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人材コストを最適化する!工務店の利益向上

公開日: : 工務店 経営

工務店経営において、安定した利益改善を実現するためには、材料費や販売単価だけでなく人材コストの最適化が不可欠です。「人材コストが重く、毎月の利益確保が難しい」「人材コストを見直したいが、どこから手をつけるべきか分からない」そのようなお悩みを持つ経営者の方は多いはずです。この記事では、工務店経営者が直面しやすい採用・配置・スキル向上などにまつわる疑問に丁寧に寄り添いながら、利益改善のために即実践できる「人材コスト最適化」の手法を具体的なステップ形式でご紹介します。読了後には、経営判断に迷わず着手できる確信と、利益改善を持続するための実践力が身につく内容です。ぜひ最後までお読みください。

人材コストの「実践的」導入戦略:基礎から応用まで

利益改善に取り組む上で、まず押さえるべきは「人材コストがどこに、どの程度発生しているか」を構造的に把握することです。感覚値や前年踏襲ではなく、根拠を持った調整が業績に直結します。ここでは、人材コスト管理の導入〜応用までの具体的な流れを5つのステップで解説します。

1. 現状の人材コストを「見える化」する

  • 給与・残業代・賞与・社会保険料など、直接的な人件費だけでなく、福利厚生費・採用コスト・研修費なども含めて集計します。
  • 部署・プロジェクト単位ごとに人材コストを分解表化し、毎月の推移をグラフで可視化します。
  • エクセルや会計ソフトを活用。月度ごと・半年毎・年間の3段階で変動要因も明記しましょう。

2. 人材の生産性と利益構造の関連を分析する

  • 各社員の職種ごとに「売上貢献額」と「人材コスト」を割り出し、「一人あたり付加価値(売上-人材コスト)」を算出します。
  • パート・アルバイト含む全スタッフの役割を明確化し、工事受注・設計・現場管理など業務区分ごとに付加価値の高低を見極めます。
  • 部門・従業員別で「利益改善インパクト」が高い箇所を特定しましょう。

3. 血肉となる目標設定とKPI(重要成果指標)を定める

  • 例:現場管理担当の人材コストを前年比10%低減、設計部門の生産性を20%向上など、成果を「数値」で明記します。
  • KPI例:「労働分配率」「受注高人件費率」「従業員一人あたり粗利益」など、経営上見逃せない指標を設定しましょう。
  • 設定したKPIは月次・四半期ごとに管理チームで進捗確認し、原因分析までセットで行います。

4. 戦略的人員配置・業務分担の最適化

  • 繁忙期・閑散期で人員のシフト制を組む、外部パートナーや業務委託の活用を検討します。
  • 一人当たりの業務範囲を洗い直し、「属人化」や「重複作業」「不要業務」を早期に撤廃。
  • 設計・営業・現場監督など職種ごとに最適人員数のシミュレーションを行い、過剰採用や人手不足の兆候を見逃さない体制を整えましょう。

5. IT・ツール活用による間接コスト削減

  • 工程管理や見積作業のデジタル化、勤怠管理や経費精算システムの導入により、定型的な間接作業を効率化。
  • チャット・グループウェアなどのコミュニケーションツールで情報共有のロスを削減します。
  • 導入費用対効果や操作教育の仕組み化も事前に計画しましょう。

以上5つのステップを軸に自社の人材コストの実態を正確に把握し、利益改善に直結する基盤作りを進めてください。次章では、成果を最大化するための実践施策を詳しく解説します。

利益改善×人材コスト:成果を最大化する具体的な取り組み

基礎的な人材コスト分析が完了したら、いよいよ利益改善に本格的に着手します。ここでは工務店が現場で実践しやすい3大アクションプランを提示し、加えて多く寄せられる関連疑問をFAQで一挙に解説します。

ステップ1:スキルと成果に応じた評価制度を構築する

  • 属人的な評価や年功序列を排し、業務効率・チーム貢献・現場課題の解決度など「客観的な成果実績」で報いる制度を設計します。
  • 例えば「現場クレーム減少率」「工事完了工期遵守率」「粗利益達成度」等、会社の利益改善に直結する成果を基準とします。
  • 昇給・インセンティブ・表彰を連動させ、やる気と業績を連鎖させる運用を徹底してください。

ステップ2:無駄な人材コストを抑制する外注・パート活用戦略

  • 繁忙期の一時的な作業や、専門スキル不要な業務は積極的にパートや外注先へシフトします。
  • 内部人材のスキル成長を妨げない範囲で、外部リソースを組み合わせることが利益改善には有効です。
  • パートや業務委託でも「業績連動性」を部分的に採用し、固定コスト増大を回避します。

ステップ3:社員教育・OJTで労働生産性を底上げする

  • 新人・若手社員へのOJT(現場実務指導)、中堅社員には「課題解決型研修」などキャリア段階に応じて教育プランを明確化。
  • 資格取得サポートや定期ローテーション制度も交え、多能工化・業務の平準化を推進します。
  • これにより限られた人員で最大成果を生み出す“多能工型組織”へ転換できます。

