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キッチンをアピール!料理教室と家づくりを融合

公開日: : 工務店 経営

近年、工務店が地域とのつながりや新規顧客獲得に悩むケースが増えています。チラシやWEB広告だけでは伝えきれない自社の魅力、特にキッチンや住空間の機能性・心地よさをどう訴求すればよいのか悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。そんな課題解決の糸口となるのが「イベント」の活用です。その中でも、「料理教室」を自社モデルハウスや施工例会場で開催する手法が注目されています。本記事では、なぜ工務店が料理教室イベントを選ぶべきなのか、どのように企画・運営し、家づくりと結び付けて成果を最大化するのか、さらに継続的な改善まで、具体的な手順をステップ形式でわかりやすくご紹介します。
「うちの地域でも参加者を集められるのか?」「どんな段取りで進めれば失敗しない?」「実際の商談にどうつなげる?」といったリアルな疑問や不安にも明確にお答えしますので、今後の事業発展につながる実践的なヒントをお持ち帰りください。

料理教室の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店のイベントでなぜ料理教室が有効なのか。まずは、その理由と導入のポイントを解説します。さらに、どんな業態・エリアでも再現性高く実践できる初期設計から応用展開までのステップを整理します。

1. なぜ料理教室イベントなのか?− 工務店の新たな集客導線

家づくりを考える際、多くの方が「どんなキッチンで、どんな毎日を送りたいか」からイメージを広げます。そこで、モデルハウスやショールームのキッチンを活用した料理教室イベントは、「空間の体験」と「楽しい思い出」を提供し、単なるスペック説明以上の価値を訴求できます。
さらに、料理教室は“住まい手”となり得る女性や家族層の参加率が高い傾向にあり、新規顧客層との接点づくりにも最適です。

2. 料理教室イベント立ち上げのステップ

具体的なイベント立ち上げ手順を以下のように整理します。

  • 1. 目的の明確化
    例:モデルハウスへの集客、新規見込み客との関係構築、既存顧客のファン化など。どの目的かによって規模や告知方法も変わります。
  • 2. ターゲット層・テーマ決定
    ファミリー、子育て世帯、シニア層など自社商圏に合わせターゲットを明確にし、「時短レシピ」「パン作り」「季節感」といったテーマも決定。
  • 3. 講師の選定
    地域の料理研究家、管理栄養士、人気のインフルエンサーなど信頼・集客力ある人材を確保。初回は外部講師でも、徐々に社員主導も可。
  • 4. 会場・設備準備
    自社ショールームやモデルハウスのキッチンをそのまま使用し、実際の家づくり仕様を体感してもらえるのがポイント。必要に応じてレンタルキッチンや備品準備。
  • 5. 募集・集客プロモーション
    ホームページ、SNS、チラシ、既存顧客へのダイレクトメールやLINE配信など様々な媒体を活用。初回は参加無料やプチギフト特典がおすすめ。
  • 6. 当日の流れ設計
    オープニング→料理教室→キッチンや家の機能説明(自然なトーク)→完成&試食タイム→家づくり相談・次回案内とシームレスに形づくる。
  • 7. アフターフォロー計画
    イベント後にアンケート、個別相談会への誘導、お礼メール送信などコミュニケーションを継続。

3. 料理教室イベントの応用例:自社の特色を活かす

  • 地元食材を活かしたオリジナルレシピ企画
    地域とのつながり・SDGs要素など独自カラーを強調できるため、メディアや自治体から注目されやすくなります。
  • 家事動線体験型クッキング
    動線設計や収納力の違いを、実際に“作業をしながら”体感。完成見学会との差別化が明確です。
  • 子ども参加型イベント
    安心・安全な素材の活用や火を使わないメニューで、親子での参加ハードルを下げ“家族の思い出=家の印象”を強めます。

