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定期的なイベント開催で、顧客との接点を増やす

公開日: : 工務店 経営

工務店経営において、地域に根ざした存在感を高め、顧客との関係性を深めることは持続的な成長の鍵です。しかし、「新規顧客開拓の壁」「既存のお客様との間が空いてしまう不安」「オンライン化でコミュニケーションが希薄化しがち」といった課題に直面している経営者は少なくありません。こうした悩みを解決し、安定した集客と信頼の構築に役立つのが、イベントの定期開催です。本記事では、なぜ今イベントが重要なのか、どのように定期開催を実現し最大限の成果を出すのか、今日から動ける具体的な手順をわかりやすく解説します。
「実際、どのようにイベントを企画し運営すればよいのか?」「本当に継続できるのか?」「新規・既存どちらの顧客にも効果があるのか?」——そんな現場目線の疑問にこたえ、読者の皆様が確実に成果を得られる一歩を踏み出せる内容をお届けします。

定期開催の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

工務店が地域で持続的に発展するために、イベントの定期開催は非常に有効です。ここでは、定期開催を導入する際に押さえておきたい基礎的なポイントから、現場で活かせる応用ノウハウまで、実践のステップを具体的に解説します。「何から始めてよいかわからない」「準備やリソースが不安」という方も、ぜひ実行に移してみてください。

1. ターゲットと目的の明確化

最初のポイントは、「誰のためのイベントなのか」「何を達成したいのか」を明確にすることです。例えば、「地元の子育て層向け住まい相談」「OB顧客との親睦を深めるバーベキュー」「新築検討者向けのモデルハウス見学会」など、ターゲット像やゴールによって内容や告知方法が大きく変わります。本当に来てほしい顧客をイメージし、その人達の関心事や課題をリストアップしましょう。

2. 定期開催スケジュールの設計

定期開催の最大の利点は「顧客が予定を立てやすい」「反復による認知と信頼形成」がしやすいことです。
まず、1年間のカレンダーを作成し、「毎月第●土曜日」「季節ごとのイベント(春のリフォーム相談会、秋の感謝祭)」といった大枠を決めます。その上で、社内リソースや繁忙期、地域行事とも調整しやすいサイクルを検討しましょう。

  • 年に数回の大型イベントと、月1回のライトなイベントを交互に組み合わせると継続しやすい
  • 社内で担当者をローテーションする仕組みも有効

3. 企画・コンテンツの差別化

イベントは「また来たい」と思える体験を提供してこそ成果につながります。
下記の具体例を参考に、自社ならではの工夫を積み上げましょう。

  • ワークショップ型(DIY体験、手作り家具教室)
  • 地域連携型(地元農家・飲食店コラボ、市民祭りへの参加)
  • 相談・セミナー型(FPによる家計見直し、最新住宅設備の体感ツアー)
  • 特典配布・抽選会など動機づけになる仕掛け

実際の参加者からの声を取り入れ、常に「新しさ」と「安心感」を両立させることで、定期開催でも飽きさせない工夫ができます。

4. 効果的な事前告知とリマインダー

告知・集客はイベント成功のカギです。自社ホームページ・ブログ・SNSだけでなく、

  • 既存顧客へのメール・DMでの個別案内
  • 地域掲示板やフリーペーパー、地元協力店にチラシ設置
  • LINE公式アカウントやショートメールによるリマインダー

など多様な手段を併用しましょう。
定期開催となれば、参加者の予定に組み込んでもらうには直前リマインダーが効果的です。例えば「2週間前・3日前・前日」などポイントを絞って再通知を行う体制を構築しましょう。

5. 準備・運営チームの組成と業務フロー化

マンパワーやノウハウの属人化は、定期開催の最大の障壁です。

  • イベントごとにリーダー・サブリーダー・受付・MC・設営・記録など役割分担を明確化
  • 準備チェックリスト・進行台本・トラブル時対応マニュアルなど作成し「誰でも回せる」体制に
  • 運営後は必ず振り返りミーティングを行い、問題点と改善案を簡単に記録

