コミュニティービルダー協会は
「内閣府beyond2020」の認定および「外務省JAPAN SDGs Action Platform」の紹介団体です。

旅費交通費を削減する!工務店の経費削減

公開日: : 工務店 経営

工務店の経営において、日々の案件や現場対応は避けられない一方で、見過ごせないのが経費の無駄です。特に、現場視察、打ち合わせ、材料調達に欠かせない「旅費交通費」は、積もれば大きなコスト増要因となります。適切なコスト管理を行い、旅費を効率良く使うことで利益率を上げ、会社の安定経営に繋げられるのです。本記事では、「どう見直せば良いか分からない」「何から手を付けるべきか」と悩む工務店経営者様のために、明日から実践できる具体策・チェックポイントを体系的にご紹介します。“無理のないコスト削減”で、経営の健全化を目指しましょう。

旅費の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店におけるコスト管理の第一歩として、日常的に発生する旅費を正確に把握することが肝要です。本セクションでは、旅費算出の基本から、現場特有の要素を踏まえた実践的な管理手法を段階的に解説します。

1. 旅費の現状把握と「見える化」

  • まず、過去半年から1年分の旅費関連データを集計します。関係書類や領収書、精算記録を洗い出し、用途・担当者・目的ごとに分類しましょう。
  • 交通費(電車・バス・自家用車ガソリン代・タクシー等)、宿泊費、出張手当など区分ごとにシートにまとめます。
  • データを月単位、部門単位、担当者単位で集計し、「どこに」「どれだけ」支出が集中しているかを可視化します。Excelや会計ソフトの活用にも慣れておきましょう。

2. コスト管理基準の策定

  • 旅費に関する社内規定(例:交通手段の選択基準、宿泊費上限、日当ルールなど)を明文化し、共通認識を徹底します。過去の実績を踏まえながら、過大・過小どちらにも偏りすぎない設定が大切です。
  • 「何の出張が必要不可欠か」「オンラインで代用できる会議はないか」といった抜本的な見直しも進めましょう。

3. 無駄の発見と削減余地の分析

  1. 出発・到着地、移動手段、出張人数のパターンを整理しましょう。特定の現場やスタッフに旅費が集中していないか傾向を探ります。
  2. 「同じ日に複数現場を回る」「隣接現場の訪問回数を減らす」「本当に現地対応が必須か」といった視点で現状を再構築できないかを検討します。
  3. 「固定化している移動ルートや手段はないか」「繁忙期は無理に分散作業していないか」など、現場段取りの癖も洗い直しましょう。

4. 社員教育と意識付け

  • 現場担当者・職人への定期的な情報共有ミーティングや、旅費精算のルール徹底、無駄な出張の再考を促す社内研修などを企画します。
  • 旅費精算時の明細記載を徹底し、経理からのフィードバックを確実に届けることで、現場と管理部門の認識ギャップを埋めます。

5. 旅費精算プロセスの見直し

  1. 旅費精算システムやアプリを導入し、領収書管理・申請フローを電子化するとミス・無駄の減少、管理効率化を同時に実現できます。
  2. 承認ルートを明確化し、社長・経理・部門長の各段階で「目的・妥当性」レビューを行う仕組みを作りましょう。
  3. 月毎に経費精算レポートを配布し、部署ごとのコスト意識を醸成します。

コスト管理×旅費:成果を最大化する具体的な取り組み

コスト管理を実際に業務内へ根付かせ、旅費を戦略的に削減するための実行フェーズです。この章では、具体的なアクション事例と、「こんな悩み・トラブル」に答えるFAQを中心に解説します。

【ステップ1】案件管理と現場訪問スケジュールの効率化

  • どの現場に「いつ」「誰が」訪問するかを事前に案件管理システムやカレンダー上で一元管理し、移動のムダを見直しましょう。
  • アクセスの良い順・優先度の高い案件からルートを組み直す、現場間の移動時間を最小限に抑える「まとめ出張」も有効です。

