高単価案件を獲得する!工務店の差別化戦略
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工務店 経営
工務店を経営されている皆さまの多くが、「受注数は増えているのに、なぜ利益や経営の安定が得られないのだろう」といった課題に直面されているのではないでしょうか。しかし、単に案件数を増やすだけでなく、高付加価値や提案力を発揮できる高単価案件を獲得し、売上向上を果たすことは、事業の盤石な成長・未来への投資となります。この記事では、なぜ高単価案件の獲得が売上向上に直結するのか、その本質から実践導入の手順、さらには継続的に成果を上げるためのPDCA・差別化戦略まで、現場で今すぐ使えるノウハウを惜しみなくご紹介します。
「どうやって高単価案件を受注するのか?」「自社だからこそ実践できる差別化策とは?」「売上向上のための現実的なアクションプランが知りたい」――こうした経営者の疑問や悩みに、実践的・具体的な解決策をお届けします。ぜひ経営指針の刷新、新たな飛躍の一歩としてご活用ください。
高単価案件の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで
工務店が売上向上を図るには、単価の高い案件の受注が不可欠です。しかし、やみくもに値上げをするだけでは市場に受け入れられません。そこで、ここでは「高単価案件を着実に受注するための実践プロセス」を、基礎から応用まで具体的な手順で解説します。
1. 顧客像の明確化から始める
まず、自社が受注すべき理想的な高単価案件とは何かを定義しましょう。
ステップ1:過去の受注データをもとに、利益率・業務効率・やりがいなどの観点から、自社が「本当に増やしたい案件像」を洗い出します。
ステップ2:十分な価格を払ってくれる顧客属性(年齢層・家族構成・ライフスタイル・職業など)を具体化します。
ステップ3:ターゲット層が重視している価値(デザイン性、耐久性、エコ性能、アフターサービスなど)を調査し、一覧化します。
2. 独自の「強み」を商品・サービスに組み込む
高単価案件の受注には、単なるスペック勝負ではなく、独自性やブランド力が不可欠です。
ステップ4:自社の過去事例(お客様の生の声、他社では真似できない施工)を棚卸しして、強みを再確認します。
ステップ5:洗い出した強み要素を元に、一歩上のパッケージ商品や新たなサービスメニューを設計します。たとえば「デザイナーとつくる完全注文住宅」「IoT住宅の先進パッケージ」など、具体的な提案に落とし込みましょう。
3. 顧客接点の再設計(情報発信・接客の見直し)
高単価案件の受注には「伝え方」にも戦略が必要です。
ステップ6:自社ホームページ・施工事例集・SNSなどで高付加価値な施工やサービスをしっかりと見せるページを新設します。
ステップ7:モデルハウスやショールーム見学など、「体験」できる機会を積極的に設け、実物の良さや差別化ポイントを直接伝えます。
ステップ8:スタッフへの営業研修・接客ロールプレイを実施し、高単価案件向けのセールストークやヒアリング手法を磨きます。
4. 料金体系・見積もりプロセスの最適化
単価アップは、見積もりの段階から始まります。
ステップ9:見積もり・プレゼン資料において、「なぜこの価格なのか」「どんな付加価値が得られるのか」を明確化し、お客様に納得感を持っていただく説明を準備します。
ステップ10:複数プラン提示(標準・プレミアム・オプション付)を検討し、お客様自身が価値ある選択をしたと実感できる工夫をしましょう。
5. 高単価案件を生み出すためのパートナー連携
差別化のためには、異業種や専門家と組むのも効果的です。
ステップ11:デザイン事務所・インテリア業者・住宅設備メーカーなどと連携することで、ワンストップかつ付加価値の高い提案が可能になります。
ステップ12:外部パートナーの集客やブランド力も活用し、相乗効果を生み出しましょう。
これらのステップを計画的かつ段階的に実行することで、自社独自の高単価案件の導入が現実のものとなります。「何から始めるべきか」の疑問を明確にし、最初の一歩を踏み出せる実践ガイドラインとして、ぜひご活用ください。
