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セミナー開催で工務店のファンを増やす方法

公開日: : 工務店 経営

工務店の経営者様にとって、安定した顧客獲得は事業継続の生命線です。しかし、「集客の具体的な方法が分からない」「競合が多くて埋もれてしまう」「価格競争に巻き込まれたくない」といったお悩みを抱えている方も少なくないでしょう。広告費の高騰や、情報過多な現代において、効率的かつ効果的に見込み顧客と出会い、信頼関係を築く手段は常に求められています。この記事では、多くの工務店様がその効果を実感しているにも関わらず、まだ十分に活用できていない可能性のある「セミナー開催」に光を当てます。セミナーは単なる情報提供の場ではなく、あなたの工務店の専門性や家づくりへの情熱を伝え、参加者との間に深い信頼関係を築き、結果として確実な顧客獲得に繋がる強力なツールです。この記事では、「セミナー開催」がなぜ工務店の顧客獲得に有効なのか、そして実際にゼロから成功させるための具体的かつ実践的なステップを詳しく解説します。セミナーテーマの選定から、開催準備、効果的な集客方法、そしてセミナー後のフォローアップまで、あなたの工務店がセミナーを通じてファンを増やし、継続的な顧客獲得を実現するためのノウハウをすべてご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、今日から実践できるアクションプランを持ち帰ってください。

セミナー開催の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

「セミナー開催」と聞くと、「難しそう」「大勢の人を集められる自信がない」といった先入観をお持ちかもしれません。しかし、工務店がセミナーを開催することには、他の集客手法にはない大きなメリットがあります。それは、見込み顧客と直接対話し、あなたの専門知識や家づくりの考え方を深く理解してもらえる機会を得られることです。一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、質の高い顧客獲得に繋げやすくなります。

1. なぜ工務店にセミナー開催が有効なのか?顧客獲得に繋がる5つの理由

  • 専門性の訴求とブランディング:家づくりに関する専門知識(資金計画、土地探し、構造、断熱、デザインなど)を分かりやすく伝えることで、「この会社は信頼できる」「家づくりのプロだ」という安心感を与えられます。これが強力なブランディングとなり、他の工務店との差別化に繋がります。
  • 質の高い見込み顧客の獲得:セミナーに参加する人は、家づくりに真剣に関心がある層です。漠然と情報収集している人ではなく、具体的な課題意識や疑問を持った見込み顧客が集まりやすいため、その後の商談に繋がりやすい傾向があります。効率的な顧客獲得が期待できます。
  • 信頼関係の構築:直接顔を合わせて話を聞くことで、担当者の人柄や会社の雰囲気が伝わります。質疑応答や個別相談を通じて個人的な関係性を築きやすく、ホームページや資料だけでは伝えきれない「想い」の部分を共有できます。
  • 教育とリードナーチャリング:セミナーを通じて参加者の家づくりに関する知識レベルを引き上げることができます。「何から始めたら良いか分からない」という状態から一歩踏み出す手助けをし、家づくりに対する前向きな気持ちを醸成します。これは見込み顧客を育成(リードナーチャリング)し、自然な形で商談へと移行させるプロセスです。
  • 競合との差別化:多くの工務店がホームページや見学会といった一般的な集客手法に注力する中で、定期的に質の高いセミナーを開催することは、独自の強みとして光ります。「学ぶならこの工務店」というイメージを築くことができます。

2. セミナーテーマの決め方:参加者の「知りたい」を引き出す

セミナー開催の成功は、テーマ選定にかかっています。一方的な説明ではなく、参加者が「これを知りたい!」と思うような、具体的な疑問や悩みに寄り添うテーマ設定が重要です。工務店が提供できる価値と、顧客が求めている情報の接点を見つけましょう。

2-1. ペルソナを設定する

誰に向けたセミナーですか? 30代前半の共働き夫婦、子育て世代、セカンドライフを考えるシニア層など、具体的なターゲット像(ペルソナ)を設定することで、その人たちがどんな情報に価値を感じるかが見えてきます。

