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なぜお盆明けが工務店にとって最大の営業チャンス?データで見る名簿客フォローの黄金期

公開日: : 未分類

はじめに:厳しい住宅市況の現実を知る

工務店経営者の皆様、現在の住宅業界が直面している厳しい現実をしっかりと把握されているでしょうか。住宅展示場協議会の最新調査によると、全国的な集客状況は前年比で深刻な落ち込みを見せており、二桁のマイナスを記録している地域も数多く存在します。

住宅価格の高騰が続く中、消費者の「買い控え」現象は顕著に現れています。かつて年間400万組を超えていた住宅展示場への来場者数は、近年300万組台まで減少し、その減少傾向は止まる気配を見せていません。

しかし、このような厳しい状況の中でも、確実にチャンスを掴む方法があります。それが「お盆明けから9月中旬にかけての名簿客フォロー」なのです。

なぜお盆明けが最大のチャンスなのか?

1. 住宅購入の検討期間の長期化

現在の住宅見込み客の行動パターンを分析すると、極めて慎重な検討プロセスを経ていることが分かります。家を建てたいと思ってから建築会社との契約までの平均期間は「4〜6カ月以内」が最も多く、次に「7〜12カ月以内」となっており、2年以上かかるケースも珍しくありません。

この長期化の背景には、住宅価格の上昇による慎重な検討、複数社との比較検討、そして家族間での合意形成の複雑化があります。特に、最終的な購入判断には家族全体、特に親世代との相談が重要な要素となっているのです。

2. 親からの資金援助という決定的な要因

ここで見逃してはならない重要なデータがあります。住宅購入者の実に20-25%が「親からの資金援助」を受けているという事実です。「家を買おうと思っている」という話を親にしたら、思わぬ資金援助の話が出るというケースは決して珍しくありません。

その援助額は数百万円から1,000万円を超えるケースも多く、住宅購入の実現性を大きく左右する要因となっています。これほどの金額の援助については、当然のことながら電話での簡単な相談では済みません。実際に顔を合わせて、詳細な計画や将来設計について話し合う必要があるのです。

3. 帰省とセットになる資金援助の相談

援助の相談をするタイミングとして最も自然で効果的なのが「帰省」です。特にお盆の帰省は、家族が一堂に会し、じっくりと将来の話ができる貴重な機会となります。

普段は遠く離れて住んでいる親子でも、お盆の期間中であれば時間的な余裕を持って、住宅購入という人生の大きな決断について相談することができます。この時期に親との間で資金援助の合意が得られることで、それまで漠然としていた住宅購入計画が一気に具体化するのです。

お盆明けフォローの戦略的重要性

1. 心理的な変化のタイミングを捉える

お盆期間中に親族との相談を経た見込み客は、8月下旬の時点で心理的に大きな変化を遂げています。それまで「いつかは家を」という程度だった想いが、「具体的に動き出そう」という意思に変わるのです。

この心理的変化は、まさに工務店にとって絶好のアプローチタイミングです。お客様の方でも、具体的な行動を起こすための情報収集やパートナー選びを始める時期と重なります。

2. 契約までの黄金ルートを確保する

お盆明けにアポイントを確保できることの戦略的価値は、その後のスケジューリングにあります。9月の連休(敬老の日、秋分の日)、10月の連休(スポーツの日、文化の日)、11月の連休(勤労感謝の日)という3つの連休を打ち合わせや見学会の機会として活用できるのです。

これらの連休期間中は、お客様も時間的余裕があり、じっくりと住宅について考えていただける貴重な機会となります。また、ご家族全員のスケジュールを合わせやすいという利点もあります。

3. 契約までの期間短縮効果

興味深いことに、具体的な計画段階に入ってからの行動は極めて迅速です。見学会やモデルハウス訪問、そしてプランニングから契約まで、平均してわずか2ヶ月弱という短期間で進行します。

これは、事前の検討期間が長い分、いざ動き出すときには判断基準が明確になっているためです。お盆明けのタイミングでアプローチできれば、年内の契約締結も十分に可能な時間軸となるのです。

効果的なフォロー戦略の実践方法

1. フォローのタイミング設計

最も効果的なフォロー開始時期は8月20日頃から9月15日頃までの約1ヶ月間です。この期間を3つのフェーズに分けてアプローチすることをお勧めします。

第1フェーズ(8月20日-31日):お盆休み明けの状況確認とアポイント取得 第2フェーズ(9月1日-10日):9月連休を活用した見学会やプラン提案 第3フェーズ(9月11日-15日):10月以降のスケジュール確定

2. アプローチの内容設計

フォロー連絡の内容は、相手の状況変化を前提とした構成が効果的です。「お盆期間中に家族と住宅についてお話しされましたか?」といった具体的な質問から始めることで、自然な会話の流れを作ることができます。

また、親からの資金援助に関する税制優遇措置(住宅取得等資金贈与の非課税制度)についての情報提供も、タイムリーで価値の高い情報として喜ばれます。

3. 人員配置の戦略

この重要な時期には、通常よりも多くの人員をフォロー業務に投入することをお勧めします。見込み客との接触回数を増やし、より丁寧なフォローを実現することで、競合他社との差別化を図ることができます。

データが示す成功の確率

実際の統計データを見ると、お盆明けの時期にアプローチした見込み客の契約率は、他の時期と比較して明らかに高い数値を示しています。これは、前述した心理的変化と具体的な資金計画の明確化が大きく影響しているものと考えられます。

また、この時期に契約に至ったお客様の満足度も高く、紹介による新規顧客獲得の可能性も高まります。つまり、単発の売上増加だけでなく、中長期的な事業成長にも寄与する戦略的価値があるのです。

競合他社との差別化ポイント

多くの工務店が夏季休暇明けの業務に追われている中で、戦略的にこの時期のフォローに注力することは、大きな競争優位性を生み出します。お客様にとっても、タイミング良く連絡をもらえることで「この会社は自分たちのことをしっかり考えてくれている」という信頼感を醸成することができます。

実践に向けた具体的なステップ

1. 名簿客の分析と優先順位付け

既存の見込み客リストを分析し、以下の基準で優先順位を設定します:

  • 最初の接触からの経過期間
  • 家族構成(特に親世代との関係性)
  • 検討の進捗度合い
  • 予算の概算

2. フォロー体制の構築

通常業務に加えて集中的なフォロー活動を行うため、一時的な人員配置の見直しや、外部リソースの活用も検討に値します。特に、電話でのアポイント取得に特化したスタッフの配置は効果的です。

3. 成果測定の仕組み作り

この期間のフォロー活動の成果を適切に測定するため、以下の指標を追跡することをお勧めします:

  • 接触成功率
  • アポイント取得率
  • 見学会参加率
  • 契約率
  • 契約までの期間

まとめ:今すぐ始める集中フォロー戦略

住宅業界の厳しい競争環境の中で、確実に成果を上げるためには、戦略的なタイミングを逃すことはできません。お盆明けから9月中旬にかけての期間は、1年のうちで最も効果的な名簿客フォローの機会です。

この貴重な機会を活かすため、今すぐにでもフォロー体制の準備を始めることをお勧めします。適切な準備と実行により、厳しい市況の中でも確実な成果を手にすることができるはずです。

もし、具体的なフォロー方法についてお悩みの場合や、フォローに必要な人員が不足している場合はこちらを参考にしてください。

https://omoikanebooks.wixsite.com/tsuikyaku1912

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

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