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モデルハウスで「安心」を売る!耐震性のアピール術

公開日: : 工務店 経営

近年、住宅購入者が住まい選びにおいて最も重視するポイントの一つが「安心・安全」です。特に地震大国・日本においては、耐震性能への関心が高く、工務店が自社の信頼性を示す上でも耐震性の訴求は不可欠となりました。しかし、多くの工務店が抱えているのが「モデルハウスを活用してどう効果的に耐震性をアピールできるのか」という具体的な手段の不足です。モデルハウス見学会で漠然とした説明に留まり、来場者に充分な納得や感動を与えられず、商談に結び付けられていないという声も多く聞かれます。
この記事では、モデルハウスを「安心の体感空間」として成功させるための、実践的な耐震性アピール戦略と具体的ステップを徹底解説します。耐震性の見せ方・伝え方から、スタッフのトーク術、体験型イベント企画、来場者の疑問解消法、効果測定まで、すぐに使えるノウハウを段階的にご紹介。読者の皆様がこの記事を通じて、「モデルハウスで安心を売る」ための実践的方法を身につけ、顧客の信頼獲得と業績アップを両立できるようになることをお約束します。

耐震性アピールの「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

モデルハウスの目的は単なるデザインや設備の展示ではありません。顧客が本当に知りたいのは「この家に家族を預けても大丈夫なのか」という『安心感』です。その核心に応えるためには、耐震性アピールを計画的にモデルハウスに組み込む必要があります。ここでは、誰もが実践できる導入戦略を5ステップで解説します。

1. モデルハウス計画段階で「耐震性」を設計コンセプトに明示する

初めに重要なのが、モデルハウスの設計時点から耐震性能を中核コンセプトとして位置付けることです。耐震等級3の取得や構造計算書の提示、壁量や制震装置など「見える耐震性」と「データで示せる証拠」の両面を設計案に盛り込み、他社との差別化を明確にします。

2. 「耐震性が見える」展示・体験スペースを作る

モデルハウス来場者の多くは、耐震性が図面や専門用語だけではイメージできません。そこで、実際の構造躯体を露出したコーナーや、地震シミュレーション体験装置、制震ダンパー等の現物展示など、触れて理解できる工夫を取り入れましょう。

  • 基礎部分や構造壁の一部を“スケルトン展示”で見せる
  • 各部の部材強度や構造模型を触れるスペースを設置
  • VRやAR技術による「地震時の揺れ体験」コーナーを設置

3. パネル・POP・映像による「視覚的・感情的」アピール

技術的データや実績、耐震実験の様子をグラフや写真、短い動画で表現し、見学動線の各所にPOPパネルやモニターを設置します。「分かりやすさ」と「気持ちへの訴求」を意識し、来場者の印象に残る展示にしましょう。

  • 過去の地震被害と当社施工住宅の被害軽減事例比較
  • 耐震補強部材や実験映像のループ再生
  • 地元の地震リスクや家を守るための啓発コンテンツ

4. スタッフ研修と“安心ストーリー”の習得

どれほど優れたモデルハウスでも、スタッフが専門用語のみで説明すると来場者は納得できません。「なぜこの耐震構造なのか」「どれだけ家族を守れるのか」といったストーリー化した説明や、自分自身の家族を守る視点で語れるトークスクリプトの習熟がポイントです。

  • 耐震性能の“メリットと他社比較”を言葉で語れるように練習
  • 顧客からよく出る「地震がきたらどうなる?」という質問に即答できるQ&A集の作成
  • 感情に訴える「子どもを守る家」の実例を準備

5. 「疑似体験イベント」とアフターフォローのセット化

来場者がその場で耐震性を体感できる「地震体験車」や「1/1実物大耐震実験イベント」、さらに『見学後の不安や疑問をLINEやメールで継続フォローする』体制を作ります。一度接点を持った顧客を持続的にサポートし、契約への信頼醸成につなげていきましょう。