売上向上×高単価案件:成果を最大化する具体的な取り組み
高単価案件に特化した差別化戦略を導入しても、売上向上を本格的に実現するには、営業・マーケティング・アフターサービスなど、顧客体験全体を最適化する必要があります。このセクションでは、「成果を最大化」するための具体的な取り組みと、よくある疑問(Q&A形式)への実践的な解答をセットでご紹介します。
1. プロモーション戦略の組み立て方
売上向上に欠かせないのが「的確な認知獲得と集客」です。
・顧客目線の「施工事例特化ブログ」「高価格帯向けの無料相談会」「体験型見学会」など、ターゲット層の心理に刺さる集客イベントを企画しましょう。
・SNS、Web広告、ポータルサイト(SUUMOやHouzz等)を組み合わせ、情報発信の幅を広げていくことが鍵です。
2. 受注率を高める商談プロセスの最適化
売上向上と高単価案件の最大化には、商談現場の質が直結します。
・ヒアリングシートやヒアリングツールを活用し、お客さまの潜在ニーズや将来のライフプランまで引き出す対話力を鍛えましょう。
・競争他社ではなく「自社ならでは」の価値、施工のプロセス、アフターで得られる具体的なメリットについて、わかりやすい資料で伝えます(特にビフォーアフター事例を効果的に見せる)。
・初回提案で予算を理由に断られた場合も、こだわり部分やライフスタイル全体のご提案を加えて再プランニングし、もう一度打診できる体制を作りましょう。
3. 顧客満足度を利益につなげるアフター体制の構築
高単価案件は完工後こそが本当の勝負。顧客満足度が紹介案件や追加受注に直結します。
・定期診断・メンテナンス・情報提供(季節ごとの点検案内や家守りサービス等)をシステム化し、継続的な接点を維持しましょう。
・お客様アンケートやSNSの活用で生のフィードバックを集め、改善に反映させます。
・OB顧客向けイベントやコミュニティ(オンライン・オフライン)を開催して、ブランドと顧客の絆を強化しましょう。
4. 高単価案件の集客・受注活動でよくある疑問Q&A
- Q. 高い単価を提示すると断られるのでは?
A. 「価格の根拠」と「価値」を具体的に伝えることが重要です。価格勝負ではなく、『なぜ他社より高いのか』『何が違うのか』を丁寧に説明しましょう。過去のお客様の満足事例や、価格に見合う独自のアフターサポートを筋道立てて示すことで、納得されやすくなります。 - Q. そもそも高単価案件の問い合わせ自体が少ない…
A. ターゲットに合った自社メディア(ホームページ・SNS)、ポータルサイトでの差別化訴求、地域イベントへの関与、紹介ネットワーク強化など、「見込み顧客が集まりやすい」導線を設計しましょう。広告やコンテンツも、「価格比較」ではなく「体験価値」や「逸話事例」に重点を置くのがポイントです。 - Q. 既存スタッフが高単価営業に苦手意識を持っている
A. 研修やロープレ、過去受注事例の情報共有会を定期的に実施し、成功体験をスタッフ全体で積み重ね、知見を水平展開していきましょう。外部講師やOJTによる営業力向上も有効です。 - Q. 価格交渉されるとつい値引きしてしまう
A. 「標準仕様」と「OP仕様」(グレード別パッケージ)をあらかじめ用意し、価格の根拠を明示した上で、「本当に必要なところにはしっかりお金をかけた」提案にすることで、値引き交渉リスクを減らせます。また、「工事費用の見える化(細かい内訳説明)」も説得力ある武器となります。
5. データ活用で商談・現場を進化させる
売上向上のためには現場の「勘と経験」だけでなく、データに基づく意思決定も不可欠です。
・案件別の受注率、利益率、見積り承諾までのリードタイムなどのKPIを可視化し、ボトルネックを特定しましょう。
・商談の録音データ、顧客からの反対意見などもナレッジとして社内共有して、“次の高単価案件”獲得の教材とします。
売上向上を継続的に成功させるための「次の一手」
短期的な成果だけでなく、工務店経営では「継続的な売上向上サイクル」を維持できるかが肝心です。ここでは、一時的なプロモーションに終わらず、高単価案件を中長期で積み上げるための、実践的なステップを解説します。
