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モデルハウスからのライブ配信で顧客との距離を縮める

公開日: : 工務店 経営

いまや工務店経営において、顧客との接点をいかに創出し深めていくかが大きな課題です。特にモデルハウスを活用した見込み客獲得や成約率向上に取り組む中、従来の来場型イベントや内覧会だけでは集客効果が頭打ちになる傾向があります。そこで注目されているのが、モデルハウスからのライブ配信です。デジタル時代の新たな営業手法として、遠方の顧客や忙しいファミリー層にもアプローチでき、リアリティと双方向性を兼ね備えた提案力が期待されています。

この記事では、工務店経営者の皆さまが「モデルハウスからのライブ配信」を効果的に導入し、実際に成果へと結びつけるための具体的なステップとコツを徹底解説します。ライブ配信の導入方法から運用、成果測定、効果を最大化するための改善策まで、具体的にご提示。
「オンラインでモデルハウスの魅力をしっかり伝えられるか?」「社内にノウハウがない中でどう始めればいい?」「配信を繰り返すだけで終わらせない継続的な成果獲得のコツは何か?」といった経営者様の素朴な疑問や不安に寄り添い、即実践できるHow-toをお届けします。

ライブ配信の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

まずは、モデルハウスでライブ配信を実施するための準備から運用まで、確実に押さえておくべきステップを整理します。未経験でも実践しやすい具体的な手順を5つのステップでご紹介します。

1. 目的の明確化とKPI(成果指標)の設定

  • ライブ配信を始める前に、「今なぜライブ配信をするのか」「何を達成したいのか」を明確にしましょう。
    例:モデルハウス来場者数の増加、資料請求数アップ、成約率の向上など。そのためのKPI(新規リード数、参加者の平均滞在時間、チャットでの質疑応答の数等)も設定します。

2. 配信テーマとシナリオ作成

  • 顧客の関心やニーズに基づくテーマ選びが重要です。例えば「家具のレイアウト例」「実際の家事動線紹介」「設備メーカー担当者との対談」など、モデルハウスの強みや差別化ポイントを“視覚と体験”で伝えましょう。
    配信ごとに簡単なシナリオや進行台本を作成し、要点や呼びかけタイミングを整理しておくと効果的です。

3. 撮影・配信用の機材準備と設営

  • スマートフォン1台から始めることは可能ですが、安定した画質・音声・照明が参加者満足度に直結します。
    • 画質:スマホ・タブレットまたはWebカメラ
    • 音声:外部マイクやピンマイク推奨
    • 照明:自然光の取り入れ、またはLEDライト設置
    • 通信:可能な限り有線LAN、またはWi-Fiエリアの確認
    • 三脚やジンバルでの手ブレ補正も検討しましょう

4. 配信プラットフォームの選定と開設準備

  • モデルハウスのターゲットや狙う客層に合った配信媒体を選びましょう。
    • YouTube Live:リーチ範囲が広く、アーカイブ機能あり
    • Instagram Live・Facebook Live:30-40代のファミリー層と親和性が高い
    • Zoom・Teams:予約制や双方向コミュニケーションを重視したい場面に

    必要なら事前リハーサルで本番環境を確認します。

5. 集客施策とリマインド方法の実施

  • ライブ配信前には、公式WebサイトやSNS、既存のメルマガ・LINE公式アカウントなど複数チャネルで事前告知を行いましょう。
    • Webサイト:トップページやモデルハウス紹介ページに特設バナー設置
    • SNS:開催日時、配信内容、参加メリットを具体的に投稿
    • 来場済み顧客・リード:一斉ダイレクトメール、リマインド通知
  • アーカイブ動画(録画配信)は、後日視聴ニーズにも対応可能ですので、活用方法を検討しましょう。

導入時の注意点

  • 初回は「説明しすぎ」に注意。ライブ感・自然なやりとりが受け入れられやすい
  • プライバシー、肖像権の取り扱いに充分配慮(スタッフ、来場者映り込みへの事前同意)
  • 必ず録画して、振り返りや告知素材として活用しましょう

モデルハウス×ライブ配信:成果を最大化する具体的な取り組み

続いて、モデルハウスのリアルな魅力を最大限に発信し、実際の反響へとつなげるライブ配信運営のテクニックや工夫、FAQ形式の疑問解決策を解説します。

1. 参加者視点で配信を設計する

  • 「現地で質問できない」「細部まで確認したい」など、オンライン見学者の気持ちを想定し、
    カメラワークや音声案内で“その場にいるような臨場感”を意識しましょう。
  • 配信中は随時、参加者からのチャット・コメント質問を促し、具体的な返答をリアルタイムで行うことで信頼感がアップします。

2. スタッフの役割分担と事前トレーニング

  • 撮影係・案内役・質疑応答係に分担すると、スムーズな運営が可能です。
  • 案内スタッフは、現場経験や設計知識を活かし、「ここがポイント」「この仕様はなぜ人気なのか」を噛み砕いて説明してください。
  • 複数人での配信時はクロストークや掛け合いも取り入れると、“温かみ”が伝わります。