【ステップ2】移動手段の最適化

  • 従来の自家用車移動だけでなく、現場の立地や人数に応じて公共交通機関・レンタカー・カーシェアリングの組み合わせ利用を検討しましょう。
  • 「特定の現場だけ遠方」「複数人で移動」などケース別に最適コストの交通手段を定義し、車両管理・手配ルールの明確化も欠かせません。
  • ガソリンカードや法人用ETCを活用して経費精算の手間と誤差を減らす取り組みも有効です。

【ステップ3】オンライン化・デジタル化の推進

  • 現地確認が絶対必須でない案件には、オンライン会議や現場写真共有などのデジタルツールを最大限活用します。
  • 遠方・複数現場の事前チェックや施主との打合せを、クラウドシステム・チャット・ビデオ通話へ置き換え、移動そのものの頻度を削減しましょう。
  • デジタル化の導入教育や、使いこなすためのサポート体制も並行して整えると現場の抵抗感を減らせます。

【ステップ4】旅費ルールの細分化・徹底運用

  • 長距離出張時の宿泊費の上限や、昼食時の現金精算可否など項目ごとに具体的な「線引きルール」をつくり、迷いなく判断できる仕組みとします。
  • 必要以上に「厳しすぎる・緩すぎる」運用は現場の質に悪影響なので、現状フィードバックを取り入れた見直しサイクルも重要です。

【ステップ5】現場からの改善提案の仕組み作り

  • 旅費のコスト管理向上には、現場担当者からの「ここをこうすれば無駄が減る」「どうせならこの現場と合わせて移動したい」といった提案が効果的です。
  • 匿名でも意見が出せる専用箱・チャットの設置や、年数回のミーティングで旅費運用について現場の声を吸い上げ反映しましょう。

【よくある質問(FAQ)】

  • Q:旅費削減ばかり重視して現場クオリティが下がりませんか?
    A:単なる経費圧縮でなく「ムダ・重複の排除」「最適化」を目指しましょう。品質守るべき出張はしっかり残し、打合せや確認作業の一部のみ効率化することで、現場への影響は最小限に抑えられます。
  • Q:旅費ルールを厳しくしたら現場のやる気が下がりませんか?
    A:経費管理改善の趣旨とメリット(利益率UP、投資余力の確保等)を具体的に説明し、納得度を高めましょう。現場からの意見募集・ルール見直しの余地も残すことでストレス低減が可能です。
  • Q:電子化やシステム導入のコストが心配です。
    A:最初は無料または低価格な簡易アプリ・クラウド精算ツールから導入していく方法がおすすめ。基礎を固めてから自社規模に合わせて段階的に拡張しましょう。
  • Q:旅費以外の経費削減も一緒に実現したいです。
    A:案件ごとの残材置き場共有、材料の発注ロス削減、社用車の稼働率向上など、他経費との連携でトータルコスト管理の精度が高まります。まずは旅費改善→全社的な経費最適化へと拡げていきましょう。

コスト管理を継続的に成功させるための「次の一手」

単発で終わらず、会社全体の文化としてコスト管理を定着させるには地道なPDCAサイクルが不可欠です。経費削減や旅費最適化の成熟度をチェックしながら、適切なフォローアップや全社的な仕組み作りを進めましょう。

1. 月次・四半期ベースでの旅費データ分析と共有

  • 毎月の旅費実績と予算比を必ず定例会議で報告し、「どこが改善したか」「まだ膨らんでいる部門はどこか」を数値で可視化します。
  • 小さな成果であっても「○○を見直したことで○万円削減できた」といった具体的事例を他部署・全社へ共有し、横展開の材料としましょう。

2. 経費管理専門担当者の配置・教育

  • 既存部門の担当者に兼任させるだけでなく、できれば経費コントロールや会計知識に強いスタッフを専任または補助的にアサインします。
  • 社外セミナーや交流会への参加も促し、知見を継続的にアップデートしましょう。