4. よくある疑問Q&A:料理教室イベント初開催のハードル

  • Q. 料理教室未経験でも本当に集まるのか?
    A. 地域の人気料理家やママ向けSNSコミュニティから協力を得ることで、最初の集客ハードルは意外に低くクリアできます。
  • Q. 費用や準備負担は?
    A. 人件費や材料費はかかりますが、初回は規模を小さく抑え、リピートでノウハウを蓄積することでコスパも向上します。
  • Q. 「営業っぽさ」が嫌がられないか?
    A. 家の説明はイベントの最中ではなく、参加者の様子を見ながら自然な流れで伝えることが重要です。

イベント×料理教室:成果を最大化する具体的な取り組み

一度きりの催しで終わらせないイベント設計と家づくりの受注に「確実につなげる」ための具体策を解説します。実際に現場で成果を出している事例もまじえ、各ステップごとにポイントを整理します。

1. 成功事例から学ぶ:成果を出すイベントの共通点

  • 参加者の「滞在時間」を引き延ばす
    滞在時間が長いほど、モデルハウスやキッチンの記憶が定着します。料理教室イベントは設営〜調理・試食まで2時間前後かけることで自然な関係性を構築できます。
  • 記憶に残る「エピソード」作り
    「このシンク、大きくて洗い物がラク」「IHの操作が安心」など実体験に基づいて会話が弾む場面を作り、単なる“設備説明”から“暮らしそのものの魅力”へ転換します。
  • 参加者同士のコミュニケーション促進
    リピーターや紹介につなげたい場合、グループ制や親子参加型で「ワイワイ楽しむ」雰囲気作りが鍵となります。

2. イベント⇒家づくり相談の「自然な」導線設計

  • 1. ヒアリングの見える化
    料理教室の最中や後の座談会・感想タイムで「どんなキッチンがお好みですか?」「毎日のご飯作りで困っていることは?」等を自然にヒアリング。これが商談へのきっかけになります。
  • 2. 家事動線アイデアシェア
    「もしご自宅のキッチンが広かったら、どんな料理に挑戦したいですか?」など、家づくりの潜在ニーズを引き出す一言を盛り込む。
  • 3. 個別相談ブースの設置
    イベント会場の一角に簡単な相談コーナーを設け、「気軽にお声がけください」のスタンス。押し売りではなく“困りごとお伺い”の雰囲気が重要です。
  • 4. アンケートで将来ニーズの把握
    アンケートでは「住まいについての悩み」「キッチンで改善したいこと」など選択式・自由記述のダブルで聞くと、今後のマーケティング施策にも生かせます。
  • 5. イベント後のフォローアクション
    ・お礼メール+今後のイベント案内
    ・調理レシピのダウンロードURL提供
    ・感謝特典(クオカード・無料相談優待など)で2回目来場へ促す

3. 具体的成功事例に学ぶ−工務店のリアルな声

  • 40-50代女性参加型のキッチン収納術&料理教室イベント
    参加人数15名中、イベント後に家づくり個別相談へ8割が移行、年間5件の契約に直結。(地方都市工務店A社)
  • 親子クッキング&住宅ローン勉強会併催イベント
    料理教室中はあくまで“楽しく”、最後に保護者向けに「理想の住宅資金計画」への相談案内。子どもきっかけで両親世代の“今すぐ客”発掘につながった。(郊外工務店B社)
  • “失敗談”:直近の商談獲得だけをゴールに設定し、参加者目線を欠いていたため集客が苦戦⇒アンケート・口コミ評価から「次回は参加したい!」「友達にも紹介したい」企画に変え2回目以降定着。(都市部工務店C社)

4. よくある疑問Q&A:現場で失敗しない工夫

  • Q. キッチン回りの汚れ・破損リスク対策は?
    A. イベント前後の清掃・消毒体制を徹底。IHヒーターやシンクは事前に保護シート設置で安心です。
  • Q. 食材アレルギー・苦手対策は?
    A. 申込時にアレルギー確認欄を必ず設け、代替案を準備。親子参加型やシニア向けには柔軟対応が必須です。
  • Q. 飛び入り参加・キャンセルへの対応法は?
    A. 予約制を基本とし、数名分は余裕枠を確保。キャンセル待ちや次回開催案内を伝えることで機会損失も防げます。