2-2. 顧客の疑問や悩みを洗い出す

過去の顧客や見込み顧客からよく聞かれる質問は何ですか? 営業担当が日頃感じている顧客の不安は何ですか? それらをリストアップしてみましょう。「資金計画」「土地探し」「地震対策」「断熱性能」「補助金」「リフォームか建て替えか」「工務店選びのポイント」など、具体的な疑問点をテーマにすることで、参加意欲が高まります。

2-3. 工務店の強みと結びつける

あなたの工務店の得意分野は何ですか? デザイン性の高い家、高気密高断熱、自然素材、狭小住宅、耐震等級3など、独自の強みを明確に打ち出しましょう。その強みが顧客の「知りたい」と合致するテーマが理想的です。例えば、高気密高断熱が得意なら「光熱費を大幅削減!賢い家の断熱・気密セミナー」といったテーマが考えられます。

具体的なテーマ例

  • 初めての家づくり 何から始める?「後悔しないためのステップガイド」
  • 失敗しない土地探しの鉄則教えます!
  • 消費税増税後でも慌てない!「賢い資金計画と住宅ローン活用術」
  • プロが教える「地震に強い家」の見分け方
  • 健康に暮らせる家の秘密「自然素材を活かした家づくり」
  • 建ててからでは遅い!「メンテナンス費用を抑える家づくりのコツ」
  • わが家にぴったりの工務店を選ぶためのチェックリスト

3. 開催形式と準備:オフライン?オンライン?それともハイブリッド?

テーマが決まったら、次に開催形式と具体的な準備に入ります。

3-1. 開催形式の選択

  • オフラインセミナー:
    • メリット:参加者と直接交流でき、関係性を築きやすい。モデルハウスや構造見学会とセットで開催することで、実際の建物を体験してもらえる。参加者の反応を見ながら進められる。臨場感がある。
    • デメリット:会場準備の手間と費用がかかる。参加できる人数に限りがある。開催場所への移動が必要なため、遠方からの参加が難しい。
  • オンラインセミナー(ウェビナー):
    • メリット:場所を選ばず全国、あるいは海外からでも参加できる。集客エリアが広がる。会場費がかからない。録画しておけば後日配信も可能。データ分析がしやすい(参加者の入退室時間など)。
    • デメリット:非対面のため、場の雰囲気を感じ取りにくい。通信トラブルのリスクがある。参加者の集中力が持続しにくい場合がある。個別相談への誘導が対面よりやや難しいことも。
  • ハイブリッドセミナー:
    • メリット:オフラインの良さとオンラインの利便性を両立できる。多様なニーズに対応可能。
    • デメリット:準備の手間が増える。機材やスタッフが必要になる。

最初は小規模なオフラインセミナーや、手軽なオンラインセミナーから始めてみるのがおすすめです。ターゲット層や工務店の事情に合わせて選びましょう。

3-2. 開催日程と時間の設定

ターゲットのライフスタイルに合わせて設定します。休日(土日)の午前中や午後、あるいは平日の夜などが一般的です。開催時間は内容にもよりますが、集中力を維持できる1時間半~2時間程度(質疑応答込み)が良いでしょう。定刻開始・終了を心がけ、参加者のスケジュールに配慮します。

3-3. 会場またはオンラインツールの手配

  • オフライン:自社モデルハウス、事務所内のスペース、貸会議室、地域の公民館など。参加人数に合わせた広さ、プロジェクターやスクリーンの有無、アクセスの良さを考慮します。
  • オンライン:Zoom Webinars, Google Meet, Microsoft Teamsなどのツールを選定します。参加人数上限、機能(画面共有、チャット、Q&A、投票など)、費用を確認します。

3-4. 必要な準備物リスト

  • 共通:
    • セミナー資料(PDF、スライド等)
    • アンケート用紙またはアンケートフォーム
    • 参加者リスト
    • 工務店の会社案内、施工事例集
    • 筆記用具(オフライン)
    • 名札(オフライン)
  • オフライン:
    • プロジェクター、スクリーン
    • PC、接続ケーブル
    • マイク、スピーカー
    • ホワイトボード、マーカー
    • 会場の設営・撤収計画
    • 飲み物
    • 誘導看板
  • オンライン:
    • 高性能なPC、安定したインターネット回線
    • Webカメラ
    • マイク付きイヤホンまたはヘッドセット
    • 照明(顔が明るく見えるように)
    • 画面共有用の資料、デモンストレーション用のツール
    • チャットやQ&A対応担当者(大規模の場合)