【Q&A】耐震性に関する顧客の疑問にこう答える

  • Q. 耐震等級3と2はどう違うの?
    A. 等級3は、消防署や警察署など防災拠点と同等の耐震基準です。大地震でも倒壊しにくく、「命を守る家」として国の基準でも最高ランク。等級2との大きな違いは、将来的な修理・住み替え負担や保険の優遇、資産価値維持のしやすさです。
  • Q. 本当に地震が来ても壊れませんか?
    A. どんな建物も絶対はありませんが、構造設計・部材・施工品質で最大限の備えを施しています。実際の地震被害データや実験映像、第三者機関の認証を現地で説明することで安心していただいています。

モデルハウス×耐震性アピール:成果を最大化する具体的な取り組み

単なる説明だけでは、多くのモデルハウスが「どこも同じ」に映ってしまいがちです。ここでは、顧客体験を一段上の「本物の納得・感動」へ導く耐震性アピールの具体策と、工務店経営者・現場責任者がすぐに実行できる方策を6つご紹介します。

1. オープンハウス・イベントで耐震体験を“主役”に設定

モデルハウスの見学会や週末イベントで、耐震性アピールを中心企画に据えましょう。実際の柱や梁を使った「耐震模型組み立て体験」や「耐震診断デモ」、震度ごとに揺れる地震体験装置など参加型コンテンツは非常に好評です。

  • イベント広告に「大地震でも家族を守る理由を体験しに来てください」と打ち出す
  • 家族参加型の「耐震クイズ大会」や「耐震模型壊しゲーム」を実施
  • 専門家による耐震セミナーでその場の疑問を解消

2. 来場者の潜在不安を引き出すヒアリング設計

耐震性への疑問や不安は顧客によって千差万別です。「最近の地震で不安になった経験はありますか?」など、アンケートやヒアリングカード、受付時の雑談を通して個々の心配事を掴み取りましょう。その上で「それならば…」とピンポイントな耐震性アピールにつなげていきます。

3. 建築現場見学とのセット販売

モデルハウスだけでは伝えにくい「現場の耐震施工」を、建築中現場の見学会と連動させる方法です。基礎・構造・耐震補強の施工風景、現物の金物や基礎断面が見られることで納得感が一気に高まります。

  • 「今だけ基礎が見られる現場バスツアー」を企画
  • 現場責任者・大工と直接話せる時間を設ける

4. 「他社との違い」を数値・証拠で明示

言葉だけでなく、第三者機関の試験値やシミュレーションデータ、性能証明書をモデルハウス内に掲示します。「自社はどれだけ強いのか」「地域の建売住宅と何が違うのか」を“数字”で示すことで、商談時の重要な武器になります。

  • 「こちらが耐震等級3の強度を証明する試験報告書です」
  • 類似プランとの比較表・耐久年数シミュレーションを用意

5. アフターサービス&地震時サポート体制もセットで提案

安心は「買った時」だけでは成り立ちません。地震発生時の避難連絡網や、耐震補強・点検サービス、万一の損害時サポート体制までしっかり説明することで「本当に長く守られる」信頼を獲得できます。

  • 「ご入居後も定期的に耐震診断を実施します」
  • 地震情報と連動した即応サポートラインの設置

6. デジタル・SNSを活用した「体験の共有・拡散」策

来場者にSNSや公式LINEでモデルハウスやイベントの写真・動画を拡散してもらう仕掛けも有効です。「実際に地震体験をした子どもの感想」や「耐震模型を前にして納得する親御さん」など、生きた反響が新規集客にもつながります。

  • #耐震体験 #子どもを守る家 などのSNS投稿キャンペーン
  • イベント参加者の写真をプレゼント

【耐震アピールFAQ】モデルハウス見学者から多い質問と対応例

  • Q. 耐震性が高いと住み心地やデザインに影響しませんか?
    A. 最新の耐震技術では、デザイン性と住み心地を両立できます。柱や構造壁の配置、制震装置の導入で開放的な間取りも実現可能。実際にモデルハウス内を歩いて確かめてみてください。
  • Q. 耐震補強は追加オプションですか?費用が高くなりませんか?
    A. 耐震等級3を基本仕様としてご提案しています。コストも徹底的に抑えつつ、必要な部分に絞った耐震補強で無理なく安心が手に入ります。ご予算に応じて最適プランをご案内いたします。
  • Q. 実際の大地震で被害を受けたお客様はいませんか?
    A. 近年の地震では、当社施工住宅の倒壊・大きな損傷ゼロという記録がございます。被災後のアフター対応事例も現地で紹介していますので、どうぞご覧ください。