3. コメント・アンケートの活用でリード獲得

  • ライブ配信参加者限定の資料請求フォームやアンケートリンクを、画面内やチャット欄で告知しましょう。
  • 名前やメールアドレス、建築希望エリアなど最小限の入力だけで済む“手間の少ない”フォーム設定がポイントです。
  • 配信終了後は自動返信メールやスタッフからのフォローアップで、来場予約や打ち合わせにつなげましょう。

4. 成果UP事例:よくある悩みとその工夫例

  • 【Q】「話が長くなってしまい、途中離脱者が多いです…」
    【A】開始10分以内でモデルハウスの全体像を一度簡単に見せ、「この後、どのエリアをじっくり紹介するか」参加者投票やリクエストを受け付けると、参加型体験となり滞在率が向上します。
  • 【Q】「配信の途中でネットが不安定になり中断してしまう」
    【A】Wi-Fiだけでなく、有線LANまたはモバイルWi-Fiルーターの導入を。スマホの場合は4G/5G回線もテストして、最適化しましょう。また録画バックアップを用意し、万一中断した際も後日動画でフォローできます。
  • 【Q】「リアル来場への誘導がうまくできていない」
    【A】ライブ配信中に 『オンライン特典つき事前予約』や『限定キャンペーン』を案内し、配信ページから即時予約できる導線を。視聴者ごとの反響データ(参加履歴、アンケート回答など)をもとに、個別のフォローアップを行いましょう。

5. 継続的な改善のためのPDCAサイクル

  • 配信後はデータ振り返りがおすすめです。
    • 参加者数・コメント数・平均視聴時間・資料請求率をKPIとする
    • アンケートやチャットのフリーコメントも蓄積し、「どう伝えると刺さるか」を分析・改善

モデルハウスを継続的に成功させるための「次の一手」

ここでは、単発的なライブ配信にとどまらず、モデルハウスを起点とした継続的なブランディングと顧客接点の拡大を目指す戦略、中長期成果に繋げる運用改善のポイントを解説します。

1. 配信コンテンツの多様化・シリーズ化

  • モデルハウスごとに異なるコンセプト(和モダン、二世帯住宅、平屋など)を複数回に分けて紹介し、「シリーズもの」として継続視聴やリピーター獲得を狙います。
  • 「家づくり勉強会」「担当設計士による構造解説」「入居者OB座談会」など、モデルハウスを活用した発展型企画も有効です。

2. アーカイブ動画とWebサイト連携による育成

  • ライブ配信の録画は、モデルハウス紹介ページやコラム記事、メールマガジン等に埋め込むことで、リアル来場前後、商談後の再確認材料にも役立ちます。
  • 視聴後アンケートや「次回ライブ案内」をセットにし、中長期的なリードナーチャリング(育成)を図ります。

3. 来場・成約へのクロージング力向上

  • 「本日ご視聴の方向け」の限定オファー、「ご予約・事前質問をされた方向け」の優先枠等、ライブ配信中のレスポンスがリアル商談に直結する仕組みを設けましょう。
  • 成約実績や顧客アンケート(配信前後の比較)をフィードバックし、営業チーム・現場スタッフのモチベーションUPとナレッジ共有にも役立てます。

4. 社内体制の整備&役割の明確化

  • 一定頻度での配信継続には、工務店の中でライブ配信PJチームやノウハウ共有用のマニュアル作成がおすすめです。
  • 定例の振り返り会議や成功・失敗事例のデータベース化も、モチベーション維持とスキルアップに直結します。

5. 数字と顧客の声で「説得力ある改善」を

  • 配信プラットフォームやWebアクセス解析、アンケートで蓄積したデータは、モデルハウス現場の改修や商品開発・新しい営業手法の材料になり得ます。たとえば「この間取り案内の再生回数が多い」「構造の詳細説明で離脱者が減った」といった傾向から、配信内容・マーケティング施策全体を俯瞰して次の一手を計画できます。

まとめ

モデルハウスのライブ配信は、従来の見学会や広告だけでは届かなかった新たな層へのアプローチを可能にし、双方向コミュニケーションを通じて企業ブランド価値を高めていく力強いツールです。本記事でご提示した「導入の5ステップ」や運営ノウハウ、継続的な改善ポイントは、すぐにでも自社での実践に落とし込める具体的なアクションです。1つ1つ着実に積み上げ、経験を重ねることで、顧客接点の質と量の両面で確実な進化を生み出せるはずです。
変化の激しい住宅業界で、モデルハウスの活用法に“オンライン”という選択肢を加えることは、御社の競争力と顧客満足向上を同時に実現する道筋です。ぜひ本記事のHow-toを一歩ずつ取り入れ、ご自身の工務店に最適な活用法と未来につながる成果を手にしてください。

この記事を書いた人

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浄法寺 亘

福島県 喜多方市出身。県立会津高校、市立高崎経済大学卒。工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。現在動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」。住宅情報サイト「ハウジングバザール」の運営にも携わっている。

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校、その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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