準備は万全に行い、当日慌てないようにチェックリストを作成しておきましょう。セミナー開催は、顧客獲得に向けた重要なステップです。

4. 効果的な告知・集客戦略:「どうやって知ってもらうか?」

どんなに良い内容のセミナーを企画しても、参加者が集まらなければ意味がありません。ターゲットに響く、効果的な告知と集客が不可欠です。ここが顧客獲得の最初の難関とも言えます。

4-1. 告知媒体の選定と使い分け

  • 自社ホームページ:セミナー告知専用ページを作成し、詳細(日時、場所/URL、テーマ、対象者、参加費、申込方法)を分かりやすく掲載します。トップページやブログからもリンクを張ります。
  • SNS(Facebook, Instagram, LINE公式アカウント):ターゲット層が多く利用しているSNSで告知します。魅力的な画像や動画、参加するメリットを具体的に伝える投稿が効果的です。LINE公式アカウントの登録者にはプッシュ通知で告知することも有効な顧客獲得手段です。
  • 地域メディア(フリーペーパー、地域情報サイト):ターゲットとする地域に根差した媒体に掲載依頼を検討します。費用はかかりますが、地域住民へのリーチ力が高い場合があります。
  • DM・チラシ:過去の見込み顧客リストや反響のあったエリアへのポスティング、地域イベントでの配布なども有効です。手元に残る形で情報を届けられます。
  • 外部のセミナー告知サイト:Peatix, こくちーずプロなどのセミナー告知サイトに登録し、幅広い層にアプローチします。
  • YouTubeやブログ:セミナー内容の一部を動画や記事で公開し、「もっと詳しく知りたい方はセミナーへ」と誘導する方法もあります。コンテンツマーケティングと組み合わせることで、継続的な顧客獲得力を高めます。

複数の媒体を組み合わせることで、より多くの見込み顧客に情報を届けることができます。

4-2. 参加したくなる!魅力的な告知文の作成

告知文には、参加者が「なぜこのセミナーに参加すべきか」「参加することで何が得られるか」を具体的に明記します。

  • ターゲットの悩みに共感するキャッチコピー:「家づくり、何から始めたらいいの?」「失敗しないお金の話」など、ターゲットが抱えるであろう悩みをストレートに提示します。
  • 参加メリットの明確化:「〇〇が学べる」「△△の疑問が解決する」「このセミナー限定の特典がある」など、参加することで得られる具体的な「未来」を示します。
  • 講師の信頼性:「一級建築士〇〇が解説」「創業△年の実績を持つ代表が語る」など、誰が話すのか、その人の専門性や実績を伝えます。
  • 緊急性や限定性の提示:「限定〇名」「〆切は△月△日」「今回だけの特別開催」など、申込みを促す仕掛けも有効です。

4-3. 集客を成功させるための具体的なコツ

  • 早期申込割引や特典:早めに申し込んだ参加者に割引や小さなプレゼントを用意する。
  • 紹介キャンペーン:参加者が友人を誘って参加した場合に特典を付与する。
  • ターゲット層が多い場所にチラシを設置:地域の工務店であれば、子育て支援センターやカフェ、スーパーの掲示板など、ターゲット層が集まる場所に許可を得てチラシを置く。
  • 開催前日のリマインダー:申し込んだ参加者に、前日または数日前に「〇日のセミナー、お待ちしております!」というリマインダーメールを送る。オンラインの場合は参加用URLを再度送る。
  • 申し込みハードルを下げる:申し込みフォームは項目を少なく、簡単に入力できるようにする。電話やメールでも申し込みを受け付ける。

こうした小さな工夫の積み重ねが、実際の顧客獲得に繋がります。

顧客獲得×セミナー開催:成果を最大化する具体的な取り組み

セミナーを成功させるための準備が整ったら、いよいよ本番です。当日の進行、参加者とのコミュニケーション、そして終了後のフォローアップが、セミナーを単なる情報提供で終わらせず、具体的な顧客獲得に繋げるための鍵となります。

