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イベントを成功させるための社内体制構築

公開日: : 工務店 経営

工務店が地域で存在感を高め、顧客との信頼関係を築きながら持続的な成長につなげるには、イベントの開催が欠かせません。しかし、「イベントを企画したものの思ったほど集客できなかった」「担当社員が忙しすぎて準備が回らない」「ノウハウが社内に蓄積されず毎回手探り」といった課題も多く耳にします。こうした悩みを解決し、イベントを着実な成果につなげるためには、社内体制の整備が不可欠です。本記事では、イベントの目的ごとに最適な社内体制をどう構築するか、実際に効果を上げている工務店の取り組み事例や、すぐ実践できる具体的なアクションプランを交えて解説します。「どこから手をつければ良いか」「うちの規模でもできるのか」といった疑問にもお答えします。この記事を読むことで、イベント成功の仕組みを自社に根付かせ、今後の業績アップへ直結させる道筋をつかんでいただけます。

社内体制の「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

イベントを効果的に実現するためには、まず社内体制をゼロから見直し、明確な分担と役割設定が不可欠です。ここでは「どうやって最初の一歩を踏み出すか」を具体的に解説します。

1. イベントの目的明確化と社内共通認識の醸成

  • どのような目的でそのイベントを企画するのか(新規顧客獲得、OB施主との関係強化、地域貢献など)を経営層から担当者レベルまで共通認識とします。
  • 毎回のイベントごとに「なぜやるのか?」を全員で再確認するミーティングを開催。議事録の共有と浸透を徹底しましょう。

2. イベントプロジェクトチームの立ち上げと適切なメンバー選出

  • 規模にかかわらず、イベントごとにプロジェクトチームを編成するのが有効です。
  • 設計、現場、営業、広報など多部署からバランスよく人材を配分することで社内情報の偏りや認識のズレが防げます。
  • 「イベントリーダー」と「サブリーダー」を役割として明確化し、不在時も機能する体制を構築することが肝要です。

3. 担当分担とタスクの“見える化”

  • 「受付・会場設営」「告知・集客」「プログラム進行」「フォローアップ」などイベント全体を細分化し、担当者を明示します。
  • Googleスプレッドシートやタスク管理ツールを活用し、誰が何をいつまでに、という工程を可視化すると進捗管理が飛躍的に楽になります。管理負担の分散が強い社内体制の礎となります。

4. イベント運営マニュアルの社内標準化

  • 業務ごとに、「やるべきこと」「注意点」「必要な資料」などをシンプルにまとめた運営マニュアルを作成し、関係者がいつでも確認できるようクラウドで共有します。
  • 新入社員でも一定水準でイベント運営に参画できる仕組み作りは、今後の省力化とナレッジ蓄積にも直結します。

5. 毎回の振り返り・ナレッジ共有によるグレードアップ

  • イベント終了後はすぐに「良かった点」「改善点」を社内で共有し、次回に活かします。
  • 小さな気付きでも蓄積し、社内体制を柔軟に最適化していく姿勢が大切です。

現場の声:成功している工務店の事例

例えば、A工務店では毎回「振り返りシート」で全員一言ずつ反省点と提案を書き出し、ナレッジデータベース化することで、属人化や“前回やったことが分からなくなる”問題を解消しています。運営メンバーのモチベーションも高く維持されているそうです。

【ステップ形式】社内体制づくりのアクションプラン

  1. まず経営層とイベント担当者で意図・目標をオープンにすり合わせるミーティングを1回開催。
  2. 各部署から1名ずつイベント推進メンバーを指名。リーダー、サブリーダーを決定。
  3. 担当業務率分担表を作り、タスク一覧をGoogleスプレッドシート上で作成・全員が随時編集可能にする。
  4. 最低限の運営マニュアル(進行表、持ち物リスト)を用意し情報共有。
  5. イベント実施後2日以内に振り返りシートを全員提出。改善提案を一つでも反映させ次回に繋げる。

よくある疑問Q&A(社内体制編)

  • Q:大きな組織でなくてもこの体制は作れる?
    A:はい。人数が少なくても分担意識と情報共有を徹底すれば機能します。部署ではなく個人単位で役割を振り分けましょう。
  • Q:負担が特定の社員に偏らないか心配
    A:イベントごとに“ローテーション”や“サブリーダー”制を導入すると、役割負荷の分散・ノウハウの平準化が実現できます。

