費・リース契約・シェア利用)
  • 資材発注・倉庫保管等のロジスティクス経費の効率化
  • ICT導入による現場打合せ・契約業務のリモート化促進
  • 宿泊や交通の法人割引、業者提携プランの活用

コスト項目ごとのバランスをとりながらトータルで管理・最適化する体制が不可欠です。

Q&A:工務店経営における旅費管理のよくある疑問

  • Q:旅費を現場単位で管理するのが難しい。何から始めればよい?
    A:まずは現場や職種ごとに「最低限必要な移動」「不要な出張」を仕分けするためのヒアリングと記録を徹底しましょう。最初は集計作業に手間がかかりますが、半年ほど運用すれば効率化・標準化が見えてきます。
  • Q:旅費削減は現場の負担増や不満に繋がりませんか?
    A:伝え方が重要です。「無駄なコストカット」ではなく、「浮いた原資を社員還元・設備投資に使う」というストーリーを示し、実際に還元策を盛り込みましょう。現場のモチベーションを保てます。
  • Q:デジタル精算が苦手な社員が多いのですが…
    A:専用マニュアルの作成や、シンプルな操作感のツール選定は必須です。最初は「紙・アプリ併用」からスタートし、徐々にデジタル移行を促す方法が現実的です。担当者フォローも丁寧に行いましょう。

コスト管理を継続的に成功させるための「次の一手」

旅費やそのほか経費を含むコスト管理の取り組みは、実行して終わりではなく「仕組み化」「評価・改善」「社員文化として定着」を意識することで、継続的な業績改善につながります。ここでは、中長期的に成果を最大化するための実践プランをご提案します。

1. KPI設計による旅費管理の見える化とモチベーション向上

各部署・現場ごとに「週」「月」「四半期」ごと旅費のKPI(重要業績指標)を明確に設定し、目標達成度を可視化します。

  • 例:1現場あたり旅費2万円/月以下、全社月間旅費前年対比80%以内
  • 進捗状況を全員が閲覧できる仕組みに設計(社内掲示板やメール連絡)
  • 達成した部署・個人にはインセンティブ(報奨金や評価反映)を付与

目標と成果が見えることで、全社員の「管理参加意識」と「改善努力」を引き出しやすくなります。

2. PDCAサイクルでのコスト管理体制の進化

旅費削減プロジェクトが「一度きりのイベント」で終わらないよう、PDCA(Plan→Do→Check→Action)を徹底します。

  • Plan:旅費削減やルール変更の計画策定
  • Do:現場や経営層が新方針を実行
  • Check:担当者による月次レビュー・社内アンケートで実態把握
  • Action:数値目標未達時の追加改善策や再教育を策定・実行

「うまくいかなかった原因」を明確にして、柔軟に仕組みを進化させましょう。

3. コスト管理を競争力につなげる外部連携・最新ツール活用

日々変化する社会情勢(燃料価格高騰、交通費値上げ等)に対応するため、情報収集と外部連携を重視します。

  • 建設・工務店業界の団体や協会に加盟し、最新の経費削減事例や制度、旅費に関する情報交換を行う
  • 交通費・宿泊費の法人アカウント導入でコストダウンを推進
  • 経費精算SaaSやクラウドサービスの導入で、コスト管理の自動化を促進

これにより、中小工務店でも高度なコストコントロールを短期間で実現できる環境整備が可能になります。

4. 人材育成と企業文化への落とし込み

コスト管理・旅費削減の取り組みを新入社員研修やマネージャー研修へ盛り込むことで、「仕組み」を「文化」に昇華できます。

  • 入社後に必ず旅費規程やコスト管理の基本を座学・OJTで研修
  • 管理職向けには「数字で語れるリーダー像」の育成
  • 旅費管理を成功事例として社内報や表彰式で共有・称賛

「経費を見る目」「数字を動かす手法」が全員の当たり前になれば、どんな市況変化にも強い会社組織へと進化します。

まとめ

本記事では、工務店経営におけるコスト管理の第一歩として、旅費削減を軸とした経費最適化の具体的なステップやノウハウを網羅的に解説しました。まずは現状把握と見える化から始め、旅費規程の実効性ある設計、現場巻き込み型の実践、そして月次レビューやKPI管理による継続的な改善サイクルを回すことが重要です。また、ICTの導入や外部連携の活用を進めることで、経費管理は更なる高みへと昇華できます。これらを愚直に実践することで、目先の経費削減だけでなく、社員の意識や会社全体の体質改善、真の経営競争力向上に繋がります。一歩ずつ、着実に始めることで、経済環境変化にも強い工務店経営への道が開かれるはずです。今こそ行動を起こし、持続可能な未来をともに切り拓いていきましょう。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

友達申請お待ちしてます! →代表浄法寺のfacebook

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