属人的にせず、オペレーションを標準化することで驚くほど定期開催が楽になります。

6. 環境整備とリスクマネジメント

快適かつ安心なイベント運営のため、事前準備は念入りに。

  • 雨天時や急な中止のフロー(メール・SNSでの一斉案内文テンプレ、屋内会場の確保)
  • 感染症対策や車いす等のバリアフリー対応
  • 会場周辺の清掃・近隣への配慮・駐車場案内

こうした「継続に耐える安心体制」の蓄積が地域信頼につながります。

イベント×定期開催:成果を最大化する具体的な取り組み

定期開催によるイベントの基盤ができたら、その価値をさらに高める実践策が求められます。ここでは、参加者の満足度向上、商談・リピート獲得につなげる実際のプロセスと、現場から寄せられるよくある質問・課題への具体解決法をまとめます。

1. 参加者体験を最大化する受付・進行の工夫

「顔なじみ」や「はじめての方」の両方に配慮したきめ細やかな声かけや案内はリピーター創出の決め手です。

  • 来場時にスタッフ全員で元気なあいさつ
  • 到着後、案内役が1対1で会場を説明し、気軽に話しかけられる雰囲気をつくる
  • 過去の参加履歴を簡単なリストにしておき、前回内容に触れる雑談

リストバンドやネームプレート色分けで「スタッフ」「参加者(新規/OB)」を可視化すると誰でもサポートしやすくなります。

2. コンテンツ設計:参加者との双方向コミュニケーション

一方的なプレゼンではなく、「体験できる」「会話が生まれる」形式がおすすめです。

  • ワークシートやアンケートを用いて「スタッフから一人ひとり話しかける」仕掛け
  • 小さなワークショップブースを分散設置し回遊を促す
  • 体験談やOB施主インタビューなどの小規模トークセッションの同時開催

小さなイベントでも、参加者との相互作用を強調することで深い接点を生み出せます。

3. フォローアップと次回イベントへの案内

終了後のフォローが集客と信頼強化の要です。

  • 参加者ごとにメールや手書きカードで「お礼と次回案内」を送付
  • イベントで撮影した写真を添付し「思い出」にして送る
  • 未契約の見込み顧客には個別対応の相談日や見学日紹介で商談誘導

常に「次回も来てもらう」ためのスムーズな流れを意識しましょう。

4. 定期開催のメリットをアピールする広報戦略

「この工務店のイベントは、いつも何か楽しいことをやっている」「また行きたくなる」と印象づけることも大切です。

  • 定期開催スケジュールを年間カレンダーでホームページや店舗・チラシで掲示
  • SNSで「次回予告」や「イベントレポート」「裏側紹介」をライブ配信
  • 毎回のちょっとした変化やスタッフの日常を織り交ぜ「親しみやすさ」「続けやすさ」を発信

積み重ねが地域でのブランド価値を高めていきます。

5. FAQ:よくある疑問・トラブルへの具体策

工務店イベントの定期開催に関して、よく寄せられる疑問と解決案をまとめます。

  • Q: 継続できるか不安。社内の負担が大きいのでは?
    A: 持ち回り制の導入や業務マニュアル化で負担を分散。コンパクトな内容から始め、少人数開催もOKです。
  • Q: そもそも人が集まるのか?来場者が少ない時の対策は?
    A: 小規模でも継続することで口コミが広がります。最初はOB顧客や関係者だけでも大丈夫。プレゼントや試食など「来て得がある」要素を毎回用意するとリピート率が向上します。
  • Q: 商談につなげるにはどうしたらいい?
    A: イベント時のヒアリング内容を記録し、興味関心別に個別相談へ橋渡ししましょう。「次回案内」「無料相談日への誘導」を必ずセットで行うことで受注につながりやすくなります。

