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住宅展示場へのリピート来場を促す仕掛け作り

公開日: : 工務店 経営

地域密着型の工務店が抱えやすい悩み。それは、せっかく手間とコストをかけて住宅展示場を設営しても、「初回に見学だけで終わってしまった」「その後リピート来場につながらない」ということではないでしょうか。住宅展示場は貴重なお客様接点ですが、複数回の来場が契約率・成約率にきわめて大きな影響を与えることが分かっています。しかし、なぜ足が遠のくのか、どうすれば再訪を促せるのか、具体策になかなか踏み込めていない方も多いはずです。

この記事では、住宅展示場へのリピート来場を実現するための実践的な仕掛け作りを、現場ですぐ活用できるステップ形式で詳しくご紹介します。「一度来てくれたお客様が、自然と何度も住宅展示場に足を運んでくれる」そんな理想のサイクルを作るために役立つノウハウや、来場後のお客様の行動心理にも基づいたアプローチを解説。すぐに実務へ活かせる行動指針と、具体的なアクションプランを明示します。

「リピート来場者をどう増やせば良いのか?」「成果が出る運営にするには?」といった、住宅展示場の運用・集客に課題を持つ経営者や現場担当者の方に、明日から“確実に使える”実例と戦略をお届けします。

リピート来場の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

住宅展示場の集客において、リピート来場を促すには“仕組みづくり”が欠かせません。ここでは、初回来場から複数回の訪問へとつながる「実践型導入戦略」を、ステップ形式ですぐに使える形で説明します。

1. 初回接客の質を高める

  • 来場者初回対応時は「また来たい」と思わせる体験価値が最初の分かれ道です。住宅展示場のスタッフ全員で、単なる説明担当ではなく“共感とヒアリング”のプロに徹しましょう。
    • ヒアリング力:ライフスタイルや理想の暮らし、家づくりへの思いを丁寧に聞き出します。
    • その場ですぐに答えを出そうとせず、課題や要望を「宿題」として持ち帰る姿勢を伝え、再度提案に訪れる理由を作ることが重要です。

2. 情報提供の分割設計

  • 初回ですべてを説明してしまうと「もう十分」となって、リピート来場の動機が希薄になります。情報をあえて段階的に公開することで「また行けば新しい発見がある」と期待感を持たせます。具体的には:
    • 資金計画シートの一部のみ渡し、詳細分析や土地ごとの試算は再来場時に。
    • 最新の間取り事例・施工事例は初回終了時に「次回ご来場の方限定」で用意。

3. フォローアップの即日設計

  • 初回住宅展示場見学後、その日のうちに来場御礼メール・LINEで「ご来場特典のご案内」や「本日伺ったご要望の提案日程」などをお知らせします。
  • 「次回、この日までに新しい資料準備します」「●月●日限定のイベントがあります」など来場の“約束”を交わすことがポイントです。

4. お客様専用の「マイページ」・資料フォルダー提案

  • 展示場現地・オンラインともにお客様ごとに「専用ファイル」や「マイページ」を設ける仕掛けで、二度目・三度目の来場の動機を強化します。
    • 家づくり進捗シート、希望設備リスト、プラン相談履歴などを蓄積し、「続きは次回のご来場で詳しく」という形で再訪問を促します。

5. 来場予約特典・限定イベントの設計

  • 初回時に「再来場で〇〇プレゼント」「二度目以降で特別体験イベントご招待」といった特典や体験機会を案内。リピート来場のきっかけを明確に可視化します。
    • お子様向けのものづくり体験、最新設備の体感デモ、ファミリー向け相談会など、家族構成・世帯属性に沿ったものが効果的です。

6. ターゲット属性に最適化した来場促進

  • 若年層ファミリー、共働き世帯、単身者、シニア夫婦など、最も住宅展示場に足を運びやすい時間帯・曜日、子どもの関心の引き方、送迎の有無まで配慮し、案内やリマインドメッセージの出し方をチューニングしましょう。

7. ステップメール&手紙・ニュースレター連携

  • 「訪問理由」や「家づくりの進み具合」に合わせて、定期・不定期の接触を設計し、リピート来場への心理的な障壁を下げていきます。
    • 展示場での最新イベント、新しい施工実績、分譲住宅用地情報など、先回りして提案。