5. セミナー本番:参加者の心を掴む進行と情報提供

セミナー当日は、参加者がリラックスして情報を受け取れるような雰囲気作りが大切です。あなたの専門性はもちろん、工務店の人間的な魅力を伝え、信頼関係を築く場と捉えましょう。

5-1. アイスブレイクと自己紹介

セミナー開始直後は、参加者も緊張しています。軽い自己紹介や、家づくりに関する簡単な質問(例:「今日のセミナーで一番知りたいことは何ですか?」)で場を和ませましょう。話し手であるあなたの自己紹介では、単なる経歴だけでなく、「なぜ家づくりに携わっているのか」「どんな家づくりを目指しているのか」といった熱意や価値観を伝えると、共感が生まれやすくなります。

5-2. 資料の見せ方、話し方のコツ

  • 資料はシンプルに:文字ばかりのスライドは見づらいです。図や写真、イラストなどを効果的に使い、視覚に訴えかけましょう。伝えたいポイントを絞り、簡潔な言葉で示します。
  • 専門用語は避けるか解説する:専門用語を使う場合は、必ず分かりやすく解説を加えながら進めます。参加者の理解度に合わせて言葉を選びます。
  • 一方的に話さない:時折、参加者に問いかけたり、うなずきを求めたりするなど、双方向のコミュニケーションを意識します。「ここまでで何かご質問はありますか?」と確認する時間も設けると、参加者の疑問をその場で解消でき、満足度が高まります。
  • 熱意と誠実さを伝える:家づくりへの情熱や、お客様への真摯な姿勢は必ず伝わります。テクニックよりも、誠実な態度で話すことが信頼獲得に繋がります。

5-3. 質疑応答と個別相談への誘導

質疑応答の時間は、参加者の疑問を解消するだけでなく、潜在的なニーズを引き出すチャンスです。どんな質問にも丁寧に答え、その場で解決できない個人的な内容や、さらに詳しく知りたい方には「個別相談も承っております」と自然な形で誘導します。セミナー参加者限定の無料個別相談やお役立ち資料配布などの特典を用意しておくと、誘導がスムーズになります。これが具体的な顧客獲得への重要なステップとなります。

6. セミナー後のフォローアップ戦略:見込み顧客を逃さない

セミナーを開催して終わりではありません。むしろ、セミナー後のフォローアップこそが、見込み顧客を顧客へと育成し、実際の顧客獲得に繋げるための最も重要なプロセスです。

6-1. 感謝のメッセージと資料送付

セミナー終了後、できるだけ早く(できれば当日中か翌日)参加者への感謝のメッセージを送ります。メールでも手書きのハガキでも良いですが、参加へのお礼とともに、セミナー資料(当日配布していなければPDFデータなど)、今日の学びを活かすためのワンポイントアドバイス、そして個別相談の案内などを添えます。

6-2. 個別相談へのスムーズな誘導

感謝のメッセージの中で、改めて個別相談のメリット(例:あなたの土地や資金に合わせた具体的なシミュレーションが可能)を伝え、申込み方法を明記します。「先着〇名様に限定特典」といったインセンティブを設けるのも効果的です。個別相談まで進めば、かなり高い確率で顧客獲得に繋がる可能性が見えてきます。

6-3. 検討度合いに合わせた情報提供

個別相談には至らなかった参加者に対しても、繋がりを保つことが重要です。ニュースレターやブログ、SNSなどを通じて、定期的に家づくりに関する役立つ情報や工務店の活動状況を発信します。これにより、参加者の家づくり熱が冷めないように働きかけ、検討が進んだタイミングであなたの工務店を思い出してもらえるようにします(リードナーチャリング)。この継続的な情報提供が、将来的な顧客獲得に繋がります。

Q&A:セミナー後のフォローアップ、どんな内容にすれば良いですか?