3. 定期的な規定見直しと現場ヒアリング

  • 年次・半期ごとに旅費規定や運用フローの形骸化・実態乖離がないか棚卸ししましょう。
  • 現場から「最近こんな困りごとがある」「ここは規定の見直しを検討したい」といったフィードバックを集めて、現実的で納得度の高いルールに調整します。

4. デジタルツール・外部サービスの積極活用

  • より高度な会計・経費精算システム、AIによる経費分析ツールなど、新技術も積極的に情報収集し、適宜導入を検討しましょう。
  • 税理士や中小企業診断士といった外部専門家のアドバイスを受け、客観視点でのチェックも活用すると漏れが減ります。

5. 成果に応じたインセンティブ設計

  • 旅費やその他経費目の改善実績が顕著だった部署・担当者に“成功報酬”や“表彰”、事例発表会での謝礼などモチベーション維持策を盛り込みましょう。
  • 「削減ありき」だけでなくコスト管理の工夫による余剰資金で研修・設備投資などプラスのリターンを実感できる流れが重要です。

6. まとめて見えてくる持続的好循環の実現

  • 旅費の徹底したコスト管理は、単なる経費節減以上の成果(利益確保・働きやすさ向上・会社の強さ維持)を生み出します。
  • 一回限りの取り組みで終わらせず、マニュアル・定例会議・システム運用など「習慣化」の仕掛けを入れておくことで、さらなる経営改善が可能となります。

まとめ

本記事では、工務店の現場で急増しがちな旅費を切り口に、コスト管理の実践ポイントを体系的かつ現場目線で整理しました。まずは「現状の見える化」から着手し、明確なルール策定・業務の効率化・無駄発見・社員教育・精算システム化という5つのステップで改善のサイクルを回しましょう。案件・工程ごとに旅費を最適化しながら、定期的な見直しと現場からの声を吸い上げることで、単なる削減に留まらない全社的コスト管理文化が育まれます。経費削減の成果が利益率向上や働きやすさへ着実に繋がることを実感しつつ、ぜひ今日から小さな一歩を踏み出してみてください。会社の未来を守る堅実で持続的な経営がきっと実現できます。

この記事を書いた人

プロフィール画像

浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

友達申請お待ちしてます! →代表浄法寺のfacebook

工務店のネット集客ならこちら →工務店情報サイト ハウジングバザール

関連記事

住宅展示場でVR体験!顧客の記憶に残る工夫

2025/08/20 |

近年、住宅展示場への来場数や成約率が伸び悩む中、工務店経営者の皆さまは「どうすれば顧客の印象に残り、...

記事を読む

イベント後の成約率を高めるフォローアップ術

2025/08/20 |

工務店経営において、イベントは単なる集客ツールでは終わりません。競合が増え、お客様の選択肢が広がる現...

記事を読む

工務店 集客 企業のSNS活用 帝国データバンク調査

2023/10/13 |

9月14日、帝国データバンクから企業のSNS活用に関する調査結果が発表されていました。 ...

記事を読む

イベント参加者を増やすためのインセンティブ設計

2025/07/18 |

工務店経営において地域との関係構築やブランド認知向上、顧客獲得のきっかけとなるのがイベントですが、「...

記事を読む

  • 木の家住宅サイト『ハウジングバザール』

    もし、木の家をつくっていて、もっと多くのお客様と出会いたいという会社さんはぜひ見てください。
    掲載のお問合せは、画像をクリックして下さい。

  • 協会の著作

    代表理事の浄法寺が書いた住宅営業向けの本です。特にこれからの住宅営業向けに基本的な考え方と流れについて書いています。

  • 協会の著作

    代表理事の浄法寺が「SDGsをどうすれば建築業に活かせるか」を具体的な事例を取り入れながら書いた本になります。

  • 当協会監修の本です。工務店さんの集客に役立つアイデアがたくさん詰まってます!!

  • 僕たちが応援している【建築会社ができる社会貢献】のひとつのかたちです。

PAGE TOP ↑