イベント×社内体制:成果を最大化する具体的な取り組み

せっかく苦労してイベントを行うなら、確実に「成果」を出したいものです。ここからは、具体的にイベントの準備段階・当日運営・事後フォローまで、どのような社内体制・仕組みを持つべきか、その具体的な手段と工夫事例をご紹介します。

1. イベント準備の段階で仕込むべき“勝ちパターン”

  • 過去参加者データ(OB顧客、未受注見込み客)を整理し、イベントごとに誰に・どんな案内を送るべきか事前にリストアップします。
  • 開催スケジュールは、繁忙期や周辺行事とバッティングしないか全社的に情報共有します。予め“年3回○月×日”など年間計画化すると社内にもお客様にも予定が伝わりやすいです。
  • SNSやホームページ更新など、集客担当を明確にし、ルーティン化できる投稿・更新業務を割り振りましょう。

2. イベント当日の“見える指揮系統”づくり

  • 現場が混乱しないために「当日リーダー」を限定し、全スタッフが誰に問い合わせれば良いか分かるようにしておきます。
  • 受付・案内・誘導・プログラム進行・お客様対応などを細分化し、全員が自分の持ち場と他のスタッフも分かるよう簡易マップとしてホワイトボードや配布資料で可視化します。
  • 急なトラブルには誰が一次対応・バックアップを担うか明記しておくことが、質の高い社内体制につながります。

3. フォローアップ体制で“見込み客”への次の打ち手を明確に

  • 「参加者リストを必ず回収」「その日のうちにお礼メール配信」「1週間以内にアフターフォロー電話を担当分けして実施」など、事後対応を仕組み化しましょう。
  • お客様の反応(アンケート・ヒアリング結果)もデータベース化し、以後の営業活動やイベント設計に活かせる体制をつくります。
  • フォローアップの進行状況が判るリスト(例:チェックボックス形式)を週次ミーティングで確認することで、対応漏れも減少します。

4. 人が育つイベント運営―リーダー“だけ”に頼らない仕組み

  • イベントごとに若手や未経験者にも小さな役割を割り当て、実践経験の場とすることで、組織内にナレッジと当事者意識を蓄積できます。
  • 月次や四半期毎の「全社共有会」で、イベントから得た成果・課題・面白かった工夫などを発表し合うことで“みんなでやる”社内体制が醸成されます。

5. 具体的な業務フロー例(イベント開催のタイムライン)

  1. 3か月前:イベント日程決定・体制メンバー選出・役割分担を明記
  2. 2か月前:集客計画(DM・SNS・WEB)、案内リスト作成・告知開始
  3. 1か月前:備品手配、プログラム・進行台本作成、全スタッフ説明会実施
  4. 1週間前:最終確認・シミュレーション・当日緊急時対応確認
  5. 当日:進行、トラブル対応、リアルタイムでの情報共有
  6. イベント終了後即日:お客様フォロー担当が決められた対応(メール・電話)を実行、結果を記録
  7. 1週間以内:全体振り返り、ナレッジ共有、改善策反映

イベント成功に直結した工夫事例(現場で“効いた”工務店の知恵)

  • 事例①:イベントごとにスタッフのナンバーカードを導入。お客様からの感謝・要望を番号でフィードバック。スタッフごとの改善にも役立った。
  • 事例②:会場設営をマニュアル化し、新人だけでも30分で設営できる“写真付手順書”を配布したことで、ミス激減・準備時間の短縮を実現。
  • 事例③:イベント後の営業フォローとして、「来場者へのサンクスメッセージ動画配信」を取り入れ、感動体験を演出し次回への参加にもつなげた。

【FAQ】現場責任者・経営者のよくある悩みと解決策

  • Q:イベント参加者が伸び悩んでいるときどうしたらいい?
    A:社内体制として“全員参加型集客”を掲げ、設計や現場監督など普段は営業に直接関わらないスタッフにも招待リスト作りや声かけに協力してもらうことで、“新たな人脈層”の発見が促進されます。
  • Q:イベント準備が定形化せず毎回時間がかかってしまう場合の対策は?
    A:過去手順や準備物品、反省点をチェックリスト化し、次回イベント直後に更新しておくことが有効です。社内体制として“イベント終了直後の反省会でマニュアルアップデート”を必須項目にしましょう。
  • Q:人手不足でも効率的に運営する方法は?
    A:一人で複数タスクを回せる“兼務例”や、外部スタッフ・協力業者への委託も検討し、社内体制図に明記することで、運営負担の均衡とリスクヘッジが実現できます。