8. スタッフの「チーム対応」意識づくり

  • 住宅展示場は“誰が対応しても、来場者の情報を社内で引き継げる”チーム営業体制が不可欠です。再訪の際、同じ対応者でなくても前回内容が即座に伝わるよう仕組みを整備しましょう。
    • 「前回は○○のご相談でしたね」と切り出せることが、来場者の“歓迎されている感”につながります。

9. 課題別FAQ&相談ブース強化

  • よくある住宅展示場来場者の悩み(資金計画、土地選び、税制優遇、住み替え相談など)に特化した専用ブースやQ&A集を常備。来場時に「まだ相談していない」「もう少し聞いてみたい」内容に対応できると、再訪理由の幅が広がります。

10. 顧客の行動心理ステージに合わせたアプローチ

  • 家づくり検討中の心理ステージ(情報収集初期、資金・土地・時期の困りごと、家族みんなの納得感が足りない等)に合った「次の来場テーマ」を個別に提案。お客様自身のマインド変化を「見える化」することで、再度住宅展示場を訪れる必然性が生まれます。

住宅展示場×リピート来場:成果を最大化する具体的な取り組み

続いては、上記の基本戦略をもとに住宅展示場で「実際にリピート来場を生む」ための現場施策や、よくある疑問に対するFAQも交えながら、成果につながる行動計画を解説します。

1. 現場主導の「リピート企画」4つの成功例

  • <新商品・新設備の体感展示会>
    例えば月ごとにコンセプトを変えた「最新キッチン比較フェア」や「断熱性体感フェア」を開催。過去来場者に「新体感できる住宅展示場イベント」として個別招待状を送付。具体的な比較材料があるため、複数回の再訪が増える。
  • <OB施主招待セミナー+個別相談会>
    以前実際に建てたお施主様を招き、家づくり体験談や「リアルな失敗・成功ポイント」座談会を開催。検討中の方への信頼感が飛躍的にアップ、リピート来場理由にも直結します。
  • <親子・ファミリー向け体験DAY>
    DIY体験・模型づくり・親子で参加できるガーデニング教室・お菓子作りワークショップなど、「子どもの希望でまた行きたい!」となる企画は土日祝のリピート集客に有効です。
  • <二度目以降限定プレミアム接客DAY>
    二回目以降のお客様限定で「最新VR体験」や「住宅ローン個別最適化シミュレーション」「未公開宅地案内」など、特別感・優越性のあるサービスを案内。

2. 予約システムとCRM連動の重要性

  • WEB予約・SMS・LINE予約などを組み合わせ、来場時の情報をCRMで履歴管理。再来場案内メールや特典案内を“自動かつ個別最適化”しやすくなります。
  • 「前回ご家族で来場された際、お子様が楽しそうに模型作りされていましたね」など、履歴に基づいたコミュニケーションが喜ばれます。

3. オンライン+リアル融合型の再訪促進

  • 忙しい世帯向けに「オンライン相談→予習→現地住宅展示場来場」や、「展示場での体験→オンラインで事前プランヒアリング→再訪」といった“複線型の流れ”を設計。再来場=負担ではなく、「情報収集を省力化する便利な機会」というインセンティブを盛り込みます。

4. クチコミ・紹介誘導との連携

  • リピート来場者に「ご紹介カード」「SNS投稿キャンペーン」など、お友だちや親戚を誘うきっかけを設置。「一人で行くのは気が重い…」という声に配慮し、知人同伴来場での特典強化も効果的。

5. イベントカレンダーで再訪モチベーションUP

  • 「来月の予定」「次回以降のイベント」「シーズンごとの目玉企画」を、初回・二回目来場の際に先取りで案内。定期的な更新で「また何か新しい発見がある住宅展示場」という印象を刷り込みます。

6. 「家づくり進捗報告」会の実施

  • 「プランが完成したので見てください」「最新の土地紹介があります」「〇〇さま向け最新見積ご用意」と、“貴社ならではの進捗”を口実に住宅展示場にもう一度来てもらう場づくりが有効です。