1. 差別化ポイントの進化とブラッシュアップ
新しい技術やトレンド、顧客ニーズの変化に伴い、自社の強みや差別化ポイントも進化させることが必要です。
・毎年、自社の施工実績・顧客アンケート・競合調査をもとに、商品・サービスの「新しい軸」を探しましょう。
・例えば、SDGs対応建材の導入、リノベーション一体型サービス、地元ブランドとのコラボなど、最新トレンドを取り入れることも有効です。
2. 社員教育とチーム体制の強化
スタッフ全体で「高単価案件にふさわしい提案・応対力」を持続的に高めていきましょう。
・定期的な研修や勉強会、メーカー・業界団体との情報交換会を開催することで、知識・技術・提案スキルを底上げします。
・見学会や施主訪問への同行など、リアルな顧客体験・現場共有も重要です。
3. 多様化する顧客ニーズへの対応力強化
とくに高単価案件を獲得する上では、顧客の「こだわり」や「理想の暮らし像」をいかに読み取り、具現化できるかが大きな勝負所になります。
・ヒアリング力を磨くだけでなく、建築士・インテリアコーディネーター・ファイナンシャルプランナーなど専門職との協働体制を強化しましょう。
・多言語対応やバリアフリー、アレルギー対応士のアドバイスなど、他社がカバーしきれない細かい配慮も差別化ポイントです。
4. 継続的なPDCAサイクルの実践
売上向上の取り組みは一度きりで終わりません。「計画(Plan)→実施(Do)→評価(Check)→改善(Action)」のPDCAサイクルを、高単価案件に特化して回し続けることで、より精度ある経営・営業活動が実現します。
・半年ごとに「高単価案件受注数」「売上構成」「リピートや紹介案件割合」などの定点観測を行い、結果を社内で共有します。
・上手くいかなかった事例も成功事例も、オープンに分析し、誰でも次のアクションへ生かせる形に仕組み化しましょう。
5. 既存顧客を「応援団」に変える施策
工務店だからこそできる顧客密着の強みを活かし、既存顧客が新規受注へとつながる“応援団”になる流れをつくります。
・オーナー限定のイベント招待、感謝祭、SNSコミュニティ運営など、双方向の情報交換や口コミの促進を行いましょう。
・OB顧客からのリアルな声・レビューをもとに、新規顧客向けの紹介制度(紹介時特典など)を設けるのも効果的です。
6. 売上向上・高単価案件戦略のアップデート方法Q&A
- Q. 競合も似たような“高付加価値”訴求を始めてきた場合、何を変えるべき?
A. 差別化の軸は「実績」「人材」「体験型サービス」「長期サポート力」など複数用意し、年ごとに見直しましょう。体験型イベントやOB施主訪問などリアル施策も有効です。 - Q. 定期的なアイデア出し・改善のコツは?
A. 月例の全社・部門ミーティングで「今月の成功体験・失敗体験共有」、施主アンケートの内容共有など、仕組み化すると継続しやすくなります。 - Q. 貴重な高単価案件のノウハウが社内で属人化しやすい
A. 案件ごとにヒアリング内容・資料・商談の流れを社内共有フォーマットにまとめ、“勝ちパターン”を誰でも再現できるようナレッジ化しましょう。
まとめ
工務店が安定した売上向上を実現するには、受注数の拡大だけでなく、高単価案件の戦略的な受注を仕組み化することが決定的なカギとなります。そのためには、まずターゲット設定や自社の強みの明確化、価値訴求の徹底から始まり、具体的な営業フローやアフターサポート体制の整備、そして社内・顧客ネットワークの強化まで、総合的なプロセス改善が重要です。
本記事で紹介した「すぐ実践できる12の導入ステップ」「成果を最大化する営業・プロモーション策」「継続的なブランドアップデートの具体的手法」を1つずつ着実に取り入れることで、自社の未来像も大きく変化します。差別化したサービスで選ばれ続ける存在へ――今日から挑戦できるアクションを積み重ね、ぜひ自社独自の売上向上・高単価案件獲得の好循環を築き上げてください。皆さまの更なるご発展を心より応援しております。
浄法寺 亘
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