A:まずはセミナーへの参加のお礼です。次に、セミナー内容の重要なポイントを振り返る短い要約や、今日の学びを実践するための具体的なアドバイスを添えましょう。そして、最も重要なのが「次のステップ」への誘導です。個別相談の案内を中心に、工務店のイベント情報や役立つコンテンツ(ブログ記事、YouTube動画など)へのリンクを貼るのも良いでしょう。参加者の属性やセミナーでの反応に合わせて、内容を少し変えてみても良いかもしれません。

7. CRM(顧客管理システム)の活用:情報を一元化する

セミナー参加者の情報は、工務店にとって貴重な見込み顧客リストです。これらの情報を効率的に管理し、適切なタイミングでフォローアップするためには、CRM(顧客管理システム)の活用が非常に有効です。

7-1. 参加者情報の登録

セミナー参加者の氏名、連絡先、参加したセミナーの日時・テーマ、セミナー中の様子(熱心に聞いていたか、質問があったかなど)、アンケート内容などをCRMに登録します。

7-2. フォローアップ履歴の記録

いつ、どのような内容でフォローアップしたか(感謝メール送信、個別相談の提案など)を記録します。これにより、誰に、いつ、どんなアプローチをすべきかが明確になります。

7-3. セグメンテーションと自動化

参加者を検討度合いや興味関心(例:「資金計画」に関心があるグループ、「耐震性」に関心があるグループ)で分類(セグメンテーション)し、それぞれのグループに合わせた情報(資金計画の記事、耐震セミナーの案内など)を自動で配信する仕組みを構築することも可能です。

CRMを活用することで、属人的になりがちな見込み顧客管理を組織的に行い、フォローアップ漏れを防ぎ、効率的な顧客獲得活動を進めることができます。

顧客獲得を継続的に成功させるための「次の一手」

セミナー開催を一度成功させたら、それを単発で終わらせず、継続的な顧客獲得のサイクルに組み込んでいきましょう。セミナーの効果測定と改善、そして他の集客施策との連携によって、工務店の顧客獲得力をより一層強化できます。

8. セミナー効果測定と改善サイクル(PDCA)

セミナーは「開催すること」が目的ではなく、「顧客獲得に繋げること」が目的です。そのため、開催後に必ず効果測定を行い、次回の改善に活かすことが重要です。PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回しましょう。

8-1. 効果測定の具体的な指標(KPI)

  • 参加者数:事前の目標人数に対してどのくらい集まったか。
  • 参加者の属性:ターゲット層に合致した参加者がどのくらいいたか。
  • アンケート結果:セミナー内容への満足度、理解度、今後の家づくり予定、個別相談への希望など。具体的な声を収集します。
  • 個別相談移行率:セミナー参加者のうち、何人が個別相談に進んだか。
  • 契約率:セミナー参加者から個別相談を経て、最終的に何件の契約に繋がったか。これが最終的な顧客獲得の成果指標です。
  • 顧客の声:セミナーが家づくり検討にどう役立ったか、参加者の口コミや感想。

8-2. アンケートの活用法

アンケートは、セミナー内容の改善点や参加者のニーズを把握するための貴重な情報源です。「今日のセミナーで一番参考になった点は?」「もっと詳しく聞きたかったことは?」「今後のセミナーで取り上げてほしいテーマは?」といった質問を加えることで、次回の企画に活かせます。

8-3. 改善点の特定とアクションプラン

効果測定で得られたデータやアンケート結果をもとに、良かった点・悪かった点を洗い出します。「集客が目標に達しなかった→告知方法を見直す」「セミナー後の個別相談が少なかった→セミナー中の誘導を強化、フォローアップ内容を変える」「内容が難しすぎた/簡単すぎた→次回はターゲット層に合わせて調整する」など、具体的な改善策を立て、次回のセミナー計画に反映させます。

Q&A:初めてセミナーを開催したけれど、あまり参加者が集まりませんでした。どうすれば良いですか?

A:落ち込む必要はありません。初めてのセミナーは誰もが試行錯誤です。まずは集客段階の問題を分析しましょう。「告知期間は十分だったか?」「告知媒体はターゲットに合っていたか?」「告知文の魅力は?」「申し込み方法は分かりやすかったか?」などを振り返ります。可能であれば、申込に至らなかった見込み顧客層に理由を聞いてみるのも良いでしょう。次回は、よりターゲット層に響くテーマや告知方法、早めの告知開始など、集客戦略に重点を置いて改善を行います。参加費を無料にする、開催形式をオンラインに変えてみる、といったアプローチも考えられます。継続的な顧客獲得のためには、諦めずに改善を続けることが大切です。