イベントを継続的に成功させるための「次の一手」

単発イベントを繰り返すだけでは大きな成果につながりません。継続的な効果検証と改善により、「顧客との縁」を成約・紹介まで着実に育てていきましょう。ここでは、そのための実践的なPDCAと応用展開策をまとめます。

1. 効果測定と継続改善の仕組み

  • 1. 目標・KPIの設定
    ・参加者数/新規見込み客獲得件数/イベント経由の商談数/受注率など、明確な指標からスタートします。
  • 2. アンケートやデータ集計
    ・イベント後アンケートは必ず実施し、「楽しかった」「また参加したい」「設備の使い勝手」に対する満足度を数値化。
    ・HP申込経由比率やSNS拡散数もチェック。
  • 3. フィードバックをもとにPDCAサイクル
    ・参加者の声=次回イベント内容やキッチン・会場レイアウト改善のヒント。特に「どんな設備に感動したか」「家づくりで印象に残った点」を必ず記録。

2. イベントラインナップの拡張提案

  • ・季節ごとのテイスト(夏はバーベキュー、冬は鍋、地元産野菜クッキングなど)でリピーター層の来場を促進。
  • ・OB施主をゲスト講師に招き「住んでみて実感するキッチン活用術」共有会など、“リアル体験談”を加える。
  • ・定期開催型(隔月1回、季節イベントと連動)でファンクラブ的な雰囲気を醸成し、コミュニティ育成も実現。
  • ・他業種とコラボ(一流家具店・インテリアショップとのコーディネート相談同時開催等)で、中高年夫婦や単身層の興味関心を引き出す。

3. イベント広報力を高める方法

  • 地域情報誌、ケーブルテレビ、ラジオへの掲載依頼。
    地元メディア紹介は、第三者目線での信頼アップに直結します。
  • 参加者のSNS投稿促進。
    記念写真コーナー設置や「#我が家の夢キッチン」などイベント共通ハッシュタグを案内すれば、参加者自ら口コミ発信してもらえます。
  • 施工事例ページ・ブログ記事への掲載。
    実際のキッチン活用の様子(イベント中の写真や参加者コメント)を継続発信することで、新規問い合わせの増加につながります。

4. よくある疑問Q&A:継続開催で差別化するポイント

  • Q. 同じ内容で続けていると飽きられないか?
    A. 季節感・流行レシピ・ゲスト講師追加など「毎回少しずつ変化」を加えることが大切です。
  • Q. スタッフ負担・準備工数増加の対策法は?
    A. マニュアル化しスタッフ内で分業+外部ボランティアや協力業者も巻き込んでいく体制構築が有効です。
  • Q. イベント後の商談率や受注率を高めるには?
    A. イベント単体では“売り込み禁止”を徹底し、「また来場したい」仕掛け(会員特典、限定情報提供など)で2度目来場後にじっくり商談へ落とし込む方法がベストです。

まとめ

料理教室を盛り込んだイベントは、工務店のモデルハウスやショールームのキッチンを「単なる展示」から「心のよりどころとなる場所」へと引き上げ、参加者を顧客へ育てる絶好の機会です。
本記事で紹介したステップを実践することで、あなたの工務店にも新しい集客ルート、長期的なファンとの関係、そして受注率アップへの確実な道筋が見えてきます。イベントという形の“体験”をきっかけに、家づくりに一歩踏み出すお客様が増えるはずです。「企画」「運営」「振り返り」「改善」というサイクルを継続し、自社だけの“選ばれる理由”を強化しましょう。今日から一歩ずつ、地域と共に成長しながら理想の住まいづくりを実現してください。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

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