イベントを継続的に成功させるための「次の一手」

イベントの定期開催が習慣化してきたら、さらに成果を積み上げるために押さえたい発展的なポイントや効果測定、改善サイクルについて詳しく解説します。

1. 効果測定とフィードバック活用

定期開催のメリットを最大限活かすには、しっかりとした「検証」と「改善」が不可欠です。

  • 毎回の参加人数、参加者属性(新規/OB/紹介)の集計
  • アンケートやスタッフヒアリングによる満足度・課題調査
  • 参加者の「次の行動率」(相談予約、資料請求、SNSフォローなど)を記録
  • スタッフの業務負担やモチベーションも定期評価

このデータを元に見直し会議を行い、「何が良かったか」「何を変えるか」を具体的なアクションリストで管理しましょう。

2. イベント内容のアップデート・バリエーション展開

毎回同じパターンでは参加者の新鮮味が失われます。対象者を変える・内容を進化させていく工夫が重要です。

  • 「子ども向け」「大人向け」「シニア向け」などターゲット層別ローテーション
  • 時事ネタ(省エネ住宅、災害対策グッズ体験など)を積極採用
  • 地元団体・企業・行政とのコラボイベント

幅広いラインナップを揃えることで、継続的な関心と集客力を高められます。

3. OB顧客・リピート参加者との関係強化

定期開催を通じて得たOB・固定ファンは、工務店の大きな財産です。

  • OB限定のプレミアムイベントや協力特典の企画
  • 参加者コミュニティの立ち上げ(SNS・LINEグループなど)
  • 参加者へのアンケートやスタッフとの懇談会を設け、意見をサービス改善へ即反映

感謝とフィードバックを形にすることで、長期的な紹介・リピートが期待できます。

4. 社員・スタッフの成長とチーム力向上

定期開催を繰り返すなかで、運営スキルやホスピタリティも磨かれます。

  • イベント後にスタッフ全員で「良かった点」「改善点」をシェア
  • 新人スタッフを積極的にローテーション参加させ現場経験値を高める
  • 成果や感謝を社内表彰・社内報で共有しモチベーション向上

「イベント=スタッフ全員で地域に貢献する会社行事」という文化を醸成しましょう。

5. デジタルとリアルの融合推進

近年はオンラインも有効活用することで、リアルイベントの定期開催効果がさらに広がります。

  • 事前予約や限定情報をWebサイト・SNSから発信して接点拡大
  • オンラインイベントやライブ配信で遠方や多忙な顧客もカバー
  • イベント中のSNS実況で来場意欲増加&次回集客を促進

デジタルとリアルを組み合わせ、いつでも顧客とつながる体制を構築しましょう。

まとめ

イベントの定期開催は、地域の工務店が顧客との信頼を深め、継続的に安定集客とブランド価値を向上させるための極めて有効な手段です。ターゲットと目的の明確化、無理のないスケジュール設計、参加者体験の最大化、継続のためのスタッフ運営体制──これら一連の実践的アクションは、決して特別なノウハウや大きな投資を必要とせず、どなたでも今すぐスタートできます。最初は小さな取り組みからでも構いません。地道な定期開催の積み重ねは、必ずや、新規・既存顧客からの信頼獲得、リピートや紹介、社員のチーム力向上といった好循環を生み出します。「その場限り」で終わらせず、定期的なイベント開催を習慣化すれば、10年、20年後の地域No.1工務店へと大きく近づくことができるでしょう。ぜひ今日から一歩踏み出して、地域と明るい未来を切り拓いてください。

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浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。 今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」 ※8月実施予定。 住宅サイトの運営もしています。 福島県 喜多方市出身 県立会津高校卒 市立高崎経済大学卒 著書: 頼みたくなる住宅営業になれる本 https://x.gd/oatiM SDGsに取り組もう 建築業界編 https://x.gd/MXYJr とっておきの見込み客発掘法 https://x.gd/001or 主な講演: 鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」 リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト) 育英西中学校 その他住宅FCなど 活動実績 2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア 2020~ 木ッズ絵画コンクール
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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
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活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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