9. セミナーと他の集客施策の連携強化

セミナー開催は、単独で行うよりも、他の集客施策と組み合わせることでさらに効果を発揮します。顧客獲得の導線の幅を広げ、接触回数を増やすことで、信頼関係を深められます。

  • ホームページ/ブログ連携:セミナーレポートをブログ記事として公開したり、セミナー関連のFAQページを作成したりすることで、Webサイトへのアクセスを増やし、信頼性を高めます。
  • YouTube連携:セミナー内容の一部を切り出してYouTube動画として公開したり、セミナーの告知動画を作成したりします。
  • SNS連携:セミナー開催風景や参加者の声を発信し、次回の参加を促します。質問募集やアンケートをSNS上で行うことも可能です。
  • 見学会/完成見学会との組み合わせ:セミナーで興味を持った参加者に見学会への参加を促したり、逆に見学会の参加者向けに特定のテーマでさらに知識を深めるセミナーを案内したりします。
  • 地域イベントへの出展:地域のイベントでミニセミナーや個別相談ブースを設け、潜在顧客との接点を作ります。

これらの施策が相互に連携することで、多角的なアプローチによる顧客獲得が可能になります。

10. 社内体制の構築と外部リソースの活用

セミナーを継続的に開催し、顧客獲得に繋げていくためには、社内体制を整えることも重要です。誰が企画立案を担当し、誰が集客を担い、誰が講師を務め、誰が当日の運営やフォローアップを行うのか、役割分担を明確にします。

もし社内リソースが限られている場合は、外部の専門家や業者に協力を求めることも検討しましょう。例えば、セミナー資料作成の代行、オンラインセミナーの運営サポート、集客のためのWeb広告運用代行などです。すべてを自社で抱え込まず、得意な部分はアウトソーシングすることで、より高品質なセミナー開催が可能になります。効率的な顧客獲得には、社内外のリソースを最適に活用することが重要です。

11. セミナー開催を通じた「ファンづくり」

セミナー開催の最終的な目標は、単なる顧客獲得だけでなく、「あなたの工務店のファン」を増やすことです。セミナーを通じて、あなたの工務店の家づくりに対するこだわり、安全性への配慮、デザイン性、そして何よりも「人」としての魅力を伝えましょう。参加者が「この人たちになら、安心して家づくりを任せられる」と感じてくれたら、それは強力なファンになった証拠です。

ファンになったお客様は、単に契約してくれるだけでなく、あなたの工務店の応援団となり、友人や知人を紹介してくれる可能性が高まります。口コミや紹介は、最も強力な顧客獲得チャネルの一つです。セミナーを継続的に開催することで、こうした熱量の高いファンを増やし、工務店の持続的な成長へと繋げていきましょう。

まとめ

工務店の顧客獲得において、セミナー開催は非常に有効な手段です。この記事では、セミナーがなぜ工務店にとって重要なのか、そして成功させるための具体的かつ実践的なステップをご紹介しました。セミナーは、あなたの工務店の専門性や家づくりへの想いを深く伝え、見込み顧客との間に強固な信頼関係を築く絶好の場となるからです。テーマ選定から始まり、開催形式の選択、入念な準備、ターゲットに響く告知・集客、そしてセミナー当日の丁寧な開催と、その後の粘り強いフォローアップまで、それぞれのプロセスが顧客獲得に直結しています。

特に、セミナー参加者の情報を適切に管理し、個別相談や継続的な情報提供につなげるフォローアップは、成果を最大化するための鍵となります。また、一度きりで終わらせず、効果測定と改善を繰り返し、他の集客施策と連携させることで、セミナー開催は工務店の持続的な顧客獲得システムの一部となり得ます。ファンを増やし、紹介による顧客獲得へと繋げることも夢ではありません。まずは、今回の記事でご紹介した具体的なステップの中から、取り組みやすいものから一つずつ実行してみてください。小さな一歩でも、継続することで必ず大きな成果に繋がります。セミナー開催を通じて、あなたの工務店のファンを増やし、安定した顧客獲得を実現し、地域に根差した素晴らしい家づくりをさらに展開していかれることを心から応援しています!

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

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