イベントを継続的に成功させるための「次の一手」

ここでは、単発で終わらない“強いイベント”を実現し続けるための社内体制・考え方・効果測定・改善手順を詳しく解説します。

1. 効果測定で“やりっぱなし”を防ぐ

  • イベントごとに「集客数」「イベント後成約率」などのKPI(重要評価指標)を設定し、実数値を計測します。
  • お客様アンケートから「期待度」「満足度」「改善希望点」等のデータを回収し、次回イベントの企画段階で積極活用します。
  • 社内で“イベント評価ミーティング”を予定化し、事実データ・参加者の声・現場スタッフの感触を総合的に分析するのが、より強靱な社内体制につながります。

2. 仕組みとして“ナレッジ循環”を回し続けるコツ

  • イベントごとの報告書・写真・準備物リスト・反省点などを「イベントフォルダ」として社内クラウド上に一括格納します。
  • テーマごと(例:見学会・相談会・ワークショップ等)にナレッジを分類整理。次回以降誰でもすぐに参照できる形へ進化させます。
  • 全社的な“イベント勉強会”を定期開催し、「他の地域工務店・協力業者・外部講師」などから新しい成功事例・失敗談を吸収し続けましょう。

3. 継続的改善サイクル(PDCA)の“実効力”を高める方法

  1. Plan(計画):次回イベントの目的・KPI・スケジュール・タスク・体制を反省会で決める
  2. Do(実行):計画に従って各メンバーが主体的に取り組む
  3. Check(検証):成否データ・当日の課題・顧客の声を可視化
  4. Action(改善):得たナレッジを即時マニュアルや役割分担へ反映。次回チームへ必ず引き継ぐ

4. 中長期視点で社内体制を“進化”させる

  • 社内体制は“固定化”せず、社内・外部環境やスタッフの成長に合わせて絶えず見直しをはかります。
  • 新しい集客方法やオンライン化など、柔軟な発想を受け入れる“挑戦型体制”を目指しましょう。
  • 定期的人事ローテーションや兼務制度を取り入れ、業務の属人化・マンネリ化を防止するのも効果的です。

カスタマーサクセス(顧客成果)=社内体制の強さ

工務店イベントの最終目的は顧客満足、つまり顧客との強い絆づくり。その結果として売上やブランド力の向上が生まれます。社内体制がうまく機能すれば、社員一人ひとりが「お客様によい体験を」という同じ旗のもとで動くことができます。

【応用Q&A】更なる発展のための課題と回答

  • Q:新しいタイプのイベントを企画したい場合、どう社内体制を切り替えるべき?
    A:既存スタッフのワーキンググループを組み直し、“新規事業チーム”のような形でモチベーションが高いメンバーを主軸に再編成。必ず現場とバックオフィスが混合する形で体制を考えましょう。
  • Q:施主様・地域から新たな要望が出た場合の対応策は?
    A:イベント終了ページでアンケートをとり、要望事項を「次回イベント検討リスト」として全社ミーティングで議論。小さな声も拾い上げる体制が、次の集客・信頼獲得に直結します。
  • Q:社内体制の見直しタイミングはいつ?
    A:最低でも半年ごとに役割分担や社内ワークフローについてチェックし、全員意見交換の場で改善点を話し合うサイクルを構築しましょう。

まとめ

本記事では工務店経営者の皆さま向けに、イベントをひとつ上の成功へ導くための社内体制づくりを基礎から応用まで具体的にご紹介しました。まず目的の明確化、プロジェクトチーム組成、分担とタスク見える化、運営マニュアル化、効果測定とPDCAサイクルの徹底など、実践的な手順を一つひとつ積み重ねることが要です。どんな小さな会社・人数でもまずは“全員参加・全員情報共有”の意識から始め、負担やノウハウの偏りを防ぎましょう。振り返りとナレッジ蓄積を仕組みとし、社内体制を柔軟に成長させていくことで、イベントが経営成果へ着実につながります。「本記事を読んだ今」が最初の一歩です。最適な社内体制づくりに挑み、自社の未来を自信と誇りを持って切り開いてください。

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浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。 今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」 ※8月実施予定。 住宅サイトの運営もしています。 福島県 喜多方市出身 県立会津高校卒 市立高崎経済大学卒 著書: 頼みたくなる住宅営業になれる本 https://x.gd/oatiM SDGsに取り組もう 建築業界編 https://x.gd/MXYJr とっておきの見込み客発掘法 https://x.gd/001or 主な講演: 鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」 リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト) 育英西中学校 その他住宅FCなど 活動実績 2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア 2020~ 木ッズ絵画コンクール
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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
その他住宅FCなど

活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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