モデルハウスを継続的に成功させるための「次の一手」

耐震性アピールをモデルハウスで実現した後も、“一度きり”で終わらせては意味がありません。持続的に成果を上げ、自社ブランドの信頼度を深化させるため、さらなる応用策・改善手法を紹介します。

1. 顧客体験アンケートと「インサイト分析」の定期実施

モデルハウスの見学者・契約者からのフィードバックを蓄積し、耐震性アピールがどのような印象や納得感につながったかを数値化・可視化します。定性的なコメントも社内で毎月共有し、展示や説明手法の改善に役立てます。

  • 「どのポイントで“安心”を感じたか」など具体的設問を設定
  • ネガティブな声も必ず活かし、展示や説明をアップデート

2. 年度ごと・新規モデルハウスへの耐震性アピール手法の拡張

一つのモデルハウスで得た成功・課題を、次の新築物件や他エリアのモデルハウスにも反映します。地域ごとに地震リスクや顧客層の不安要素は異なるため、カスタマイズした耐震アピール手法の展開が重要です。

  • 地元の地震史や過去被害事例をモデルハウス展示に反映
  • 地元行政・学校など地域ネットワークとの連携イベント企画

3. WEBと連動した「オンライン耐震体験」「リモート相談」導入

コロナ禍以降、来場が難しい顧客にも「耐震安心」を体感してもらう工夫として、VR内覧や動画解説付きWEBセミナー、ZOOMでの個別相談を導入します。これにより新たな層の集客や遠方への訴求が可能となります。

  • モデルハウスの“耐震ポイント”をVRツアーで案内
  • 専門家と1on1で疑問を解消できるWEB相談日を設置

4. 顧客紹介・口コミによる「信頼の輪」づくり

既存顧客からの紹介や口コミは最も信頼度の高い宣伝手段です。モデルハウス見学~成約~入居後に至るまで、耐震性アピールの証拠や体験談をストーリー化し、新たな顧客への信頼連鎖を生み出します。

  • OB施主さんの「地震エピソード」冊子配布
  • 完成宅訪問イベントや動画メッセージコンテンツ

5. 「展示の旬」を定期リニューアルし、リピーターを増やす

モデルハウスの展示内容は、年度ごと・季節ごとにリニューアルし、常に最新の耐震技術や“今話題の地震対策”を紹介しましょう。「前も見たよ」ではなく「毎回発見がある」と感じてもらうことで、リピーターや再来場も増やせます。

  • 新開発の耐震部材・制震技術を随時展示追加
  • 各地の直近地震事例をリアルタイムで解説

【長期戦略のQ&A】モデルハウス活用で経営に効く耐震性アピールの疑問と回答

  • Q. 耐震性アピールを続けることで、工務店の経営にどう影響しますか?
    A. 顧客は長期視点で「住まいの安心」を選択する傾向が強まっています。継続的な耐震アピールにより、信頼が厚くなり紹介・リピート客も増え、値引き競争に巻き込まれにくいブランド力強化、資産価値維持にも直結します。
  • Q. 他の安全性能(防火・防犯)と合わせてアピールできますか?
    A. はい、地震・火災・防犯の「トリプル安心」のコンセプトで展示やイベントを組み立てると効果的です。テーマごとに専門的スタッフを配置し、多角的安心提案を強化しましょう。

まとめ

モデルハウスは、住宅の魅力だけでなく住まいの「安心体験」を伝える最前線の現場です。耐震性アピールを通じて顧客の信頼と納得を得るには、設計・展示・スタッフ対応・体験イベント・アフター体制──すべてに一貫した戦略と、具体的な行動計画が欠かせません。本記事でご紹介した実践的ステップは、どれも明日から取り組める内容ばかりです。これらを積み重ねることで、モデルハウスは単なる“展示空間”から、地域で唯一無二の「安心が見える家」へと進化します。顧客の心に届く耐震性アピールを通じて、持続的な成長とブランド価値向上を実現してください。皆様の現場での行動が、顧客の未来と家族の笑顔を確かなものにしていくはずです。
これからの住宅業界で選ばれる工務店になるために、ぜひ今日から一歩を踏み出しましょう。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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