7. FAQ:よくある疑問とその回答

Q. 何度も案内するのはしつこいようで気が引けます…
A. 貴社が“お客様一人ひとりの状況把握・要望整理”を丁寧に続けていれば、段階的情報提供や個別イベント案内は「気配り・サービスの延長」としてポジティブに受け止められます。事務的ではなく、「次はこんなことを一緒に考えましょう」というスタンスが大切です。
Q. 再来場してもらっても成約率は本当に上がる?
A. 統計上、住宅展示場へのリピート来場者の成約率は初回のみの方と比べ2〜3倍に上昇するケースも多く、「何度も話せる関係性」「比較検討材料の積み上げ」「意思決定までの心理的距離短縮」が鍵となります。来場回数が増えるほど、疑問・不安を解消しやすくなります。
Q. スタッフの人手や業務負担が心配ですが?
A. 予約管理やフォローアップ情報の“標準化・分担”で現場負担の軽減が可能です。担当者限定の対応ではなく、「誰が受付しても同じクオリティ・情報引き継ぎ」を徹底するシステム整備がリピート来場支援にもつながります。
Q. 小規模な展示場でも実践できますか?
A. 来場特典、限定イベント、スタッフによる個別相談、進捗フォローなどは規模にかかわらず行えます。むしろ地域に密着した柔軟なご案内や、お客様の顔が見える関係性が、他社との差別化ポイントになります。

住宅展示場を継続的に成功させるための「次の一手」

リピート来場を生む流れが定着してきたら、その成果をきちんと評価し、常に改善・進化させることが長期的には不可欠です。ここでは具体的な応用施策と、継続発展のための実践プランをお伝えします。

1. 効果測定から始めるPDCAサイクル

  • 来場回数と成約率、顧客層ごとのリピート割合、イベント別再訪数などの「集計データ」を定期的に洗い出し、どの施策が成果とつながっているかを分析。数値化・可視化で次なる手をスピーディに打てます。

2. 顧客満足度アンケートの活用

  • 現地アンケートやオンラインアンケートで「もう一度来たいと思った理由」「来づらかった原因」などを定期的にヒアリング。真の改善点(例えば駐車場の案内不足、雑談不足など)を拾い上げることができます。

3. 地域特性や季節に合わせた企画力

  • 例えば「夏休み・冬休み向け特別展示」「地域祭りコラボ」「地元企業との共同イベント」など、その土地特有の情報や旬に合わせた集客施策で、リピート来場を更に加速。自社ブランド価値の強化にもつながります。

4. OB顧客・未成約者への継続アプローチ

  • 一度は契約に至らなかった方、建築済みの施主にも「展示場イベント案内」や「暮らしの相談会」などを定期的に送ることで、再来場→紹介→成約という“広がる顧客網”を生み出します。

5. スタッフ教育とナレッジ共有の徹底

  • 実際に「リピート来場が増えたスタッフ」の会話例・お客様声かけトーク・接客ノウハウを定例で共有し、組織全体の“再訪促進力”を底上げしましょう。

6. 業界トレンドの随時キャッチアップ

  • 他社展示場成功事例や住宅市場の最新ニーズ、WEB・SNSを活用した住宅展示場PR、VR・AR技術の導入など、「世の中の集客潮流」に常にアンテナを張りながら、次代の差別化を図ります。

7. 住宅展示場を「地域コミュニティ拠点」に昇華

  • イベント開催、地域サークル活動の場貸し、災害時拠点、防災フェア開催等を通じ、住宅展示場の敷居を低くして来場機会を拡大。「家づくりだけでない接点」を地域と持つことで、持続的なリピート来場と知名度醸成に寄与します。

まとめ

住宅展示場へのリピート来場を促すには、初回接客から再来場理由の設計、情報分割・特典設定・現場スタッフの協力体制強化など、多角的かつ実践的な仕掛けづくりが不可欠です。実際の成果を最大化するためには来場者一人ひとりの状況を把握し、段階的な関係構築を意識しながら、効果測定と改善サイクルを止めない姿勢が重要となります。この記事でご紹介した各アクションプランをお試しいただくことで、住宅展示場運営の質が高まり、ただの“来訪”ではなく“契約へつながる再訪”の好循環が必ず生まれます。今日から一歩ずつ実践を始め、地域で選ばれる住宅展示場へと成長する未来を、ぜひ掴んでください。皆様のご健闘を心から応援しています。

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浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。 今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」 ※8月実施予定。 住宅サイトの運営もしています。 福島県 喜多方市出身 県立会津高校卒 市立高崎経済大学卒 著書: 頼みたくなる住宅営業になれる本 https://x.gd/oatiM SDGsに取り組もう 建築業界編 https://x.gd/MXYJr とっておきの見込み客発掘法 https://x.gd/001or 主な講演: 鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」 リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト) 育英西中学校 その他住宅FCなど 活動実績 2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア 2020~ 木ッズ絵画コンクール
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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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