Q&A:人材コスト最適化にまつわるよくある疑問

  • Q1. 社員を減らす以外の利益改善手段は?
    A. 単に削減するのではなく、社内業務の「自動化」「分業」「外部化」を駆使すれば社員一人あたりの生産性向上=利益改善につながります。
  • Q2. 若手離職が怖い、コスト抑制と両立できる?
    A. 正当な評価軸とスキルアップ機会の提供があれば、抑制しつつ社員の納得感が得られます。コミュニケーションの質向上も必須です。
  • Q3. どのくらいの期間で効果が出る?
    A. 間接コスト削減や評価制度改善は半年~1年、業務分担や外注活用の効果は3カ月程度で数字に現れやすいです。
  • Q4. どこまで外注・委託化しても大丈夫?
    A. 顧客に直結する領域(商談・設計・施工監理)は自社管理が基本ですが、検温・伝票入力・経理補助など「定型作業」から試すとよいでしょう。

以上の施策を丁寧に組み合わせることで、利益改善は一過性ではなく「工務店の企業力そのものを底上げする」好循環型の仕組みとなります。

利益改善を継続的に成功させるための「次の一手」

人材コスト最適化による利益改善を一時的に終わらせず、持続的経営へ昇華させるためには、定期的な効果測定と改善サイクルが欠かせません。ここでは、定着させる仕組みと新たな課題への応用について詳述します。

1. 月次・四半期ごとの「人材コスト×利益」モニタリング

  • 各部署毎の「人材コスト推移」「実績利益率」「KPI進捗」など主要データを経営会議の定例アジェンダにします。
  • 前述の分析ツールやグラフを用いて、パフォーマンスの良し悪しを“見える化”し、改善余地を数値で特定します。
  • 異常値・傾向変化には必ず「原因・対処策」を明記し、PDCAサイクルを構築しましょう。

2. 「利益改善プロジェクト」チームの設置と自走型組織化

  • 経営者単独だけでなく、現場リーダーや各部門責任者を巻き込んだプロジェクト体制に刷新します。
  • 現場視点での課題掘り起こし→解決策の提案→実行→振り返りまで一貫したサイクルを自社文化に根付かせることが重要です。
  • 社内報告会・発表会など“気づきの見える化”を習慣化し、全社で利益改善意識を高めましょう。

3. 業界・時流を捉えた柔軟なコスト最適化策の追加導入

  • 建築業界ではIT化・リモートワーク・少人数現場管理など、各種の「働き方改革」が進行中です。
  • 新技術や他社事例を敏感にキャッチし、時には外部コンサルやジョブ型雇用制度の局所導入等も検討してみましょう。
  • 定期的な勉強会や外部研修を活用し、組織の“柔軟性”と“適応力”を担保します。

4. KPIの見直しとリーダー育成による利益改善サイクルの深化

  • 事業の成長・変化に応じてKPI(例:新規受注率/利益率/一人当たり生産性等)も半年〜1年ごとにアップデート。
  • 次世代リーダーとなる社員の発掘・育成に早期から着手し、小集団活動やプロジェクト単位のリーダー任命で現場力を高めます。
  • リーダーには「利益改善の価値」と「人材コストを経営視点で考えるマインド」を徹底的に教育してください。

これらの取組みを続けることで、人材コストの最適化による利益改善は組織DNAとなり、外部環境の変化にも揺るがない経営体制が確立します。小さな成功体験を積み重ね、それを“仕組み”として社内で共有・拡大していくことが王道です。

まとめ

工務店経営の現場では、利益改善と人材コストの最適化が表裏一体の課題です。本記事では、現状把握から分析・KPI設定、柔軟な人員配置や評価制度改革、数字に基づくPDCAサイクルまで、一連の具体的ステップを詳細に解説しました。これらのアクションは「今すぐに」着手でき、1年後には経営指標に確かな改善をもたらすものばかりです。人材コストの見直しと利益改善施策を同時に進めることで、社員の成長・やりがいと企業の持続的発展が一致します。ぜひ今日から一つ一つ行動に移し、時には試行錯誤しながらも、貴社の未来をより確かなものへと切り拓いてください。継続的な取り組みこそが大きな成果の礎です。皆さまの力強い実践を心より応援します。

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浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。 今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」 ※8月実施予定。 住宅サイトの運営もしています。 福島県 喜多方市出身 県立会津高校卒 市立高崎経済大学卒 著書: 頼みたくなる住宅営業になれる本 https://x.gd/oatiM SDGsに取り組もう 建築業界編 https://x.gd/MXYJr とっておきの見込み客発掘法 https://x.gd/001or 主な講演: 鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」 リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト) 育英西中学校 その他住宅FCなど 活動実績 2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア 2020~ 木ッズ絵画コンクール
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この記事を書いた人

浄法寺 亘

工務店の社会貢献やSDGs、国産材利活用を応援する「コミュニティビルダー協会」代表理事。
今動いているプロジェクトは「木ッズ絵画コンクール」
※8月実施予定。
住宅サイトの運営もしています。

福島県 喜多方市出身
県立会津高校卒
市立高崎経済大学卒

著書:
頼みたくなる住宅営業になれる本
https://x.gd/oatiM
SDGsに取り組もう 建築業界編
https://x.gd/MXYJr
とっておきの見込み客発掘法
https://x.gd/001or

主な講演:
鹿児島県庁主催「かごしま緑の工務店研修会」
リードジャパン主催「工務店支援エキスポ」(東京ビックサイト)
育英西中学校
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活動実績
2019~ 千葉県にて里山竹林整備ボランティア
2020~ 木ッズ絵画コンクール

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